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(短編集)
奇譚を売る店
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奇譚を売る店の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.75pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全7件 1~7 1/1ページ
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そそられるタイトルなので、アマゾンで購入。 作者は職業作家である以前にマニアというかオタクというか、特定の文化に対するこだわりが半端じゃない。 デビュー作『殺人喜劇の十三人』はサブカルに対する言及が多すぎて鼻についた。 反対にこだわりがプラスに出た例は、『紅楼夢の殺人』だろう。 本書はどうかと言えば、功罪半ばかな。 いや気に入った作のほうが多いので、功七罪三くらいだ。 古書マニアの妄念を描いた連作集である。毎回「また買ってしまった」という文章で始まる。 どうせ駄目だろうと思いつつも、忘れられた大傑作が埋もれているような気がして、今日も古本の山を漁る。 こういう「本好きあるある」は、通販と電子書籍の普及によってあと何年かで消えてしまうのかな。 そういえば本書も通販で買ったのだった。 気に入った作品は、 『帝都脳病院入院案内』病院のパンフレッドから、事件の謎を解く。 『這い寄る影』消えた三流作家に魅せられる。架空作品の俗悪ぶりが凄い。 難病や障碍者を本人の責任と考えたり、性犯罪被害者を悪人呼ばわりするのは、いかにもありそうだ。満天星子。 『こちらX探偵局/怪人幽鬼博士の巻』懐かしい少年探偵の世界が現実になる? 『時の劇場・前後篇』前篇だけで、後篇の見つからない本がある。そりゃストレスでしょうな。 古本の競売風景が面白かった。 残り二本は今ひとつだ。特に表題作は、屋上屋根のメタ過剰だ。 愛書家で古本屋になじみのある人にお勧めしたい。 | ||||
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芦辺拓という作家さんはこれが初読です。むしろ本格ミステリ作家として有名で、この種の本はめずらしいとか。ただ、あとがきにも書かれていますが、「幻想小説家としての資質も具えている」と以前から評され、ホラー小説のアンソロジーなども編んでおられるようなので、こういう傾向のものにも才能がおありなのでしょう。 どの短編も「また買ってしまった・・・」という古書愛好家のつぶやきから始まります。主人公は作者自身の分身ぽいですが、同じ人物ではなく、短編ごとに違うという設定のようです。どんどん本が増えていくばかりで、お金も減っていく、それなのについつい買わずにはいられない、本好きの心理がよく表されています。今の若い人はあまり古本屋には行かないと思いますが、奥のレジカウンターに座っているオヤジがじろりとにらむのが怖かったことなど、時代設定にもレトロ感があり、昭和の時代を生きた世代にはなつかしい素材があふれています。そして、ホラーやいわゆる”不思議な味”の小説が好きな人にはたまらないと思います。 「帝都脳病院入院案内」は、精神科医で作家でもある北杜夫氏(小説「楡家の人々」で有名)の生家で、実在した青山病院がモデルだということです。明治、大正の頃にはまだよく理解されていなかった精神病院のどこか怪しげな冊子。そしてその図面を基にしてジオラマの家を建ててしまう、そうしたらその中に何か動くものをみつけて・・・というあたり、これもなつかしい作家フレデリック・ブラウンの「人形」(”未来世界から来た男”収録)を思い出しました。 「這い寄る影」は、戦後、大量生産されたエログロB級大衆雑誌と、そこに寄稿する作家の悲哀、 「こちらX探偵局/怪人幽鬼博士の巻」は、販売日が待ちどおしかった少年漫画雑誌がテーマ、 「青髭城殺人事件/映画化関連綴」は、映画が最高の娯楽だった時代の話、実在の監督名などをもじった表記などは(円谷英二を葛谷瑛二とか)マニアの方にはクスっと笑えてとても楽しいと思います。 「時の劇場・前後編」は、希覯本に対するマニアの異様な情熱とオークション落札の話、 そして最後の表題作「奇譚を売る店」では和文タイプライターが登場。現在はパソコンのソフトやアプリですが、その前には文章を書く機能に特化されたワードプロセッサーがあり、さらにその前にはタイプライター、カナタイプライター、和文タイプライターがあったという変遷の話が、知っている人にはなつかしいでしょう。また、カナ横書きを普及させようとした団体”カナモジカイ”のことは初めて知りました。昔、小学校しか出ていない人が多かった時代に、漢字を多く含む文章では一般の人が文章を理解できないということで、カナの多用を推奨した団体だそうですが、1920年に設立され、一時期は一定の影響力があったようです。これが通っていたら、中国が簡易漢字を採用したり、韓国語がハングルのみで表記されるようになったのと日本も同じようになっていたかも??安易にそうならなくてよかったと思いますが。 話がそれましたが、この最後の短編で、とうとう現実と妄想、幻想の境目がなくなり、主人公、そして読者も取り込まれてしまうという流れになっています。 長くなりましたが、自分にはとても好みの作品でした。装丁と挿絵も内容の雰囲気にぴったり合っています。今度は著者の本格ミステリも読んでみたいです。また、こちらの雰囲気が気に入られた方には、井上雅彦「遠い遠い街角」もおすすめです。 | ||||
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2013年に出た単行本の文庫化。 ミステリというより、怪奇小説に近いテイストの作品だ。ある古書店にまつわる奇譚が6篇収録されているのだが、独立した物語群が最後の一篇で見事に結びつけられていく。しかも、それがありがちな連作短篇とは異なり、真の恐怖へとつながっているところがすごい。 個々の物語もひねりが効いていて怖い。 | ||||
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こう言うの好きです。 言いかたはなんですが、こう・・ちょっとB級なニオイがする小説は良いですね、 あ~わかるわかる、この感じたまらないなって言う・・ 上手く言えませんがかなりツボだったと言うことで。 | ||||
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このミステリーがすごいにランクインしたので,読んでみました。 現実と空想が入交り、どこまでが事実かがわかりませんが,この手の小説はよくあります。 ただし,起こることがすさまじいので,迫力があります。 頭をこんがらさせたい人にはお勧めです。 | ||||
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6人の本好きがたどる幻想的物語。 作者はミステリー作家ではあるがこの物語はミステリーではなく幻想奇譚である。 その手のお話の好きな人は満足すること請け合い。 本の装幀がこれまたよくて「本を所有する喜び」を与えてくれる。 電子書籍では絶対不可能。 | ||||
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意外な展開 そして最終話の大ドンデン返し。 とにかく おもしろく いい時間をすごすことができました。 やはり芦辺さんは 日本ミステリ界になくては ならない方です。 これからも どんどんストーリー性ゆたかな物語おねがいします | ||||
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