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奇面館の殺人
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奇面館の殺人の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.70pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全88件 81~88 5/5ページ
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綾辻氏の色褪せぬ本格ミステリーが楽しめました。 緋色やAnotherのようにホラーと幻想の表現もありますが、あくまでも演出であってノックスの十戒は破ってません。 叙述トリックは今回は使っておらず。 犯人やトリックも何となく分かります。 ですが伏線が非常に丁寧な上に読みやすく、ついつい夢中になってしまいます。 探偵は江南よりキレ者である鹿谷門実であり、ファンには嬉しい一冊です。 | ||||
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「時計館」までの綾辻が帰ってきた! 「最後の記憶」「びっくり館」と壁本が続いた時には本気で見離しかけたが、「Another」とこの「奇面館」で見事に復活。 長年のファンとしてこんなに嬉しいことはない。 いわくありげな館に、吹雪の山荘、首のない死体、こんな手垢まみれの舞台装置を使って、現代日本を舞台にここまで魅力的な物語を紡ぎだせるのは、たぶんこの人だけだと思う。 ノベルスで400頁の物語の中で、起きる事件はたった一つだけだが、それでもまったく読者を飽きさせないのはすごい。 重要なのは魅力的な謎であって、死体の数じゃないんだと改めて思った。 最近はこういう物語がめっきり少なくなっちゃったけど、新本格が世に現れた当時は、こんな稚気にあふれたミステリが多かったんだよなあ。 本格ミステリの魅力とは何かを認識させてくれる一冊。絶対のお薦め。 | ||||
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中村青司の館に鹿谷門実が帰ってきた! 本格ファンなら手を出さないではいられないでしょう。期待通りの面白さです。 あとがきで、比較的軽量(原稿用紙400枚程度)な作品を目指していたとあります。そういう点は随所にみられ、鹿谷たちが陥る状況って不気味ながら結構笑えるんですよ。またアルバイトメイドの女子大生をワトソン役にしているのも軽めの印象を与えます。 この女子大生、気丈で頭の回転が速く、おかげで結構複雑な論理構成ながらどんどん読み進めることができます。この論証の積み重ね、本格はやっぱり面白いなあ。折角だから、この娘を中心に映像化したら楽しいんじゃないかな。 館シリーズにしては事件が小振りなのと、怪奇性が解決にさほど活かされていないのとで一点引いておきますが、最初に書いた通り、もともとの狙いがライトな館だということで、むしろ意図的なものなのでしょう。次の、最後の館はでかいのをお願いしますよ。 | ||||
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これだな、これを待っていたんだ! 著者は「〜囁き」シリーズから作品にホラー色を入れていった。 そして「館シリーズ」ではついに「暗黒館〜」なんていう、キメラのようなものを作ってしまった。 しかし、本シリーズは著者の原点なんだから、いつかはストレートなミステリを書いてくれると思っていた。 待っていた甲斐があったという感じだ。 いろいろと、つっこみ所はある。 しかし、今、こういったスタイルの王道本格ミステリを書いてくれたことは、間違いなく評価できる。 そしてその完成度は、さすがにベテランという感じだ。 原点回帰?温故知新?いろいろと言うひとがいるだろう。 でもいいじゃん、何でも複雑になりすぎたときは、振り返ってみるものだ。 そしてそこに、最も大切なものがあるものなんだから。 仮面(奇面?)のイメージは、間違いなく楳図「笑い仮面」だ。 これは嬉しい。 知らないひとは、手に入れにくい作品じゃないから、「ブックオフ」とかで探してみてほしい。 「少年画報」誌の連載2回目のところなんか、今見てもけっこうくるものがあるからね、要注意だ! 本シリーズがあと一作でおしまいなんて、もったいない。 もっともっと、このクヲリティで後世に残る本格ミステリを書いてほしいな。 この手の完成度の高いミステリが少ない今、実に渇を癒す一作だった。 ブラボー!! | ||||
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ずっと待っていた本、さっそく徹夜で読みました。 まだ出たばかりで、読んでない人のためにも内容を詳しく書くのは控えますが、 私としてはとても楽しく読ませていただきました。 「館シリーズ」はすべて購入し読んでいますが、毎回違う館でよく こんな内容を思いつくなぁと作者の発想には驚かされます。 ミステリー好きで普段からそういった本をよく読んでいるのですが、 私は小説の中で犯人が誰か暴かれる前に自分で先に全てを解こうとは しません。(否応なしに先に解ってしまったこともありますが) 「あれ?ここ…」とか「あ、この人さっき…」とか漠然と自分の中で 気になる所を溜めておいて、読み終わった時に全てが一本に繋がった時の 爽快感といったら…!! 今回の「奇面館の殺人」でも、しっかりと伏線が張ってあって 最後にはまとまっています。 もちろん他の皆さんが書いておられるように、?を残したままで 終わる点もありますが、個人的にはやっぱり綾辻さんっぽいなあ〜と 思いました。 近年はなかなか自分で満足できるミステリ物は少なくなってきているので お気に入りの作家さんの作品であれば、謎を解いてやろうと意気込まず 思いっきり騙されてみるのもいいと思います。 「館シリーズ」はあと一作ということになっていますが、 最後の「館」を楽しみにしつつ、次はどんなシリーズで 読者を楽しませてくれるのかということにも期待したいですね。 | ||||
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館シリーズの9作目、雪に閉じ込められた洋館、中村青司の手による奇面館が舞台です。 文章に散りばめられた伏線を紐解く楽しみはいつもどおり。本格ミステリーならではのありえない前提条件の数々、ホラー的な味付けも綾辻行人なら良しとしましょう。 | ||||
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作者も、暗黒館の呪縛から抜けて、「Another」の成功を経て、力が適度に抜けて、作者いわく「軽やかに」新しい館の紹介をしている、そんな感じでした。 鹿谷探偵が真相を明かす前の段階で、いろいろと読み返しもしたのですが、トリックの【全貌】や犯人に、気づけませんでした。 【一部】のトリックは、確かにミステリーを読みなれていれば見抜けるレベルだとは思いますが、この作品全体の評価を落とすほどでは決してありません。 残念ながら犯人などはわからずじまい【残念ではないかも知れません。わからないほうが、逆説的に、ミステリーを読む楽しみが多くなって幸せなのですが】でしたが、 暗黒館の最終章のシーンおよび、びっくり館の公園でのシーン同様、「この記述は、もしや?」という記述には気づき、出会うことができました。これは、楽しみに待ちたいと思います。 本来、メインの一つとなるはずのトリックが、ある事情で使えなくなった、と作者は語っていましたが、今となってはそのトリックも知りたいところです。 詳しくは書けないのですが、「こんなのあるはずない」というのは、ひとつだけありました。ミステリーとして全く腑に落ちない。けれども、暗黒館を見た今となっては、【それも綾辻氏らしいな】と思えてしまうのが、レビューとしては甘いかなとは思いますが。 館シリーズファンの期待は、とにかく半端ではないし、作者得意のホラー味・幻想味は、ほとんど無し。人によって評価はさまざまだと思いますが、館シリーズのひとつとして立派な作品だと思います。 | ||||
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中村青司設計の「奇面館」。その主人・影山逸史に招かれた6人の男たち。この6人の中には、名探偵・鹿谷門実もふとしたことから加わっていた。館に入った6人と主は、それぞれ、館に伝わる仮面に顔を隠して一晩を過ごすことに。しかし、季節外れの大雪で、館が孤立し、さらには首と10本の指が切断された死体が… 久々の「館」シリーズ。しかも、吹雪で孤立する奇妙な洋館。著者のミステリのファンであれば、読まずにはいられない。伏線なども巧妙で、謎解きの段階で、「そういえば」と思うことも多かった。 ただ、ある程度ミステリを読みなれた人には、途中で犯人は分かるだろうし、「指」にかかわる謎の正解も難しいものではない。また、終盤で明かされる物語全体のカギとなる「謎」に関しては、この設定では、疑問が残る。条件を少し変えると、問題はなくなるものの、正解に辿りつける人が多くなる可能性があり、微妙だとは思うけど、そこまで斟酌しても、ちょっと無理かなという感じは否めない。 それでも、それが物語全体を楽しむことを阻害するわけではないだろう。 折紙の「7本指の悪魔」の使い方など、色々と遊び心もつまっている。また、紅一点の新月瞳子が、なかなか面白い。スピンオフにするか、それともこのシリーズに再登場するか、どちらでもよいが、再会を期待したい。 | ||||
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