■スポンサードリンク
虐殺器官
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
虐殺器官の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.03pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全273件 121~140 7/14ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
恥ずかしながら初めてSF小説を読み終えた。おそらく西暦2025年~2100年ぐらいの世界各地を想定しIT化、情報監視社会化が進んだ先進国(アメリカ)とテロや紛争が絶えない貧困国が「虐殺」というキーワードを通して描かれている。 まず初めに戦場での死体についての細かな描写、さらに一人称で語られる主人公の心理描写、行動描写がとても細かく普段中々想像しない状況であっても著者の描写力により私の脳内に鮮明に描き出された。「虐殺」というゾッとする単語を中心にそれが起こる背景について物語を読み進めながら主人公と共に想像、思考した。 貧困国での内戦がもたらす残酷な描写はすこし遠い未来かどこか遠くの世界の話であるかのような、もしくはそうあってほしいという願いもあったが、現在において世界各地で起こっている紛争、虐殺行為を考えると意外と身近なものだと思った。 虐殺以外にも色々考えさせられる事が多すぎて、例えば情報管理社会での個人情報と引き換えに安全を得る(ある自由を捨て、他の自由を得る)ことや、主人公が作中思い悩む罪と罰についてなど、一度読んだだけでは整理がつかない。 また、脳科学、生物学、心理学、哲学、倫理学、宗教、それらの要素が絡み合い内容に厚みを持たせている。例え未来の話であっても、現時点(2014年)で著者に想像できる内容の話であることにかわりない。全てではないだろうが先に挙げた学問による科学的な裏付けがあると私は勝手に想像したのだが、現時点でのその科学の裏付けがこれほど高度なレベルである事に驚いた。 世界での悲惨な状況など積極的に知りたいと思う人はあまりいないと思うが、これからの世界を構築していく20代の若者の一人である私には特に知る責任があると思った。 稀な才能を通して色々な気づきを与えてくれたことに、著者にお礼を言いたい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
書籍で読んでとても気に入ったので、もう一度読もうと電子書籍にて再購入しました。 男性向きの内容だと思うので、女性では面白さが伝わらないかも。 この作者とはこの本で出会い、一気にファンになったのですが、若くして亡くなられて しまい、とてもショックでした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
もしかしたらそんな事もありそうと思えてしまい読むことをやめられませんでした | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
近未来を舞台にしたテロとの戦い、ゼロ年代のSF小説第1位 http://on-the-road.co/?p=2062 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
世界情勢や歴史、専門用語に明るい訳でもなく、ミリタリー映画や「メタルギア」が好き程度の私が読んでも十分面白かった。 ジョン・ポールを追ってプラハで展開する辺りは、グイグイ物語に引き込まれていく。映画的に場面を捉える描写が巧く、「追跡犬」の演出には凄く魅せられた。 話の核である【虐殺の文法】について、小松左京賞選評抜粋より、「虐殺の言語とは何なのかについてもっと触れてほしかった」と解説中にはあったが、私は作中にしっかり説明されていたと感じた。 それはジョン・ポールが語っていたし、何よりエピローグで明らかになっている。それこそが、著者の狙いであった、と気付いたときに本当によく構成された面白い作品であると思った。 自分を「ぼく」と言う成熟しない主人公。自分が選択した母の死と、今まで命令されて与えてきた多くの死、戦友の死を「思考」して、クラヴィスは変わっていく。 彼が「自ら」「選択する」「自由」は、「罪」か「罰」か… 正義や悪ではなく、人間の話、とでも言うべきだろうか。 2015年劇場アニメ化だそうですが、叶うことなら実写映画で観たい…そう思わせる程生々しく、血肉の通った作品であると思います。 夭折した伊藤計劃氏の文才をとても惜しく思う作品でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
全体的に暗くて、グロテスクな描写も多いのが、好きになれなかった。 母親との回想もやけに長くて苦手。 結構評価が高いようですが、思っていたほど面白いとは私は感じられなかったかな。。 というのが、小説自体の正直な感想。 しかし、衝撃は解説の中にあった。 何も知らずに読み始めたが、事実を知って驚いた。 特に最後の数行には涙した。 ある意味、この解説も含んで大きな一つの物語を形成している。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ミリタリーものと言ってしまうとあまりに安っぽいけれど、私はそういったジャンル小説を読んだことがありませんでした。 この小説は大別するとSFであり、ミリタリーでもあると思うのですが、「専門用語についていけないのでは」という不安は全くもって杞憂でした。 このジャンルではもしかすると有名な方なのかもしれませんが、他の作品を読んでみたいと思わせるほどの筆力があります。 小説にかかわらず、物語は冒頭の掴みが大事ですが、寂寥な風景をこれでもかとあっさり表し、最後まで付いて回る景色にしたのはあまりある技量の成せる技でしょう。 他作品も読みたい、と思わせる良作でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
"仕事とは宗教 仕事は、人間の良心を麻痺させるために存在する” 仕事だから、嘘をつく 仕事だから、子供と遊べない 仕事だから、仕方がない… 仕方がない ものなんて ない | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この才能がどこまで続くのか見てみたかった。でも、たぶん、最初で最後の一作だったんじゃないかと思います。計劃さんの他の著作は読んでいません。奇跡のような一作なんだと思います。こういう本は時々あるものです。すばらしい偶然が重なってできた特異点の芸術。こういうのに出会うと、ああ生きていて良かったなぁと思いますね。感謝の気持ちを現実界で伝えることはもはやできないけど、あの世に向けて気持ちで伝えたいです。書いてくれてありがとう。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
伊藤 計劃 が惜しむべき天才SF作家だったというのが良く分かる一冊 近年のハードSFではやっぱり一番好きです 暇があれば時々読み直してます 戦闘の場面描写や臨場感とかは本当すごいです ただハーモニーに比べると近未来SFとミリタリーのツボをよく抑えてる世界観、約400Pな中に著者の軍事的造詣が詰まったような作品なのは間違いなく 反面、その方面にある程度明るくない方じゃないと厳しい本かもしれません | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
人が人を殺す。 人を殺す力となるのは何か。何か人を殺す力となり得るものを把握し、操れる事が出来るようになれば、自らの手を煩わせることなく、人を殺す事が出来る。 自らの手を汚して数多くの人を殺してきた男が自分ではわからない人を殺す力となる何かを突き止めようとする。 最初から人はものなんじゃないかと思わせるほどの人の体のえげつない描写が行われる物語。 アメリカの特殊部隊の隊員が主人公の物語。舞台は近未来。先進国ではシステムが人を追跡し、社会を管理することで安定が保たれていると信じられている世界。オーウェルが描いたほどの露骨な管理社会ではなく、ほどよく管理され、人々は自由を享受していると信じている。ただ、宅配ピザの受け取り一つにも指紋認証が必要な世界。それが違和感なく出来る世界。 仕事として人を殺し、「植物状態」になった母親を自らの許諾で殺した男。 追い求めるのはいく先々で大きな争いと大量の死者を生み出している男。男が死者を生み出している仕組みと仕組みを使う理由は信じがたいけど、100%の否定は出来ない残酷なこと。 争いを生み出すのは何か、争いをなくすことは出来ないのかを考えるキッカケになる。そして、今、自分が存在している社会の近未来の姿かもしれないものが垣間見える物語。 【引用】 ぼくの母親を殺したのはぼくのことばだ。 どこからが生で、どこからが死なのか、二十世紀のおわりから、医療技術の発展とともにそれは曖昧になるいっぽうだったけれど、半世紀以上ものあいだ、人類はそれに対し目を閉じ耳を塞ぎ、そうした問題はほかの問題と同じく先送りにしてきたのだった。 心の健康を保つためには、深く考えないのがいちばんだし、そのためにはシンプルなイデオロギーに主体を明け渡すのがラクチンだ。 すべての仕事は、人間の両親を麻痺させるために存在するんだよ資本主義を生み出したのは、仕事に打ちこみ貯蓄を良しとするプロテスタンティズム 【手に入れたきっかけ】 話題になっていたので、Kindleのキャンペーンで購入! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
近未来or冷戦時代を思わせる戦争時代の裏舞台をシリアス且つシニカルなファンタジーにまとめた印象。読解にやや迷う哲学的な思想の反復にページの進みが遅くなる所もあったが、総じて楽しめた。アニメ化するらしいが、どちらかといえば実写で大人な映画を期待したくなる生きるための葛藤を問う本。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
虐殺の文法の説明が弱いという小松左京の言葉だが、僕はこの小説じたいがが虐殺の文法で書かれているのでは?と思って伊藤計劃の罠にはまったんだと気がついた。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
冷徹に組み上げられた構成で、見事なダイナミズムを完成させている。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
伊藤 計劃氏を知ったのはこの作品がきっかけであった。 この作品をきっかけに、私は伊藤 計劃氏のファンとなった。 作品の雰囲気はどことなくメタルギアソリッドシリーズに似ている。 戦争が主体となった荒廃した世の中で、人々の心象を丁寧に描き出す。 この作者の凄いところは、文章からすんなり情景が思い起こせるところである。 つまらない文章であれば文字を目がなぞっていくだけという作業になりうるのだが、そんなことはない。 まさに一本の映画を見たかのような読後感。 伊藤 計劃ワールドに皆さんも一度浸ってみてはいかがだろうか。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
稀代の作家・伊藤計劃がこの世を去って5年。 改めて読了後の感慨を噛み締めると、帯紙に綴った小島秀夫の言葉の意味が 理解できるようになっている事が恐ろしい。 「フィクション」とは虚構を意味する言葉だが、現実に於ける事象がそれと重なった時、 それは果たして虚構たりえるのだろうか? 余りにもナイーヴでウェットな語り口に、冗長な不快感を持った方もいるだろう。 「このおセンチな青年が、米軍内で唯一暗殺を執行する特殊部隊の隊員なのか?」…と。 理解はできる。だが、考えてもみてほしい。 彼は人殺しと特殊作戦の技能こそ超一流であるが、身も蓋もない言い方だが 結局のところ膨大なデバイスに支配された我々と同じ人間の一人でしかないのだ。 彼はアメコミヒーローでもなければ、ライトノベルの主人公でもない。 (以下、ネタバレと身勝手な解釈) 実父が猟銃で頭を吹き飛ばし、実母の生命維持装置を自ら外し、同僚の自殺。 そして、淡い想いを抱いた女性と追い詰めたターゲットは眉間をぶち抜かれ殺される。 クラヴィスはジョン=ポールの見出だしたる、世界の臨界点に対する立会人となったのだ。 そして、彼は告発する。それが終わりの始まりであることは明白であるにも関わらず… にもかかわらず、彼は生きる事をやめない。 そして見慣れた場所が荒涼たる風景に変わっても、ピザを頬張り片手間で人を殺す。 最後の行動とその結果までの道筋は、実に呆気ない。 しかしだ、本書を改めて考えてみると。これはクラヴィスがある意味で世界を救った、 逆説の人間讃歌なのではないだろうか? 「地獄は此所にある。」無意識に閉ざした本質を、瞼の裏側にこびりつける。 そこでは誰もが否応なしに向き合わざるを得ない。 身勝手な大人達によって多感な少年達に使徒と戦わせる事も、 因果律とエントロピーの円環を維持し、文明社会の均衡を保つ為の魔法少女もいらない。 我々全員が平等に責任を果たし、背負っていく。 彼の最後の言葉通り、「そう思うと、気が楽になる。」 ノイタミナムービーが本書と「ハーモニー」を長編アニメーション化すると発表したが、果たして… | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この作品を読んで最初に浮かんだ感想は、『難しい話だななあ』ということ。 ナイーブな一人称で戦争を語る。 とのコンセプトで描かれた本作は、あくまで『ぼく』の物語であるから、他人である読者が一度の通読で全てを読み説くのは困難だ。きっと初めて読んだ人からは、残念なことに「何言ってんだ」「わけわからん」等の感想が飛び出す可能性が高いと思う。 だから僕は読書に慣れていない人に、本作を勧めたりはしない。「つまらなかった」「わけわからなかった」と言われるのが目に見えているからだ。しかし、近未来のSFチックな世界観が好きで、残酷な描写にも耐性があり、なによりある程度本を読み慣れている人になら、全力でオススメしたい。通読してもらった上で酒を酌み交わし、本作の難解な物語をその人がどう読み解いたのか意見をぶつけ合いたい。本作は読み手によって様々な解釈が可能な――おそらく読むたびに解釈が変わる――そんな何度も繰り返し読みたい作品だと思う。 難解な物語ゆえに容易に読み進めることはできないが、しかしそれゆえに奥深い作品だと、僕は思った。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
尾を引く読後感。何度も読み返し書評を漁りやっと腑に落ちた。 世界観や設定は見事。割り切れなさを感じさせる終わり方も読後感に影響している。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
まず、全く日本人が出て来ないのでびっくりしました。テロに対抗する方法がこれとは… | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
中々面白かった。 作者の知識量と、勉強の成果は素晴らしく、面白かった。しかし、後半になってくると感情表現に合わせた知識疲労が饒舌すぎ、これでもかこれでもかと攻め立てられているように感じた。 もう少し物語のテンポを重視した書き方でもよかったのではないか。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!