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償いの報酬



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【この小説が収録されている参考書籍】
償いの報酬 (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)

償いの報酬の評価: 4.60/5点 レビュー 10件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.60pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全10件 1~10 1/1ページ
No.10:
(5pt)

読まずにはいられません。

まだ、読み始めたばかりなのですが、ローレンス ブロックさんの本は中毒性があって、読まずにはいられなくなるので、困ります。人気作家の作品は、全て読みたくなるので、これからも少しずつ、ローレンスブロック本を読んでいきたいと思います。
償いの報酬 (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)Amazon書評・レビュー:償いの報酬 (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)より
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No.9:
(5pt)

償いの報酬

マット・スカダー・シリーズ。禁酒を始めてから3カ月が経とうとしていた。いつものようにAAの集会に参加したスカダーは、幼なじみで犯罪常習者のジャック・エラリーに声を掛けられる。ジャックは禁酒プログラムとして、過去に犯した罪を償う“埋め合わせ”を実践しているという。そんな矢先、銃弾を頭部に撃ち込まれ何者かに殺されてしまう。スカダーはジャックの遺した“埋め合わせ”リストの5人について調査を始めるが…。
償いの報酬 (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)Amazon書評・レビュー:償いの報酬 (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)より
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No.8:
(5pt)

わくわくするようなマット・スカダーの世界が語られる

長年の友人ミック・バルーと彼が所有する酒場で夜更けまで語り合うマット。店にはギネス、選りすぐりのシングルモルトが置かれている。ウオーター・フォードのタンブラーでマットはクラブソーダ、ミックはジェイムソン12年物をストレートで飲んでいる。年取った二人の会話からマットの回顧譚が始まる。わくわくするような出だし。ローレンス・ブロックはマット・スカダーシリーズの筆を折ったと聞いていたので、久しく遠ざかっていたが10年振りの出会い。これで17作品すべてを愛読したことになる。
回顧譚は時系列を飛び越えて昔の80年代に還ってしまった。マットが警官を辞めてそんなに経っていない、まだ最愛の妻エレインにも出会っていない。懐かしい登場人物、刑事のダーキンや情報屋のダニー・ボーイが出てくる。マットの幼友達を殺した容疑者を追い求めて5人まで所在を確かめたが、全員白。物語は半ばにさしかかり佳境に入る。終わってしまうのだもったいないいつものシリーズだ。
マンハッタンを掌に読み進め遂に終わってしまった。1000ドル出して調査を依頼した人物も殺され、登場人物が次々と消えていく、単純な調査と思いきやマットの身にも危機が迫る。禁酒1年目を迎える前夜、マットが定宿のドアを開けると部屋にはバーボンの臭いが立ちこめメーカーズマークがなみなみと注がれたオールドファッションド・タンブラーが置かれていた。真犯人と自然史博物館で持ち合わせ互いの身の安全を話し合うマット、メキシカン・スタンドオフ(膠着状態)。この場面は本作の弱点になるのではないか。読者はもっとドラマチックな結末を望んでいたはずだ。
30年前の話はここで終わり。長い長い夜話。ミック・バルーもジェイムソンをエビアンに切り換えた。二人とも年を取った。80年代のマンハッタンを経験しているのでマットの巡回を俯瞰できた。出来ればkindleの英語版と照らし合わせてジョークを楽しみたいものだ。我が身にまだ時間が残っていればの話だが。
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No.7:
(4pt)

スカダー・シリーズ最終版だろうと思いながら感慨深く読み終えました。

ローレンス・ブロックのマット・スカダー・シリーズは、17作あるが評者はその全作品を読んではいない。
 が、大凡の作品は読んだ記憶であり先に未読だった『 獣たちの墓』を読み終え、このシリーズ17作目(2011年)『償いの報酬』(原題: A Drop of the Hard Stuff )を読むことにした。
 本書の奥付を見ると刊行されたのは2012年10月20日初版発行と記してあり、訳者はおなじみ田口俊樹氏である。
 著者ローレンス・ブロックは、1938年生まれであるから本書『償いの報酬』の主人公のマット・スカダーを、74歳として登場させていることにローレンス・ブロック自身の心の襞を吐露するように淡々としてストーリーを語っていく。
 ある夜更け・・・・・という章でミック・バルーと彼の経営する酒場で時を忘れたように昔話を始めるところからこの物語は幕を上げる。
 禁酒を始めて間もなく一年を迎えるころ、AAで幼なじみのジャック・キーンに再会したところからスカダーが大昔の事件を語り始めた。
 ジャックが殺されてから彼の助言者(スポンサー)のグレッグに1000ドルを渡され犯人捜しを始めるスカダーなのだが、意外な方向へ事件が展開してゆく。
 ある早朝・・・・・という最終章で老いを迎えたスカダーとミックが語り合う酒場のシーンで同じ世代のブロックは本書『償いの報酬』を、なんとも言えない余韻を残しながら書き終えている。
 少々退屈であったが、これがスカダー・シリーズ最終版だろうと思いながら490ページもの長編の本書『償いの報酬』を感慨深く読み終えました。
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No.6:
(3pt)

あの頃のキレはどうしたのだろうか。

高名な作家が小説を書く時、1行の真実を云いたい為に、100頁の雰囲気作りをしていると書いていたが、まさにこのシリーズは流れる文章を流れるがまま、淡々と読んでいき、間違っても目を皿のようにして読んではいけない。どうでもよい文章もあるのだ。ただそれらの積み重ねが独特の雰囲気を持ち、スタイルとなっている。

改めて気付いたのはアメリカという国は、いやニューヨークにはAA(禁酒の会)がいたるところに有るという事だ。私もかなり酒を飲むがアル中ではない。日本にそういう会が有ったとしても、こんなに多くはないだろう。銃社会と関係があるのだろうか。

時代はマットが禁酒を始めてもうすぐ1年が経とうとしている時期を回想する形式をとっている。AAで、疎遠だった幼馴染と何十年ぶりかで出会うが、その後間もなく銃弾で撃たれて殺される。この犯人をマットが突き止めて行くのだ。

ただ100頁の雰囲気作りは初期の頃からのファンなので充分堪能するのだが、1行の真実と云うか、終決部分の座りがよろしくない。お茶をにごされたという感じなのだ。

シリーズ後半辺りから危惧していたが、やはりそろそろ潮時かも知れない。
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No.5:
(4pt)

第17作が読めるとは・・・。

前作で、ピリオドが打たれたと思っていたので、新作が、それも文庫で読めるとは意外でした。ミステリとしての面白さよりも、会話を楽しむ小説ですね。
償いの報酬 (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)Amazon書評・レビュー:償いの報酬 (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)より
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No.4:
(5pt)

面白い!やられました!

ローレンス・ブロックに、やられました。
翻訳も、このシリーズをひさびさに訳せて
ノリノリ、ってな感じです。

初めの2ページくらいで、私も酒場にご一緒させてもらってました。
ええ、スカダーさんと、ミックさんと、です。

そして、4ページ目くらいには、「で、で、それから?なになに??」
って感じで、身を乗り出して聞いてる感じで、
あとは最後まで一気に、です。

おじいちゃんになった彼らにも、もちろん魅力はあるけれど、
この手法でなら、あと10作はいけますね、ブロックさん。
年に1冊、10年連続で出してくれたら、
向こう10年、毎年幸せが保障されます。

いや、この作品の設定はNGよ、という人もいるかもしれません。

でも、私は許します。
いいんです。
だって、文句なしに、面白いんですから。

あ、読むときに、AAの『12のステップ』を紙に書いて
壁に貼っとくのがおすすめ。
 
アルコール依存症じゃなくても、です。
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No.3:
(5pt)

味わいのある面白さ、趣のある語りは心地よい愉しさを与えてくれる。

老境に入ったマット・スカダーが30年前の殺人事件を回想する形をとっている。時代的には名作”八百万の死にざま“の後にあたるから読者にはたまらないであろう。会話を多用した展開、謎解きも彼の絶頂期には・・・。しかしながら、興趣、すなわち、味わいのある面白さ、趣のある語りは読者に心地よい愉しさを与えてくれる。
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No.2:
(5pt)

空白の10年を埋めてほしい

マット・スカダーシリーズは1970年代に始まります。当初は、犯罪者の追跡途中に発砲した銃弾で誤って少女を殺してしまったことが原因で、警察を辞め、家族を捨て、アルコールに溺れている主人公スカダーが個人的に依頼された調査をする間、ひたすらアルコールを飲み、教会でろうそくを立て、報酬の一部を無目的に寄付するといった内省的なシリーズでした。これが82年八百万の死にざま (ハヤカワ・ミステリ文庫)で体がアルコールを受けつけなくなり、自分がアルコール中毒であるであることを認めることで頂点を迎えます。罪悪感以外何も持たず、酒に酔うことで苦しみから逃れていたスカダーが酒を止めて何を支えに生きていくかという難しい時期が本作の舞台となります。

「八百万の死にざま」後、聖なる酒場の挽歌 (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)が上梓されますが、スカダーが飲んでいたころの回想という形式をとっており、89年の慈悲深い死 (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)まで、空白期間があります。本作は禁酒以後の空白期間を埋める形となっています。この時期は酒に逃げることを封じられ、すがるものを失ったスカダーが自分にどう折り合いをつけていくかという、結構重要な時期だと思います。この時期スカダーが何を思い、「慈悲深い死」にたどり着いたかは興味深いところです。時間的には約10年のブランクがありますので、スカダーファンとしてはあと2作くらい出してもらって回想3部作にしてもらえないだろうかと思います。
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No.1:
(5pt)

空白の10年を埋めてほしい

マット・スカダーシリーズは1970年代に始まります。当初は、犯罪者の追跡途中に発砲した銃弾で誤って少女を殺してしまったことが原因で、警察を辞め、家族を捨て、アルコールに溺れている主人公スカダーが個人的に依頼された調査をする間、ひたすらアルコールを飲み、教会でろうそくを立て、報酬の一部を無目的に寄付するといった内省的なシリーズでした。これが82年八百万の死にざま (ハヤカワ・ミステリ文庫)で体がアルコールを受けつけなくなり、自分がアルコール中毒であるであることを認めることで頂点を迎えます。罪悪感以外何も持たず、酒に酔うことで苦しみから逃れていたスカダーが酒を止めて何を支えに生きていくかという難しい時期が本作の舞台となります。

「八百万の死にざま」後、聖なる酒場の挽歌 (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)が上梓されますが、スカダーが飲んでいたころの回想という形式をとっており、89年の慈悲深い死 (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)まで、空白期間があります。本作は禁酒以後の空白期間を埋める形となっています。この時期は酒に逃げることを封じられ、すがるものを失ったスカダーが自分にどう折り合いをつけていくかという、結構重要な時期だと思います。この時期スカダーが何を思い、「慈悲深い死」にたどり着いたかは興味深いところです。時間的には約10年のブランクがありますので、スカダーファンとしてはあと2作くらい出してもらって回想3部作にしてもらえないだろうかと思います。
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