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ゴッサムの神々
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ゴッサムの神々の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.44pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全1件 1~1 1/1ページ
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主人公は、強かな女性たちと比べて、裏の世界を知っている割には恐ろしく純情で純粋、そしてかなりの正義漢。(著者の理想の男性像かな) 彼が1845年のNYを舞台に、その地の初めての警官として、19体の子供の遺体が土中から発見された事件を、様々な人間模様を織り交ぜながら、解決して行く様を描いたミステリ。 物語は当時のNYの政治、宗教、人種間の対立を背景にして進むが、知識がひとつ増えた喜びは得られるものの、説明があまり親切ではないので概観がつかみづらく、ここに興味が持てないと小説の世界に入り込む事は厳しいと感じた。 主人公が深く関わる人物が、兄、想い人、助けた幼い少女と3人もいて、それぞれが交わる事もほぼないので感動が分散してしまい、統一感に欠ける。 兄が自分の身を大切にしないゆえに彼を憎むという、主人公の感情は理解が難しく、兄弟間の反目の理由としては、現実味のない設定だと思う。 女性は好きかもしれないが。 犯人は想定内。 事件の解決も、証拠の積み重ねよりも主人公の推理によるところが大きく、少々物足りない。 どちらかというと、主人公の心情描写と成長に重きが置かれているので、パズルのピースがピタリとはまるような、ミステリとしてのカタルシスは少なめで、盛り上がりも今ひとつ。 総体として最も気になった点は、比喩を多用した装飾的な凝った文体。 これは心理描写にはいいけれど、状況説明など正確な情報を伝える事には向かないので、風景や状況が理解しにくい場面が多々あった。 著者は執筆時20歳代後半だったという若さもあってか、文章表現や人間ドラマにいささか力が入りすぎていて、作家としては、まだまだ未成熟で発展途上といった印象を受ける。 史実を基に新たな物語を組み立てる能力、才能はあると思うので、力の入れどころの焦点を絞り、ミステリのツボを押さえられるようになったら、また彼女の作品を手に取る事もあるかもしれない。 | ||||
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