この声が届く先
- リディア・チン&ビル・スミス シリーズ (11)
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「冬そして夜」以降、空白期間を経て出版された「シャンハイ・ムーン」はまだ様子見という思いで読み終えたが、今作「この声が届く先」にはハッキリと落胆させられた。 「チャイナタウン」〜「冬そして夜」までの物語と同じ世界観を有しているとは思えない。まるでパラレルワールドのようである。今作はそれくらい緊張感がない、特有のリアリティもない、つまらない小説だった。 S・J・ローザン本人が書いたものなのだろうが、「チャイナタウン」〜「冬そして夜」と同じシリーズだとは感じられず、出来の悪過ぎる二次創作だと思えてくる。異なるシリーズとしてなら受け入れられるが、リディア&ビル物としては、受け入れられない。 | ||||
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この作品は、読み始めから全開での疾走が始まる。正にノン・ストップ・サスペンスが始まり休んでいる暇もない。 相棒の私立探偵が、何者かに誘拐された。それに関する一切の情報もない。そこに犯人からの一方的な宣言・・・制限時間内に監禁場所を突き止めなければ相棒の命はないと。かくて、主人公は、わずかなヒントを手掛かりに相棒の救出、犯人の正体解明にニューヨーク中の疾走を開始する。しかし、その行く道は、幾多の罠と、どんでん返しの連続なる波乱の展開が続くのだ。読む方も、我を忘れて読むしかない。この小説は、ゲーム感覚いっぱいだが、作者のリアリティーを失わないバランス感覚の筆致で読ませる! 面白い! | ||||
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この作品は、読み始めから全開での疾走が始まる。正にノン・ストップ・サスペンスが始まり休んでいる暇もない。 相棒の私立探偵が、何者かに誘拐された。それに関する一切の情報もない。そこに犯人からの一方的な宣言・・・制限時間内に監禁場所を突き止めなければ相棒の命はないと。かくて、主人公は、わずかなヒントを手掛かりに相棒の救出、犯人の正体解明にニューヨーク中の疾走を開始する。しかし、その行く道は、幾多の罠と、どんでん返しの連続なる波乱の展開が続くのだ。読む方も、我を忘れて読むしかない。この小説は、ゲーム感覚いっぱいだが、作者のリアリティーを失わないバランス感覚の筆致で読ませる! 面白い! | ||||
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オススメの海外ミステリシリーズの一つ、リディア・チンとビル・スミスのシリーズ、第11作です。 このシリーズは、アメリカを舞台にした探偵ものですが、中国系の小柄でむこうみずな女性のリディアとアイルランド系の大男のビルの二人コンビの探偵物で、毎回語り手がかわるというかなり変則的なミステリーです。それぞれの社会を舞台にした物語展開もさることながら、男性から見た物語、女性から見た物語、文化的な違い、それから二人の恋の行方なども含めて読みどころの多いミステリーで、海外ミステリー好きの方になら是非にと推薦したい作品です。 この11作目では、ビルのもとへ、そのリディアを誘拐監禁しているという電話がかかってくるところから物語は始まります。狂気を漂わせた誘拐犯は、12時間以内に自分とのゲームに勝てなければ彼女を殺すとビルに告げます。ヒントをもとに、犯人を追いかけるビルですが、敵の罠のせいで警察に追われ、傷を負い、犯罪組織にも負われる羽目に。その中でどうやってリディアを見つけるのか。 今回の作品は今までと違って、サスペンス的要素の強いジェットコースターノベルになっていて、推理の謎解きよりもアクションと追いかけっこにシフトが変わっていて、今までの10作品と比べるとかなり雰囲気が違いますが、主人公のキャラクターがしっかりと固まっているので、昔からのファンには変化球、新しい読者にはわかりやすい直球のサスペンスミステリとして読めることと思います。 後半の解決策があまりにも今風なので、ミステリとしての詰めは甘いきらいがありますが、サスペンスとしては十二分なできあがりです。またミステリが世相を映す物であるとするならば、犯人像も解決手段も「今」を反映している作品だと思います。 欲をいえばシリーズ第一作から読んでもらいところですが、この作品から入るのもありだと思います。 オススメ作品です。 ****ネタバレにならない程度のネタバレおまけ******** 旧来からのファンとしては、ビルのリディアへの溺愛と、愛のあまりの暴走ぶりに微笑ましいものを感じますし、好きだけれど国籍や歳の差から強引に話をもっていけないビルのへたれな部分に深く共感を覚えます。好きになりすぎると自分からなかなか強引にはいけないものですよね。あまりにバレバレだとしても。そんな二人が今回の、誘拐事件のあとにどうなっていくのかも楽しみの一つです。 | ||||
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S・J・ローザン著、直良和美訳『この声が届く先』(創元推理文庫)は私立探偵を主人公としたシリーズ物の一作である。冒頭から主人公ビル・スミスはピンチに陥る。ある日の朝、「リディア・チンを誘拐した」と正体不明の男から電話で告げられる。相棒の命を救うためにビルは犯人のヒントを手掛かりとしてニューヨーク中を駆け巡る。このためにニューヨークの土地勘がある人は一層楽しめる作品になっている。 物語では中国系アメリカ人の存在感が大きい。多民族国家アメリカの実情を反映している。また、IT社会の実情も反映している。主人公らはGoogleマップやストリートビューを使用して手がかりを得ようとする(30頁)。現代的な事情が反映されている。日本の土地共有持分確認等請求事件(平成20年(ワ)第23964号)の裁判でも、ストリートビューで取得した被告宅の写真が証拠(甲第27号証)として提出された。 犯人の正体は不明である。犯人が自分に恨みを抱いていることは分かるが、私立探偵という職業柄、逆恨みされる可能性は複数存在し、犯人の正体を特定できない。これは林田力にも経験がある。林田力もインターネットで誹謗中傷を受けたが、当初は犯人を見極められなかった。 最終的に宅建業法違反を告発したゼロゼロ物件業者であると判明し、ゼロゼロ物件業者の批判を続けることでゼロゼロ物件業者は廃業した。主人公が犯人の正体に気付いた際に「どうして、いままでわからなかったのだろう。思い当たらなかったのが不思議なくらいだ」と振り返る(136頁)。これも林田力も同じであった。 正体が明らかになった犯人は十分に嫌悪感を抱かせる人格異常者であった。犯人と関係した登場人物は犯人に殺意を覚えるが、それが十分に納得できる描かれ方である。犯人の身勝手さを示す口癖に「相手に合わせたって損はない」というものがある。犯人が身勝手な暴言を吐く。その暴言を向けられた人物は当然のことながら腹を立て、態度を硬化させる。それに対して犯人は上記の口癖を出す。「自分に合わせろ」という身勝手なエゴイズムである。 犯人ほどの人格異常者は現実社会では稀である。逆に大勢存在したら社会は成り立たなくなる。しかし、犯人的な要素は日常でも接することはある。たとえば相手を不快にさせるような乱暴な発言をしておきながら、「興奮して言葉が乱暴になっていますが」とフォローしたつもりになっている輩である。 自分の興奮状態を汲み取って、表面的な言葉遣いから態度を硬化させるなという身勝手な論理である。現実離れした異常者を描きながらも物語がリアリティーを失わない背景は、その片鱗を現実の不快な人物に重ね合わせることができる点にある。(林田力) | ||||
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