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エデンの命題
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エデンの命題の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.69pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全13件 1~13 1/1ページ
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ちょうど同じくらいの長さの中編が二つ収められた一冊。 「エデンの命題」はSFでたまにある設定が登場する話。映画化もされた某作品も思わせる。 作者の特徴の、素直な話の展開と滔々と語られる専門的知識があんまり内容と上手く噛み合ってない印象。 「ヘルタースケルター」は時計仕掛けのオレンジとワンシチュエーション映画が一緒になったような印象の始まり方で、話がどこに転ぶかわからない感じが面白かったけど、残酷な描写がだいぶ多くてそこは飛ばしてしまった。 特にジャンル分けできないような奇妙な味系の物語が好きな人にはおすすめかも。 | ||||
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この作家の新刊は見つけ次第購入なのですが、 見逃すこともあるので。 諸表からすぐここへ飛んで、買えてよかった。 | ||||
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表題作ですが。 細部は細かく書き込んであるけど、それを取っ払ったら すげえ良くある話じゃんって印象でした。 SF小説とかで良く聞くモティーフだなあ、と。 島田作品らしく、もっと目も眩むようなオチを期待してただけに、残念だった。 もう一つの収録作、ヘルター・スケルターの方が好きでした。 オチも勿論、細部(主人公の昔話)も面白かったです。 | ||||
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本書収載の2作品は、いずれも著者の提唱する21世紀本格のテーゼを実作で示したものといえる。 脳科学が取り入れられ、私のような、そのあたりに興味のある読者には、結構高く評価されるだろう。 ただし、記憶の錯誤や取り違えがキモだったり謎のコアだったりすると、強力な物理的な謎と比べると、少々安易なものに思われるかもしれない。 この意識の混乱や錯誤をプロット上のメインにしたものというと、一連の京極作品が思い浮かぶ。 あちらはそれを妖怪談義やらでコーティングして高級感を漂わせているのだが、島田作品はかなりストレートに出している分、格が違って見えるのはいたしかたのないことだろう。 さて、どちらが面白かったかといえば、私は「ヘルター・スケルター」のほうが好みだ。 いかにも島荘ミステリという感じだし、謎で引っ張る力が強い。 意外性も「エデン〜」より大きい。 最近、著者はこの手の作品をあまり書かないみたいなので、ちょっと残念である。 | ||||
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オリジナルは2005年11月30日リリース。『エデンの命題』・『ヘルター・スケルター』の中編2編からなる。 『エデンの命題』を読み出してこれはスゴイと思った。恐るべき着想だ。今の島田荘司の興味というのはアメリカと脳に集約されている気がする。よってアメリカに住んで脳を研究するという今のスタイルはまさに作家として最高のシチュエーションに自分を置いていることになりそうだ。『脳』そして『臓器』。『眩暈』や『アトポス』の頃からずっと島田荘司はその周辺を彷徨っているのだが、少しずつその内容は進化する実態医学や科学の理論を実装して、どんどん深い世界へと突入している。故にものすごい説得力で読者を圧倒する。『ヘルター・スケルター』の方は『聖林輪舞』の中のチャールズ・マンソン事件を下敷きにしているな、と題名を読んだときから思った。これも見事な出来映えだ。 この作家が最後にどの地点まで到達するのか見届けたい気持ちになる。おそらくは、日本に現れた作家の中で最も高みに到達するだろう。読みながら僕は右脳と左脳でそうディスカッションしていたのだった。 | ||||
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表題作の中で出てくるクローンについてのほとんど同じ薀蓄を「ハリウッド・サーティフィケイト」のほうでも読んだ。おまけに腎臓が一個なくなっているという人物も同様。なんかこの人の著作読んでると、あるネタをあっちこっちで使いまわしてるよな。たとえばハヌマンラングールという猿は「踊る手なが猿」に登場し「ら抜き言葉殺人」にも登場し、吉村作治との対談でも島荘は一夫多妻のネタに取り上げていた。トリックもたまに使い回してるし、そういうとこをなんとかしてほしい。読んでるほうは、またかよ〜ってなことになるから。 | ||||
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本書には、21世紀本格のサンプル中編2作が収められています。21世紀本格とは、島田氏の提唱する、最新の科学の知見を本格ミステリに結合させた新しいミステリーの概念です。どちらもなかなかすっきりしたプロットで、よくまとまってます。ですが、それがかえって逆効果です。 エデンの命題は、じぶんの過去作品の換骨奪胎で(その手法こそが面白いんですが)インパクト不足です。新しさと衝撃では、ヘルタースケルターに軍配があがりますが、こっちがアメリカや脳科学について詳しくないから、そんなものかと思い込んでるだけかもしれないですし。もっと過剰さを追求した方が、21世紀本格の本質がみえたのでは? なにより中編では島田さん最大の持ち味の詩美性が発揮できないようです。 本作は、21世紀型ペダントリーを盛り込んだ犯罪小説といった印象。期待しすぎなければ実に楽しいんですけど… | ||||
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エデンの命、ヘルター・スケルターの2部構成。 「エデンの命題」は、タイトル負けかな。小難しい事は解りませんが、小説としては、似たような話を読んだような・・・長編向けかな? 「ヘルター・スケルター」は、記憶を失った男が、女医との会話を通じて過去の犯罪の記憶を取り戻す内容で、程よい中篇に仕上がっていると思います。 | ||||
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表題作よりも『ヘルター・スケルター』の方が好み。 こちらは患者と医師の淡々とした尋問形式で進み、脱線することもなく読み易かった。登場人物も少なくシンプルでよい。テーマも軽過ぎず、重過ぎず、中編ならこれぐらいが理想的。 表題作『エデンの命題』はミステリというよりは、まるで青春映画みたい。知能は高いが純粋すぎる主人公。自力ではどうすることの出来ない環境からの脱出、逃走。それに性の葛藤。 エデンの園の話と主人公の置かれる状況とのシンクロはよく出来ているが、そこまでして聖書を扱う意義が果たしてあったのかは謎。 歴史の部分は勉強になるし、主人公とヒロインとのやりとりは興味こそそそるが、メインのクローン技術云々は差程新しくはない。 そもそも書き出しの川と生命の話が、最後まで活きていないのが残念。全体的に詰め込み過ぎて消化不良な印象は否めない。 それにしても『エデンの命題』という題は、中編にしてはどうも重々しすぎるように思う。聖書に関しては長編で、もう少し丁寧に書いて欲しい。 | ||||
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シリーズ外作品であるため、御手洗、吉敷などのお馴染みのキャラクターは登場しない。 中編2作が収録されており、いずれも「脳」あるいは「脳の病気、損傷」により、奇妙な障害を有する人物をテーマにしたミステリ仕立ての作品。 「エデンの命題」 先天的な脳の疾病により、隔離された生活をしている主人公が巻き込まれる陰謀。脳や旧約聖書に関する衒学的解説が延々続き、少々閉口してしまった。ラストはあっけないし、似たような話はいくらでもある。 「ヘルター・スケルター」 脳に損傷を受け、記憶をなくした男が、女医との会話のやりとりを通じ、記憶を取りもどす内容。こちらは「あっ」驚くラストが待っている。ヤラレタ感あり。 ただし、両作品とも文豪島田の作でなかったなら、読むことはなかったなあ。作家というもの、ありとあらゆる方面にアンテナを張っているのだと思うが、近年の島田荘司の「脳への執着」は凄い。この分だと、ガジェットに脳を使った作品が出てきそうな予感がする。そういえば、作品上は、御手洗も脳の研究者だったっけ。 | ||||
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「エデンの命題」には、特に日本人には訳のわからない旧約聖書の内容を簡単に解説しているくだりがあるが、やはり、旧約聖書はわけのわからない矛盾だらけの作り話だということが改めて理解できる。そして、クローンや遺伝子のことも少しだけ理解できる。 ロスチャイルドやロックフェラーなどのユダヤ人たちが、何故大金持ちになれたのか、その背景に「ユダヤ人以外は豚だ」と書かれたユダヤ教典タルムードの教えがあるのかもしれない(自らが人種差別的思想を持っている)ということを何となく理解できるかもしれない。 上述のことがわかるだけでも、この本を読む価値はあると思う。しかし、物語の内容は映画「アイランド」に酷似している。フジテレビ系の「世にも奇妙な物語」の中にも、数年前にこのようなネタがあったように思うが。 「へルター・スケルター」は、ペンフィールドのマップやシルビウス裂など、脳に関する知識がかなりつくと思う。そして、1960年代のアメリカに実在した、チャールズ・マンソンを中心としたカルト教団に興味を持つかもしれない。しかし、物語の展開としての時代背景に多少の無理があるようにも思えた。 いずれにしろ、島田氏の小説の中にはいつも考えさせられる何かがある。 | ||||
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この本には「エデンの命題」と「ヘルター・スケルター」が収録されてるわけだが、期待するのは「ヘルター・スケルター」だけにしといたほうがいい。「エデンの命題」はとんでもない肩すかしを食らわされる。 アメリカ、ラスベガス郊外の砂漠に立つアスピー・エデン。この教育施設にはアスペルガー症候群と呼ばれる器質的機能障害を持つ児童が集められている。 ザッカリ・カハネがメタンを体液とする生物とアスペルガー症候群の類似性について考察しているところから物語は始まる。 ヒロイン、ティア・ケプルタとの対話やシチュエーションなんかが、何となくサヴァン症候群の少女と戯言遣いの少年の出てくる某小説を連想してしまい、島田荘司も若い連中に媚びるようになったかとちょっと吃驚した。 しかし、「旧約聖書の謎を、最先端の科学が解く」とか言うキャッチフレーズはいくら何でも誇大広告だ。どこかの科学雑誌に載ってるようなアダムとイヴのクローン説についてちょこっと書いてあるだけだし。トリックといえるようなモノもなく、要するにライトノベル並みにチャチな謎解きと、どんでん返しがあるに過ぎない。 結局のところ、ただ単に最初の人間の体と川の考察と脳に関する蘊蓄が言いたかっただけなんだろうな。 「ヘルター・スケルター」はちゃんとした小説なので問題なし。 | ||||
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2005年11月30日リリース。『エデンの命題』・『ヘルター・スケルター』の中編2編からなる最新作。 『エデンの命題』を読み出してこれはスゴイと思った。恐るべき着想だ。今の島田荘司が一番スゴイと思う。今の島田荘司の興味というのはアメリカと脳に集約されている気がする。よってアメリカに住んで脳を研究するという今のスタイルはまさに作家として最高のシーチュエーションに自分を置いていることになりそうだ。『脳』そして『臓器』。『眩暈』や『アトポス』の頃からずっと島田荘司はその周辺を彷徨っているのだが、少しずつその内容は進化する実態医学や科学の理論を実装して、どんどん深い世界へと突入している。故にものすごい説得力で読者を圧倒する。『ヘルター・スケルター』の方は『聖林輪舞』の中のチャールズ・マンソン事件を下敷きにしているな、と題名を読んだときから思った。これも見事な出来映えだ。 この作家が最後にどの地点まで到達するのか見届けたい気持ちになる。おそらくは、日本に現れた作家の中で最も高みに到達するだろう。読みながら僕は右脳と左脳でそうディスカッションしていたのだった。 | ||||
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