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天魔ゆく空
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天魔ゆく空の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.17pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全6件 1~6 1/1ページ
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細川政元は歴史上の重要な人物でありながら、 一般的にはほとんど知られていません。 そういった人をきっちりと描いたという点は高く評価できますが、 異母姉とのロマンスや信長に似せた描写は疑問でした。 周囲の人物に「政元像」を語らせるのではなく、 本人の葛藤や叫びというものをストレートに表現したほうが、 この物語の魅力が増したのではないでしょうか。 また「政元は本当に細川の血を引いているのか?」という件がありましたが、 彼の母親は細川の宿敵である山名の出身なので、 それだけでも十分にお腹がいっぱいになりました。 どうしても姉とのロマンスを描くなら、 彼女のほうこそ血が繋がらないとか、実は養女だったという設定にすれば、 近親相姦を思わせるような気持ち悪さはなかったと思います。 個人的には細川澄之や安富元家の出番を増やしてほしかったです。 | ||||
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前々から読みたかったものです。真保の歴史物も面白いですね。気に入った一冊です。 | ||||
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全部終わってからだと内容暴露しちゃいそうですので,読み始めで投稿します. 筆者はホワイトアウト,アマルフィなど書かれた人です. それらはそれなりにワクワクする感じでページがめくれましたので,今回もそれを期待して購入. 少し読み始めましたが,同じ人が書いたのかな~と思うような出だしでした. 最後によかったと思うか否かは今のところわかりませんが. | ||||
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戦国時代の小説は数あれど、そのちょいと前はあまり題材となりませんね。空白のこの時代を小説として仕立て上げる意気込みにまずは拍手。細川政元の生い立ちと生き様の描写にも引き込まれました。 | ||||
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応仁の乱は、歴史の教科書では扱われるものの、実は意外にさらっと『下剋上のきっかけを作った』という言葉だけで語られ、その中身は実にややこしく、京の都のみでなく地方の局地戦まで含めれば凄いボリュームになり、とても教科書の一頁では語れない。まして応仁の乱が終結したあと暫くのことなど、なかなか詳しくは語られるものではなかったが、管領や守護の没落はここからが本格化し、織田、朝倉、毛利ら戦国の主役はこの没落大名に変わって生まれてきた者たちばかりだ。それだけに応仁の乱から信長時代の間は、新しい時代への間つなぎで軽く語られてしまい、その後は一大名に転落してしまった細川家がどういう権勢を誇っていたか、知る機会は少ない。この物語は、そうした歴史のブランクに入ってしまった応仁の乱後を描いてくれた。主人公の細川政元って誰?という人も、その父親の勝元が、石庭で有名な京都の龍安寺の創建に絡んでいることを思い出せるなら、俄然興味が湧くだろう。長編だが是非読んでほしい。 | ||||
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本作の筆頭登場人物である細川政元といえば、私にはカルト大河ドラマ「花の乱」の終盤で今井雅之さんが我が物顔で専横を極める悪辣非道ぶりが先ず頭に浮かびますが、多くの方には名前も時代もよく分からない人でしょう。 実際、本作の舞台となる15世紀後半、つまり、ポスト応仁の乱からメジャーな戦国大名登場までというのは、歴史小説どころか歴史そのものでもマイナーな印象は拭えません。 しかししかし、そんな時代と人物を、作者はモノの見事に、誰もが違和感なく読み進められる群像劇に仕上げています。それでいて、時代コスプレ的なものではなく、正統な歴史小説のテイストも充分備えているので、こんなマイナーな時代にも造詣深い方にも満足いただけること請け合いです。 さて、群像劇と敢えて書いたのは、本作が細川政元の単純なピカレスク・ロマンでも早過ぎた信長でもない描き方にあるからです(但し、巻末の著者挨拶にもあるとおり、政元を信長と重ねているのは確かで、終盤の天魔という言葉の連発や比叡山焼き討ち時の政元の発言には被せ過ぎと私には思えるが)。 本作は、政元に関わる多くの人々−父、姉、守り役、側近、敵対者、日野富子などから見た三人称を基本として、政元は彼ら彼女らから見た描写が多くを占めます。それ故、政元の何手も先を読んだ策略に読者までが翻弄されるというストーリーテリングの妙が味わえるだけでなく、政元の言葉のどれもが本心とは思えなくなります。最後に彼が何度も繰り返す言葉すら、本心なのか、それを持ってして尚隠すべき思いがあったのかと確たるところがありません。 彼は「真のもののふとして、民を守るため敢えて戦う」的な発言をします。それは、凡百の歴史小説で一般に悪役的な人を主人公にしたときの常套句ですが、本作では、それすら政元が本心を隠す能面の一つと読むべきでしょう。 バサラなんて月並みな言葉では寸分も語れぬ政元の生涯を読み切ってなお、彼の本心が奈辺にあったのかと余韻を味わえる素晴らしい仕上がりです。 そうそう、多くの登場人物の中で、最もメジャーな日野富子の描き方がステロでもキテレツでもなく、しかし、魅力ある人物となっているのが秀逸です。 | ||||
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