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人間の条件
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【この小説が収録されている参考書籍】
人間の条件の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.20pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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某カルト宗教団体による凶悪犯罪の解決編です。 上巻でもそうでしたが、この下巻ではご都合主義的な要素がさらにひどくなっています。棟居刑事の妻・娘が殺害された事件の犯人が最後の敵となるのですが、そこにつながる経緯があり得ないほどの偶然の連続で成り立っており、しかも個人の何年もの前の目撃証言(それも逆光で相手の顔がよく見えていない)が決め手になっていて不自然と言う他にありません。 それでも、結末がすっきりしていれば高評価もできるのですが、この下巻で示される内容はそれにはほど遠いものでした。 他の森村誠一の作品でも、主人公が最後に悲惨な目に遭うことは多々あるのですが、それでも「自業自得」とか「残当(残念だが当然)」と思わせる要素があることが多いのであまり気になりません。ですが、この作品の結末はあまりにも鬱展開で、読む者に拭いがたい不快感を残します。結局、警察は某カルト宗教団体の犯罪を阻止することができるのですが、棟居刑事にとってあまりにも尊いものが犠牲になってしまいます。しかもそれほどの犠牲を払ったにもかかわらず、悪を完全には滅ぼせないまま終わるのです。 これでは読者をいたずらに鬱にさせるばかりで、カタルシスもありません。ノンフィクションならともかく、エンターテインメント小説でこの終わり方はつら過ぎます。 ミステリーを読むのは、「途中でどんなにひどい状況になっても、最後にはスッキリと解決する」そのカタルシスを得たいがためではないでしょうか? 私はこの点で、著者がこのような作品を発表した真意は何なのか知りたい気持ちでいっぱいです。 もし、このような救いのない話を書きたかったのであれば、せめて棟居刑事でなく他の(この作品だけの)刑事でも登場させてそれで終わりにして欲しかったと強く思う次第です。 | ||||
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タイトルと、幻冬社の巧みな宣伝に誘われ、上下購入して一気に読みました。 内容は、既に記憶から遠ざかっている某カルト教団の丸写しで、呆れを通り越して白けを感じます。筆者の作品を昔から数多く読んできましたが、特に男女関係を巡る人物描写や、複雑に散ばった点を紡ぐ、強引なまでの偶然さ等は、全く同一路線です。小説に無関係な雑学が随所に散りばめられているのも同様。「人間の条件」というタイトルや「集大成」という謳い文句は、全く重みはなく、ただ刑事が自分の家族を奪った犯人に対する感情との戦い、という極めて限定的なテーマに過ぎません。決して駄作とは言いません、著者の愛読者にとっては既定路線を安心して楽しめるメリットはありますが、結論としてはカットノベルスの一冊と同じレベルで、上下巻の作品に値するとは言えません。まぁ、幻冬社の本はそういう本が非常に多いのですが。 | ||||
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