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仏果を得ず
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仏果を得ずの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.49pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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文楽の世界をテーマにした小説には有吉佐和子氏や梁雅子氏、瀬戸内寂聴氏の作品がありますが、いずれも人形遣いや三味線のお方を主人公としたもので、大夫を主人公とした作品は初めてですので随分期待して、拝読しました。 著者は文楽をこよなく愛しておられることはよくよく承知しておりますが、当該作品はまったくの期待はずれでした。 まず筋立てに一貫性が無く、どの人物像も曖昧で,生きていない。主人公の心情はくどくど書かれていますが、「すべてをささげても惜しくない」と思うまでにいたる過程が、すなわち成長の過程が つかめない。 次に、主人公が文楽の世界との出遭いもあまりにわざとらしく、陳腐な状況設定で説得力を持ちません。(「鑑賞教室」に「仮名手本忠臣蔵」の九段目を出すか?人間国宝が出るか? という疑問はさて措いてです。) また具体的地名や施設名を示して現実感を出そうとしておられますが、そこだけ水に落とした油のように浮き上がっており、情景描写も瑣末な描写を入れ現在形を多用すれば臨場感が与えられると考える、素人小説の悪弊を未だに引きずっている感が否めません。 さらに上演されている舞台の描写や演目解説には、著者の思い入れが過多で、押しつけがましくさえあります。 そのうえ、享受者である観客の反応の描写が紋切り型に過ぎ、劇場・舞台・観客のそれこそ「三位一体」で形成される場の気配が微塵も伝わらず、その結果、文楽の世界全体が醸し出す雰囲気という作品の根底が無いままに、「若手大夫の成長」を描こうとしたところに、この作品の最大の難点があるといえます。「じわがくる」ということばを著者はご存じかどうか知りませんが、その雰囲気を感じさせないで、舞台を描いたとは言えますまい。 まだお若い著者ですから、触れた資料に限りがあるのは無理もないと言えますが、巻末に掲げられた主要参考文献の少なさ、基本文献である三浦周太郎氏の「文楽の研究」「続 文楽の研究」、雑誌「演劇界」や「上方芸能」、山川静雄さんの「綱大夫の四季」などが掲げられていないのは、資料提示が読者の興味を深めるうえで必要と思えるだけに残念です。 著者の文楽への思いは、充分に理解いたしております。一層のご精進のうえ、同テーマで素晴らしい作品を著されることを希望します。 | ||||
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文楽の世界の内輪話が聞けて楽しい。 作中、主人公は文楽をいかにして極めるか、 いかにして文楽の登場人物を語るかを苦悩している。 しかしこの小説の登場人物の描写は、むしろ軽い。 挿話もそれぞれが必ずしも必須なわけではなく、 連続テレビドラマ的な楽しみ方ができる作品。 | ||||
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