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悪女について
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悪女についての評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.52pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全96件 61~80 4/5ページ
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小説の中の「愛ですは愛」が全てかなと思います。 愛されることは美しいことだからこそ、愛してくれる人には誠実だった。 公子は言い寄って愛を与えた男には、それ以上の愛を与えていたと思います。 また、不快に思う美しくないことには、ものすごい拒否反応があったのかな・・。 そういう相手には徹底抗戦だったのかも。 黒革の手帳を手に入れて、搾取だけするドラマもありました。 周りに愛されず破滅型の女・・・。恐喝をする犯罪者です。 公子は黒革の人とは違い、もったいぶらず愛を与えていました。 結果として男の意思でざまざまなもを与えられました。 「愛」を与えられることで男は虜になった結果かと思います。 本当の悪女は、本人も周りも悪いと感じさないのかもしれません。 ちなみに次に映像化したら主役は、荻目慶子が適役かと。 | ||||
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とても好きな作品。芥川龍之介の「藪のなか」と同じ手法で、ひとりの女性の人生を 数々の証言で浮かび上がらせる。この女性の人生がどこまで本当でどこからウソなのか、そもそも証言が本当なのかもわからない。人によっては証言の行間に複雑な心情を感じる。でも、運命の女とはこういうものではないかしら。つかみどころがなくて、でもそのくせまわりに強烈な印象を残す。やっかみと嫉妬を受けてもさらりと受け流せるような器量も持つ女。女性とはさまざまな顔を持つナゾの存在なのだ。 | ||||
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読み終わっての最初の感想は君子は果たして悪女なのか??でした。ここまでやれるバイタリティや努力って尊敬する。出来ないしよろしくないけどちょっとだけ憧れる生き方。 しかし初めて有吉佐和子さんの本を読みましたが大変面白かった。主人公目線からの描写がひとつも無いのに主人公が徐々に分かってくる、でも語り手の主観によりそれは確実ではない、というのが楽しかったです。 また何年かしたら読み直したい | ||||
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富小路公子の周辺の人物からのインタビューで構成された物語。 彼女を憎む人、愛する人、様々な人からのインタビューで成り立っています。 こうした手法の本はよくありますが、 本人の語りなしで、ここまで人物像をくっきり浮き上がらせることができる本ははじめてです。 彼女を「嘘つき」「詐欺」と罵る人もいますが、 彼女は努力家でひたむき。 相手の望むことを実行し、望む言葉を言ってきただけ。人の気持ちを読むのが上手な人です。 彼女が亡くなった理由は本当に純粋。 こういう人を「天性の小悪魔」って言うのでしょうか。 とにかく、おもしろかったです。 | ||||
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「悪女なんて・・・、彼女はそんな人ではなかった」 いろいろな人の視点から浮き彫りにされる女の姿。 一つ一つを聞けばすごくいい人だったり、悪女だったり。 でもいい人だったというのは大体が男性で、 それぞれを並べると矛盾が生じていく。 幾つもの顔をもつ彼女が、いろんな人に「彼女はそんな人間ではない」と 思わせることができたのも、ある意味で一つのことを極めた人生なのかなとも思う。 | ||||
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本当の名前も、本当の親もある意味捨てた女ー鈴木君子(富小路公子)。 戦後の混乱期を才覚と悪智で巨万の富を得、TVでコメンテーターになっては多くの 崇拝者を得、最後の最後まで美しい女であることと、宝石をはじめとして美しいものに 固執した虚に満ちた人生を彼女を知る27人の語り部によって綴ったストーリーです。 彼女自身は語らない点と巨万の富を築いたプロセスが数人によって少しずつ、バラバラ に明かされていく読者をワクワクさせる手法は圧巻でした。 「悪女について」という大胆な題名でありながら、悪女の間に天使の彼女が存在し、 娼婦の彼女と無垢な女が混在するため、最後の最後まで愉しめました。読み終わってから、 また前半に戻って悪女ぶりを読み返したほどです。 彼女自身が自分を告白することはないので、それぞれの語り部が彼女に対するそれぞれ の思いを綴る(吐き出す)わけですが、人という複雑な多面性をうまく引き出している と思います。彼女の苦悩は、極度の不眠症という生活習慣病だけに閉じ込められて 心情を伺うことは出来ません。幸せな一生だったのでしょうか? 実業家としての確かな才覚があっても、年齢だけは生涯嘘を突き通したところなど 可愛いものです。 また、昨今の美しい筋肉をつけたセクシーなボティへの流行とは異なり、柔らかい 体でいるため筋肉をつけないよう運動をしない努力なども、美への考察が違い 書かれた時代と現代の差を面白く思いました。 それに、手玉にとった男性より、養った男性が圧倒的に多い悪女だったようです。 それも才能ですね。 しかし、男性によって性生活においても全く異なる反応をみせるなど、大変な努力家 だと思います・・・脱帽。悪女にはなれそうにありません・・・・(笑) | ||||
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極貧というほどでもなく、天涯孤独でもなく、被差別というわけでもなく、おそらく当時としてはありふれた家庭で育った主人公。しかし彼女にはそれが許し難いものだった。 しみったれた生活にがさつな母親。この私がこんな境遇に置かれていいはずがない、こんな女が私の親などであるはずがない。 私は、高貴な筋の落し胤。裕福な家庭で上品な家族に愛され育った。美しいものだけに囲まれて。 そして彼女は現実の自分を根絶やしにしていく。 自身の出自に対する執拗なまでの憎悪を以って。 人を騙すには先ず自分から。そうするううちに妄想と現実との境目などなくなる。 他人が捏造呼ばわりしようが何を言おうが、自分がそう有りたいと望む世界だけが彼女にとっての真実となった。 | ||||
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多くの人が生前の主人公について回想します。 主人公はどうやら悪女のようなのですが、読み終わっても、主人公が嘘をついて成りあがって行ったような悪女には思えず、なんだか私まで主人公に騙されたような気分です。 ドキドキしながら一気に読んでしまいました。 そして、読み終わってすぐに、もう一度読みたくなりました。 何度読んでも、色褪せません。 秀作です。 | ||||
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善悪と言う単純な物ではなく、もっと奥の深い、アイデンティティにとらわれた人間の悲しみを感じました。 ホンモノのダイヤや偽者の模造ダイヤを手玉に取って、偽者と判断した相手には徹底的に騙して、お金を絞りあげ、ホンモノには尽くす。でも、例えホンモノでも、自分を傷つけたら、結局復讐をしっかり果たす。その裏に血統でホンモノと偽者を分け、お金は不純なものとしながらも、貪欲にお金まみれになろうとする、雑種である自分への憎悪が見え隠れして、面白い。 ダイヤもガラス玉もどちらがホンモノかは人間が勝手に決めた事。ホンモノも偽者もないと、はっきりと自分の値打ちを認められたら、本当に自分を大事に思ってくれている人達に目を向け、本当は、何が大事か気づく事が出来たのではないでしょうか? 学歴や車、挙句は子供の成績まで人と競っている現代人を揶揄しているように感じました。 全部の血を入れ替えても、名前をいくら変えても、所詮は何かを基準にして、ホンモノやマガイモノにこだわっている限り、幸せになれない事を気づいていればと、結末を読んで虚しい気持ちになりました。 | ||||
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有吉佐和子って・・・すごすぎる・・・。と思った本です。彼女の作品で初めて読んだのが、「悪女について」です。 27人の関係者が、主人公の女性について語ります。関係者27人のセリフだけで、物語が作られていきます。当然、27人がそれぞれ個性的です。それぞれの証言により、主人公の人物像が浮かび上がってきます。 けれど、注目すべきは、各々によって主人公の人物像は違うこと。関係者の口から主人公の言葉は出てきますが、主人公が何を考え、何を思っていたのかは分かりません。 一人の人間は、ウラもオモテもあり、人の評価もあてにならないことを感じます。 主人公が「悪女」かといわれれば、そうでもないと思うのです。浮かび上がる人物像は、全て他人の印象ですから。 それを小説として昇華しきっているところに、有吉佐和子のチカラが出ていると感じました。 | ||||
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松井今朝子の「吉原手引草」を読んだら本書を思い出しました。松井氏も本当に良く勉強しているなぁと感服しますが、作品自体の厚み、面白さは「悪女」の方が一枚上手だと思います。証言者によって主人公富小路公子の人物像は非情な悪女であったり天使のような善人であったりと豹変し、その死は謎のまま解き明かされません。何というストーリーの巧みさ! ・・・ところで私にとって「悪女」は小説とTVシリーズが切っても切り離せない作品であります。私の中ではまさに、その顔、その喋り声、独特の笑い方といい、主演の影万里江は主人公の富小路公子とイコールなのです。若かりし私は毎週TVに齧りつき、釘付けになったものでした。個人的には、現在に至るまで最高のTV作品だと思っています。何でこんな傑作がDVD化されないのか不思議でなりません。どなたか是非とも実現して下さりませ(多少高価でも必ず購入します)!・・・さてここから脱線しますが、新しく番組を製作してみるのも一興かもしれません。時代背景に少々無理がありそうなので現代に置き換えても仕方ありません。主演の富小路公子役は、(私のお気に入りの)沢口靖子以外には考えられません。彼女なら天使のような悪女あるいは悪女のような天使役もこなせるでしょう(原作とは離れ邪道かもしれませんが、彼女得意のコミカルな味付けをしても面白いかも・・・)。証言者等その他の出演者にも芸達者を配して下さい。どーでもいいようなチャラチャラしたくだらぬバラエティ番組があまりに多すぎる昨今、きっと識者の好評を得ることでありましょう。「悪女について」ファンの皆さん請御意見! | ||||
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taiyaki#023 小説の構成が面白いと感じました。 小説を読み始めると、主人公の富小路公子は既に亡くなっていることを知らされます。 著者の有吉佐和子さんはこの本を「男性中心の社会を、いわば逆手に取った女の話」と評しているようですが この本を通じて男性の心を手玉に取ったのは、有吉さん自身なのかもしれません。 それにしても何度でも繰り返して読むたびに味わいが出てくるの不思議な小説でした。 | ||||
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27人の生前の「女」を知る人々の回想録から浮き上がってきた「女」の真の姿は、生まれながらの男をたぶらかす小悪魔か、それとも純粋無垢な天使か・・・? 水晶のように透き通った瞳に、男心をくすぐる甘い声。 どこかの高貴な血が流れているかのような気高さと輝きを放つ美しさ。 女は美しさが持つ魔力が、自分を取り巻く全ての人々に勝ることを熟知していました。 まるでアクセサリーをつけかえるように、男達をとっかえひっかえ利用し、狂わせ、怪しく美しく舞う女の一生の物語です。 | ||||
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この公子のすさまじいしたたかさと、バイタリティあふれる嘘のつきっぷり。たくさんの人間を騙しまくって、それでもなお聖女のような一面を決して自ら剥ぐことがないまま変死を遂げたこの女性の人間に反吐のでるよな気持ち悪さを感じた。 モラルだとか倫理だとかそいういうものから全く解放された異様な精神を持った人間を27人の語り手をつかって浮き彫りにするこの作家の力に脱帽。 最近はやりのサイコパス犯罪小説など吹っ飛ばしてしまうような有吉の創造者としての豊かな書き手力にもうことばもない・・・。 最後の語り手である軽薄そうな次男が語るこの女の異様な精神の果てはやはり、異様な死だったのか?ミステリアスで胸糞わるくそして人間のおかしさを目いっぱい書ききったすごい作品だとおもう。連続ドラマにどうですか?? | ||||
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面白かた! すーごいトリッキーな話の運び方で、 思わず年表など作成してまいました。笑 愛される女の秘訣を学びました。 ぶっちゃけ、吉原手引草で満足してる人は、 これ読んだら開眼する筈。。 (松井先生スミマセン。) | ||||
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男と女、善と悪では言い表せない人生がつづられています。筋立てはミステリー風で引き込まれるようにページをめくりました。関わる人々夫々の証言はその人にとっては事実です。このようなことはまま見聞きすることです。君子のセリフ「まああ」「夢見たい」の言葉が持つ魅力について、その魔力を思います。この言葉の力で生きていく君子さん、あなたの力に敬服します。おっかない方です。 | ||||
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なぜ、この本を選んだのかと言えば、彼女の本を1冊読みたかったのと(母が、「芝桜」という夜の世界の女性の激烈な競争を描いた書籍を感嘆をもって語っていた)、あらすじを読んで、ミステリー形式になっている、とのことだった、という2点からだった。 感想のひとつ目は、有吉の文体がとても「綺麗」、ということ。昭和の時代の小説は、殊更、会話文になると、一種の形式が出来上がっていて、現代を生きている自分にとっては、どこか浮いた感じを持ったものである。 時代設定は、現代には違いないが、「いま」というのとはちょっと違うにしろ、わざとらしさがない。違和感がない。むしろ、「いま」の虚飾の部分がないだけ、普遍化されている。 感想のふたつ目は、悪女とはこんなものではないでしょう、ということ。たしかに、主人公は、嘘つきだ、ということは書いてある。人を欺き、騙し、自己を変節させ、生き抜いてきた。生とお金に執着する主人公が、雲を掴もうとするがごとく、窓から身を乗り出し、身投げするか?主人公の最期に関して、著者は、むしろ、愛情を注いでしまっているかのように見える。 ふたつ目に関わるみっつ目として、ビジネスに生きる女性に、男性との絡みは、不可欠だ、ということ。主人公はもちろん男性を手玉に取って、金を巻上げてビジネス界に出て行くのだが、それは夫、男、僕、というカテゴリーであって、ビジネス上のバックボーン、というか、パトロン、というか、援助者、という存在は居ない。それ無しには、百鬼夜行の世の中、どんなに才覚持っていたとしても、吹き飛ばされてしまうだろう。確かに、彼女のビジネスは崩壊していく。その修羅を読者に見せないまま、著者は彼女を死なせたのかもしれない。 | ||||
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主人公を他者が語ることによって,様々な人格が見えて来る。 このアプローチの仕方は、本当に面白い。 殺人なのか?自殺なのか?スリリングな話の展開に、本を持つ手が 話せなくなります。 有吉佐和子さんファンの方以外でも、充分楽しめる1冊だと思います。 「悪女について」。うふふ、な読後感デス。 | ||||
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厚い本なのに、先を先をと大急ぎで一気に読んでしまった。 とにかくおもしろい! 計算しつくされた伏線がはりめぐらされ、読者を離さない物語の展開。主人公にかかわった多くの人々の証言により物語が構成されているが、これがまた緻密な構成になっている。 今さら言うまでもないが、有吉佐和子は文がうまい以前に天才なのだ。没後かなり経つが、この小説にしろ彼女の他の小説にしろ、現在に小説の舞台を置き換えてドラマ化されても、微塵の古臭さも感じられないだろうところがまた凄い。 黒木瞳さん主演で連続ドラマ化してほしい。 筆者の新しい作品が読めないのが残念だ。 とにかくおもしろい!読んで損はありません! | ||||
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主人公の公子は作品の冒頭で既に亡くなっており、彼女は、27人の生前に彼女に関りのあった人々の回想により浮き彫りになっていきます。人によって彼女の捉え方は千差万別であることが興味深いですが、個人的に感じたのは、主人公を通して、同じ人間に対しても全く違う感情を抱く27人の様々な人物像を作者は同時に描きたかったのではないかということです。 | ||||
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