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(短編集)
覆面作家は二人いる
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覆面作家は二人いるの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.83pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全18件 1~18 1/1ページ
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高野文子さんが懐かしく購入しました。 文庫なのに時々挿絵のある贅沢な作りですが、 お話の内容、設定や謎解きはちょっとファンタジック。 夢物語風味でした。 この著者は初めてで、 解説で宮部みゆきさんが本格、本格と繰り返している本格さはあまり感じず、 惹句に「ミステリの巨匠が生んだ」と書かれているほどの大物感も感じず、 ほんとうはすごいけれど、それを前面に押し出さず、ふんわりと包む作風なんでしょうか? 主人公が30手前の編集者のわりにおとなびているように感じたのは 著書の年齢のせいかもしれません。 新装版が出版されたのは2019年ですが、 ネットもスマホも登場しないので、見直したら初版1991年でした。 この覆面作家シリーズは全3巻ですが、 次の著書ではFAXが登場し、その次の著書で携帯電話が登場しました。 時代の流れを振り返りつつ、楽しく読了しました。 | ||||
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設定がユニークでとても面白かったですが、謎が分かった途端、あまりにも結末があっさりしすぎていて、ちょっと拍子抜けするのが残念。 | ||||
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出版社の編集者・岡部良介は推理小説の原稿を送ってきた新妻千秋のもとを訪ねる。千秋は素封家の娘で、屋敷の中では内気なお嬢様然としているが、一歩外へ出ると男勝りな素人探偵と化す。そんな二人がホームズとワトソンとなって事件を解決する連作短編集の第1巻。 1997年に角川文庫で出版されたものを加筆修正し、<円紫さんと私>シリーズの表紙絵を描いた高野文子のイラストを数葉配して再文庫化した新装版です。 ◇「覆面作家のクリスマス」 :良助の自宅に隣接する全寮制の女子高で殺人事件が発生。被害者は美大志望の3年生です。千秋は被害者が直前に後輩からオルゴールをプレゼントされていたことを知り、それが現場から持ち去られていたのを見て、犯人を瞬時に割り出します。 北村薫の<円紫さんと私>シリーズのような、日常に潜むささやかな謎を解く物語を期待しましたが、千秋の人格の切り替わりぶりはいささか漫画チック。高野文子の挿画が添えられているだけにその印象は強くなります。 謎解きの過程もあまりに急で、一読しただけではついていけませんでした。 ◇「眠る覆面作家」 :世田谷区の医師の家から小学2年生の次女が誘拐される。身代金の受け渡しに指定されたのは臨海水族園。たまさかそこに、良助から原稿料を受け取るために来ていた千秋がいて、良介の双子の兄で捜査中だった刑事の優介に間違えて声をかけてしまう……。 第1編の「覆面作家のクリスマス」では千秋のあまりの豹変ぶりに面食らってしまいましたが、この第2編ではそれにも多少は慣れたうえ、出だしの良介と優介を取り違えた千秋のギャグ的展開には思わず笑ってしまうほど、こちらは存外楽しむことができました。 小学生誘拐事件の解決の道筋も、そしてまた真相を解明した後の犯人と千秋の対話にも、<円紫さんと私>シリーズを彩った北村節が見られて、私の意に大いに添いました。 人は変わる。だから誰か他人がいつまでも変わらないことを望むのは高望みともいえる。そんな真理を突きつける千秋の言葉が心に残りました。 ◇「覆面作家は二人いる」 :出版社の先輩、右近雪絵の姉は万引きを防止するガードウーマンをしている。月絵はある日、出店時に警報ブザーが鳴った少女を捕まえてその所持品を調べたが、商品は出てこなかった。そしてその日を境に、店ではCDの万引きが急に増えたという……。 内弁慶ならぬ外弁慶の千明は実は双子が演じ分けているのではないか。つまり覆面作家は二人いるのではないかという謎と、万引き犯の謎を追う物語です。これに、幸絵の中学生の娘・花絵が万引き犯として捕まるという思わぬ展開が絡んできて、謎が深まっていきます。 もちろん最後にはすべての謎がすっきりと解決され、日常の謎を解く北村ミステリーワールドが展開するというわけです。 そしてまた、北村薫が物語の片隅に埋め込む、箴言ともいうべき言葉の欠片にはっとさせられます。今回はついつい忍耐力を忘れてしまう千秋が執事に言われた次の言葉に目を引かれました。 「赤沼がいつも、いうんだ。我慢出来ないことが多いのは、≪若い≫からだって」(199頁) 私にも身に覚えのある言葉です。 第1編こそ戸惑いを覚えたものの、慣れてしまえば、ユーモアミステリー短編集として十分に楽しむことができました。 続編の『覆面作家の愛の歌』はすでに購入済みです。頁を繰るのが今から楽しみです。 . | ||||
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Very nice | ||||
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上品で(主役がお嬢様だからという訳ではなく、事件が健全で清潔な感じ)語り口も良しで、好みです。 負の部分がなく、心穏やかに楽しみたい時によい感じ。 余り読んでなかった作家さんですが、今後順次読んで行こうと思いました。 | ||||
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内容は面白く読めたのですが、イラストが全てを打ち壊している! イメージが崩れるので無い方がまし。 | ||||
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「円紫師匠とわたし」のシリーズがとても面白かったので期待して読んでみたが、同じ作家とは思えない位つまらなかった。 ひと口に言えば赤川次郎のような荒唐無稽なドタバタで、深夜にやっているドラマの脚本みたいだ。 勿論赤川次郎が悪いという訳では無いが(私も若い頃は軽い気持ちで良く読んだ)、もう少し読み応えのあるものを期待して手に取った者にとっては、裏切られたような気分になり、読んでいる最中も何だかイライラしてしまった。 お嬢様が変貌する部分は、面白いというよりは完全に白けてしまう。 勿論、このような軽い作風が好きな読者は沢山いるだろう。この本の評価が高いのはそのせいだと思う。 しかしながら、私にとってこの作家の作品は両極端で、読む人の好みによって当たり外れの差が大きいのだと理解し、今後は作品を選んで読まないといけない作家なのだと思った。 | ||||
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新人推理作家でもあり、大富豪のご令嬢でもあるヒロイン。 お嬢様が巻き起こすドタバタと鋭い推理とのギャップが鮮やかだ。 著者の「冬のオペラ」は一見ユーモラスな設定を、真摯な姿勢で描いた名作だった。 本作はユーモラスな設定を活かし、コミカルなミステリーに仕立てている。 | ||||
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北村薫はこのシリーズ程度のくだらなさがちょうど良くて好き。 | ||||
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北村薫をずっと読み続けてきました。この覆面作家シリーズはある種の軽さと明るさが魅力となっています。 北村薫が何回も直木賞候補作家になっていることを持ち出すまでもなく、「スキップ」「ターン」「リセット」という「時と人」シリーズの持つ重さとは違う温もりが、本作では全編を覆っているので、安心して作品の中に入っていけると思います。 「覆面作家」という設定と2つの際立って対照的な性格の持ち主であるお姫様の言動と挙動の不思議なギャップが、最大の魅力でしょうか。まるで猫の目のように、万華鏡で映し出される光の世界のように、キラキラと輝きながら変身する千秋の変化ぶりがたまりません。リョースケと新妻千明との会話の巧みさと醸し出されるホノボノ感は貴重です。少し脱力しながら読者はついて行きますので。 受けとめる岡部良介の大らかさがまた良い味をだしています。漫才のボケとつっこみのようであり、優介という双子の設定が千秋の二重性格との噛み合わせのようで上手く書かれています。 ミステリーとしては、プロットのひねり具合や展開の早さに読者は戸惑うこともあるでしょう。それも含めて、この作品の魅力となっています。 先の読めない展開と日常の何気ないシーンを切り取ったかのような設定は魅力ですし、従来の他の作家とは一味も二味も違う流れが存在しています。 男性でありながら、女流作家のような雰囲気を醸し出す北村薫という作家の特徴がよく表れている作品の一つだと思います。 | ||||
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かなりの美貌の持ち主で、その上大金持ちの令嬢。新妻千秋の人物像は かなり個性的だ。しかも、内と外では性格ががらりと変わるという ユニークさ♪だが、少々気の弱そうな良介とのコンビは絶妙だ。二人は、 事件の謎を次々と解き明かしていく。事件の中にはシリアスなものもあるが、 どこか救いがあり読んでいてほっとする。心に重くのしかかってこないのが 心地よい。良介の双子の兄弟優介(警視庁の刑事!)の存在も見逃せない。 この作品にいい味を加えている。良介と千秋、この二人の関係はこれから どうなるのか?こちらも見逃せないところだ。第2弾を読むのが楽しみだ。 | ||||
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北村作品には名作力作数あれど、このシリーズが一番好き。本作の主人公・新妻千秋も他の作品同様無垢で純粋な女の子には違いないが、ひねりが効いている分、気にならずに楽しく読める(他の作品は、たまーに疲れることがある)。 本格推理とくすくす笑いを誘う品のいいユーモア。キャラクター設定と各々の関係性の妙。鮮やかなストーリーテリング。楽しみ満載のシリーズである。北村節を抑えて抑えて軽いタッチに仕上げているが、ゆっくりじっくり読み込むと、人間の内面の深いところを覗かせられ、それは他の作品に通じる。だから本シリーズもやはり北村作品の本流には違いないのだ。変化球ではあるけれど。 天国的美貌の御令嬢にして推理作家、かつ頭脳明晰な名探偵(探偵は行きがかり上であるが)。さらに、他に類を見ない「外弁慶」。彼女が推理作家としてデビューを果たし、語り手である担当編集者・リョースケと出会い、身近に起きた事件の謎を解いていく三篇が収められている。リョースケの双子の兄・優介は警視庁の刑事なので事件には事欠かない。 リョースケがいい! 初めて兄・優介と千秋と三人で卓を囲むシーンを引こう。 優介と千秋がやりとりする傍らで、 「ちょっと変わった、それだけ得難い宝石を人に見せているような不思議な気分になった」。 大事な人からこんなふうに思われることが、女子の永遠の夢でなければいったい何を夢と言うのだろう! リョースケの千秋へのまなざしを眺めているだけで幸せな気分になれる作品だ。 | ||||
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私は北村薫さんの作品を初めて読みました。 ミステリーはわりと好きな私ですが、 こんな著名人を今まで特に読まないでいたのに理由があったわけではありません。 「ただ、なんとなく」見過ごしてきたんだと思います。 この作品は短編が3作入って一冊になっているので、さらさらと読めました。さて!作品の感想です。 まず探偵役のヒロイン、新妻千秋のキャラが秀逸です! はっきりいって破天荒の天才。京極堂でいうところのです。 周囲の人物を引っ掻き回すところまでよく似ています。 また、話のテンポが冒頭非常に早い。 千秋が真相に気がつくところまでが異常に早い気がします。 「おいおい!もう犯人か!?」と思わされました。 かといって謎解きがダラダラ続くわけではありません。 ここで千秋の破天荒なキャラがいきてくるんですね。登場人物の設定作りは宮部みゆきが一番うまいなあと個人的に思っていたのですが。 こういうキャラ作りというのもあるんだなあと思いました。 宮部作品はしっとりとキャラが手になじんでくるような感じがしますが、 この作品のキャラは旋風を巻き起こして読者を吹き飛ばしてしまいそうです。 どちらも読者にとっては快感ですが。 これを機会に北村作品を読んでみます。 | ||||
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1991年に出た単行本の文庫化。 非常に楽しめる作品。トリックとしては他愛もないのだが、お話の作り方が巧み。魅力的な登場人物、良く出来た設定。謎のからめ方にも熟練した腕を見せてくれる。 ただ、あまりにも良く出来すぎていて、あざとく感じる部分も少なくない。特に主人公である新妻千秋の性格が。男性から見るととても魅力的なのだろうが、どうなのだろう。 こういったところを純粋に楽しめるようにならないと、真の北村薫ファンにはなれないのかも知れない。 | ||||
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『推理世界』編集部に送られて来た、一本の原稿。作者は大富豪の令嬢新妻千秋。しかし彼女には大きな秘密が・・・・・そんな彼女が担当編集者岡部良介とともに事件を解決していく連作ミステリーです。ずいぶん前にNHKでドラマ化していました。 結構面白かった記憶があります。主演の千秋役にともさかりえ、岡部良介に原田龍二、良介の兄優介(警視庁の刑事)に伊原剛志、女性編集者に三浦理恵子、だったような。新妻千秋が想像以上(ドラマで見た限り)に端正なイメージで描かれていてビックリしました。この人物造型がとても上手くいっています。私シリーズ、カンナギ弓彦シリーズと同じようにホームズとワトソン役がはっきりしています。ホームズ役の造型の違いで、事件の質や人物の置かれた状況、ワトソン役の人物造型にブレが生じると思うので、そこが作者の腕の見せ所なんでしょう。このシリーズはホームズをどう見せるかに重きを置いている気がします。北村さんの作品は日常の謎に絡むものが多いと思います文章の雰囲気とそれに合うのかもしれません。 新妻千秋の造型が上手くいっていることもあり、そしてそのせいで軽いコメディ風な作品になっています。 「私」シリーズや「カンナギ弓彦」シリーズのような読み応えのある作品はありませんでしたが、あっさり読めて面白かったです。 しかし今ドラマ化するなら、新妻千秋は・・・・・・だれだ。麻生久美子か。難しい所です。 高野文子さんのイラスト付き、北村作品に良く似合います。 | ||||
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「外弁慶」なお嬢様探偵とリョースケシリーズの第1弾。 相変わらず魅力的な登場人物達に切ない事件、大事に読もうと思いつつひきこまれてどんどん読んでしまいました。 何度読んでも飽きることない一冊です。大好きだけどどうしても馴染めない北村さんのオヤジギャグがないのもよかったです(苦笑) | ||||
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いかにも北村薫といった感じのやさしい文体です。内容もほのぼのとしていて微笑ましいという言葉がしっくりきます。上下巻で文字がびっしり詰まっている本を読んだ後や、重厚なストーリーの本を読んだ後なんかに読むのには最適な本です。読書の息抜きの読書と位置付けるのにはもったいない本ですが、この覆面作家シリーズを本棚にストックしておけば、さらに楽しい読書ライフを送れると思います。 | ||||
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あぁ、お目当ての映画を見ようとしたら既に売りきれ。次ぎの上映まで二時間ある。そういうときにはこの本を開くのがいい。先ずは軽く読めるのがいい。新書など読もうものなら、いくら勉強になろうとも、十数ページめくったあたりから眠くなったり、ほかのことに気を取られたりして貴重な二時間を浪費してしまうのが関の山だ。かといって、悲惨な事件が次々と起こったり、最後の最後まで主人公がどうなるかわからないような冒険小説だと、かえって、映画の方に頭が切り替わらない。そしてどうせ読むなら豊かな気持ちになる本でないと。この本は3本の短編集なので、読むのが速い人なら一冊、熟読する人なら一本、普通の人なら二本は読み終えるでしょう。そして少しだけ性格がよくなって、次ぎのお楽しみに入り込めるというわけです。 | ||||
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