横断
評判
横断の評価:
4.20/5点 レビュー 5件。 B ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1〜8 1/1ページ
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横断の評価:
4.20/5点 レビュー 5件。 B ランク
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何かが起こるのを待つというストーリーなので、地味な面もあるとは思う。だが、ディック・フランシスはこの競馬列車のディテールをこれでもかと書いてくれるので、お金持ちの馬主たちと豪華列車で一緒にカナダ横断の旅に出ている気分にさせてくれる。アガサ・クリスティーの『オリエント急行の殺人』は雪で立ち往生した列車内が舞台だったが、こちらはカナディアン号が走るのと同じ風光明媚な場所を走りながら、事件が静かに進行していく。鉄道ミステリとしても、かなりの出来ではないかと思う。
競馬シリーズの傑作の条件として、本当にイヤな悪党の存在と、主人公を助けてくれる魅力的な脇役、があると私は思っている(あと、なぜか主人公はおカネに困っていないことも多い)。本作では条件がすべてクリア。とくに、電話だけで主人公をサポートする老婦人の存在が、この物語に不思議な味わいを足しているように感じる。
クライマックスでは、ディック・フランシスらしいド派手な展開を経て、悪党との直接対決のラストに向かう。勧善懲悪の爽快な幕切れのあと、競馬のレースシーンで鮮やかな結末。まさに快作と呼ぶべき綺麗な終わり方だ。
しかし、ラストの快勝劇の前に、いくつか命が失われており、喜びと悲しみが交じり合ったような感情を主人公は抱く。嬉しいけど悲しい、つらいけど嬉しい、そんな複雑な感情をディック・フランシスさんはいつも大事にしていると思う。