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悪女について
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悪女についての評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.52pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全96件 81~96 5/5ページ
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『悪女について』という、小説らしくないタイトルをつけた理由が納得できました。 これは「悪女についての27の考察」だったのですね。 そしてまた「人間についての27の考察」でもあった。 男からみると「女」はとても深い(レベルが違うというか・・・)。 著者が女であればこそここまで見通すことができたのでしょうか。 構成もすばらしい。 感服しました。 | ||||
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十年前に読んだときは様々な角度から照らされる毎に色合いの異なる「彼女」が印象的でした。 いま読み返すと「彼女について語る人々」に関心が向きます。 十年後に読み返すのが楽しみです。 | ||||
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ここに描かれている女性は、世間一般の常識では悪女といえるかもしれません。でも、とことん自分を愛し、ありあまるバイタリティーで世を渡っていこうとした彼女は、ある意味で実に無防備で純粋だと思うのです。一見打算的でずる賢く見える全ての言動も、実は全く悪気がなく、真の意味で彼女を温かく抱擁してくれる人を求め続けた孤独な女性の物語…というのは善意に解釈しすぎでしょうか? 高校生の頃から、忘れた頃にまた読みたくなる本として、いやと言うほど読み返しましたが、何度読んでも最後の次男のコメントが胸に響き、大好きです。読む度に、日々の暮らしに追われ、不器用に生きている自分を、全然違う次元から見つめ直すきっかけにしています。 | ||||
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ある者からは土地や屋敷を巻き上げ、ある者には偽の宝石を高く売りつける。 同時期に複数の男を手玉にとって誰にも自分だけだと思わせている。 貧しい生まれの女主人公が空気を吸って吐くようにつく嘘は、 他人だけでなく自分をも真実から欺く。 純粋無垢で何物にも汚されない虚言癖の女。 嘘と女の武器で、じょじょに成り上がっていき、 その頂点で謎の死を遂げるさまを、 多くの語り部によって順番に紡がせる物語。 語り部はいずれも彼女を崇拝していたり、迷惑に思っていたり、 未練たっぷりであったり、憎んでいたり、愛していたりと様々だが 殆どの人物が彼女の醜聞に対して「そんな筈がない」「あの人はそんな 人じゃない」と口を揃える。心底たちの悪いあっぱれな「悪女」なのだ。 そして、本人も語り部も語ってはいないのに、誰にも心を許していない孤独感が伝わってくる。 物を買ってもらう策略だの男を両天秤にかけるだの程度の「小悪魔」は 大勢いると思うが彼女のスケールはわけがちがう。女どころか男でも 絶対敵に回したくない悪女。こんな主人公をうんだ作者の力量にも脱帽する。一気に読破! | ||||
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「ごきげんよう。おやすみなさいませ」と、実に行儀よく両足を揃えて頭を下げ、中に入って行ってしまったのです。 主人公・富小路公子を、簿記学校の同級生の男性が回想する言葉である。私は、この小説にちりばめられた主人公の綺麗な言葉に幻惑される。悪女ではなく、泥の池に咲いた蓮の花のように美しい。 ただし、自分の嘘に気が付かない程の天才的な嘘つきではあるが。 | ||||
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証言する一人ひとりの話にどんどんのめり込んでいきました。今世間でいわれている“小悪魔”じゃなくって、ホントの“悪女”です! 読み始めると止まらなくなりました。 また読み返したいと思う一冊です。 | ||||
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「悪女について」というタイトルについて、”周囲の人に対して”悪女であったということをあらわす構成になっています。主人公本人は悪女ではありません。本当の友達のいない、孤独な女。自分の置かれた境遇をふさわしくないものとする上昇志向を自力で実現化する女。事業は成功し、少女時代のトラウマ貧困からは抜け出せても、代償として実の親さえ縁を切り、実子にも見放される…ここまで徹底できたらあっぱれです。 | ||||
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誰もがはっとするような美貌と実業家として成功していて大きなお金も手にしているうらやましいような女性の公子が殺され彼女にかかわった人物へのインタビュー形式の本だが、読み進めるほどどれが本当の彼女なのか疑問がわいてきて本に引き込まれてしまった。読み終わってみると興味深い面白い本だったとおもえる。 | ||||
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初めて有吉さんの著書を読みました。 主人公の描写や語りは全く無く、すべて彼女と関係がある人々からの証言による展開が新鮮。 事実はひとつにせよ、受けとる側により人物の印象がこれ程多面性をもつものかと・・・ 最後までがっかりさせません。 今年は谷崎作品にどっぷりひたっていたので、このような作品を一気に 読む快感は宮部みゆきの「火車」以来!人間関係のストレスが吹き飛ぶ悪女っぷりにあっぱれです。 | ||||
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小説はあまり好きではないし、わりと厚い本だしで、気乗りしなかったのですが、橋本 治氏が勧めていたこともあり、読んでみました。とにかく面白い。小説って面白いんだなぁと初めて感動しました。 | ||||
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とにかく面白い。ここまで凄くなくても、こういう女性っていますね。 文章もいいし。 | ||||
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有吉佐和子さんって、すごい作家だと思いますが、特に恐い女、むかつく女を書かせたら天下一品だと思います。故人のことどうこう言いたくないけど、こんな事がこんな風に見事に書ける人は、ご本人も少しはそういう性格なのか、それともそういう人に振り回されてきた人生だったのか?と勘ぐってしまいます。鈴木君子みたいな女、知ってますよ。本当の悪女というのは、人に悪女と思わせない人じゃないといけない、のでしょうか。とにかく、圧巻!という一冊です。 | ||||
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週刊朝日連載当時から読んでいた。その後も何度読み返したことか。ミステリータッチだがミステリーではない。が、凡百のミステリーの何十倍も面白い。謎の死を遂げたひとりの女を周辺の人たちが語る。その中に浮き上がる真実とは……。人というのは見方でこんなにも変わるものか。その毀誉褒貶ぶりの描き方はさすが有吉佐和子である。連載と並行してかつてTVドラマ化されたこともある。是非またドラマでも見てみたいもの。 | ||||
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有吉さんが亡くなられる前に鈴木その子さんが有名な女性実業家であったかどうかは定かではありません。しかし、謎めいた亡くなられ方といい、あまりにも冨小路公子に似ている? この小説のヒロイン、冨小路公子の本名は「鈴木君子」だし。確か新潮の連載と同時にドラマ放送が進行していたと記憶しています。主演の方の名前は失念しましたが、とても原作にイメージぴったりでした。愛人の1人は細川隆之さんが演じておられましたね。作品は、ヒロインに関わった人々が証言していく形式ですが、人によっては君子のことを何も知らない、特に良い印象だけを持っている人がそのような語り口です。しかし誰も彼女の正体を知らない… | ||||
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有吉作品の中で「非色」に続く快進作!とにかく見せ場が多い。展開も素晴らしく、キャラクター一人一人、妙にリアリティがあり、これも有吉佐和子自身調査魔という所から来ているからか?とにかく大長編にもかかわらず一気に読めた最近の日本の文壇ではトント見かけなくなった秀作。映画化を熱望。 | ||||
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富小路公子という、一代で財を成した女性実業家が飛び降り自殺した。その原因を探るべく、彼女を知る人々に雑誌記者がインタビューを試みる。この小説は、インタビューを受けた人たちが記者の質問に答えるのを一人語りで再現した形をとっていて、オーソン・ウェルズの映画「市民ケーン」を思わせる。何より、年齢も背景も違う関係者たちの話し方をすべて書き分けているのがすごい。殊に、麻雀好き、ホスト好きの宮家の女性の章は抱腹絶倒もの。宮部みゆきの「理由」も関係者たちの証言で綴る構成をとっていたが、話し方はどれも似ていて、有吉佐和子の芸には及ばなかった。読み進むにつれて自殺の原因が明らかになってくるスリルはミステリーとして一級品だと思う。豪華スターを配したテレビドラマ版もよく!出来ていた。著者の代表作に数えてよいのではないか。 | ||||
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