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絹の家 シャーロック・ホームズ
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絹の家 シャーロック・ホームズの評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.70pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全80件 61~80 4/4ページ
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| ホロヴィッツの上手さが十分に堪能できる作品です。 時代の雰囲気とホームズ、ワトソンの人物描写が冴えています。 | ||||
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| どうしようかなと悩んで悩んで星4つ。 理由は、「「あの変人はまだ生きている説」」の人たちにどうなのかなっていう疑問が残っているので。 ん?愛ゆえの褒め言葉だよ変人は。 単行本発行からしばらくたってるので、以下ネタバレありきで書いていきますのでご了承ください。 ・シャーロック・ホームズの死 それが悲しいのでいたたまれなくなってワトさん筆を取ると、そういう出だしです。 一説によると、200才超えてもなお生きているという説をといているファンもいるので、公式認定としてその死を描いてしまうのはどうなのかなという気がしないでもないんです。 それこそ、ドイルの正典よろしく、双方が若い状態でっていうのでも良かったんじゃないのかなっていう。 私もどっちかって言うと、あの人死にそうにないイメージなんですよねえ。 外見病人っぽいけど、むしろゾンビな勢いで(笑) ・ホームズに同性愛を持ち込まない メアリー「(ワトは)私よりホームズさんの方が好きなんじゃないかって」 冗談的でもこれはルールに抵触してないかホロヴィッツさんんん!!?(笑) この微妙な感じがむしろ美味しかったのは内緒だが。とはいえ。 ・ホームズ個人の要素には持ち込まない 絹の家の真相。 いやはや、そうきますかと。 というか、これは同性愛という表現でくくっちゃいけないんだろうな。 その点については失敬だと謝る。 しかしこれ、児童書とかにはできなさそうですね。 ・ただの数学者 某ジェームズ先生の手助けって何事ですよwwww 邪魔な別組織を壊したいのでホームズ利用してみたってのが素敵でした。 そして、別の理由があったとは言え、結局ホームズさんはその手を借りないっていう結果も素敵でした。 ところで、 「教授の言う事きくワトスンの言うこと聞きたくないから」 だと邪推していいですかねこれ。 ・ホームズの罪 最終的な結果で。 まあ、罪人相手という名目でいろいろやらかしてるホームズさんなので、個人的にはあんまり気にならないなあ。 明記はしてないしという逃げ道もあることだし。 それこそ、ワトスンのために手を血に染めたぐらいのことしないとしても驚かないかもしれない。 ワトのためならえんやこらのイメージ強すぎなので(笑) ・ベイカー街不正規隊 ウィギンズくんが、結構シビアで、絹の家とは別に、その時代のロンドンの闇を見たような気がする。 そういえば、確かにシリーズの中で使われることって少ないですよね。 ホームズのことだから、気分でっていうか、彼らに頼む前に解決したっていう可能性もあるけれど。 絹の家のことがあったからこそっていう理由付けは、面白いと感じました。 そんな感じかなー。 正典の事件を紹介したりっていう要素は良いと思いましたねー。 初めてホームズものに関わる人に、ちょっとした紹介本という感じで読んでもらうのも良いかもしれない。 「ホロウィッツの紹介するホームズ」みたいなイメージ。 ただ、あくまでドイルさんの想定とは違うかも知れないということは前提で。 どうでもいい補足。 私の女の勘は、絹の家が明らかになったあとで、双子の片割れの正体に気づきました(笑) | ||||
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| シャーロック・ホームズの原典を読めばわかるように、そのほとんどは奇想天外冒険小説の原型+幻想文学、SF、ホラーなどの組み合わせでできている。 なかには突然変異による怪物なども登場する。 その原典と、原典に触発されたパスティーシュ群のなかで、本書はあまりにも地味で真面目すぎるきらいがある。 ホロヴィッツという作家の資質もあるとはいえ、こういう作品は一般読者からいうと物足りないのではあるまいか。 | ||||
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| コナン・ドイル財団公認のホームズ物という事で期待しすぎたのだろうが、作品自体は嫌いじゃない。 極めて普通の出来で、十分楽しめる。 しかし、シャーロックホームズがここまで世界に受け入れられているのは、性的な内容を一切含まないからだ、と私は信じているので、単なるパスティーシュとしてなら認められても、公認のホームズ物としては受け入れがたい。 「それがゆえの語られざる冒険譚」であれば、公認してはいけないと思う。 | ||||
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| 本家ドイルのホームズ物の長編四作では、推理の興趣はそれほど追求されていない。後半が冒険 物語の『緋色の研究』と『恐怖の谷』、クライマックスの息詰まる追跡劇が見ものの『四つの署名』、 そしてダートムアの荒涼とした雰囲気が魅力の『バスカヴィル家の犬』、見どころはそれぞれ異なる が、長編では本筋とは無関係の要素が多く、構成も巧みとは言い難い。 本家の長編と比べると、ふたつの事件を最後に収斂させる本作の手際は見事だと評価できる。 ホームズの逮捕、ワトソンの活躍、レストレイドの好漢ぶり、あの男の登場など、連続TVドラマ (著者は脚本家)のように雑多な内容が楽しませる。そのめまぐるしい展開はニコラス・メイヤーの 『シャーロック・ホームズ氏の素敵な冒険』を思い出させる。ちなみに、メイヤーの贋作は 「なぜホームズはコカインをやめたのか?」という本家の謎に対する答えになっているが、 ホロヴィッツの本作は「なぜホームズはベーカー街不正規隊に頼らなくなったのか?」という 問いへの答えになっている。 メイヤーの原作同様、映画化もしくはドラマ化も期待できるのだろうか。それは主題が許さない だろう。本家の短編にも猟奇的でスキャンダラスな話はあるが、本作はこの点でひけをとらない (褒め言葉ではない)。加えて、ホームズが亡くなり、老いたワトソンが回想するという設定のせいで、 1887年と若かりしホームズの事件であるにもかかわらず、全編に哀愁が漂っている。 ホロヴィッツの別のホームズ物も読んでみたいが、次はもう少し明るい主題をお願いしたい。 | ||||
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| シャーロックホームズの名前を入れてほしくない話でした。 推理がどうこうよりも、物語全体で未成年が残忍な事件の被害者になる設定からして シャーロックホームズらしくありません。 話の展開も何だか無理があって、あっけない幕切れです。 こういう話を「シャーロックホームズの話」と認めている財団というのも ちょっと疑問です。 ほんとにこれを認めているの??と思いました。 世界中にたくさんのファンを持つシャーロックホームズを こんな風に扱ってほしくなかったというのが 正直な感想です。 | ||||
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| コナン・ドイル財団が初めて公式認定した、 80年ぶりのホームズ新作! この謳い文句がなければこの本は読まなかったと思います。 そもそもパロディやパスティーシュものには一切興味が無かったからです。 しかしこの作品はもの凄く面白く、展開もスピーディーで飽きることなく最後まで読めました。 著者の執筆に対する姿勢もまた素晴らしいと感じており、 新たなホームズの幕開けとしてシリーズ化を願ってしまったほど、 作品そのものについては個人的にはそれなりな満足感を得られています。 しかし財団が公式認定したことによる「聖典の位置付け」としてはどうか? 僕個人とすれば反対と言わざるをえません。 他の方が指摘されている通り、作中に流れる感覚が結構「現代的」なワケで、 過去の聖典に登場したキャラクターたちが絡む展開についても違和感しか覚えません。 新たな「聖典」としての先入観抜きにこの作品を読んでみたかった気持ちで一杯ですが、 前述したとおり僕は「パロディ・パスティーシュ」に興味はありませんでした。 「80年ぶりのホームズ新作」なるコピーが無ければ一生この本を読むことは無かったと思います。 出会い方を間違えてしまった。 しかし間違えなければ出会わなかった。 自分の中での葛藤が、 このレビューを書いている今でも収まっていません・・・ | ||||
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| 成典の内訳は短編56・長編4で圧倒的に短編が多い。 また長編といっても他の長編小説と比較すれば2分の1か3分の1の分量でしかない。 つまりホームズは短編でこそその本領を発揮できる作品である。 その点この作品は長編であり、しかもかなりの分量だ。 物語の性質上、それなりの必然性があって長くなるのなら納得もするが、本来であればこの半分程度でも十分な内容を、無理やり引き伸ばしているような印象を受ける。 そのため話しが間延びして締まりがなく、読んだ後も印象に残らないような平凡でありきたりの作品に終わっている。 従って個人的にはあまりお勧めできない。 | ||||
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| 「コナン・ドイル財団公式認定」「80年ぶりのホームズ新作」という宣伝文句には正直懐疑的だったものの、読んでみると意外に面白く、一気に最後まで読み通してしまった。 時は1890年の『瀕死の探偵』事件直後。ホームズと、一時的にベイカー街に戻ってきていたワトスンのもとに、米国で摘発に協力したギャング団の残党に狙われているという美術商が依頼に訪れる。最初はなぜか呑気に構えていたホームズだったが、依頼者を狙っていたギャングとおぼしい男が何者かに殺され、探索に当たっていたベイカー街不正規隊の少年の一人も「ハウス・オブ・シルク」という言葉を残して失踪したあと惨殺死体となって発見される。怒りに燃えながら事件を追うホームズを待ち受ける、更なる謎と「ハウス・オブ・シルク」の罠。 パスティーシュとして見た場合、訳者あとがきにもある原作との矛盾、巨大な謎の敵(の割に幕切れはあっけない)、アクション過多ぎみの展開ほか、違和感を覚える部分はある。私自身も登場を期待していたあの人物やあの人物も、読み終わってみれば、果たして登場させる必然性があったのか疑問も感じた。ただ、原作へのオマージュ的なトリック、ホームズの推理など、ミステリーとしてはよく練られており、ヴィクトリア時代の世相、特に、ホームズやワトスンが語ることはなくとも目にしていたに違いない時代の暗部(アヘン窟、貧困、ストリートチルドレン、上流階級の虚飾の陰の悪徳)の詳細な描写も、作品に陰影のある奥深さを与えている。 帯にあった「ホームズ61作目」という位置づけはどうかと思うものの、これまで目にしたパスティーシュの中では、確かに上位に入るできばえの作品だった。 | ||||
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| 好意的なレビューが多く、「正典」と呼ばれるコナン・ドイルの原作を長年愛読してきたファンとしては、大いに期待して手に取った。しかし残念ながら、読後感はすっきりしなかった。「偽典」の域を出るものではなかった。 語られざる過去の冒険譚をホームズの相棒ワトソンが綴る、という定石スタイルを取ったパスティーシュものだが、まず、何人かの登場人物の性格や描写がそれらしくない。 最たるものは他でもないホームズである。捜査に行き詰まって弱音を吐き、はやばやと兄のマイクロフトに頼ろうとしたかと思えば、「今回は知性でなく直感に従う」と宣言し、「思慮分別がなんの役に立つ?いまは積極的に主導権を握るべきときなんだ」とハードボイルドまがいの無謀な手段に打って出る。ホームズという名を持つ別の探偵を見ているようだ。 そのマイクロフトは、助けを求めてきた弟にえらく冷淡な態度を見せるし、逆にライバルのレストレード警部が、窮地に陥ったホームズを心底案じるような言動を早々と取るのも「らしく」ない。レストレードは、表面的には張り合って強がりを言っているが、実はホームズに一目置いていることがじわりと伝わってくるからこそ人物が立つのだ(まあ正典でも、後期の警部はかなりストレートな好人物になっているが)。 マイクロフトやレストレード、さらに名は秘すが「あの人物」を含む、正典のサブキャラクターを幅広く登場させているのも、欲張り過ぎて作品を不必要に長くしている。また、正典の事件があちこちで言及されるが、そうしたワトソンの回想場面も多すぎて冗漫に感じる。 細かいことだが、「ホームズは炭酸水製造器(ガソジーン)のうえに身をかがめ、煙草に火をつけた」というところがある。gasogene はホームズがソーダ割りをつくる時に使うもので、ここでもそれに沿って翻訳されてはいるが、文脈的にはガスを使った点火装置と著者が誤解しているとしか読めない。 らしくない登場人物、くどいまでの正典への言及、ファンにはおなじみの器具の機能がおかしいこと・・・果たしてこの「ワトソン」は本物なのだろうか。専門の鑑定家でなくても、今回の冒険譚はどうも偽書らしいと感じざるをえない。 おなじみの人物が登場し、過去のエピソードに触れているのは、ファンサービスであると同時に、正典をあまり読んだことがない読者にホームズ物語を紹介する意味もあったのかもしれないが、それが度を過ぎていて、成功しているとは思えない。作者ホロウィッツが、どこまで正典を読みこんでいるのかファンに疑念を抱かせるような描写もまずい。ドイル財団の「お墨付き」って一体何なんだろう、とも考えてしまった。 ストーリーは、ドイルが直接的な形で取り上げることを避けていたといえる社会の暗部を正面から描いたもの。作者の意欲は買うが、舞台はヴィクトリア朝なのに現代的な感覚が透けて見え、この点でも違和感が拭えなかった。 なお老婆心ながら、映画でいえば「R指定」確実と思われるシーンが出てくるので、児童書で原作を読んでホームズに興味を持った子どもが手にするのはまずいだろう。 事態が次々と展開し読みやすいことは確かなので、むしろ正典に過度に親しんでいないほうが、かえって愉しめるのではないかとも思った。この作品や最近の映画・TVドラマによって原作のファンが増えるとしたら、それはそれで嬉しい事ではある。その意味では星3つか4つにしても良いかとも思ったが、長年の正典ファンとしては、やはり心を鬼にせざるを得なかった。 なお訳文は、カッコ内に「訳注」と書いた上で説明を入れているところがいくつかあるが、中には長すぎると感じるものもあった。そうでなくても文中に割り込む形の注は読書の流れを阻害する。もうすこし工夫はできなかったのだろうか。 | ||||
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| なんとか財団公認ということで、公式には正典といえるのだろうか。 新しい正典が読める、あの雰囲気にひたれるという非常な期待と喜びをもって、読みはじめる。 非常におもしろい、一気に読み終えた、もう一度いう、非常におもしろい、が、これは正典ではない!!それだけはいっておかなばならない。 ほんとうに残念だ!なんといってもあの格調高さがまるでないのが... | ||||
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| ホームズシリーズを読んでいないひとでも楽しめるし、読んでいるファンはもっと楽しめるようになっています。 ただし、中盤の展開が大げさすぎたり、後半の解決が強引すぎる感じがします。 今時は、このくらいやらないと面白く感じないのかもしれません。 | ||||
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| ホームズ万歳!やはりナンバーワンの名探偵はシャーロック・ホームズでしょう。 いままでいろいろなパスティーシュがありましたが、これは最高傑作でしたね!確かに、いろいろと細かい点で、「?」というところもありましたが、最初から最後まで楽しめました!またこのような作品にお会いしたいです。 | ||||
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| 懐かしの名探偵シャーロック・ホームズ。最近ベネディクト・カンバーバッチ主演で ふたたびドラマ化されるなど根強い人気を誇っています。 アンソニー・ホロヴィッツの本書は『絹の家』の秘密に迫る過程で ホームズとワトソンがさまざまな試練に襲われながらも、 持ち前のチームワークと名推理で見事に事件を解決するまでが 19世紀ロンドンを舞台にスリリングに描かれています。 読み終えて思ったのは、 1、19世紀ロンドンの闇の部分、つまりドイルの 「聖典」にはあまり登場しない貧困や道徳的退廃といった社会背景が丹念に描かれている。 2.ストーリーは波乱万丈で読みごたえがあり「ハンチング帽の男」の謎と「絹の家」の 謎が複雑に絡み合っている。 3、本家ドイルの作品に漂うそこはかとないユーモアはあまり感じられない。 4、メアリー・モースタン(ワトソン夫人)、レストレード警部、兄マイクロフト、 そしてホームズの宿敵である「教授」といった おなじみの人びとの登場が嬉しい、といったところでしょうか。 『絹の家』の詳細を語ることは避けますが、急激に発展した世紀末ロンドンには こういった闇の部分が存在したのでは、という印象を持ちました。 過去にホームズが手がけた事件と比べてダークな内容ですので ホームズ・ファンにはちょっとショックかもしれません。 でも中盤以降のホームズの大活躍とワトソン博士の友情が嬉しく、 随所に挿入された「ホームズ的要素」を楽しみながら読了しました。 本格ミステリーファンにもホームズファンにもお勧めできる佳品だと思います。 | ||||
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| 間違いなく、ワトソン先生による聖典といっても過言ではありません。 でもなぜ、120年もたってから、ようやく公開されたか。 事件にかかわった人々が過去帳に記載されて初めて。 本当に「絹の家」と「ハンチング帽の男」の事件はこの解決で終わりなのでしょうか? 私には「もう一つの真実」があるように思えてなりません。 もっと暗く深い、英国王室が続く限り公開できない大きな真実があるように思えてならないのです。 そうでなれば、「教授」や「マイクロフト」があれほどまでに・・・・ いや、きっとこれでいいのでしょう。 | ||||
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| 新しく読めるホームズ作品としては、これ以上は望めないと思えるほど、ツボを押さえたバランスの良い完成度だと思いました。 またホームズファンの方なら、旧来の作品の活躍を思い出しながら、「そんな事件もあったのか!・・・」と感慨にふける事は確実な気がします。 やや大人向けのテイストではありますが、そこが往年のファンには丁度良く響き、これなら映画化されてもいい!いや、されるだろう!と思える今作は読んでおく価値アリです。 買って損なし。 | ||||
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| 複雑過ぎないストーリー、意外な真相、 そしてお約束の ホームズの洞察力に舌を巻くワトスン! 楽しく読ませてもらいました。 変わらないホームズとワトスンの友情… ジンときました! | ||||
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| コナン・ドイル財団の初の公式認定の約80年ぶりとなるシャーロック・ホームズ最新作らしいです。 実はあまりホームズは読んだ事が無く、他の作品と比べて感想は言えませんが、本作は傑作でした。 とにかく、お馴染みと思われる冒頭のシーンから、次々と起こる出来事に引き込まれ、読むことを止めることが出来ません。 ただ、絹の家の真相は気持ちの良いものではなく、やや行き過ぎ(いくらなんでもそこまで影響力はないだろう)感はありましたが。 色々な事が繋がって、最後にホームズが真相を語るシーンはなかなか読み応えがあり、その光景が思い浮かぶようでした。 | ||||
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| BBCのドラマ『SHERLOCK(シャーロック)』(2010〜)が当たったためだろう、このところ静かなシャーロック・ホームズ・ブームが続いている。そんな順風ムードの中で書かれたのが、長篇小説『絹の家』(11)だ。作者はアンソニー・ホロヴィッツというイギリスの作家だが、帯に「80年ぶりのホームズ新作」「ホームズ61番目の事件」などと惹句が躍っていて、ナニナニ? と思わず前のめりになる。よく読むと「コナン・ドイル財団が初めて公式認定した」とのことで、なるほどと納得するのだが、あらためてこれはすごいことだぞ! とページを開く前から期待値が上がった。 物語は、ある人物がベーカー街221Bに事件を持ち込む、というお馴染みのパターンから幕を開ける。それに先行してホームズが、ワトスンが頭の中で考えていたことを次々と当ててみせる、というお決まりの導入もある。この開巻からすでに予想できるように、本書は全体的にオーソドックスな作りだ。作者のホロヴィッツは、自らに十箇条のルールを課して執筆に当たったという。「度が過ぎたアクション・シーンはいらない」「有名な実在の人物を登場させてはならない。ホームズの依頼人は架空の人物であるべき」「殺人の数は多すぎてはならない」などなど、その姿勢はストイックですらある。 コナン・ドイル財団からの公式認定は、それらが功を奏した栄誉といっていいだろう。「ホームズが実は○○だった」とか、「同時代の誰それと対決」とか、そういう奇をてらったことは一切していない。ひたすらシリアスでフィクショナルな話が展開する、正統な贋作なのである(あ、公式認定だから贋作ではなく新作か)。しかしシリアスといえば格好はいいが、誤解を恐れずにいうと本書は陰鬱な話だ。ミステリーとしての骨子はしっかりしているし(ヘトヘトになるくらい二転三転する)、サスペンスとしての推進力は申し分ないが、「気持ちのいい冒険譚を読んだ!」というような爽快感は薄い。 ご多分に漏れず「ある理由から公表できなかった事件」という定石を踏んでいるので、シリアス路線は妥当にしても、「ここまでヘヴィーなのはちょっと」というむきもあるだろう。確かにここに描かれる殺人事件にしてもおっと、その先はネタバレになってしまうので、本書をお読みいただきたい。他方で、「ちょっと大風呂敷を広げ過ぎたかな」と思わせるようなところがないでもない。例えばマイクロフトがシャーロックにある勧告をするのだがおっと、またまたネタバレになってしまうところだった。やはり、まずはお読みください。とにかく読ませることは間違いないし、「読んだな〜」というずっしりした手ごたえは得られるはずだ。 | ||||
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| コナン・ドイルの子孫達が運営するコナン・ドイル財団により、コナン・ドイル自身の著書以外で初めて正式に認可された、シャーロック・ホームズの物語。 この原書自体、イギリスでつい一昨年(2011年)に出たばかりの、新しい作品でもあります。 もっとも、短編集であれば、実はコナン・ドイルの息子が、本格ミステリー界の“密室の王者”ことディクスン・カーと共にかつて非常に面白い短編集 『シャーロック・ホームズの功績』(原書出版は1954年。早川書房にて邦訳有り)を書いたのですが、どうもそちらは財団の認可はなされてはいない様です。 一方、アンソニー・ホロヴィッツの手によるこちらの『絹の家』は長編で、そもそもコナン・ドイル自身はホームズ物語の長編を生涯に僅か4冊しか書きませんでしたから、 “唯一の財団公認であり、長編のホームズ物”という二重の魅力を持っているこの作品を、私も大いに期待して読みましたが、実際に期待通りの面白さでした。 ところで、私自身はこれまで“本格ミステリー”のジャンルに限定してレビューを書いてきたため、ホームズ作品について感想を述べるのは少し畑違いな気もするのですが。 それと言いますのも、たしかにホームズは名探偵の代名詞ですが、しかし厳密に言う“本格ミステリー”とは、コナン・ドイルの影響を受けつつも、 1920年前後にとりわけイギリスのアガサ・クリスティーやクロフツ等といった作家達によって開拓されたジャンルを言うからです。簡潔に説明するならば、 読者が作者から与えられた“情報を基に謎を解く”ことに重きが置かれているものが、本格ミステリーと言えるでしょう。 一方、読者が謎を解ける様に“情報”を与えるという作風ではなく、事前に読者が知らない情報を基にホームズが推理を語ることが多いドイルの作品は、 本格ミステリーとは言わないのです。 そんな訳でこちらの作品も、本格ミステリーとして書かれているというよりは、やはり、徹底してコナン・ドイルのスタイルで書かれた作品であることに、 最たる特徴の一つがあると言えます。しかしそうは言いながらも、同時に、長年の本格ミステリー・ファンの私から見ても、王道的なミステリー小説らしい推理が 展開される秀作でした。 否、むしろ、最後まで読むと分かりますが、何気ないところまで意外と細かく気が配られており、しかも精読していれば事前に読者はそれに気付くといった趣向も 凝らされておりましたので、“本格ミステリー風”とも言える、秀逸な作品だなと思いましたね。 ですが、もちろん、この作品の魅力を本格ミステリー的な観点ばかりから考えることは間違いです。それと言いますのも、やはりドイルのホームズ作品と言えば 魅力溢れる冒険的色彩も濃いわけですが、こちらの作品もドイルばりの優れた冒険物語となっているからです。と言うよりも、この作品の最大の魅力は、 ドイルの書いた様々なホームズ作品の影響が至るところに詰まっている点で、「ここはあの話から影響を受けてるな」などと思うところが多々あり、 それがこの作品で展開されている冒険談に華を添えていて、コナン・ドイルへのオマージュを感じると共に、ドイルのホームズが本当に復活したかの様な印象を受け、 ファンに“安心感”を与える出来ともなっているのです。 そこでふと思うのが、こちらの作品の作者が、日本でも英国ミステリー・ドラマのファンにはお馴染みの脚本家であり、小説家でもある、アンソニー・ホロヴィッツ であることこそが、この作品の成功の秘訣かもしれないということです。 ホロヴィッツと言えばなんといっても、あのデビッド・スーシェ主演ドラマの『ポワロ』の脚本を成功させた功績がありますし、他にも、これまた日本でも 英国ミステリー・ファンには人気のドラマ『バーナビー警部』といった作品の脚本もやはり成功させています。それらに見られる様に、人気小説を題材に 非常に面白い脚本を書く彼は、“原作の良さを損なわずに自分なりのアレンジをし、優れた作品を新たに創る”ことの天才なのでありまして、その才能やこれまで培ったノウハウが 小説において遺憾なく発揮されたのが本作だと思えてならないのです。 以上、このようなわけで、全体的にレベルが高く秀逸な出来なので、もちろん星は5つにしました。 ちなみに、単行本なので二千円近く、少々値は張りますが、しかし実際に手に取ってみると、カバー・デザインのみならず、カバーを外したデザインも美しく、 私はこれほど見事な装丁のミステリー小説は他に持っていないため、お宝を手に入れた様な感もありまして、この小説が本当に気に入りました。 おすすめの一冊です。 | ||||
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