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(短編集)
灰色の北壁
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灰色の北壁の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.12pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全26件 21~26 2/2ページ
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≪「ホワイトアウト」から10年。渾身の山岳ミステリー≫と帯に有りますが、「ホワイトアウト」の様な本格冒険ミステリーを期待すると肩透かしを食らいます。ただ、さすがに真保裕一だけあってどれも山を舞台にしたちょっと感動もののミステリーとなっています。3編の中では最後の「雪の慰霊碑」が一番と思いましたが、3人の主人公の思いが今一歩伝わってこない。もうちょっと長く掘り下げて書いてほしいなと思いました。やはり、山岳小説は新田次郎の「孤高の人」(かなり古いか?)や夢枕獏の「神々の山嶺」(得意の超伝奇バイオレンス小説ではありません)の様にピュアで骨太でストレート一本勝負でないと…。 | ||||
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「なぜ山に登る?」「そこに山があるから」これは有名な言葉だが、この作品を読むと、まさにその言葉どおりの世界が広がっていた。自然の大きさから比べると、人間は本当にちっぽけな存在でしかない。だが、人はその雄大な自然の一部でもある。人は山に登ることでそのことを感じ、そして自分を再生していくのではないだろうか。この作品に登場する者たちも、それぞれに自分を見つめなおしていく。山と、それに関わる人たちの悲しみや苦悩がとてもよく描かれていて、楽しめる作品だった。 | ||||
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■『ホワイトアウト』の著者の山岳ミステリー新作が登場。3つの中編を収録している。 ■「黒部の羆(ひぐま)」は、大学の山岳サークルのライバル2人が遭難しそれを助ける無骨で屈強な山男の話。過去と現在が交差し、巧みなどんでん返しの趣向が味わえる。 ■「灰色の北壁」は、ヒマラヤのカスール・ベーラを北壁から単独登頂した刈谷修が描かれる。彼が山頂で撮影した記録写真は合成ではないかという疑惑が提示され、糾弾される。しかし刈谷はなぜか沈黙を続けた。ラストでそれは先輩クライマーへの深い敬意と、その妻を愛したことへの贖罪の念が入り混じった故であることが分かる。世の移ろいや人生を見つめた作者の心情が伝わり、感動がひろがる。 ■「雪の慰霊碑」には遭難で死んだ青年を思う父と婚約者と従兄弟が登場する。父は息子が命を落とした山に、あえて死を決意して登るのだが――。三者の心が雪山で交錯するクライマックスが見事だ。 ■いずれも凝った趣向が施され、意外な真実が読了後に浮かぶ。そして読者を包み込むような雄大清冽な視点が3作に共通して流れる。これこそ小説の醍醐味なのだ。 | ||||
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3編の山にまつわる短編が収められた本。引退した元山岳救助隊、前人未踏の断崖を制覇した登山家と彼の「疑惑」に関わる作家、山で遭難した息子の命日に雪山に登る素人の父親。登山未経験の僕からすれば、なぜあえて過酷な環境に挑むのか理解できない部分はありますが、本書は、そんな登山未経験の僕でも、どきどきの冒険気分が味わえました。(あえて「自分もやってみよう」とまでは思いませんでしたが・・・)個人的には1作目の「黒部の羆」が一番楽しめました。「おや?」と思い「そう来たか!」と膝を打ち、読み返してみること必至です。いや、よく出来ています。 | ||||
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帯の「ホイトアウト」・・・とは山だけが関連しています。(念の為) 山をモチーフにした3篇で構成されたミステリー?になっています。 登山に興味の無い方(自分も含めて)には、死と隣り合わせなのに、何故そこまで山に拘るのか理解に苦しむところがあるのですが、3編を通して、大自然を前にした時の人間の弱さ、無力さを再認識する為に登山をするのかなと思わせてくれます。 | ||||
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「黒部の羆」「灰色の北壁」「雪の慰霊碑」どれも読みごたえがあるが、中でも表題作が白眉。 かつてスキャンダルとして話題を呼んだトモ・チェセンのローツェ南壁登攀疑惑の実話を焼き直しただけの作品と思いながら読み進めたが、さにあらず。小説としての落としどころは見事。ははあ、そういうオチだったか…。特にソロクライマーの心理描写が巧い。山野井泰史や長谷川恒男、小西政継などの登攀記に引けを取らない。もっと枚数を費やしてもよかったのでは。ちょっともったいない気がする。 | ||||
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