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スペードの女王
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【この小説が収録されている参考書籍】
スペードの女王の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全15件 1~15 1/1ページ
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登場人物の相関がかなりややこしい所為だろうか、いつも「解説」で物語の概要を語り直すw中島河太郎が、大きな勘違いをしていた。 「お手本の入れ墨のほうだと、麻薬密輸の大ボスの妾であり、新しく彫られた女性は、政財界の背後にいる汚職屋の愛人であるが」(P.231)と書いているのがそれ。大ボスの妾と汚職屋の愛人は同じ女である。麻薬王陳隆芳の使者スペードの女王だった神崎八百子が、一昨年の陳の死後に麻薬流通のノウハウをもとにビジネスを再開しようとして、新たなバックとして選んだのが、汚職屋こと政財界の黒幕岩永久蔵という流れになる。 一方「新たに彫られた女」は七割近くまで読み進めないと姿が見えてこないが、彼女の背景が、本書の社会派推理小説としての読み処wである。寡聞にして、オンリーさんという用語をはじめて知った。 日本がアメリカを中心とする連合国に占領されていた時期、彼らに体を売る女がパンパンと呼ばれたことは知っていたが、そういった一夜の女ではなく、現地妻として扱われた女はオンリー/オンリーさんと呼ばれたらしい。そういった女はもちろん進駐軍兵士と正式な婚姻関係を結んでいたわけではなく、兵士が帰国する際には捨てていかれた。中には、後任者への申し渡しでもあるまいに、次々と順繰りに別の兵士のオンリーさんになり続ける例もあったようなのが、悲しい歴史の断片である……。 余談になってしまうが、オンリーさんを調べるために「オンリーさん 進駐軍」なんてキーワードで検索して見つけたブログの主は、千歳での進駐軍兵士をこども時分に見聞きしていた人のようだった。 下級兵士の中には傲慢な輩も大量にいたわけで、同時代の証言は貴重なものなのだが、そのブログを読んでいると、あれっと思う箇所がちらほら。「敗戦を終戦と言い換え」とか「占領軍を進駐軍と言い換え」とかのぷんぷんした記述だ。たまにお目にかかる。 前者はともかく、後者は明らかにGHQの"指導"で、当時の日本政府に拒否できるわけもないのだから、それらをひっくるめて一切合切、「だから日本はダメなのだ」的に扱うのは間違っている。まさにレッドパージ前のGHQと、日本では逆に、大量にパージされた者の後にすべりこんできた二流サヨクたちの思想教育に見事なほど感化された書き方であるw 当時のアメリカを糾弾するのはいい。 東京大空襲をはじめとする都市部無差別爆撃と二発の原爆投下は、当時の国際法をもガン無視したまさに大虐殺だった。それに戦前日本の政治的無能と判断の間違いを糾弾するのもいい。 だがソ連やチャイナの壮大な社会実験が悲惨な間違いだったことも十分証明されつつある21世紀にもなって、反省ポイントがずれたまま、「だから日本はダメなのだ」論を続ける人はあまりにも無知すぎると言わざるを得ない。自らショッカーの手先になっているも同然なことに気付いて欲しいのだが、……まぁ今さら無理なんだろーなぁ。 閑話休題。 首のない死体に関する入れ代わり? のトリックは、著者が何度となく取りくんでいたので、このテーマに絞って各作品の比較を試みれば、随分興味深くなりそうな気がするが、あいにく日に日に記憶が零れ落ちる身としては、残念ながら手に余る。 そこ以外の感想となると、うーむ思いつかないw 数日のうちに四人の男女を殺し、金田一耕助まで狙っていた凶悪犯人だというのに、驚くほど影が薄いというのが本作の特徴か……。 「姉は昭和二年生まれですから数え年でいうとことし二十八歳でございます」(P.165)の記述があるので、昭和29年の事件だと確定できる。 つまり緑ヶ丘荘とは完全に矛盾しているわけだが、本作のベースとなった「ハートのクイン」ですら昭和33年の作品なので、すでに緑ヶ丘荘へ転居済みの時期である。現に作中何度も緑ヶ丘荘が登場するし、数十メートルを隔てて犯人と対峙するシーンすらある。 となると、前田浜子の手紙の文面が間違いってことになる。 どうやら昭和35年の再構成時に、追加されたようだ。 | ||||
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「スペードの女王」は横溝正史の長編推理小説。昭和33年6月「大衆読物」誌に掲載された「ハートのクイン」という短篇を改稿・改題したもので、名探偵・金田一耕助が登場する。 片瀬海岸で首のない女の死体が発見された。内股に「スペードの女王」の刺青があったことから、彼女はヘロイン密輸入のボスだった陳隆芳の妾かと思われた。しかし、金田一耕助のもとを訪れた坂口キクの話から新たな疑惑が浮上する。 彼女の夫・坂口亀三郎は「彫亀」の異名を持つ名人彫物師であり、彫亀と金田一耕助は以前捜査で顔を合わせたことがあった。キクによれば、彫亀は新宿御苑近くで車にはねられて死んだのだが、事故死だとは思えない理由があり、警察も頼りにならないのでやむなく金田一を訪ねたのだという。 その理由というのが、彫亀が法外な報酬で依頼された「スペードの女王」の刺青を彫る仕事である。その際は作業をする部屋まで目隠しをして連れて行かれたうえ、刺青を彫る相手の女は睡眠薬で眠らされた状態。しかも刺青の見本は、依頼者である女の内股に彫りこまれたものだった。 死体の身許は、赤坂でナイトクラブ「X・Y・Z」を経営する岩永久蔵の愛人・神崎八百子と目されており、彼女が「スペードの女王」であると証言する者も現れていた。だとすると首のない死体は、八百子が身を隠すための身代わりとして用意した別人なのだろうか。そして、彫亀の死は、何者かによる口封じだったのであろうか……。 本作では横溝正史おとくいの「顔のない屍体」トリックを扱っており、刺青という個人を特定しやすい要素をあえて加えることで、単なる人物の入れ替わりにとどまらない謎解きが楽しめるようになっている。 内股のきわどいところに「スペードの女王」の刺青を施し、ヴェールで顔を隠した謎の女。麻薬王の妾とされるこの女性のイメージが作品全体に艶めかしい雰囲気を醸しだしており、ひねりの効いた構成や意外な犯人とあいまって、本作の魅力を高めている。 解決編があっさりしすぎており、犯人の動機について今ひとつ納得できなかった点はいささか残念だったが、そこを割り引いても面白い作品と言えるだろう。 この事件の犯人は凶暴で金田一も狙われるのだが、それを知った等々力警部が夜中にかけつけてくるシーンはぐっと胸に迫るものがある。結局そのまま警部は金田一の部屋に泊まり、いっしょに風呂に入ったりするのだが、二人で朝食をとりながら「金田一先生はいつもこんな食事で辛抱してらっしゃるんですか」「こんな食事って失敬じゃありませんか。これでもせいぜいサービスしてるんですぜ」なんて言い合っている様子はじつに微笑ましかった。 <登場人物> 坂口亀三郎 … 車に跳ねられ死亡した名人彫物師。通称・彫亀。 坂口キク … 亀三郎の妻。小料理屋を経営。今回の依頼人。 坂口秀子 … 亀三郎とキクの養子。 山上八郎 … ペンギン書房の社主兼社長。週刊喜劇の名編集長。 上杉 … ペンギン書房の編集次長。 小池 … ペンギン書房の若い記者。 木谷晴子 … ペンギン書房の編集部付き給仕。 前田浜子 … ペンギン書房の敏腕婦人記者。 前田豊子 … 浜子の姉。以前は米軍将校のオンリーをしていた。 陳隆芳 … 一昨年病死したヘロイン密輸のボス。 スペードの女王 … 陳の妾。太股にスペードの女王の彫物。 梶原直人 … ヨットで水死体をひっかけたと通報したQ大の学生。 塩原宏 … 梶原と共に大島一週ヨットレースに参加したQ大生。 石川周作 … 片瀬でヨットから水死体を発見した高校生。 山本勝子 … 石川と共に水死体を発見したR大の学生。 岩永久蔵 … 赤坂にあるナイトクラブ、X・Y・Zの経営者。 岩永夏子 … 久蔵が新聞記者をしていたころ結婚した糟糠の妻。 谷口健三 … 久蔵の秘書。古川と伊丹を車に乗せ別荘に来た。 福田泰治 … 久蔵の元秘書。信州の高原療養所で療養中。 米川雅人 … X・Y・Zの支配人。戦争中に久蔵と知り合う。 古川あや子 … X・Y・Zのホステス。 神崎八百子 … X・Y・Zのホステス。久蔵の愛人。 古屋恭助 … 八百子の友人。作家のたまご。 中田三四郎 … 八百子の友人。作家のたまご。 東山里子 … 八百子の刺青を知る友人。極東キネマの女優。 有明ミユキ … 八百子の友人。女優だったが今はヌードモデル。 伊丹辰男 … 別荘に着くと姿を消した八百子の知人。 根岸博士 … 神奈川県警の嘱託医師。等々力警部とは旧知の仲。 西村博士 … K・K病院の副院長。水死体の解剖に立ち会う。 一ノ瀬 … K・K病院の看護婦。前田浜子からの電話を受けた。 川上技師 … 警視庁の科学検査所の技師。錠前の専門家。 高橋警部補 … 警視庁防犯部保安課の麻薬担当官。 今波警部補 … 鎌倉署の捜査主任。 井口警部補 … 赤坂署の捜査主任。 島田警部補 … 緑ケ丘署の捜査主任。金田一とは昵懇の間柄。 須藤刑事 … 赤坂署の刑事。 新井刑事 … 警視庁捜査一課所属の刑事。等々力警部の腹心。 等々力警部 … 警視庁捜査一課所属の警部。金田一耕助の相棒。 金田一耕助 … 雀の巣の頭にくたびれた着物袴。ご存知名探偵。 | ||||
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「金田一耕助」シリーズを手にし始めて10ヶ月が経ちました。期せずしてだいたい月に1冊ずつ楽しませてもらっていることに気付きました。そしてまた今回も楽しむことができました。 本作は横溝先生お得意の首なし死体モノ。今回は残された身体に刺青が残されているのですが、この刺青が殺人の謎解きのヒントにもなり、同時に謎を深める要因にもなっています。実に素晴らしい設定だとただただ感心させられました。そしてかなり後半まで読み進めるまで犯人が分からなかったです。 作品の末尾に置かれている中島河太郎先生の解説も良かったです。次作も既に注文しました。一気に読めてしまう面白さなのですが、ゆっくり楽しんでゆきたいと思っています。 | ||||
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この本では、本小説は5頁から始まって249頁で終わるのだが、その244頁から、犯人は、自分が殺して土に埋めた女の死体を掘り出す場面が始まる。そして、犯人が死体を掘り出している現場を金田一耕助と等々力刑事に押さえられる。しかし、私には、犯人が死体を掘り出す必然性がないように思われる。 金田一耕助は、犯人が女を埋めるときにコンタクトレンズを落としたから、それを回収するために墓を掘っていると、説明するのだが、コンタクトレンズを警察が回収したとしても、それから犯人を割り出すことなどできるはずがない。横溝正史は、小説の終わらせ方に困ってしまって、このような説得力のない場面を作り出したのだろう。締切が迫ってきて、もっとよい終わらせ方を考える時間がなかったのだろうか。 それにしても、1950年の小説にコンタクトレンズが登場するのに驚いた。(小説の出版は1951年で、小説の舞台はその前年の1950年であると思われる。)小説中にコンタクトレンズの説明が何もないのだが、当時の日本人にはそれが何か理解できたとは思えない。 以下はウィキペディアによる。 1948年:アメリカのトヒーが PMMA を用いてハードタイプの コンタクトレンズの原型を作り出す。 1949年:名古屋大学の水谷豊博士が日本で初めて 臨床試験に着手した。 1951年:水谷、円錐角膜患者に対し、臨床的に成功を収めた。 1951年:株式会社メニコン創業者田中恭一が日本初の 角膜コンタクトレンズの実用化に成功した。 ウィキペディアによると、アメリカでもコンタクトレンズが普及したのは、角膜レンズが発明された1949年以降なのである。だとすると、横溝正史がコンタクトレンズを犯人に使用させたのはおかしなことだ。 | ||||
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内股のきわどい部分にスペードのクイーンの入れ墨をした女。その女に依頼され、顔を隠した状態で眠らされた別の女の同じ部分に、同じ刺青を入れさせられた彫物師が、不審な交通事故死をとげる。さらに後日、内股にスペードの女王の刺青がある女の首なし死体が海に浮かんだ…。田舎を舞台にした金田一ものの血縁や因習のドロドロもなければ、都会の金田一ものにありがちなエログロさも控えめで、分量的にも内容的にも比較的すっきりライトに書きまとめられている。麻薬の密輸組織が絡んだり、捜査陣の動きもテレビの刑事ドラマや二時間サスペンスの原作を読むようだ。本格推理というより刑事物サスペンスといったノリで、金田一耕助と等々力警部の活躍が楽しめる。 | ||||
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あまり期待せずに読んだのですがとても面白かったです。 | ||||
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長編でしたが、おおまかに云わしてもらえれば、"起承転結"でなく*起転展結と勝手ながら呼ばしてもらいます。起の部分の「彫亀」こと有名な彫り師が、事故死でなく他殺ではないのかと、( 世田ケ谷区緑ケ丘町にある高級アパート、緑ケ丘荘の二階三号室。──緑ケ丘荘の玄関先から門までひと目で見おろせるその部屋が、すなわち金田一耕助の事務所兼住居なのである。)にて、依頼に相談を持ちかける彫物師の妻の証言が、小料理屋に(毛皮のオーバーに、黒い長い手袋に猫目石の指環(サファイアかイエローオパール? まあクールないいまわし笑)。帽子からかなり目のつんだベールをたらしているのである。ベールは鼻の上までかかっているので、はっきり見えるのは口だけだった。) 客がおでんを以下 和製ジャッロー要素の起が、ワクワクしますが、転で少し話が面白くなくるので、まあアレンジして映像化して化ける作品ではありました。著者はいろいろなパターンをもってらっしゃるが、大衆エロサスペンス(個人的に菜々緒みたいなセクシー女優で、過去に脱いでて濡れ場OKな美人女優 夏樹陽子さんや范文雀さんみたいな女性 勿論主役は、神崎八百子でしょう_映像化希望) としては、意外に読みやすく面白かった。 | ||||
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good | ||||
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もっと短い作品を長編化したもの。 横溝氏の長編化作品は、あまり出来の良くないものが多い気がするが、 この作品は、まずまずの出来ではないだろうか? 横溝ファンには、楽しい読書時間を提供してくれるだろう。 | ||||
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本格推理に「本格」と名乗る以上A級もB級もないかもしれませんが、金田一物にはあると思います。金田一物は長短篇にかかわらず、パズラー(本格)とスリラー(通俗)のふり幅が大きくて多種に渡ります。本作は通俗の衣裳をまとっていますが、本格の骨格を持つ作品だと思います。登場人物と物語の尺、トリックの重さがつりあっていて、だれることがありません。短編に毛が生えた、というか実にちょうど良い手ごろ感。 当時の鎌倉のリゾート感と東京からの距離感が感じられるのも興味深いです。 | ||||
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昭和35年発表の書き下ろし作品。本作はいわゆる「顔のない死体」もので、トリックを 中心においた作品であるがサスペンスとしても面白く、わずか二日で読破してしまった。 彫物の名人・通称"彫亀"の妻が金田一の事務所を訪れ、交通事故として処理された 彫亀の死亡に疑問を持っていると告げる。彫亀はその四ヶ月前、ある女から不思議な 仕事の依頼を受けた。それは目隠しされて連れていかれた部屋で、意識を失った若い 女の内股に依頼人と同じスペードのクイーンの彫物をあしらってくれというものだった。 そして彫亀の妻はひとつの新聞記事を差し出す。片瀬の海で女の首なし死体が発見 されたというもので、その死体の内股には、スペードのクイーンの刺青が彫られていた。 ここでまず問題になるのは、海で発見された首なし死体は彫亀の依頼者の女なのか、 新たに彫った女のものなのかということだ。謎に包まれた出だしから少しずつ背景が 明らかになっていく過程に引っ張られ、また第二、第三の死体の発見があり、勢いを 失うことなく最後まで読ませてくれた。「顔のない死体」ものはトリックの定番であるが、 あえてそれに挑戦した心意気は買いたい。ただ意外性にこだわったせいか、一読者と しては何とも感想の難しい珍回答になっている。スリラーとして楽しむべき作品だろう。 | ||||
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昭和35年発表の書き下ろし作品。本作はいわゆる「顔のない死体」もので、トリックを 中心においた作品であるがサスペンスとしても面白く、わずか二日で読破してしまった。 彫物の名人・通称"彫亀"の妻が金田一の事務所を訪れ、交通事故として処理された 彫亀の死亡に疑問を持っていると告げる。彫亀はその四ヶ月前、ある女から不思議な 仕事の依頼を受けた。それは目隠しされて連れていかれた部屋で、意識を失った若い 女の内股に依頼人と同じスペードのクイーンの彫物をあしらってくれというものだった。 そして彫亀の妻はひとつの新聞記事を差し出す。片瀬の海で女の首なし死体が発見 されたというもので、その死体の内股には、スペードのクイーンの刺青が彫られていた。 ここでまず問題になるのは、海で発見された首なし死体は彫亀の依頼者の女なのか、 新たに彫った女のものなのかということだ。謎に包まれた出だしから少しずつ背景が 明らかになっていく過程に引っ張られ、また第二、第三の死体の発見があり、勢いを 失うことなく最後まで読ませてくれた。「顔のない死体」ものはトリックの定番であるが、 あえてそれに挑戦した心意気は買いたい。ただ意外性にこだわったせいか、一読者と しては何とも感想の難しい珍回答になっている。スリラーとして楽しむべき作品だろう。 | ||||
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30年以上前にこのシリーズを読破しましましたが、当時の職場知人に譲って本はすでにありません。今回数年前から少しずつ再読しています。やはり横溝作品は、面白い。師匠筋の江戸川作品よりすっきり読めます。 | ||||
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全体の雰囲気からしても 妖艶な感じのする1冊となっています。 それと文中にはもはや失われた言葉があり 古き混乱の時代を思い浮かばせてくれます。 さて犯罪は、というと 手口に関してはもはや冒頭で わかるはずです。 なにやら悪いことをたくらもうという魂胆が ありありと見えてきますからね。 そして事件はといいますと… 嫌疑がかかりそうな人が 一人に絞られるせいでなかなか 真の犯人を捜すのは難しいでしょう。 何せその的の人は相当のやり手なのですから… ちなみに最後に出てくる 思わぬちょっとした事実には おっと思わせられるはずです。 さりげなくそんなことがあろうとは… | ||||
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金田一耕助ものの長編。 怪しい世界が描かれている。淫靡でぞくっとさせられる。 プロットの組み立てが巧みで、ぐいぐい読んでしまった。このあたり、熟年の技術が生きている。 首なし死体の入れ替えトリック。ちょっとひねってあり、さすがと思わされる。 | ||||
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