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月魚
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月魚の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.94pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全77件 41~60 3/4ページ
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主人公の二人の微妙な距離感が絶妙ですね。 夏のプールの雰囲気もすごくいい。 夏の終わりに読んだけれど、夏、花火、スイカ、 プール… やっぱりこれだ! 三浦しをんさんの作品はこれで2冊目ですが いい雰囲気を醸し出す方だと思います。 | ||||
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真志喜は祖父から受け継いだ古書店、無窮堂の主人。そこへ幼馴染でもあり同業者の瀬名垣がたまに顔を出す。 二人とも近くでありながら微妙な距離を保ちながら。 透明で水の中のようなゆらめき。人の心もゆらめきつつ過ぎてゆく。 BLっぽい。でも、BLとまではいかないんじゃないかな。この距離感。 嫌悪するほどではきっとない。 お互いが補完しあってるような気がする。 面白い小説だったと思います。二人の罪悪感、お互いに遠慮している部分とか。 しめった感じがとてもする。その湿り気が読み進めることをせかすというか。 | ||||
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雰囲気が高評価のようですが、 雰囲気のロマンチック感もともかくとして 物語の展開が面白いてす。 あの事件は実のところ 甘ったれ親父に言い訳を与えたあげくに 残りの家族や倅の友情までぎくしゃくにしてしまった事故だったとおもうのですが、 彼等の神経質な思いやりのような行き違いのような 精神的ゴチャゴチャが 非常にきれいに明解にほどけて行き、 ついには甘ったれ親父とガチ勝負を繰り広げる、 その勝負の迫力であるとか、展開や結果が 物語として面白かったです。 | ||||
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初めて読んだ三浦しをんの作品がこれでした。 真志喜と瀬名垣の微妙な距離感が細かくてでも色鮮やかな描写で彩られてて、読んでいて不快感は無かったように思いました。 どちらかといえばジャンル的には長野まゆみあたりに入るのかもしれないですが、直説法ではないので、何でも読める方ならば一度は試してみるべきだと思われます。 直木賞作家の名に恥じない作品だと思われました。 | ||||
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『月魚』という題名がぴったりの小説。 深海を流れるような、とにかく暗闇をぼんやり月明かりが照らしている静かで冷たくて、でも暖かい感じ。 文章にこだわりを持っているのか、前半はなんとなく読み辛いというか物語に集中できない。ダラダラしてる。 あと、科白がいちいち古くさいというか、あえてBL臭さを狙ってきている感じがして、それが最後までいただけなかった。 ところどころにハッとさせられるような表現がある分、惜しいなと思った。 あとは個人的な意見だが、書き下ろしの『名前のないもの』は無いほうが良かった。 まああれは作者が遊びで書いたんだろうけど。 あと、あさのあつこのあとがき。正直うんざりした。 そういう感想はブログにでも書けば?って思います。 この小説の嫌な部分を寄せ集めたようなあとがきで、私は読んでがっかりした。あさのあつこの作品は読んだことないけど。 | ||||
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偉大な祖父と有能な孫。その間から、去らざるを得なくなった父親。 それが、主人公の真志喜を貫く縦糸になっている。 真志喜の横糸は、幼馴染の瀬名垣との間でもつれている。 瀬名垣は真志喜の父親を追い出した罪を思うからこそ、近づけず。 真志喜はその罪で瀬名垣を繋ぎとめている引け目から、近づけず。 大手を振って愛し合える人々だけでは、愛することのもどかしさやじれったさや、それでも愛さずにはいられないひたむきさを描くのは難しいのだから、ここはもうBLも仕方がない。 静謐で濃密で耽美な空間設計がなされている本編は、官能は梅一輪ほどに匂う。そこに、2人の高校時代を描いた「水に沈んだ村」が加わることで、まさに2人の関係性が「名前のないもの」に還元される気がした。 通り過ぎた季節を思い出しては青臭さに面映くなるけれど、安易に名付けたくない、そんな大事なものがある。そういうかけがえのない綺麗なものを抽出するのが、作者はうまい。 読み終えて再び本編に戻ると、ますます主人公達の関係性の変化が微笑ましく見えた。 | ||||
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耽美の世界だ。 騒々しく、せわしなく、色気の無い現代を思い出させるものはすべて、注意深く取っ払ってある。作者の狙いは見事に当たり、初めのうち、いつの時代の話だろうと首をかしげた。月光、夜の菜園、古い池、朝もやの農道等々、情景が鮮やかに脳裏に浮かんでくる。 必然的に、ストーリーにリアリティは薄い。主人公二人の間のわだかまりの原因になった過去の事件など、こじつけめいていて、それほど苦悩するようなものとは思えない。一番苦しんだのは、真志喜の父親だろうが、二人に比べて影は薄い。 よくも悪くも、少女漫画の世界。好き嫌いは分かれるだろう。わたしは面白かった。 | ||||
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まず…あの冒頭はないでしょ。 「姑獲鳥の夏」のパロディかと思った。 「まほろ…」同様に、物語に集中できるのは後半から。 そして「まほろ」より登場人物に個性がないので、本当につらい。 真志喜のありふれすぎたキャラ設定。夏・蝉・標本…これまた良くある狂気的なノスタルジア。 特に気になったのが、瀬名垣の個性について。 「明るく才能があり人好きされる」とそう何度も説明せんでも、作中にエピソードも散りばめているんだから良いんじゃありませんか? 生きている感じがしたのは、真志喜の父親くらいかな。 葛藤しているのに、主人公二人は人形のようだった。 ボーイズラブに持ち込もうとする気配も苦手。 ただまあ、ボーイズラブが好きで、人形のような少年(と言うか青年だけど)がノスタルジックな舞台で動き回るのが好み。 って言う人は、単純に面白いと思います。 私個人としては「水に沈んだ私の村」の方がずっと面白かった。 イチ教師の、凡人さゆえの醜さが、若々しい生徒達と良い風に対比されていて。 あと… 本編ではないので、難癖つけるのもどうかと思いますが。 ライトノベル級のあとがきは、やらない方が懸命では? あまりの腐女子ノリに、さわやかな読後感を見事に蹴散らされました。 | ||||
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つるっと表面をなでていくと、淡い雰囲気漂う中に、登場人物の過去の確執、葛藤からの脱却がテーマかと。 日本情緒漂う雰囲気、埃っぽそうなどこか懐かしい感じ、ツボでした。 だけど、残念ながら腐った観点から読ませて頂くと色々な妄想を掻き立てられます(笑) 女「昨夜はよくお休みになれました?部屋が寒かったかしらと気になっていたんです」 瀬名垣「いいえ、熱いぐらいでしたよ」←真志喜の蹴りが入る。 いいですねぇ……。 俗に言うボーイズラブが苦手な方は、嫌悪感を抱くやもしれません。 ご注意ください。 | ||||
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現代をそれも古書店という一見地味なものを舞台にした小説は、手にとったときは正直懐疑的でした。 ひとつの出来事が真志喜と瀬名垣との関係をそれまでにただただ仲の良い子供の関係から、片方の人生を変えてしまったことへの意識と返られてしまったことの意識を元に、一見変わらないように見えながら、根本的に変化してしまいます。 遠慮と罪悪感と愛情と。 濃密かつ深く漂うテイストは独特のものです。 引き込まれます。引き込まれたらもうとりこです。 没入できなければ、ただの男同士のぎりぎりの友情にしか見えず薄く感じることでしょう。 そんな薄っぺらな受け方をせず、ここはひとつ月光の中、彼らの世界に取り込まれることをお勧めします。 | ||||
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友人にオススメされて読んでみたんですが、とても楽しめました。 三浦さんの作品は初めて読むのですが、文体も難解じゃないので読みやすかったです。 BLを匂わせる場面がありますが、露骨な表現はないので、BL風味な一般小説といった所でしょうか。 BL好きな方はもちろん楽しめると思います。 夜の月、木々の影、土の匂いを含む心地よい風。 そんな雰囲気。 (舞台もそんな感じなので) ゆっくりと時間を刻むような田舎に行きたくなりました。 | ||||
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「月魚」という言葉からして心をときめかすものがあります。 古書店「無窮堂」の店主・真志喜と幼なじみの瀬名垣との微妙な心の揺れが描かれている。その関係性が、古書を周縁にめぐらせて展開していく物語が興味深かった。 月の光に照らされてどこかモノクロっぽい世界のようで、人の心を虜にしてしまうような現実味の薄い真志喜だが、熟れたトマトを腐っているけどと言いながら 瀬名垣に差し出したり、廃車になるボロトラックを瀬名垣にゆずると言ったり、そこがみょうにリアルで、そのはずし方が面白かった。 デコラティヴな解説は無かった方が良かったのでは? | ||||
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「夏」という言葉から連想される情景に思い入れなどがある方にはたまらない一冊だと思います。 「水底の魚」のクライマックスの描き方や「水に沈んだ私の村」の花火のシーンは最高。 「水に沈んだ私の村」は「水底の魚」での登場人物の学生時代の話ですが、こういう学生生活送ってみたかったと正直、羨ましく思いました。 皆さん仰るように「BL」といった要素を仄めかすようなやり取りはちらほら出てきます。(作者はそれを分かった上で『程度』を計算していると思いますが) それに対して軽く笑い飛ばせるなら是非一読して頂きたいのですが、あざとさを感じて嫌悪感を抱いてしまう方には確かに辛いかもしれません。 主人公のニ人が子どもでなく、成人を果たしていることもその一因ですね。 ただ、それで手を引いてしまうにはもったいないとだけ言っておきます。 月光を浴びる鯉や湿った匂いを漂わす書物、プールに投げ込まれる西瓜や校舎の屋上から見える花火など・・・作者の偏愛のようなものに強く共感し、物語に引き込まれました。 多かれ少なかれ、おたく文化や作者の嗜好への先入観が読者を過敏にしてしまい、物語の本質に触れさせる前にふるいにかけて二極化してしまっているのは複雑に思います。 なお、単行本化にあたって「水底の魚」の後日談「名前のないもの」とあさのあつこ氏の解説を収録。 この後日談は…私には作者の軽いお遊びのように思えました。 だって瀬名垣があんな爆弾発言を…(笑) | ||||
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ここ何作か三浦さんの本を読んでますが、 これを読み終わって、ようやくこの方はストーリーテラーではないとわかりました。 雰囲気で読ませてくれる人だったんだと。でも面白かったです。 古書店業界のことを知らなかったので、そのへんの興味もあり、ぐいぐいと引き込まれて読みました。 ただ、残念だったのは、読んでて主要な登場人物が、 三浦さんの既読の小説の主人公達に似ていたということでした。 あまり沢山のパターンはないのかもしれないな、と思いました。 加えて、主人公のもっている悩みが、それほどたいそうなものに思えなかったのと、 父親との対峙のシーンが、ありきたりだなあと思ったことでした。少し浅いかとも思いました。 父親の人格がステレオタイプではなく、もっと血肉のかよった人間だと深く掘り下げられたら、 主人公の父親に対する思いも、もっと複雑な感情を文中に滲ませられたら、 これはすごい話になったんじゃないかと思いました。 これまで読んだ話と比べて、これは随分と話のポイントが明確に絞り込まれていたので、 読みやすかったです。ただ…短編2作はいらなかったと思います。ありきたりですし。 ★四つかと思いましたが、短編がいただけなかったので三つで。 あと、私はBLに抵抗がないですが、二人の関係を臭わせるではなく、 どちらかにはっきりさせた方が、変なもやもやはなくなるかと思いました。 もやもやも計算かもしれませんが、このストーリーに関してはいらないと個人的に思います。 どなたかがレビューにも書かれていましたが、主人公が動いているのが想像できないと いうのは、今回は気になりませんでした。 雰囲気で話を進められているので、動いている人を意識してないのかなとも思いました。 そして読んでいる人間が理解するのに時間がかかるものの例えはやっぱりいただけないです。 文章は流れだと思うので、へんにこねられたもので寸断されたくないです。 新しい話から古い話にさかのぼって読んでいるので(過去のそのへんの印象は忘れました) 新しい話はそうでもないのかもしれません。 | ||||
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幼馴染というには、単純すぎる説明の、二人のながきにわたる、友情、それ以上の感情が淡々とではあるけれど、とてもすてきに描かれていて、久しぶりに本当に面白かったです。 なんの予習もなく(本屋さんで偶然みつけました。三浦しをんさん自体もそのとき始めてみつけました)読み始めたときには、なんとなく、京極夏彦さんぽいって思ったんですけど、全然違って、二人の思いや、心の変化。殺人や大きな事件、事故ではないけれど、人生においてのすごく大切な出来事をのりこえて、成長し、前向きに生きていく様子がとても、じんわりと心にひろがりました。 この本に出会えてよかったです。 何度も読みかえしたい一冊です。 | ||||
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物語の全体を通して流れる、透明で瑞々しい雰囲気にやられました。 主要人物二人の間に漂う、どこか官能的な雰囲気。所謂、『ボーイズラブ』みたいな雰囲気に嫌悪感を覚える方もいらっしゃるとは思います。 しかし、古本屋『無窮堂』を中心に回る人間の繊細でもろい心を描いたこの本は、それすら飛び越える魅力がある!!と、私は思っています。是非ご一読を。 | ||||
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他の方のレビューを読んで、BLはどうかなあ……と思っていたのですが、はまりました。 男の人二人を中心とした話なのですが、お互いがお互いのことを思いあってるのが伝わってきて、とてもきれいです。「きれい」って表現が似合う作品なんですよね。暗い部分もたくさんあるんですが、それをも超える幻想的な光があります。これは、読んでみないと分かりません。 私はとても好きな世界観でした。 | ||||
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この作品が苦手っていう人は、BL的な要素を感じとってだと思います。 (におわせているだけで実際にそんなシーンはないんですけど) BLがダメっていう人にはお勧めしませんが、別に気にならないって いう人にはおすすめです。 解説をあさのあつこさんが書いているのもいいですね。 月の光のように心の中に思いがしみこんでくるって感じでした。 まほろ駅前多田便利軒とか風が強く吹いているがよかったって言う人は ぜひ。 | ||||
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友人に面白いよと勧められ読んだのですが…。 図書館学を少しだけ勉強している身としましては、本文中にある図書館批判がどうしても許せませんでした。 図書館に本が渡ることによって「死んだ本」とされるのは少々遺憾です。 あと作品内にボーイズラブ的な部分があるのですが、そういうものを本書に求めていない場合「あ、ちょっと私は駄目かも…」と思われるかもしれません。 | ||||
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ロマンス小説…などは、テンションが高い女性が、ありのままを飾らす暮らしているそんなイメージでした。ただ、瑞々しさがあった。生きているっていうか…。 月魚は、薄い蒼いガラス越しの世界でした。いつまでたっても親友でいてほしい(親友を超えてるのか??)そんな2人の話。 | ||||
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