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この声が届く先の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.67pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
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「冬そして夜」以降、空白期間を経て出版された「シャンハイ・ムーン」はまだ様子見という思いで読み終えたが、今作「この声が届く先」にはハッキリと落胆させられた。 「チャイナタウン」〜「冬そして夜」までの物語と同じ世界観を有しているとは思えない。まるでパラレルワールドのようである。今作はそれくらい緊張感がない、特有のリアリティもない、つまらない小説だった。 S・J・ローザン本人が書いたものなのだろうが、「チャイナタウン」〜「冬そして夜」と同じシリーズだとは感じられず、出来の悪過ぎる二次創作だと思えてくる。異なるシリーズとしてなら受け入れられるが、リディア&ビル物としては、受け入れられない。 | ||||
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この作品は、読み始めから全開での疾走が始まる。正にノン・ストップ・サスペンスが始まり休んでいる暇もない。 相棒の私立探偵が、何者かに誘拐された。それに関する一切の情報もない。そこに犯人からの一方的な宣言・・・制限時間内に監禁場所を突き止めなければ相棒の命はないと。かくて、主人公は、わずかなヒントを手掛かりに相棒の救出、犯人の正体解明にニューヨーク中の疾走を開始する。しかし、その行く道は、幾多の罠と、どんでん返しの連続なる波乱の展開が続くのだ。読む方も、我を忘れて読むしかない。この小説は、ゲーム感覚いっぱいだが、作者のリアリティーを失わないバランス感覚の筆致で読ませる! 面白い! | ||||
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この作品は、読み始めから全開での疾走が始まる。正にノン・ストップ・サスペンスが始まり休んでいる暇もない。 相棒の私立探偵が、何者かに誘拐された。それに関する一切の情報もない。そこに犯人からの一方的な宣言・・・制限時間内に監禁場所を突き止めなければ相棒の命はないと。かくて、主人公は、わずかなヒントを手掛かりに相棒の救出、犯人の正体解明にニューヨーク中の疾走を開始する。しかし、その行く道は、幾多の罠と、どんでん返しの連続なる波乱の展開が続くのだ。読む方も、我を忘れて読むしかない。この小説は、ゲーム感覚いっぱいだが、作者のリアリティーを失わないバランス感覚の筆致で読ませる! 面白い! | ||||
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オススメの海外ミステリシリーズの一つ、リディア・チンとビル・スミスのシリーズ、第11作です。 このシリーズは、アメリカを舞台にした探偵ものですが、中国系の小柄でむこうみずな女性のリディアとアイルランド系の大男のビルの二人コンビの探偵物で、毎回語り手がかわるというかなり変則的なミステリーです。それぞれの社会を舞台にした物語展開もさることながら、男性から見た物語、女性から見た物語、文化的な違い、それから二人の恋の行方なども含めて読みどころの多いミステリーで、海外ミステリー好きの方になら是非にと推薦したい作品です。 この11作目では、ビルのもとへ、そのリディアを誘拐監禁しているという電話がかかってくるところから物語は始まります。狂気を漂わせた誘拐犯は、12時間以内に自分とのゲームに勝てなければ彼女を殺すとビルに告げます。ヒントをもとに、犯人を追いかけるビルですが、敵の罠のせいで警察に追われ、傷を負い、犯罪組織にも負われる羽目に。その中でどうやってリディアを見つけるのか。 今回の作品は今までと違って、サスペンス的要素の強いジェットコースターノベルになっていて、推理の謎解きよりもアクションと追いかけっこにシフトが変わっていて、今までの10作品と比べるとかなり雰囲気が違いますが、主人公のキャラクターがしっかりと固まっているので、昔からのファンには変化球、新しい読者にはわかりやすい直球のサスペンスミステリとして読めることと思います。 後半の解決策があまりにも今風なので、ミステリとしての詰めは甘いきらいがありますが、サスペンスとしては十二分なできあがりです。またミステリが世相を映す物であるとするならば、犯人像も解決手段も「今」を反映している作品だと思います。 欲をいえばシリーズ第一作から読んでもらいところですが、この作品から入るのもありだと思います。 オススメ作品です。 ****ネタバレにならない程度のネタバレおまけ******** 旧来からのファンとしては、ビルのリディアへの溺愛と、愛のあまりの暴走ぶりに微笑ましいものを感じますし、好きだけれど国籍や歳の差から強引に話をもっていけないビルのへたれな部分に深く共感を覚えます。好きになりすぎると自分からなかなか強引にはいけないものですよね。あまりにバレバレだとしても。そんな二人が今回の、誘拐事件のあとにどうなっていくのかも楽しみの一つです。 | ||||
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S・J・ローザン著、直良和美訳『この声が届く先』(創元推理文庫)は私立探偵を主人公としたシリーズ物の一作である。冒頭から主人公ビル・スミスはピンチに陥る。ある日の朝、「リディア・チンを誘拐した」と正体不明の男から電話で告げられる。相棒の命を救うためにビルは犯人のヒントを手掛かりとしてニューヨーク中を駆け巡る。このためにニューヨークの土地勘がある人は一層楽しめる作品になっている。 物語では中国系アメリカ人の存在感が大きい。多民族国家アメリカの実情を反映している。また、IT社会の実情も反映している。主人公らはGoogleマップやストリートビューを使用して手がかりを得ようとする(30頁)。現代的な事情が反映されている。日本の土地共有持分確認等請求事件(平成20年(ワ)第23964号)の裁判でも、ストリートビューで取得した被告宅の写真が証拠(甲第27号証)として提出された。 犯人の正体は不明である。犯人が自分に恨みを抱いていることは分かるが、私立探偵という職業柄、逆恨みされる可能性は複数存在し、犯人の正体を特定できない。これは林田力にも経験がある。林田力もインターネットで誹謗中傷を受けたが、当初は犯人を見極められなかった。 最終的に宅建業法違反を告発したゼロゼロ物件業者であると判明し、ゼロゼロ物件業者の批判を続けることでゼロゼロ物件業者は廃業した。主人公が犯人の正体に気付いた際に「どうして、いままでわからなかったのだろう。思い当たらなかったのが不思議なくらいだ」と振り返る(136頁)。これも林田力も同じであった。 正体が明らかになった犯人は十分に嫌悪感を抱かせる人格異常者であった。犯人と関係した登場人物は犯人に殺意を覚えるが、それが十分に納得できる描かれ方である。犯人の身勝手さを示す口癖に「相手に合わせたって損はない」というものがある。犯人が身勝手な暴言を吐く。その暴言を向けられた人物は当然のことながら腹を立て、態度を硬化させる。それに対して犯人は上記の口癖を出す。「自分に合わせろ」という身勝手なエゴイズムである。 犯人ほどの人格異常者は現実社会では稀である。逆に大勢存在したら社会は成り立たなくなる。しかし、犯人的な要素は日常でも接することはある。たとえば相手を不快にさせるような乱暴な発言をしておきながら、「興奮して言葉が乱暴になっていますが」とフォローしたつもりになっている輩である。 自分の興奮状態を汲み取って、表面的な言葉遣いから態度を硬化させるなという身勝手な論理である。現実離れした異常者を描きながらも物語がリアリティーを失わない背景は、その片鱗を現実の不快な人物に重ね合わせることができる点にある。(林田力) | ||||
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数年のブランク後、前作及び、本作は、シリーズの基調である、都市の憂鬱みたいなものが無くなって、妙に明るい。おまけに、本編では、新たに加わった、若い二人が、主役二人を喰う勢いで、全体のトーンは、そちらの若さに支配されてる感じ。 それはそれで、なかなか楽しいので、いいのだけれど、やっぱなあ、「チャイナタウン」から、「冬そして夜」に至る、いわく言い難い、蟠ったムード、皮肉に満ち満ちた、紋切り調の会話が無いのは淋しいな。 作者は、ブランクの間に、物凄く幸せを掴んだとか、重い枷がなくなったとか、あったのだろうか。それとも、「冬そして夜」で登りつめた感触かなあ。 とはいえ、この新たな若い二人は、妙に魅力的で、もしかするとスピンアウトが生まれるのでは?と予感させる。それとも、熟年二人は結婚させて、こちらの二人に世代交代するとかかな? いづれにしても、魅力的なキャラが4人もいるので、今後は、主役4交代等も、面白い気がする。 | ||||
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このシリーズに限らずローザンの著書は(翻訳されたものに限り、ですが)全部読んでます。 それだけ面白いと思ってはいるんですが、アイリッシュ系の中年の大男の私立探偵、という設定の筈のビルのキャラクターが甘いというか、せいぜい思春期を過ぎたあたりの若造にしか思えないのが残念(カバーのイラストのビルも、何となくジェームズ・ディーンに似てるような気が…w)。 ビルだけではなく、チャイニーズ・マフィアのボスであるルーやその手下のミンやストロ−マン、更には敵役のケビンの造形も甘いというか、組織犯罪者や異常者の持つ凄味みたいなものが伝わってきません。 パトリシア・コーンウェルの検視官シリーズで主要な脇役として登場する叩き上げの刑事・マリーノについても造形が甘いと思ったけど、この辺は女性作家の限界なのかなとも思います。 解説の冒頭の「今回のライバルは、ずばりジェフリー・ディーヴァーだ!」という一文を枕にレビューを書かれている方もおられますが、私も「この声の…」を読む直前にディーヴァーの「追撃の森」を読んだんですが、やはりハードボイルドという点からはディーヴァーの方が数段上だと思います。 それでも新刊が出る度に全部買って、「これはメルヘン系ハードボイルド(w)」だと自分に言い聞かせそれなりに満足していますw | ||||
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前々作の『冬そして夜』のあと、前作の『シャンハイ・ムーン』までの間がとても長かったものだから……、「あれっ、もう出た!」と驚いてしまいました。そして、歴史大河ロマン風な前作とは打って変わって、なんと今回はジェットコースター・サスペンス!! いや、さすがローザン。いくつ引き出しを持っているんだ。 ええ、ノンストップで読みましたとも。400ページあまり、でも作中では長い長い1日、12時間の出来事。緊迫しています。ダイ・ハードです。24ならぬ、12です。同じ1日で読めば、臨場感もひときわです。 犯人のふざけたゲームに参加せざるを得ず、自分のコントロールの効かない状況と、リディアの身が心配で何度も絶望しかかるビル。推理に行き詰まっても、いつものようにリディアの助力を期待することもできない。その彼を助けるのが、今回チームを組む(ビルが望んだわけではないのだけれど)、とびきり魅力的な助っ人の面々です。その中には、あろうことかチャイニーズ・マフィアまがいの某氏まで(笑)。 それはもう、文句なく面白いです。ただ、シリーズの愛読者としては、少々複雑な感想を持ちました。今回、脇役達があまりにも素晴らしく活躍してくれるので、肝心のビルが少々冴えなく見えてしまうこと。リディアが「囚われの姫」なので、活躍の機会が少ないこと。そして特に今回の趣向が、あまりにも今までと異なっていて面食らうこと。たとえて言えば、懐石料理だと思って食べていた料理が、なぜかイタリアンな味だった、しかももしかしたらどこかで食べたことがあるみたいな……これはこれですごく美味しいのだけれど、やっぱり以前の、ここにしかない懐石料理の方がいいのでは? と思ってしまうのは、贅沢というものなんでしょうか? いずれにせよ、変化があったのかもなかったのかもしれない二人の今後も含め、さらに次作以降に期待、というところでしょうか。 | ||||
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今回のライバルは、ずばりジェフリー・ディーヴァーだ!とあり思わず笑ってしまいました。何故ならこの本とディーヴァーの最新刊を一緒に買っていたからです。 確かにあっという間に読み終わってしまうスピード感が今回ありました。ビルが語り手の回なので、粗筋にもある通りリディアはそんなに出てきません(泣)けれど、今回はとっても魅力的なキャラクターが再登場、初登場します。このキャラクター達が時にはビルが霞んでしまうほどに活躍します。ディーヴァー物のようにiPhoneを最大限に活用したり、ローザンの新たな引き出しにビックリしつつ、次回は私の好きなリディアの回なので楽しみに待ちたいと思います。 | ||||
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