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仏果を得ず



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【この小説が収録されている参考書籍】
仏果を得ず
仏果を得ず (双葉文庫)

仏果を得ずの評価: 4.49/5点 レビュー 91件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.49pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全91件 61~80 4/5ページ
No.31:
(5pt)

今度は芸の世界が舞台

生活の全てを捧げて一生懸命に取り組んでいる人は魅力的です。
たとえそれが、文楽人形浄瑠璃の世界であってもそれは同じことでしょう。
活躍の舞台は数あれど、「風が強く吹いている」では駅伝、「神去なあなあ日常」では林業と
いわゆるメジャーどころとは一歩離れた舞台を描き、そしてみごとにその世界を書き上げ、読者を引きこませる三浦さん、さすがです。
今回の「仏果を得ず」も、ご自身が大の日本芸能好きということで執筆にあたり念入りな取材とインタビューとあふれんばかりの愛が込められており、
浄瑠璃なんて一度もみたことは無い私でも、面白くてグングン読めたのはそういった裏打ちがあったからこそではないでしょうか、と思います。

浄瑠璃とか、あんまり興味ないな。良く知らないし…と思って敬遠してる方、ぜひぜひ一度読んでみて下さいませ。
序盤から引っ張られてあれよあれよと終盤まで読んでしまいます。
文楽の古典は知らなくても、主人公の健はじめとする相方や師匠のキャラの濃さと魅力だけでも十分読めます。保証します。

そして、この一冊で浄瑠璃のお話に興味をもった方、もう一冊「あやつられ文楽鑑賞」もあわせて読まれると
ああ、あれってこういう話だったのね!と納得するかと思います。
先に読むのが一番だったと思うのですが…

個人的に三浦さんの作品で一番好きなのがこの「仏果を得ず」です。繰り返しくどいようですが、本当にオススメですのでぜひ。
仏果を得ず (双葉文庫)Amazon書評・レビュー:仏果を得ず (双葉文庫)より
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No.30:
(4pt)

文楽と人生の切り結ぶ白熱感

文楽青春小説というひじょうにユニークな作品です。YA文学の雰囲気で軽妙に進んでゆきますが、頑固で偏屈な太夫、三味線、それぞれの芸に賭ける壮絶な生き様がうかがえるのがひとつの醍醐味、そしてもうひとつの醍醐味は、若い主人公が、「古典芸能」である文楽と、自分の人生がクロスして火花を散らすのを体験し、芸に目覚める天啓の瞬間です。
 後者は、師匠にうながされて、師匠の妹の通夜の席で祭壇に向かって『ひらかな盛衰記』の「神崎揚屋の段」を語る場面と、『忠臣蔵』六段目に抜擢されて、勘平の腹切りを語る場面によくあらわれています。そこでは、古典の物語が音曲の力で、現実の人生にぶつかり、重ね合わさって発火します。

 ことにラストの『勘平腹切り』の段。母子家庭の小学生の女の子に惚れられ、お母さんと深い仲になってしまっている主人公は、女の子の行方不明という事件のさなか、必死に初の「勘平」を舞台で語るうち、勘平の苦悩に乗り移られ、神がかりのような瞬間を体験します。
「脳髄が冴えわたり、魂が首筋から抜けでて頭のうしろで浮遊する感覚がする」
 このクライマックスの描写は圧巻です。
 一生のコンビとなる三味線の兎一郎との物語が、これから始まるという予感もあり、文楽の真髄にせまった作品です。
 
 ただ、主人公の輪郭がいまひとつはっきりしない憾みもあります。
 どちらかといえば勉強の苦手な不良高校生だった主人公が、文楽の太夫の絶叫エネルギーに打たれて、その道を目指すわけですが、たとえば、その彼が、別の太夫に稽古をつけてもらうよう師匠に命じられたとき、そんなところへ行っても、けんもほろろに追い返されるだけだから、どうせ「深草の少将」か「カノッサの屈辱」になる可能性が高い、とつぶやく場面があります。この言葉など、何か彼のキャラクターに合わない、スマートな洒落で、微妙に違和感を感じました。

 ともあれ物語と健自身の人生が重なって織りなしてゆく文楽人生、ぜひ続巻を(特に兎一郎に光をあてて)書いてもらいたいと思います。


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No.29:
(4pt)

薀蓄小説に堕ちていないのが立派

浄瑠璃・文楽という事を扱っているけど、最近の風潮のトリビアルな解説風文章がまったく無いのが立派です。

しかも物語として十分その世界の雰囲気がわかり、文楽の魅力も伝わるというところに作者の力量を感じます。

ただ物語に恋愛を混ぜるのはどうなんだろうなー、しかも相手の女性の素性もまったくわからないし、その魅力もわからない。
単に、師匠の「いきなり渋いところねろうたな」(正確な引用ではありません)というせりふを言わせたいがためのような気もする。

全体的に、いろんな要素を混ぜ込んだけど、うまく消化しきれていない部分もありますね。一人ひとりのキャラクターも輪郭はわかりますし、魅力も感じる輪郭ではありますが、生きる場面が少ない。逆に言えばシチュエーションコメディでのキャラクター造詣という感じも残ります。

頭でっかちな青年の苦悩、という青春ストーリーの王道でしょう。
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No.28:
(4pt)

良作です

三浦しをんさんの個人的現在の一押しは、「風が強く吹いている」で次に「まほろ軒」ではあります。
そちらは問答無用でオススメしてしまうんですが、こちらはオススメですけどそこまでではないという感じ。
でも面白いですよ。

文章がとても読みやすく、登場人物がわかりやすいので、文楽に興味のない方でもスラスラと読めてしまうはず。そのあたりはさすが上手い作家さんです。
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No.27:
(5pt)

思わず一気読み

勝田文さんのイラストが気になって手に取った。
最後の最後までタイトルの意味は明かされない。
ひっぱってぴっぱって、最後に大納得。
これまで文楽を観たことはなかったが、それでもグイグイと読み手をその世界に連れていってくれる著者の筆力に脱帽です。
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No.26:
(5pt)

文楽にかける熱く面白い青春物語。表紙やタイトルで判断せず読んで欲しい。

三浦しをんは結構好きで、これまでに何冊も読んでいて8割が再読したいと思うレベルなのだが、これはタイトルと表紙がつまらなそうで、読まず嫌いしていた。

先日、あまりに暇なので古本屋に行ったら、これを見つけてちょっと読んだら面白かったので買って帰った。最後まで最初の期待を裏切る事無く、とても有意義な時間が過ごせた。名作である。

ストーリーは、文楽という伝統芸能に人生をかける主人公が、一人前の芸人になっていきつつ、恋もしつつの青春物語。三浦しをんはあまり世間に知られていない世界を題材にする事が多いが描写が上手いので、読むと必ず駅伝が見たくなったり、林業に興味を持ったりしてしまうが、これを読んだ後は案の定文楽に興味が沸いて仕方が無い。
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No.25:
(4pt)

推理小説も真っ青です(笑)

「神去なあなあ日常」を読み、「仏果を得ず」に逆走(?)しています
「神去・・・」に比べて文字がぎっしりなので、最初はのろのろ読み進めましたが、
1.登場人物たちの謎(?)が徐々に解けてくる
2.文楽の演目とシンクロして主人公「健」の私生活と修業の苦悩が描かれ
3.登場人物たちのやりとりが絵画的(マンガチック)描写で絶妙な面白さ
といった、楽しみが、ページが進むほどに加速して、
後半部分はやめられない、とまらない状態。
そして、読了した瞬間、最初のページに戻って読み返し
ああ、ここはそういうことだったのね〜とまるで上質の推理小説を読んだときと
同じ状況にハマりました。
ひとつだけ困ったのは主人公の名前。「健」はタケルと読むのですが
つい、ケンと読むこと数限りなく…。
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No.24:
(5pt)

山深き過疎地に住まう身なれど、いつの日か観に行かん文楽を!

修学旅行先で人間国宝笹本銀太夫との衝撃の出会いを機に文楽の世界に飛び込んだ健。研修所を経て技芸員に。銀太夫に弟子入りし、奔放でお茶目なそれでいて芸一筋の師匠に振り回され続けながら、相方三味線につけられた「芸道の鬼」の兎一郎兄さんの人を寄せ付けないオーラの意味を知り、「長生きすればできる」に籠められた思いに気づき、認めてもらいたいと一層の精進をする。『女殺油地獄』は人を惹きつける色気のある与兵衛が生まれついた家柄で決まる人生に反発し放蕩の限りを尽くした末、親切にしてくれていた油商の女房お吉を殺してしまう世話物。『仮名手本忠臣蔵』は忠義に翻弄される人の心の苦しみと葛藤を描いた時代物。命を持たぬ人形に義太夫の語りと三味線・人形遣いが一体となって命を吹き込み色香を放ち、哀れを誘う渾身の舞台に劇場の観客は心を一つに食い入る。「金色に輝く仏果などいるものか。・・・」と健が内心で叫ぶ。あの世で無くこの世で欲しいものを手にする ! 迫力あります。300年以上も語り継がれてきた無形文化遺産の文楽。知らないから・・・と読むのを躊躇ったら絶対損です!
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No.23:
(5pt)

会話のうまさに魅力

三浦しをんの作品は、「まほろ駅前多田便利軒」「風が強く吹いている」と続けて、これが三冊目ですが、どんどん文章がうまくなっていると思います。とくに秀逸と思うのが、会話の部分です。文楽の楽屋など見たこともないのに、そこで繰り広げられる師匠銀太夫と主人公健、そして兄弟子たちの軽妙な会話を読んでいると、情景が目に浮かびます。そして、思わず吹き出してしまう面白さです。青春小説と言っても良いと思いますが、その種の小説に時々見受けられる、「今の若者が、こんな会話するかなあ?」と思うような不自然さがなく、でも、まっすぐに自分の生き方と格闘する者の気持ちや行動が、よく表現されていると思います。題材も多彩で、次はどんな設定の小説を読ませてくれるのだろうと期待してしまう作家です。
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No.22:
(5pt)

入り込めます

文楽には何の興味ももっていなかったが、この本を読むと、一度見てみたいと感じます。読者を物語の世界に引き込む作者の力には毎回感動します。
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No.21:
(4pt)

読んでいて気持ちいいです。

友人が北野文芸座に文楽鑑賞に行きました。
しかも人間国宝。

以前から興味がある分野だったので
先を越されてかなり悔しかったですが、楽しかったようです。
あきらめずに機会を待ちます。

文楽と言えば、三浦しをん『仏果を得ず』が良い。

文楽の世界を舞台にした青春物語で、内容自体は目新しくないのだけど、
作者がもつ文楽への愛がぐんぐん伝わってきて、読んでいて気持ちいいです。
登場人物の造形も相変わらず爽やか。

前作の駅伝小説も最高だったけど、
この作者には この手の青春小説をどんどん書いてほしいものです。
仏果を得ずAmazon書評・レビュー:仏果を得ずより
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No.20:
(4pt)

表紙のイラストもなるほどです。

実は歌舞伎好きの私には、柿色・萌葱・黒3色の定式幕に目次が、演目として書かれているだけで完全に、はまってしまいました。
「おまはん、6月から兎一郎とくみえ」突然の銀太夫のせりふで始まる1番出し物の三番叟から、それぞれのキャラクターがとてもとても個性的でどんどん魅かれていきます。
文楽を心底愛して邁進する健くんとその周囲の人々すべてが愛しく思えるようになる本編中ごろには、演目も大分進んでいき文楽そのものの世界へ興味が行くよう、上手く演目役どころの解釈がされています。
表紙のイラストが、とってもかわいらしいので若い子用の本かしらーと思わずにページを開けば、少々若くない私達年齢にも、十分以上に楽しめるお勧め本です。
仏果を得ずAmazon書評・レビュー:仏果を得ずより
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No.19:
(5pt)

文楽にはなんの馴染みもなくても楽しめます♪

「仏果」などという、抹香くさい題名なので、
お坊さんBLを期待しちゃいましたよ(笑
で、お坊さんではなく、文楽の世界でした。
正直、文楽にはなんの馴染みもなく、
題名だけは知っていても、内容は全然知らなかったのですが、
それでも、しっかりと楽しめました。
彼女の筆力と思います。
とにかく、一度彼女の世界に嵌ると、
もう這い上がるのは難しいですね。
とにかく読んでみてってみんなに薦めてます。
嵌る率は60パーセントくらいかなぁ。
仏果を得ずAmazon書評・レビュー:仏果を得ずより
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No.18:
(4pt)

文楽を観たくなるはず

自分が大阪に住んでいる時、文楽をはじめて見て、面白くて、何度も見に行ったことを思い出した。
文楽好きの人は、なるほどと思い。
観たことがない人は、この本を読んで、本当の文楽を見て欲しくなります。
仏果を得ずAmazon書評・レビュー:仏果を得ずより
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No.17:
(4pt)

文楽にハマルと

上方落語の「軒づけ」は、浄瑠璃(文楽)の魅力に取り付かれた素人の滑稽さが巧く描かれた大作で、浄瑠璃の世界、特に義太夫への愛情が伝わって来ますが、この「仏果を得ず」も三浦さんの義太夫への傾倒がひしひし伝わってきます。
 本の構成が三番叟からはじまり、女殺し油地獄、妹背山婦女庭訓にすすみ忠臣蔵で終わるなんて、、、ほんとサービス精神たっぷりの正月公演のようでタマランですねえ。
 とはいえ、本当に文楽のこと何にも知らなくても十二分に楽しくドラマのある青春小説で、逆にこの小説から文楽や義太夫の楽しさを知る人が増えたら実にうれしいと思います。
 とはいえ、上方落語に題材を取ったNHK朝の連続小説「ちりとてちん」が関西では高視聴率を取ったが、関東では惨敗したということですが、落語より敷居が高い文楽、一般には難しいのかなあ?
仏果を得ずAmazon書評・レビュー:仏果を得ずより
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No.16:
(3pt)

自分も生業を見つけたい!!

大好きな人がいて、すごく大切だと思っているんだけど、その上で自分の生業である義大夫が「一番大切」って言い切った主人公を、すごく羨ましく感じました。

何の為に仕事してるのか、この先自分は何をやりたいのか、目標を見つけられずに毎日を過ごしている自分にとって、一生をかける仕事と出会って、常に成長しようと努力している健は、すごく輝いて見えました。

途中で女のことで振り回されてるところは情けなかったりするけど、そういうことも普通あるよなぁ〜親しみが持てました。

義大夫ってものは全く知らなかったけど、中で出てくる語りは流れがわかるように解説も書いてあるし、すらすら読めました☆
義大夫に興味がなくても「へぇ〜」ってさらっと読めるので昔言葉とかわからなくても、平気だと思います。

仕事について、この先に何か不安を持ってる人は、仕事への考え方を変えるいいきっかけになるかもしれませんねo(^-^)o
仏果を得ずAmazon書評・レビュー:仏果を得ずより
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No.15:
(5pt)

文楽作品とリンク

話が小分けになっているので
読みやすく、ドラマ「タイガー&ドラゴン」のように
文楽の作品も説明っぽくならず説明しながら登場人物達の話ともリンクしていくので、不思議な楽しさがありました。やっぱりとても実力のある人ですねぇ。
仏果を得ずAmazon書評・レビュー:仏果を得ずより
4575235946
No.14:
(5pt)

文楽に無知でも大丈夫!

正直、「文楽」と言われても
「どういうのだっけ?」と思ってしまうほど伝統芸能には無知な私ですが、
読んでいくうちに「ああ、あれのことか〜」とわかました。
漫画チックな表紙は期待を裏切ることなく、軽いテンポで読みやすい♪
読む前はこの分野には知識も興味もないだけに、
きっと読むのに相当苦労するだろうなと思っていたけど、
楽しすぎて全然そんなことありませんでした!

長い修行を積んで一人前になるということは
何も芸能の世界に限ったことではなく、だからこそ読者の理解も得やすい。
主人公が恋に悩む姿もユーモラスに描いてて、
ニヤニヤしつつ読んじゃいました。

ページを進める手が止められない。
これを読んだ人は、きっと文楽にも興味を持つことになるでしょうね。
仏果を得ずAmazon書評・レビュー:仏果を得ずより
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No.13:
(4pt)

生き様をユーモラスに

文楽の世界をまったく知らないのですが、
それでも凄く面白かった。

「芸」の道に生きる。
言葉では表せても、それを実感するのは難しい。

堅苦しくなることなく、
生き様を描く。

著者の文筆力と、ユーモアのセンスによって
最後まで楽しませていただきました。
仏果を得ずAmazon書評・レビュー:仏果を得ずより
4575235946
No.12:
(2pt)

連続テレビドラマになってもいいかも

文楽の世界の内輪話が聞けて楽しい。
作中、主人公は文楽をいかにして極めるか、
いかにして文楽の登場人物を語るかを苦悩している。
しかしこの小説の登場人物の描写は、むしろ軽い。
挿話もそれぞれが必ずしも必須なわけではなく、
連続テレビドラマ的な楽しみ方ができる作品。
仏果を得ずAmazon書評・レビュー:仏果を得ずより
4575235946

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