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虎よ、虎よ!
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【この小説が収録されている参考書籍】
虎よ、虎よ!の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.06pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全51件 41~51 3/3ページ
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ベスターの長編第2作。歴代SFベスト5入りの常連として有名な名作で、よく言われる評が、「10年に1度の傑作」。 30数年前、初めて読んだSF「宇宙船ビーグル号 (ハヤカワ文庫 SF 291) (ハヤカワ文庫 SF 291)」(A.E.V.ヴォクト)で、世の中にこんな面白い種類の小説があるのか、とSFにのめりこんだが、なかでもこの「虎よ、虎よ!」の衝撃は特に忘れがたい。 読了の瞬間、自分のいる場所がわからなくなった、と言っても信じてもらえるだろうか。ストーリーもほとんど憶えていないが、これが「世にも珍しい、再読を許さない傑作」であるとわきまえているので1度しか読んでいない。むしろ設定やストーリーといった、小説としてのパーツやテーマなどを分析しだすとアラばかり目につくだろうこともよくわかる。 つまり、これは「体験」なのであって、二度はないし、繰り返しもないのだ。そしてこれこそがSFの感動なのだ。 小説として読むなら、この前作にして作者の初めての長編SFである「分解された男 (創元SF文庫)」が断然お勧めである。わかりやすいし、実にエネルギッシュな傑作。これ1冊でもSFの歴史に名を残すと思われるのに、ベスターはさらに先に進んで、第2長編で不朽の名声を手に入れることになった。ただし、満々たる自信でもって発表されたこの作は発表当時、激しい毀誉褒貶(最高!と、最低!)にさらされ、現在の評価が定着するまで10年以上かかっている。(そして毀誉褒貶はおそらく、今も変わらない!) 最高のSF作家としてはベスターの名は挙がらないかもしれない。ベスト10には入れても、レムやディックといったノーベル賞級の作家と同列とはいかないだろう。しかし単独作品としての「虎よ、虎よ!」は、すべてのSF作品を超えて世界最高・唯一無二といえる。この、類のない強烈な感動はSF以外の「普通小説」では存在しないのだ。この作こそが「SFだ!」といえる。 ちなみに、「虎よ、虎よ!」を「アメリカSF唯一の傑作」とたたえるSF作家サミュエル・R・ディレーニイの「バベル17 (ハヤカワ文庫 SF 248)」をご存知だろうか。これは舞台が「虎よ、虎よ!」、ストーリー展開が「分解された男」というベスター・リスペクトの最高の1作である。 バベル17 (ハヤカワ文庫 SF 248) | ||||
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中学時代の初読以降、何回読んだかわかりません。 これほど取り込まれた小説はありません。 年齢に応じ、心に残るところが変わります。 娯楽として面白く、私にとっては深みもあります。 (最初は、風呂に潜って息を止めてみました。) 詳しく感想を書きたいのですが、ネタがばれないようにやめます。 ただ、私はこれ以降、30年以上SFを読み続けてしまいました。 でも、虎よ!虎よ!は一冊しかない。 未読の方には、是非おすすめしたい一冊です。 私も、未読に戻りたい。 | ||||
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とにかく主人公の迫力が凄い! こういうの大好きです。 内面の描き方が半端ではないですね。 復讐のドラマとかが好きな人にはたまらないはずです。 特に中盤までの主人公ががむしゃらに一直線に敵を追い求めるところの迫力は ワクワク、ゾクゾクしました。 若干後半は小説としてはまとまりがなくなるような気がしますが、 こういった感覚的な表現が好きな人もいるかもしれませんね。 こういったSF作品が50年前以上に書かれたとは正直驚きです、 いろいろな書評で、紹介されているのも分ります。 この作者の文章の特徴で、たまに文章のつながりが悪かったり、説明が雑なところも ありますが、好意的に解釈すれば、それが作品の持つ荒々しさのイメージにつながっているのかな、という気もします。 人間が4、5人で会議している場面では、たまに誰が誰だか分りにくいところもありましたが。 | ||||
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一人の凡庸な男が、圧倒的な《情念》の力によって、時間と空間を越えてしまう物語。時間と空間が、絶対的な《実在》ではなく、相対的な《現象》にしか過ぎない可能性が出て来た今、この作品を、もう一度読み直すというのも、また面白いです。 | ||||
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面白すぎます。これでSF好きの第一歩を踏み出した方は多いのでしょうね。 私の場合はこれと、「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」でした。 (未読の方がうらやましいという以外に語るべき言葉を持たないのが残念です。 まぁ、この面白さについては信頼できるクリティクが色々と書いてますので) しかし、最近はなんで文庫本、こんなに高くなっちゃったかなぁ・・・ | ||||
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私はこの本をなくしたことに最近気付いたのですが 2008年2月に新装版が出るそうで楽しみです | ||||
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この本を100人の人間に読んでもらったとして、たぶん否定的な感想を持つものが3割以上は出るだろう。 そんなわけで、とにかく異様な一冊。 オープニングの一文から最後の最後の一文まで、異常なまでの熱を内包し・それどころかカバーを焦がすぐらいの勢いで猛り狂った活字の熱さが氾濫している感じである。 「SFというジャンルは作者が表現したい事を極めて自由に表現出来るジャンルである」というのが自分の認識なのだが、ベスターの『虎よ、虎よ!』はその頂点を極めている感じがする。 読む者に興奮を覚えさせ、衝撃を与え、しまいには思想まで語ってしまう。なんというとてつもないスケールを持った小説なのだろうか。 この情報量で250ページほどを、読む者によっては確実に拒否反応を起こしてしまうまでの密度で全力疾走しているのだから、デタラメな熱さを感じるわけである。 麻薬のような魅力を放つ、SF小説史上もっともパワフルな一冊。 興味があるなら、ご一読を。 その魅力に溺れるか、それとも拒絶を覚えてしまうか、試してみる価値はあります。 | ||||
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(ネタバレ注意) 基本はSF復讐劇なんですが、 それだけでは納まらない深みがあります 哲学的なところも多々ありますが、 恋愛の要素もなにげに強い ダン・シモンズの「ハイペリオン」「ハイペリオンの没落」 の親父だな、とも感じましたし、 (キーツが出てくる所や、 ノーマッド船や牢獄からの奇跡の脱出の力強さ等のシーンに) サイバーパンクの叔父さんだなとも感じました (ギブスンというよりは、 ブルース・スターリングの「スキズ・マトリックス」ですが) 主人公はもちろんですが、 各キャラが立ちまくっている事も凄い (ラジオやコミックの脚本を書いていたおかげか・・・) 諜報部のアジア系・ヨ−ヴィル、 放射能を放つダーゲンハム、 ガリヴァ−を屈折的に愛するジズ、 ロビン、 短波センサー=オリヴィア、 等々の各キャラの個性が凄い・・・ 「人間は宇宙の奇●児だ」みたいな発言や、 最後に質問に答えるロボット、 OSスパイの条件反射行動、 成り上がり上流階級潜入潭 等、鳥肌が立ちます また五感が錯綜するところでは、 アンドレ・ジッド「田園交響曲」の色を音に例える場面や、 ギタリスト、ジョン・マクラフリン (マハビシュヌ・オーケストラ他)の 「弦の振動を見ている時に色が見える時がある」 みたいな発言等も思いだしました 1956年の作品だと知った時も驚きました | ||||
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10年経って読み返したい作品は多い。その多くがそれを読んだ時代の記憶とともに哀愁を伴い、また違った感動を呼び起こす。 そんな中でも特に「虎よ!虎よ!」は別格である。 SF的未来世界のひとつとして、ジョウンティング(テレポート)と宇宙戦争(外衛星同盟と内惑星連合)を堪能するもよし。主人公ガリヴァー・フォイルの周りに登場する美女たちにときめくのもよし。はたまた、道徳観念、政治と思想について考えるもよし。 とにかく、盛りだくさんの作品なのである。 本棚の中に置いておいて損のない一冊であるとお勧めする。 そして、10年、20年後にまた読まれることを。 | ||||
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ワイドスクリーンバロックの名作でありオールタイムベストにも必ず名前を連ねるSF史上に残る名作。もっとも、本作品は「モンテクリスト伯」の本歌取りでもあるわけだが、この作品をもってしても「モンテクリスト伯」の方が上であるとは思う。したがって本作品で熱狂した人はそっちも読んでみよう。 | ||||
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おそらくサイバーパンクSFにもっとも影響を与えたと思われる、1956年刊行の傑作中の傑作。スピード、パワー、センス・オブ・ワンダー...どれをとっても超一級品。そして、なによりも全編を貫く煮えたぎるような情念。『虎よ、虎よ!』はいまだに私にとってオールタイムベストのSFである。 主人公ガリー・フォイルは最後のクライマックスで、ピカデリー・サーカスのブロンズのエロス像の頂上から叫ぶ。「諸君はブタだ。ブタみたいに阿呆だ。...諸君は自分のなかに貴重なものを持っている。それなのにほんのわずかしか使わないのだ。...諸君は天才を持っているのに阿呆なことしか考えない。精神を持ちながら空虚を感じている。...おれは諸君に挑戦する。死か生か、そして偉大になるがいい。きさまたちが最後の破局をむかえるときには、このおれを、ガリー・フォイルを見出すのだ。...」まさしくSF版ニーチェである。 | ||||
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