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デンデラ
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デンデラの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.31pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全7件 1~7 1/1ページ
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登場人物と年齢がはじめに一覧でまとめられている。ほぼ全て70歳オーバー(一部60歳代)の老婆たち。主人公である斎藤カユが『お山』に棄てられるところから、物語は始まる。姥捨て山、その後の物語。 老婆だけの隠れ里デンデラ(コミュニティ=ユートピア=ディストピア)、派閥争い、羆、疫病、羆、疫病、馬鈴薯...復讐譚かと思いきや、物語の焦点は次第にズレていき、期待させたようなカタストロフィを迎えず。行きつ戻りつするグダグダした展開。とってつけたような疫病の原因。主人公の観念的な思考が青臭すぎて老人とは思えない。浅く薄い人物描写。設定が老婆=年老いた女性というだけで、老人も女性も描けていない。 設定は面白い。けれどもそういう作品は多い。 | ||||
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まず、登場人物へのネーミングセンスに驚いた。「ササカ」「コテイ」など、実際に居そうでなかなか見かけない名前だ。 読む前は前半に人間模様/後半に羆との戦いだろうと勝手に思い込んでいたが、実際には人と羆交互にスポットが当たり、テンポ良く読めるところと何回かじっくり読み返したいところとが分かれた。 三ツ屋メイがあまりにも典型的な攻撃派と自分は感じて、そこが少し残念。一方羆の心理描写やしたたかさは恐るべしと思った。 この物語の舞台は東北とのことなので、欲を言えば所々(アクセント程度に)その土地の言葉が入っていればより情景が浮かんできたかもしれないと思った。 | ||||
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楢山節考が姥捨て山の話なら、このデンデラは姥捨て山の次の話。 もう設定が面白い。 姥捨て山に捨てられた70歳の老婆が、何とか自分の力で生き残り、 村に帰るわけにはいかないので、もっと山奥に密かにすみかを作り暮らし始める。 一人では寂しく何もできないので、捨てられた老婆を助けて自分の町(これがデンデラという)に連れてきて、 70歳以上の老婆ばっかりのコミュニティが形成される。 捨てた村を恨んで何とか村にかたき討ちに襲撃したい老婆もいれば、生きながらえた事を喜び、 新しいすみかで平穏に過ごしたい老婆もいる。 自分は静かに死ぬはずだったのに、無理やり?助けられて、助けられたこと自体に怒っている老婆も。 こんな50名が集まると当然派閥争いが起こるのだが、そんな事をしていると食べていけないため、 とりあえずみんなが狩りに出たり山から食べられる物を持って帰ってきたり。 そんな中、記録的な大雨で自然体系が狂い、冬眠するはずの巨大な熊が、腹をすかして人間を襲いだす。 武器も持たない老婆50名は生き残りをかけて熊と戦うのだったが…。 それに追い打ちをかけるような、疫病。老婆が血を吐きながら死んでいく。 もう老婆の生き様というか、あまりにもえぐくて醜いシーンが続き、最後はどうなるのか…と思っていたら。 どうしてこんな本買ってしまったのか?と考えたが、まあ異次元体験的な感じで面白かったですな。 | ||||
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かつてあり得た話かもしれないという思いとファンタジーに過ぎないという思いが交錯する作品だ。 北海道ではあり得ないけれども、東北ではもしかしたら・・・・・・・ そんな気持ちになる。 つくづく食べるということの大切さと生き抜くということの過酷さが伝わってくるのだ。 | ||||
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斉藤カユは70歳を迎えたある日、息子に背負われてやってきた山でひとり捨てられる。 そのまま死ぬのが人としてあるべき姿、と考えるカユは目をつむり、身を横たえて気を失うが死ねない。 目をさますと、自分を覗き込んでいたのは数年前から古くは数十年前、山に捨てられ、とうに「死んだはずの」老婆の群れだった。 老婆たちは話す。自分達が捨てられた者同士、密かにコミューンを作っていることをー。 先行作品と変わらずテーマは弱者に焦点が当てられている。 個人的に面白かったのは、老婆たちの会話、主人公のモノローグ。 何を成したいかも既に「自分亡き後」を想定したものばかりで、 どう自分の生き様を決めるか転じてどう自分の「死に様」をキメルか、 それに誇りを見せる様は老婆のハードボイルド。 決してすべての面において前向きな内容ではないけれど、 すがすがしさが、特に後半からは漂う。 | ||||
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姥捨て山に捨てられた老女たちが・・・、という設定だが、 読み終わって見ると、老女じゃなくても、社会から 見放された集団であれば、何でもよかったかなとも思う。 被害者意識や、早く楽に死にたいと思う気持ち、 集団心理などが、複雑に絡み合い、圧倒的な 存在感を見せる異色の物語だ。 中程はバトルロワイヤル的なグロテスクな描写が 続くので、食傷気味になりながら、なんとか最後まで たどり着いた。でも、終わってみると、経験したことの 無いような不思議な爽快感が残った。 長編を読みなれない人(私など)には、ちょっとつらいが、 楽しめる。 | ||||
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「姥捨て・その後」という書評で読んだら、違う。 登場人物50人の名簿は、それだけでかなりの迫力はあるけれど・・・ これは老女の物語ではない。姥捨てという形に一部の社会的弱者を反映させた寓話。 たった1つの作者の油断ぽいセリフで老女の皮がはがれた。 ん?と後戻りして読み直すと、どの人物も高齢女性とは微妙にずれる。 実際の70以上のお婆さんはもっとタフかつ柔軟です。でなけりゃ、その歳まで生き抜けない。 これはどうやら、いわゆる格差問題で「自分は下らしい」と気づいてしまったロスジェネ男子の話。 凄まじいイジメ、冷たい世間、何をやってもうまくいかない、ヤケクソ、自殺願望・・・ 確かに人生は戦い、勝つ見込みがなくても前に進むのみ。でも戦い方は1つじゃないのに。 いちおう複数の選択肢は示されるが、どれも希望には遠い。 しかも無差別襲撃事件を連想させなくもない結末。かなり怖い。 同情すべき事情は見えるけど、話が通じそうもないし、ヤバそうだから距離を置こう。 そう思ってしまう自分が一番怖いのかもしれないが。 | ||||
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