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雲なす証言



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【この小説が収録されている参考書籍】
雲なす証言 (創元推理文庫)

雲なす証言の評価: 4.00/5点 レビュー 7件。 Eランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全7件 1~7 1/1ページ
No.7:
(5pt)

ゆったりと楽しむミステリー

ピーター・ウィムジイ卿シリーズの二作目です。ミステリーとしての謎解きはもちろんですが、交わされる会話の楽しさは格別です。まだピーター卿に出会っていない人には、第一作の「誰の死体?」から順に楽しんでいって欲しいです。
雲なす証言 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:雲なす証言 (創元推理文庫)より
4488183034
No.6:
(2pt)

ピーター卿の冒険の顛末を喜劇調で語った娯楽読み物

「クリスティと同時代の、もうひとりのミステリの女王」として知られている作家の作品であるから当然真っ向勝負のフーダニットと思って読み始めたら、まったく勝手が違って、どう読むべきかしばらく混乱してしまいました。「伏線はどこに?証拠はどこに?」と血眼で捜しても、アンテナに引っかかってくるものがほとんどないのです。3/4ほど読み進んだところで、これはフーダニットではなく、ピーター卿の冒険の顛末を喜劇調で語る娯楽読み物なのだと気づきました。
 そうとわかれば伏線捜しは放り出して、最後の法廷劇を気楽に楽しんで読了しました。
 この小説には3人の女性が出てきますが、その境遇や性格がそれぞれ対照的に描かれ印象的でした。
 恋人のためについた嘘で実の兄が殺人容疑を受けてしまい板挟みで苦しむメアリ(ピーター卿とも兄弟)、嫉妬深く暴力的な夫に脅えながら目立たないように生きる美貌の人妻、自由奔放で浪費家の娘。それぞれ最後は自分にとってめでたい結末を迎えるものの、その後の運命も気になります。
 最初から死体で登場するキャスカート大尉はうち2人の女性と関係がありますが、最後に飽かされる壮絶な人生は、第1次世界大戦で激変した世界の影響をもろに受けたことが窺え、短いけれど心に深い感慨を残します。
 本の帯に、「筆者(誰?)はヴァン・ダインの人と作品を想いました」とあり、読む前は意味不明でした。最近ヴァン・ダインはその評伝が邦訳されたことから真の姿が知られ始めましたが、第1次大戦による価値観の激変に翻弄され、作品にはそれが濃厚に出ているという意味で、確かにキャスカート大尉のプロフィルと重なり合うところが多い気がします。
 とにかくこの作品でセイヤーズのイメージは大きく変わりました。まだストックがたくさんあるので、これからは肩の力を抜いて笑いながら読み続けられましょう。
雲なす証言 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:雲なす証言 (創元推理文庫)より
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No.5:
(4pt)

一作目からの飛躍を感じさせる第二作

ウィムジーの兄が殺人で疑われ・・・というお話。
冒頭からいきなり話に引き込まれる展開で、そこから巻措く能わずの進行をする推理小説。スラスラ読めてページを繰る手が速くなる、ウィムジー卿とその仲間の推理と冒険に付き合わされる作品でした。
キャラクターも主人公のウィムジーを始め、その仲間や謎めいた被害者とその関係者の肖像がよく描かれており、感心させられます。この活き活きしたキャラクターの魅力もこの小説の魅力に貢献しているように思えました。
欠点を挙げるとすると、プロットが結構複雑に編まれているので精読を要する所や、著者のペダントリーでしょうが、英語以外の言語が多数使われていてそれが翻訳でも逐一フリガナで振ってあるのは親切に思えますが、若干読みにくく思える所でしょうか。
解説によると、著者のセイヤーズはユーモアのある闊達な人だったということで、今まで未訳の時に流布されていた難解で韜晦というイメージからは必ずしもあたっていなかったという、セイヤーズのイメージを刷新する論評になっていて、為になりました。作品も一作目からの飛躍を感じさせて読み応えがありました。
クリスティーと同じくらいプレゼンスのあるというのが納得できる第二作。機会があったら是非。
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No.4:
(3pt)

推理小説というよりは、風俗小説、時代小説として読んだら面白いかも。

ミステリーとして読むよりは、戦前の英国貴族の風俗、暮らし、英国文化を楽しむ本として読んだら☆5かもしれない。推理小説としては、果たしてどうかといえは、少々満足のいかない出来かもしれない。

私はセイヤーズにはまってしまい、全部読んでしまったが、私を含めたセイヤーズ好きにとってはとっても面白い思うが、そうした読者ばかりとは思えないので、ご注意を。
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No.3:
(5pt)

あまり大きな期待を抱いて読んではいけません。

一応、最初に言っておきますとこの事件の真相は他の作品でも使われている手法ではありますので決して「ない」というものではないです。ただし、手法的には賛否両論の手法なのであります。なので散々考えさせられた割にこれだと時に怒り狂う恐れがあります。のであんまり過度な期待は寄せないように!!今回のピーター卿は悲劇も悲劇、貴族としてのピンチを迎えます。お家ピンチです。なぜならば彼の兄が殺人の嫌疑をかけられてしまったから。被害者と口論をしていたことが仇となってしまった模様です。ピーター卿ももちろん事件を解明しようと躍起になるのですがなにやら真実を知っている人がいても口をつぐまれてしまったりして何かと苦労が多そうです…もちろんこのあとも災難続きとなっています。ちょっとかわいそうになります。真相にはちょっと意外性があるためげんなりとしてしまうことでしょう。だけれどもどう見ても犯人は…と思っている人はドツボにはまってしまうかも…真相部分があれではあるけれども総合的には悪くは無い作品です。
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No.2:
(4pt)

ガラス吹きの猫はボンプスタブル

ピーター卿の登場する長編第2作目。前作の事件を解決したピーター卿は旅行に出かけます、しかしパリで彼が眼にしたのは兄のジェラルドが殺人容疑で逮捕されたというニュースでした。ピーターはその容疑を晴らすために捜査を開始するというお話です。本作品ではトリック云々よりも、貴族院の議員を裁判するために右往左往している様子がコミカルに描かれたり冒険色がかなり強くなったりしていて、頭を使って考えるよりも読んでいて楽しめるような作品にしようという意図が感じ取れます。その分事件自体には物足りなさを感じないわけではありませんが、レギュラーの登場人物が色々な表情を見せているので彼らに対して共感を深めるのに役立つでしょう。ラストの場面もこの作品らしくまとまっていて、私は気に入っています。
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No.1:
(5pt)

ピーター卿の魅力満開!

 ピーター・ウィムジイ卿の第1長編、「誰の死体?」のプロットにちょっと気味悪さを感じた人も、この第2長編「Clouds Of Witness」を読めば、セイヤーズの語り口のとりこになるかもしれない。「誰の死体?」とは全然違ったタイプの物語となっている。何しろ今回は、事件の当事者が、ピーター卿の頑固な実の兄ジェラルド公爵、その妹で独立心旺盛な立派な女性レディ・メアリ、彼女の婚約者という「身内」なのだから! ピーター卿は、パーカー警部と忠実な従僕バンターと共に、殺人の告発を受けた兄ジェラルドの無実を証明すべく、奔走する。自らの身に及ぶ危険を顧みず、事件の真相究明に全力を尽くす、限りなく快活なピーター卿を読めば、きっと彼の大ファンになってしまうだろう。 ピーター卿とバンターのどこか心温まるやりとりや、パーカーとレディ・メアリの心の交流などを含め、推理小説としてだけでなく、1つの恋愛がらみの物語として、1度手に取ったら手放せないほどおもしろい。 
雲なす証言 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:雲なす証言 (創元推理文庫)より
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