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クラインの壷
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クラインの壷の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.35pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全103件 61~80 4/6ページ
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ごく稀にすごく現実っぽい夢を見ることがありませんか? 一瞬、どっちが夢の世界なんだ?みたいな感覚になるアレです。 この話は現実とゲーム上の世界との間に、主人公が迷い込むストーリーで、読んでいると惹き込まれて僕自身がその世界に迷い込んだ錯覚を覚えました。 最後までスリリングで楽しめました。読後に、結局どっちが表でどっちが裏だったのかを仮定すると2つの結末を楽しめます。名作です! | ||||
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この本を読むにあたり、所要時間は一時間を必要としなかった。それは面白すぎるからである。読む手が止まらず、高揚を抑えきれず、最後まで疾駆する。これほど高いエンターテイメント性をもつ作品に出会ったことがない。エンターテイメントの金字塔、と呼ばれて過言でないだろう。私は自信をもって「クラインの壺」を薦める。 | ||||
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最終的にどっちなのか(個人的には表だと思っているが)、はっきりさせず余韻を残す終わり方が印象的。 こういうプロット、テーマ、オチのストーリーを考えたとしても、こういう形のラストはなかなか思いつかないと思う。 終盤にかけなだらかな展開だったストーリーが急加速し、突然終わる。読後の余韻が大きい、インパクトのある美しいラストだった。 | ||||
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普段小説は読まない者の感想ですが、 今時仮想現実を題材にしたと聞けば、誰でも オチはアレを想像すると思います。自分もそうでした。そして予想どおりアレでした。 しかし読む手が止まりません… 徐々に真実に迫っているはずが手の平で踊らされていた感覚、 そしてラストでの必然とも言える主人公のあの行動、 それを仮想現実という設定を生かして巧みに演出しています。 あれが全て現実ならイプシロンという企業は所属している人間含め、どこぞの生物兵器だの人体実験やらで 悪巧みしてる架空団体よりよっぽど怖いです。無機質という形容詞が非常に似合います。 他のレビューでもありますが、SFなのにガッチガチのプロットで 固められており、単純に仮想現実を楽しむだけ、という話に終止していません。 個人的なマイナス点は、仮想現実の話だと思ってたら半分ミステリーだった事、 ミステリーの宿命ですが、タネがわかっていればもう一回読む気にはなれない事です。 マイナスではないですが、舞台が狭く、箱庭を観察してるようで壮大な話を 期待してると肩透かしするかもしれません。 本を読まない人でも読みやすく、堂に入った文章も魅力の一つです。 最上の娯楽小説の内の一つとして、胸を張ってオススメします。 | ||||
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久しぶりに読んだけど、やっぱり怖い話でしたわ。 書いたゲームのシナリオが、200万でゲーム会社に売れることになった大学生が主人公。 買い取ったゲーム会社が、シナリオを元に作り上げたゲームは、なんと触覚から味覚まで五感全てをシミュレートする完全なバーチャル・リアリティのゲーム。主人公は、ゲームのモニターとしてこの驚くべきゲームを体験することになる。もうひとりのモニターとなった美少女、梨沙とゲームを進めていくうちに、彼はこのプロジェクトに大きな陰謀の存在を疑い始める。 というようなストーリーで、これ以上書くと何書いてもネタバレになりそうなのでアレなんですが、とりあえず、『クラインの壷』というタイトルが何よりも雄弁に本作のテーマを語っているとは言えるかな。ラストまで一気に読ませるサスペンスがたまりません。 それにしても、本作は1989年の作品で、巻末の解説によれば、PCはコマンドベースのMS-DOSで、当時最新のゲームはドラクエ3という時代にこんな小説を書いた岡嶋二人(と言うか、井上夢人)の想像力はやっぱりすごいですね。 | ||||
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設定から想像できるように、テーマは仮想と現実の融合。 主人公はイプシロンに騙され、仮想と現実をごっちゃにされる。 どっちが仮想で、どっちが現実なのか。 主人公と一緒にだまされるもよし。 途中からたくらみに気付いて、その境界を探るもよし。 ミステリーとしても、ちょっとしたSFとしても楽しめる。 東野圭吾の「パラレルワールド・ラブストーリー」に近いか。 ラストはややSFよりのパラドックス的な終わり方。 私はこういうの結構好きでした。 | ||||
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岡嶋二人の最高傑作と言われている作品。 SFは苦手なので読まずにいたが、全くの杞憂だった。 これは文句なしで面白い。 ゲーム開発のモニターとして仮想現実の世界を体験する青年の話だが、 やがて二つの"世界"が交錯し、本物と偽物の狭間で我を失ってゆく。 そのスリル満点な展開にどんどん引き込まれていき、 読みながら冷や汗をかいた。 迫り来る恐怖と興奮、崩壊してゆく自我。 一体この世界の何が真実で、何が真実ではないのか。 友情も愛情も何もかもが全て薄っぺらいものに感じられた。 自分はここに生き、ここに存在しているのだろうか? 読後一気にそんな感覚が襲ってきてゾっとし、 思わず周りとキョロキョロと見回して声を発してみたり、 ドアを開けて外を眺めてみたりと挙動不審に陥ってしまった。 完全にやられたという感じ。 手に汗握る展開も久しぶりに味わえたし、大満足の一冊だ。 | ||||
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最後あそこまで緊張させておいてのラスト…読後感はよくないですでも話には引き込まれますし飽きる事はないです | ||||
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すべての感覚が現実と同じように体感できるバーチャルゲームのテストプレイヤーになった主人公。 この作品が89年に書かれたというのだから作者の先見性に脱帽です。 近い未来にこんなゲームができるんじゃないか・・・?と思われる今だからこそこの本をリアリティをもって読めたのかもしれません。 通勤時の読書に・・・と思って手に取った本でしたが、途中から続きが気になって一気に読んでしまいました。 人に薦めたくなる作品です。 | ||||
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率直にいおう岡嶋二人という作家はあまり好きではない。ただこの作品は凄すぎる。。井上&徳山のコンビ解消作となる一冊だが、その影響で 後に井上夢人(いのうえゆめひと)として再デビューを飾る彼の世界観が顕著だ(基本的にプロットは徳山が担当していた由)。 なぜ嫌いかは一言では表せないが、面白いことに本編後の解説で新井素子女史が絶賛している理由の真反対のスタンスだ。本当に呆れるぐらい 反対(この人の書き物とは常に逆になるのよ)。簡単にいえば人間の当たり前の部分を穿ちすぎな所が駄目なのね。女史はそれが地に足の ついた人間像と絶賛しているが、一個人的な意見からいえば地に足がつきすぎ、つーか地面にすらめりこんでるだろ(笑)。どんだけ忍耐力 強いんだよ。だがその点、凋落のスリルと新しい血がもえたぎる本作品は変にストイックな不自然さなしに強く感情移入させて一気に読ませる。 さて、本作品の内容はゲームブックの公募に送った作品がひょんなことから、ヴァーチャルリアリティ体験ゲームの原作として採用されて しまったことから始まる上杉青年の喜劇・悲劇だ。 ゲーム開発上の試験モニターとして、実際に仮想現実の世界に入るが何やら判らぬ違和感に異変、そして陰謀と盛り沢山だ。クライマックスに 向けての興奮は筆舌に尽くしがたい。そして砂上の楼閣が崩壊したとき、そこにあるのは驚愕?恐怖?虚無?それとも背徳? 思うに作中人物・真壁七美(まかべななみ)に恋した俺は負け組みなのか?勝ち組なのか?永遠に謎だ。この点、共感者は多いんじゃないだろう かと勝手に思う。 ちなみに、NHK教育で井上夢人脚本でドラマ化された際に七美を演じたのは佐藤藍子ちゃんでした...前田愛ちゃんならよかったのに(ボソッ)。 | ||||
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現実と区別がつかないほど高度なヴァーチャル・リアリティを実現した『クライン2』 というSF的設定により、クラインの壺の世界(つまり、現実と虚構がねじれながら、 裏返しに連続する特異な世界)を現出させた本作。 主人公は、現実世界とゲームの世界が交錯し、侵蝕し合うさまを目の当たりにすることで、 なにものも信じられない心理状態へと追い込まれ、究極の選択を迫られることになります。 ところで、ミステリ小説には、読者に作中現実(上位レベル)と作中作(下位レベル)といった 叙述レベルを意図的に混同させるメタフィクション形式のトリックがありますが、本作の場合、 真偽を判定できる最終審級となる外部(メタレベル)が存在しないため、真偽決定が不可能 となっています。 そのため、真相を宙吊りにする本作の結末を、ミステリとして邪道だと断ずる向きが いても、当然だとは思いますが、その一方で、テクノロジーの発達によって、我々の 身体感覚が容易に揺らぎ、真実が何であるかは時代と共に変遷していく、といった 厳然たる真理があることも、忘れてはならないでしょう。 | ||||
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テストプレイヤーとして、ゲームブックの原作者が仮想現実の世界に浸る。 これは現実なのか、それとも・・・。 すっきりしない読後感がむしろ好感。 仮想現実を体験できるゲーム『クライン2』 こんなものが我々の現実の世界でも登場したとなれば、それはすなわち私の引きこもりを意味する。 恐ろしい・・・! それにしても岡嶋二人作品は読みやすいことこの上ない。 400ページを優に超えるのに飽きさせることなく、こんなにもあっさり読了へと導くとは。 「はじめのところから始めて、終わりにきたらやめればいい」 怖いよ、クラインの壷・・・。 | ||||
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彰彦が、自らが手掛けたゲーム原作を用いたバーチャルリアリティー体感装置「K2」に入り込んだ時から、逆転が逆転を呼ぶ驚倒のサスペンスが幕を切って落とす! 今自分が見ている現実は本当の現実なのか?周囲の人間達は本当に実在しているのか?眼前のあらゆる事象をそのまま現実として認識している人間にとって、これ以上の究極の恐怖はないだろう。そんな悪夢に、大胆にも紙の上で挑戦を試みたのが、この「クラインの壺」だ。奇しくも当作が岡島二人の最終作というのもまた感慨深い。 鬼気迫る鮮烈な展開はもとより、作品の完成度を鉄壁足らしめているのは、梨紗と七美という現実と虚像における二人のヒロインの存在ではないだろうか。失踪する梨紗と入れ替わるように現れる七美。梨紗に執心の彰彦は次第に七美へと傾倒してゆく。彼女達への実直な想いとそれ故の酷薄なジレンマが究極のミステリ劇を一層引き立てているのだ。 待ち構える衝撃のラストは評価が分かれそうだが、私は作品の方向性として必然の帰結だと思う。だがあの判断、果たして彰彦にとっては、ある意味の最良の形といえるのだろうか?それとも…? | ||||
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読後感はすっきりしないものがあってよかった。 結局今どっちの世界にいるんだってのがわからなくて不安感があった。 おもしろかったです。 | ||||
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仮想現実の世界を体験するというゲームのおもしろさに惹き込まれて一気に読んだ。ゲームの展開がおもしろかっただけに、最後の結末はちょっと物足りなかったのだが、それでも十分に楽しむことができた。こんなゲームが実用化されたらと考えるとおもしろいと思うのだが、それ以上に恐怖心が植えつけられる作品でもあった。 さらに、本書が初出版されたのが1989年ということに驚いた。まだファミコン全盛期の時代に仮想現実の世界を体験するゲームという発想を考えたことが素晴らしく、2008年の今でさえも十分に通用すると思う。 | ||||
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読み終わった後の次の日、何度もほっぺをその日、つねってしまった。 一言で言うと、酷く怖かった。 ミステリーでもサスペンス、はたまたホラーでもないのにも関わらず、だ。 現実とクラインの世界が入り混じって、本当の現実がどれだか分からなくなってしまう。 その前に、本当に私達がいう「現実」は存在しているのだろうか。 悲しいほどにこの本の世界へと引っ張られてしまった。 愛、友情、約束、絶望。そんなものが薄っぺらい「本当」だとしたら 全てが否定される、真実そんな世界が本当なのだとしたら、 私の築いてきたもの、すべてが偽だったら。 年が浅かった時期とは違って、何にも疑いを持つ事がなくなった私達は このクラインの壺ではない、「クラインの壺」の中に現に入っているのかもしれない。 新たに自分の周りを、そして自分を見直す機会を与えてくれた本だった。 | ||||
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「ええ?じゃあ結局…」 ラストの一文を読み終わったときの気分が上のような感想でした。 主人公はあるSF小説を書き、それを新人賞のようなものに応募します。大きく選考基準からはずれたその作品(長さが選考基準の何倍もあった)に目をつけたあるゲーム開発会社から「この物語をゲーム化したい」との電話が…。 試作品に触れて大興奮の主人公。 待ち続けること1年半、いよいよプロトタイプができたということで主人公はゲームのテストをある美少女と行うことに。 ターニングポイントはパートナ―の女性の失踪。 そこから物語は動き始めます。 果たして自分の感じている感覚が正しいのか? 信頼できる女性の言っていることが正しいのか? 通常見慣れた世界で起こる決定的な違和感。 ラストのラストまでその違和感を引っ張りながら、「ぴとっ」と張り付くようにストーリーが展開します。 特に中間部からはキーになる(と思われる)情報がいくつも出て、物語がガンガン進んでいきます! 派手なアクションが無い分、じわじわと侵食するように物語が入り込んでくる名作。 お勧めです! | ||||
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とにかく衝撃を受けました。読了後なんとも言えない気分に・・・ 主人公である彰彦はある日、自分が原作者となった仮想現実のゲームにテスターとして招待されます。 そこで出会うのは梨紗という美しい女性。二人はすぐに打ち解け、仲は深まります。 すべては順調に進んでいるはずでした。ある事件が彼らの身に降りかかるまでは・・・ 衝撃を受けた点はいくつもあるのですが、ネタバレしかねないので触れることができません。 主人公に感情移入しすぎるあまり自分自身も主人公と同じ恐怖と疑問を抱く、それほどのリアリティを持った作品です。 驚いたことにこの作品が作られたのは、1989年ということです。 しかし本作は今読んでも全く違和感がありません。 それどころかこれから後何十年もほぼ改稿することなく読み続けられるのではないかと思います。 それほどに完成され、先を見据えられた物語です。 空想と現実、真実と嘘が入り乱れた不可思議な世界を恐怖と共に体験できるお話でした。 | ||||
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かなり昔に書かれたものなのに、ストーリーが非常に斬新。内容は、主人公が体験ゲームのバイトをする、というのを軸に展開していくのですが、バーチャルと現実の世界を行ったり来たりするうちに、主人公も読者もその境界線がどんどん分からなくなる。それが非常に怖い。現代のいかにもの3Dバーチャルでなく、15年前的なゲームの世界観がまた良かった。ミステリーがサスペンスかSFか、分類は難しいと思う。最初の50ページ読んだ後は、もう一気に最後まで読んでしまっちゃいます。また終わり方も、後をひくような、ゾクっとする怖さを残します。 | ||||
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岡嶋二人の最後の作品であり、井上夢人の実質的なデビュー作である。 読み始めて最初の内は、作者だけがヴァーチャルリアリティ・システム 『クライン2』を楽しんで書いていて、その楽しさが読み手まで伝わって 来ないような印象を受けた。 主人公が『クライン2』の目的に疑問を抱き始め、謎を追っていく中盤 以降はスピード感ありテンポよく一気に読める。 特に研究所に潜り込むあたりのシーンはスリルがあり、物語に引き 込まれる。読みやすい文章であり、作者である井上氏の力量だろう。 だが、最後の落ちが物足りない。 まだ何かあるんじゃないかとページをめくったら、 そこは新井素子さんの変な解説だった。 良くも悪くも、井上夢人の世界観を反映した作品である。 ただ、井上氏が我がまま?を言ってボツにしたという徳山バージョンも 読んでみたい気がする。 井上先生、書いてくれないかな。 | ||||
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