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七福神殺人事件
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七福神殺人事件の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.80pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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本作品は、作者の処女作『刺青殺人事件』に次ぐ長編第2作にして、第3回日本探偵作家クラブ賞(現・日本推理作家協会賞)受賞作品である。 『刺青殺人事件』は前年にやはり同賞の候補作品として坂口安吾『不連続殺人事件』、横溝正史『獄門島』と最後まで争った作品で、最終的には『不連続〜』に敗れはしたものの、片や文壇の巨匠、片や無名の新人作家では、審査員が安吾の方に肩入れしたのは当然で、そうでなければ『刺青〜』が受賞したであろうと思われるぐらいの傑作である。 しかし本作品は、どうやら『刺青〜』で同賞を受賞しそこなった作者に対する審査員たちの計らいでしかなかったようで、密室トリックこそ前作『刺青〜』の肩透かしなトリックに比べ秀逸ではあるが、前作を凌ぐのはこの点だけである。 作者が仕掛けた叙述トリックは、おそらくクリスティーの『アクロイド殺し』を意識したものだろうが、『アクロイド』と違って、アンフェアな虚偽の(としか思えない)記述が随所に見られ、その点、同年に発表された横溝の『夜歩く』と同じ失敗をしている。 また、『夜歩く』との類似は驚くべきばかりである。 『夜歩く』は顔のない死体、本作品は密室トリックをメインにした作品だが、『アクロイド殺し』を意識したプロットに加え、犯人の動機、狂女の存在と発狂の原因など、全体の設定がそっくりである。 『夜歩く』は昭和23年2月に『男女』に前半が、後半が翌24年6月〜12月『大衆小説界』に掲載され、本書は昭和24年4月『宝石』に掲載されている。始まりは『夜歩く』が先で、完結は本作品の方が早いわけだが、このように近接した時期に非常によく似た設定の作品が掲載されたにも関わらず、よく問題にならなかったものだと、別の意味で感心している。 | ||||
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