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虐殺器官
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虐殺器官の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.03pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全273件 21~40 2/14ページ
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くっ、、、 伊藤計劃、天才じゃないか。 三島由紀夫の『金閣寺』やJ・D・サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』や村上春樹の『ノルウェイの森』や太宰治の『人間失格』や馳星周の『不夜城』など、本当に限られた作品にしか宿らせることのできない、まるで作者が作品にピッタリ憑依しているような感覚を読者に覚えさせる語り・・・ なんでこんなに早く亡くなってしまったんだ。 以下ネタバレあり。 科学の進歩によって罪悪感をかかえる自由さえも奪われた管理社会においてクラヴィスは終始、罪悪感を、得ようと求めている。対照的にジョンは罪悪感、つまり良心を消すことを求めており、そこに虐殺の文法が合致した。 クラヴィスを断罪し、罪悪感を持たせてくれる可能性のあったルツィアを失い、続いて母の愛が幻想であったことを知り、クラヴィスが罪悪感や良心を持つ可能性は絶たれてしまう。本来良心が占めるはずのぽっかり空いたその間隙に虐殺の文法がかっちりはまることになる。 つまり、ポールは存在していた良心を消すため、一方クラヴィスは無くなっていた良心の空白を埋めるようにして、それぞれ虐殺の文法のウイルスに侵されてしまう。 虐殺の文法の使用方法は対照的だが、どちらも実際にはたいした違いはなく、良心から隔絶された妙に乾いた人間とも呼べない虐殺器官を持った存在が残されるだけである。 | ||||
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中学生以下しか楽しめないってレビューは酷い。どう思うのかは自由だけど、楽しんで読んだ人たちを全員小馬鹿にするような言い方が酷い。本好きだからこそ、こんな感想書く人にはなりたくないな。 ひらがな多めの平易な文章で書いてあることと、作者がゲーム好きであること等からとても読みやすい。読書が苦手な友人も虐殺器官は読みやすかったと喜んでいた。そういった点から確かに中高生にも寄り添える小説ではある。 元々はメタルギアソリッドの同人誌だった作品をオリジナル作品に仕立て直した小説とも聞いた。 そういった点からも、サブカルチャーを下に見る高尚な読書家の方は触らない方が良いでしょう。 | ||||
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どうでもいい話で恐縮だが「批評のジェノサイド」とかいうただのつまらない対談本がある。要するに売れそうにない本に過激なタイトルをつけて売るというのが昨今の出版界の流行りらしいのだが、しかし本作の「虐殺器官」というタイトルに関して言えば、これ以上ないぐらい完全に内容と整合している。 本作は虐殺の情景から始まるし残虐な描写は多い。しかし本作のそれは残虐性を見世物にするようなものではなく、爽快感や誇張された露悪性もない。この地球上でこれまで実際に起こってきたし、今現在も間違いなく起こっていあるであろう事象としての「虐殺」が、主人公の乾いた内向的な、どこか自我の主体を失った筆致によって言及されているのだ。この一人称視点が通底しているせいで、読後感は爽快でもなく胸糞悪くもない。純粋な知的驚きだけが残る。 そして本作はこの「虐殺」からスタートして生命哲学、社会問題、脳科学、倫理学、政治、社会、軍事、文化人類学、進化論といった多種多様な知的教養が展開されているモンスターのような小説である。これだけのものを短期間で書き上げたというだけでも著者の非凡ぶりがよく分かる。 「攻殻機動隊」は80年代の末に執筆されたが、その十数年ほど後にようやくインターネットが普及して、多くの読者は「ネットは広大だわ」みたいな作中の特異な表現がいつの間にか自分自身の実体験として共有されるようになったことに気づいて度肝を抜かれたはずだ。本作もその類の作品であり、「2010年代の攻殻機動隊」と言っていいのではないだろうか。最先端の工業製品が実は動物や途上国民からの野蛮な搾取によって成り立っているなんて似たような話は過去にもあったし、現在起こっているし、未来にも起こりうるだろう。そういう実際に起こっていそうな話ばかりを積み重ねた世界観が本作を形成している。 ただし良くも悪くも娯楽作品には違いないので、ハードミリタリーとして遜色なさそうでいて、随所にメタルギアシリーズのようなヲタ臭さがちらつくのも事実。内容の根幹に関わるところで「自分自身の罪を償うために世界の半分を犠牲にする」というテーゼが出現するのは中二臭すぎて受け付けないという読者もいるだろうとは思う。ジュブナイルでこそないが比較的若い層向けの作品だろう。 必読の価値がある作品であることは言うまでもないが、終盤の展開はだいぶ荒い(★以下ネタバレ注意★)。 ヴィクトリア湖への降下作戦では、それまでの密接な支援を受けていた作戦とうって変わって、シーウィードや他の隊員たちとの無線通信が一切できないことになっているが、特に理由も解説されておらず不自然すぎする。作戦の不確実性が増すだけではないか。ルツィアを射殺した直後のウィリアムズは「ポールとルツィア、二人とも始末するよう聞いていた」と言っているが、なぜ主人公はそれを知らなかったのか?作戦目標に対して不明確な指示しか出ていなかったということになるが、さすがに有り得ないだろう。作戦の不確実性が増すだけではないか。タンザニア軍の兵士がいるべき場所にi分遣隊の軍曹がいるあたり、クラヴィスは作戦の真の詳細を知らされずに参加させられた(ハメられた)という解釈もできるが、天下の精鋭暗殺部隊がそんな杜撰な真似をするぐらいなら最初からクラヴィスを任務不適格として作戦から除外するだろう。予想だにしないタイミングでルツィアが射殺されという急展開のためにこうせざるを得なかったのだろうが、そのためにプロットに矛盾が生じてしまっている。 本全体は異質なほどトンガっているものの、最後のオチ以外は割と保守的なストーリー展開といった感じがする。ストーリーを楽しむためだけに読むのならだいぶ退屈な本になってしまうだろう。 もっといえば作中で重要な要素であるIDの定義も科学的な設定づけが曖昧である。ルーシャスは「行方不明者の生態情報を苦労して集めてきた」と言っているので、つまりゼロから作るのは不可能だが、ID化されていない人物がいればそこから流用する手口で偽造IDを作れると言っているわけだ。しかしそれなら携帯電話に多重債務者による「飛ばし」があるように、チップすら埋め込んでもらえない途上国の貧民層から生態情報を小銭で買ってくれば作り放題ではないだろうか。途上国のテロリストがそんなものを仕立てるのは至極たやすいだろうに、主人公はなぜ「ID偽造は不可能だ」とまで断言しているのだろうか。理論上これを防ぐには先進国が自国の戸籍と完全に組みあわせてIDを管理する(車のナンバープレートのように)必要があるし、作中のいくつかの描写をみるにそうなっていそうなはずなのだが、その場合はデータベースに照合されるだけで偽造がすぐにバレてしまうだろう。だって存在しない人物の生態情報なんだから。その場合オービスのごとくセンサーの場所をマッピングしたところで、空港でセンサーを回避できるわけがないし、偽造IDで空港を通れるわけがない。作中の説明と矛盾する。それともルーシャスは「実際には死んだ人物をデータベース上生きているように見せかけ、IDを乗っ取ってしまう」と言っているのだろうか?その場合は指紋と網膜が一致しないなんてことは起こらないし、大佐が言うようにIDの連続性が途切れるということもない。また「不明な偽装ID」という作中の表現とつり合わないので、これも矛盾する。更にこの場合は北朝鮮が拉致でやろうとしたと言われる「背乗り」のような手法を使えばテロ勢力が偽造IDを手に入れるのは理論上可能はずだ。このへんの情報セキュリティ上の考証がだいぶお粗末である。「①絶対に不可能なセキュリティを ②ルーシャスが解除してしまう」というトリックが思いつかなかったから曖昧な設定でお茶を濁したのだと思われる。 ちなみに最後の最後で主人公はピザを食べているが、宅配が止まってしまった状況下でこのピザはどこから来たのだろう。冷凍のピザとしか考えられないが、冷凍物は宅配のものに比べたら明らかに味が劣る。ひょっとするとクラヴィスは、本書が終わった次の瞬間に、宅配ピザの味を思い出して、資本主義のありがたみ、平和のありがたみを実感するのでは?・・・という解釈は穿ちすぎだろうか。 | ||||
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人を虐殺する器官は人間のどこに眠っているのか。宇宙が繰り出されるSF小説とは違い、どこか哲学書を思わせる発想が面白い。 なぜ人と人が殺し合うのか。その殺し合いをさせる理由、帰結する思想は何なのか。 ただ世界を混沌に導こうとする人間を倒すだけのヒーローアクションではない。 実に巧妙で、人の本質、また国を含めた人の集合体の本質が見えて来る気がした。 もしかしたら今の時勢だからこそ読むべき本なのかもしれない。 | ||||
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虐殺器官は伊藤さんの代表作のひとつですので良いですね他に有名なのはハーモニーですこちらも良いですよ | ||||
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随分前に読みました。 読みすすめるうちに徐々に明らかになる虐殺器官の真相。 ぶっ飛んでるなと思いましたし、だからこそ一流のSFだと思いました。 昨今FacebookなどのSNSでフェイクニュースやヘイトが拡散されるのを目にし、まさか虐殺の文法が現実味を帯びてくるとはと驚愕しています。 | ||||
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倒すべき相手を倒した後で、気づけば自分がその相手に置き換わるという、どこかで見た気がするストーリーだけれど、言い回しや単語がカッコよく面白く読めました、好きです | ||||
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『虐殺器官』は、小松左京賞の最終候補になったものの、小松左京本人によって落とされた小説です。その時に小松左京が残した選評を引用します。 「伊藤計劃氏の『虐殺器官』は文章力や『虐殺の言語』のアイデアは良かった。ただ肝心の『虐殺の言語』とは何なのかについてもっと触れて欲しかったし、虐殺行為を引き起こしている男の動機や主人公のラストの行動などにおいて説得力、テーマ性に欠けていた」 私の見解を言わせて貰うと、この小松左京の選評は、イケてないと思います。小松左京は『虐殺器官』の良い読者ではなくて、『虐殺器官』の面白さが良くわかっていないと思いました。おそらく小松左京は旧世代の小説家だから、『虐殺器官』という小説の斬新さが理解できなかったのではないかと思います。それぐらい『虐殺器官』は、時代の先を行った小説だと思います。 『虐殺器官』の黒幕であるジョン・ポールは、「虐殺の言語」を使って世界に虐殺をもたらしていました。小松左京が指摘している通り、虐殺の言語とは何なのかは、作中ではいまいち詳しく説明されていません。しかし、「言語によって虐殺が起こる」という事態は、SNSの誹謗中傷やウェブ炎上をよく目にする私たちには、説明不足でもピンと来る事態ではないでしょうか。 インターネットでは、言語を使った暴力によって人々が傷付けられたり、怒ったりするという現象が、当たり前のように発生しています。『虐殺器官』の主人公クラヴィスも、言語が人間の感情や行動を支配していることに興味を持っています。デジタルネイティブ世代なら、言語によって発生する「ホッブズ的な混沌」が説明不足でもピンと来るはずです。小松左京は旧世代の小説家だから、この先鋭的な感覚が理解できなかったのではないかと思います。 さらに、虐殺行為を引き起こしている男の動機や主人公のラストの行動は、本文をマトモに読めば普通に理解できると思います。本文を素直に読めば、ジョン・ポールは「食糧を確保し、アメリカを救うため」に虐殺行為を引き起こし、クラヴィスは「アメリカ以外の全ての国を救うため」にラストの決断をしたことがわかります。 しかし手強いのは、ジョン・ポールとクラヴィスは、おそらくもっと深い事情があって虐殺に手を染めたのだろうと考えられるということです。『虐殺器官』はライトノベル風のエンタメ小説のような感じがしますが、小松左京には読み取れなかった程の文学的な深層があると思います。自信のある方は是非、行間を読んでみて下さい。 | ||||
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朗読の雰囲気と文章が非常に合っているように感じました。演じ分けも素晴らしく、本当にお一人でやられているのか?と思う程でした。他のaudible作品において朗読と文章の雰囲気に違和感を感じる事も少なくない中、こちらはとても良かったです。 | ||||
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アンドロイドもタイムマシンもビーム兵器も宇宙船もエイリアンも出てこないSF小説。代わりに、描かれるのは、国家が運用する個人認証システム、ナノマシンを用いた拡張現実、作戦時の感情をフラットに保つための戦闘感情適応調整と痛覚マスキング、そして、小説のタイトルにもある虐殺器官。 9.11を契機に私たちの世界から分岐したもう一つの「現実」の中で、人間の深層意識や物質主義という普遍的な問いに対する考察を一貫して描く。 個人的にツボだったのは、「ビクトリア湖沿岸産業者連盟」という国家の存在です。これは、民族や宗教、政治的イデオロギーなどによってではなく、端的に言うと経済的利害が先鋭化することによって形成された国家であり、そのアイデアに痺れました。 一度記憶をなくして、もう一度まっさらな状態で読んでみたい。そう思わせてくれた素晴らしい小説です。 | ||||
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正義とはなにか 主観に過ぎないのではないか 正義の反対はまた別の正義というが、私は違うと思う | ||||
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最終的に主人公が救われたとも思えず、個人的にはすっきりとはしない物語。 ただ、実在する会社(アマゾン、ドミノピザ等)が登場し、どこか現実とも切り離すことができないはかない印象を受けた。 私としては、一度読んだだけでは理解できていない点もあると考えるので、時期をみてもう一度読んでみたい。 | ||||
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本作を要約すれば多分タイトルになるのではないかと思う。 主人公のクラヴィスを勇者とすれば、主人公が所属しているアメリカ情報軍・特殊検索群i分遣隊が勇者一行、各国で戦乱を引き起こしたジョン・ポールがラスボスもしくは裏ボスの魔王とすれば、勇者一行に魔王を探して滅ぼせと命令を与えるアメリカ合衆国が王様、そして魔王の甘言に耳を傾けたがゆえに勇者一行にやられる各国要人を中ボスに当てはめると、他人が遊んでいるロールプレイングゲームを見ている感覚に襲われる。 特にジョン・ポールを探して街に溶け込んだり戦地に赴く様など、往年のRPGにあったような探索中のデジャヴュを感じたし、最後クラヴィスが虐殺の文法で世界全土を混乱に陥れる様は、ゲームで主人公が悪堕ちして新たな魔王となってしまうようなバッドエンド感があり、王道RPGを現代でやろうとするとこんな感じになるのかと、妙に納得させられて正直楽しめた。 作者が早逝されたため新作を読むことが出来ず非常にもったいないと思わずにはいられないが、死後作られた映像作品が原作の意図を全く理解せずに作られており、尽く金の亡者の餌食になってしまった点が切ない。 | ||||
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主人公と母の対話から、死は簡単なことだ生きていることと死んでいることの違いは些細なことだと、そう思いたい気持ちを感じた。地獄は頭の中にあると言った主人公の友人も印象的だ。 私は学生の時に母の余命宣告を聞いてから毎日母がもうすぐ死ぬことに怯えていたが、絶望感と悲しさに襲われている精神状態が辛く、いつのまにか死を簡単なものに捉えることで納得、逃避しようと努めるようになった。だからこの本を読んだとき、母はもう亡くなっていたが、私の信じたいことが書いてある、だれかに言ってもらいたかったことが書いてあると思った。しかし物語の結末からして、大切な人の死が耐えがたい苦しみを与えることには違いないようだ。 読んだあとに著者が亡くなっていることを知った。若くしてずっと病気と向き合ってきた著者にしか書けなかったと思った。もし死者の帝国を伊藤計劃が脱稿していたら、もっと生きているということ死ぬということについて書かれた作品になったかもしれない。本当に読みたかった。 | ||||
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中学生当時の言語学に対する興味の原点になりました。書き方はラノベ程のものであっても扱うテーマは娯楽小説の類では珍しく且つ上手く用いられている様に思います。映画のサントラを聴きつつ此方を読むのも如何でしょう。 | ||||
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妹に薦められ拝聴しました。 朗読者様の声色の使い分けには大変驚き、会話感がとても素晴らしかった。 | ||||
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描かれていないからこそ見えるものがある。 触れられている故にそれそのものは本質ではないことであり、 触れられていないからこそ今いる私たちは触れていて、 そしてそれは今も行われている行為であるということ。 この物語に登場する多くの用語や過去の人物、言葉は この物語の内側にあるテーマの輪郭をもっともにするためのスポットライトでしかないことを この作品に苦言する人もそうでない人も知らないままでいる。 「虐殺の文法がなんなのか結局わからないからダメ」と言っている人ほど、 実は虐殺の文法に日常的に触れていることを知らないまま生きていて、 「この物語はただの語り直しで適当なものだ」と言っている人ほど、 自分の中にある平和だけを全てとして生きていたいと言っているようなもので。 それこそ「自分の信じるものこそが崇高であり、他のすべてを許さない」という人ほど この本の中にある「虐殺の文法」に感染し、今ここに低評価レビューとして稚拙な言葉で暴力を連ね、 自分の中にある「平和な世界」だけしか知らないように生きている。 この作品は、如実に世界のありふれた日常、暴力を丁寧に映している。 * 星4にした理由として、この作品からなる伊藤計劃シリーズは ひとつひとつが独立こそしているものの「未完」である。 第3部「屍者の帝国」のプロローグを書いて彼はこの世を去った。 そしてすべての作品はひとつの時系列でつながっている。 「虐殺器官」で言葉と命を知り、 「ハーモニー」で人と心を知った。 「屍者の帝国」で魂と言葉を語る予定だったのならば、 ひとつも描かれなかった、名前すらない最終作で3作をまとめた「完結作」を描きたかったのだろう。 ハーモニー後の人格や心が失われた世界で、魂と言葉を以て 世界を再生、解放する物語が描かれるのではないかと私は思っている。 そしてそれらは永久に語られることはないことも、もう私たちは知っている。 | ||||
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文章の集中力が、物語の最初から最後まで均一で美しい。もっと作品を作ってほしかった。 | ||||
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特に問題なく届きました ありがとうございます | ||||
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おもろい | ||||
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