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疫神



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【この小説が収録されている参考書籍】
疫神 (単行本)
疫神 (角川文庫)

疫神の評価: 3.15/5点 レビュー 13件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.15pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全5件 1~5 1/1ページ
No.5:
(5pt)

コロナ前、鳥インフルの人への感染が確認される前に読んで居た本。

コロナ禍が始まる前に文庫本で購入して読み、感染症が広まる危険性、その仕組み等はこの本から知ったレベル。 そして数年後、コロナ禍発生、まるでこの事を予期していたかの様だと感じました。 今年になってカンボジアで鳥インフルの人への感染等も有り益々著書で語られている内容に近づき驚くばかり(但し内容は鳥じゃなかったですが)。 内容的にはちょっと特殊な人種が出てきます、その設定を受け入れられるかどうかで作品に感じる内容が変わるのでは無いかと。 物語の構成自体は長い腕シリーズ等著者のこれまでの作品を読んで「良い」と感じられた方なら楽しめるかと思います。 一応誘神の続編にあたりますので先に誘神を読むことをお勧め、但し続編と言っても・・・ってこれ以上はネタバレになりそうな気がしたので此処までで。
疫神 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:疫神 (角川文庫)より
4041044863
No.4:
(4pt)

続いて「誘神」もぜひ読んで下さい

「誘神」と「疫神」はまったく別のお話ですが一応シリーズものと言えると思います。そして、自分はたまたま先に続編の方の「誘神」から読み出してしまいました。2作品に共通しているのは、大変な感染症が世界に蔓延しかけて人類存亡の危機になるが、一般に知れ渡る前になんとか食い止められること。「誘神」は東南アジアから始まった奇病(一応インフルエンザと呼ばれているが別物)だったのに対して、こちらはカビです。

3つのエピソードが同時に進行していきます。まずひとつは、アメリカのCDC(実在する組織でアメリカ合衆国疾病予防センター)の感染症専門家エミリーを中心としたもの。彼女はアフリカのケニアで、オレンジ色のカビが体中に巣食い人間を死に至らしめる病と出会い、その事情をよく知っているらしい日本人研究者、向井博士を追って日本にやってきます。
2つめは、長野県の小さな町に住む一家の話。まだ幼い長男桂也には赤い光と青い光が見えます。青い光を帯びたものは良いもの、赤は悪しきもの。桂也は、それはどうやら自分にしか見えていないらしいと気がつきます。ある日、赤い光のものがだんだんと増えていくことに気がついた桂也ですが、服も皮膚も真っ赤な人がうちへ歩いてくるのを見てしまい・・・。
3つめ、北欧言語の翻訳家、二海士郎と美砂、そして赤ちゃんは田舎で平穏にひっそりと暮らしています。訪ねてくるのは担当の編集者ばかり。彼らにはある特殊な能力があり、そのためにリスクを避けて隠遁するように暮らしていました。ある日とうとうその能力が露見してしまい、3人は逃走しなくてはいけないはめに。
これら3つのお話にからんでくるのは、エミリーの知り合いでアメリカの大学院で歴史学を研究し、人類の歴史と疫病、進化の関係を突き詰めようとしていた安曇貴史。そして、この人物だけが「誘神」「疫神」の両方に登場し、中心的な役割を果たします。

結局,エミリーが追っていた向井博士とは何者だったのか、最後にその正体が明らかになると同時に、3つのエピソードがきれいにまとまります。先に「誘神」を読んでいたので、ああ、これはあそこに繋がるのかなと漠然とわかったので、納得して読んでいきましたが、お話全体の進行がゆっくりしていることもあり、じりじりする人もいるかもしれません。かといって続編を先に読むことをおすすめするかと言えば、やはり順番通りに読んだ方がいいかも、どちらとも言えません。ただ、これを読んだら必ず「誘神」を読むことをおすすめします。ここで提起された問題を、安曇貴史が、作者が、どのような説に導きたかったのか回答が出ています。人類の進化にポイントを置いた話ですが、視点がとてもユニークだと思います。
疫神 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:疫神 (角川文庫)より
4041044863
No.3:
(5pt)

単行本よりも文庫本は値段が安く、手軽で読みやすい

本作「疫神(やまいがみ)」は、最初は3年ほど前に単行本で読ませて頂きました。単行本で「疫神」を読ませて頂きたときは☆2つでした。「長い腕 Ⅰ」「Ⅱ」を読ませて頂いた後なので、正直期待外れでした。しかし、「疫神」から2年後に続編的作品「誘神(いざないがみ)」が発表され、期待せず読ませて頂くと実に面白かった。再度「疫神」を読ませて頂くと、「誘神」とつながる点もありハマってしまいました。今回文庫本という形で刊行され即購入致しました。何度か読ませて頂いたストーリーなのに、自分の勘違いを見つけることが出来たり、新しい発見をすることが出来ました。単行本と違い値段の安さや持ち運びの便利さ、手軽で読みやすい等とても良かったです。ストーリーは、タイトルから勘違いしやすいかも知れませんが、パニックものとは違う気がします(読まれた方それぞれの取り方次第ではありますが…)。幼稚園に通う男児と産まれたばかりの妹、その曾祖母の項と、乳飲み子を持つ夫婦の項、アメリカ人の女性研究者と元同僚の日本人男性の項の3つの話しで物語が進められていきます。別々の話を「オレンジカビ」というものが最後1つにつなげます。私個人としては、読み返すたびに感動、どうしようもない切なさを感じています。単行本時には☆2つだったものから、文庫本で☆5つにさせて頂いたのは、「誘神」の刊行あってのことなのですが、私は良い作品を読ませて頂いたと思っています。今後も川崎作品がどんな形で、どんなストーリーで私たちを楽しませてくれるのか楽しみにしています。
疫神 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:疫神 (角川文庫)より
4041044863
No.2:
(4pt)

ちょっともったいないですが

アフリカで発生したオレンジカビによる感染症の原因を追うアメリカ人女性科学者の話、不吉な“あかいひかり”が見える幼稚園児の話、“あの人”に接近すると衝動的に殺意が湧いてしまう特殊能力を持った夫婦の話という、全く接点の無さそうな3つの話が並行して進んでいく。
3つの話とも非常に謎めいており、いったいこの3つがどのように交わっていくのか興味深く、序盤はとてもワクワクした。

しかし残念ながら、この展開ならもっと恐ろしく、もっと面白く出来たと思うのに、ラストの方で思いのほか小さくまとまってしまった。これは氏のデビュー作である『長い腕』もそうなのだが、読者の方が怖がる準備が出来てるくらい不気味な雰囲気をまとった流れを作っているのにもかかわらず、作者の方がわざと怖くなくしてしまっているように感じるのだ。途中まで、とんでもない傑作になるオーラをまとっていただけに、この尻すぼみはもったいない。

特に特殊能力を持った夫婦の話はもったいない。とても魅力的で謎めいた話なのだが、これならばこの作品には入れずに別の作品として書いたほうが良かったのではないか?と思えるほど、今回の話に必要なエピソードとは思えない。絡ませたいならば、もう少し長くなってもよいから夫婦の赤ちゃんのその後を丹念に描くべきではないかと思う。

でも川崎草志さんの思い描く世界観は興味深い。これだけのアイデアを持ち、不気味な雰囲気のある文章を書けるのだから、ラストの精度さえ高くなれば大傑作を書けるのじゃないかと期待したい。今回は今後への期待も込めて☆4つ。
疫神 (単行本)Amazon書評・レビュー:疫神 (単行本)より
4041104971
No.1:
(4pt)

前作より面白い

前作「長い腕」より面白い。
パンデミックものでホラー小説。
3つの視点から物語は交互に進むが、特に桂也側からの物語がじわりと怖くて惹き込まれた。
残念なのは、大きく広げた物語が、ラストで意外に小さくまとまって終わってしまったこと。
上手く終わらせてはいるのだけれど、ここまで面白かっただけにもったいない。
疫神 (単行本)Amazon書評・レビュー:疫神 (単行本)より
4041104971

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