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わたしを離さないで
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わたしを離さないでの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.10pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全75件 61~75 4/4ページ
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通勤の行き帰りに読み耽りました。 正直、何ともそこまでの傑作かは私にはピンと来ませんでしたが、 通勤途中に全てを読み終えて、 帰りの電車を待ちながら、時間を持て余したので、 再び最初から読み返してみると、 1回目の読み初めには頭の中で整理できなかった人物像や様々な景色が広がるような この小説の冒頭の書き出しに感動してます。 物語の最後が物語りの最初へ繋がっていて、 2度目を読み終えた時に、また冒頭へ戻って読み始めたら? 毎回違う感慨を読者に起こしてくれそうな物語です。 この小説は読み返すほどに、味わい深き1冊かもしれません。 | ||||
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主人公たちの持つ悲劇的な面を淡々と描いたり、最後の方の旧い恩師に会うところとかは良かったのですが、全体的に退屈な作品です。主人公達の青春時代の話やいざこざが3分の2ぐらいを占めていて、正直読むのがかったるくなってきます。確かに必要な描写だったのでしょうが……SF、ミステリー、青春、社会への警鐘。様々な面を持つがゆえに結局どれも中途半端になってしまっているという印象を受けます。 | ||||
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運命に身を任せるしかない主人公たちが哀しくも綺麗です。 が、個人的な好みとしては閉塞感を破るめちゃくちゃさや強さが欲しかったです。 主人公たちが良い子すぎてツライです。もう少し悪くても汚くても良いから生きてる強さが見たかったです。 | ||||
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最近日本では『デス・ゲーム』なる、少年少女が額面通り、 命を懸けてサバイバルする旨の映画やドラマが量産されている気がします。 この作品は、そういう量産型にありがちな、過激でグロテスクな流血シーンなどは一切なく、 静かで美しく、甘みを含んだタッチで描かれていますが、途中途中で発生する恋愛が絡んで人間臭くなる 情とか妬みなどを感じると、漠然とした方向性は『デス・ゲーム』と同じなのかな? という気がしました。 ではこの方向性を定めて、少年少女を管理し、翻弄させている大枠がなんだ、 というところが少しずつ見えてくれば面白いのかな? と思ったのですが、第二部は、 単なる三角関係のもつれのみを記してあるのか? と中弛みの嫌いを覚えました。 200ページあたりで僕は、読了するまで我慢我慢、読み流して早めに終わらせよう、と考え始めたのですが、 第三部に入り、ようやく作品の本質、何を訴えたいのか、が見えるその兆しを感じ、期待したのですが、 この作品に収めた世界観の大きさと、しかし相変わらず静かさを保とうとする山場のバランスが取れず、オチが弱い・・・。 源流を滴る水の流れのように穏やかな塩梅、具体性をあえて欠かせてヒントを多く与えず、 読者の頭の中でそれぞれの作品を完成させよう、というスタンスは、すごく好きです。 けれど、少年少女が置かれた惨状と忍び寄る悲劇が満載の『デス・ゲーム』を上品に、ふんわりと書き過ぎた。 だから、すごく惜しい、となってしまった、と僕は思います。 翻訳が上手いなあ、と思ったのでそこもプラスにして『★★★☆☆』としました。 まあこれだけ言った後になんなのですが、評価が分かれるように持って行こうとしている作品だとも思うので、 一読して、ご自身で『本物の評価』を下すのが、一番だとも思いました。 | ||||
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登場したころにすぐ読めば違ったのかも知れませんが、 ここまで高評価できていて、映画化もされている、 誰もが絶賛する作品として読むと、★としては3つ くらいでした。 まず、ちょっと世界に入るのに必要以上に労力が 僕にとっては必要でしたし、文体の問題としても はたしてですます体が最高なのかどうかが分かりませんでした。 ですます体の長い小説はそれ自体として僕にとっては くたびれるので。 旅行に持って行ったので、他に読むものがないから読み通しましたが、 普段の通勤のお供にしていたら挫折しているかも。 描かれる青春の揺れ動きとか友情の切なさとかには すでに不感症になってしまったのかな?と寂しく感じましたが、 現在の主人公の年齢も僕より数歳下なのでまあしょうがないのか とも思っています。 フェアなレビューではないかも知れませんが、あくまでも主観として。 読みにくかった割に、響きの薄い本でした。 | ||||
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読解力の問題かな、とてもやりきれない気持ちになっただけで、 娯楽として捕らえるにはつらい作品でした。 読んだあと、場面展開の速くわかりやすい単純な作品が読みたくなりました。 | ||||
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訳者のあとがきに、"ごく控えめに言ってもものすごく変わった小説"とありますが、実際そうでした。謎自体は途中で明かされるのでそんなに謎ときでもないし、心理に共感しようとするには主人公が状況に対して淡々としすぎているし。救いのあまり無いラストに向かって粛々とストーリーが進む有様は、途中でかなり疲れを感じ、読後感も落ち込む感じでした。描写はきれいなんですが... 訳者あとがきによると、作品によって作風を変えるトライをする作者らしいので、他の作品も読んでみたいな、と思いました。秋から冬の夜、しんとした寂しさを感じたい気分のときにいいかと思います。 | ||||
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抑制の利いた筆致で、静かに高まっていく感動。心の微細なひだまで描きつくす巧みさ。キャシーをはじめとする登場人物たちの、あくまで端正なたたずまい。 一方で気になるのは、非現実的な設定、主人公たちが苛酷な運命をひたすら受容する不自然さです。 しかし、ストーリーは最初の淡々とした描写から、しだいに切迫感を帯びたものに変わっていきます。避けられない宿命が、すべてを支配するかのように。 おとなたちが子どもたちを保護するために隠している秘密、ひそやかに語られるほかない儚い望み、すがりつく気持ち。哀愁さえ湛えています。 エミリ先生(元主任保護官)の大審問官的告白は、苛酷な現実世界の比喩か。この不条理は、イシグロ氏によって今後追求されるのでしょうか。 回想の中のヘールシャムに、読者は自己の10代の学校生活を投影しているのかも知れません。 でも、やはり不自然な舞台設定は、私にとっては最後まで違和感を引きずる結果になりました。 | ||||
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奇妙な味の小説と呼ぶには思いが深い。長広舌のネタバレがあるのはミステリーっぽい。 設定に破綻要素が多すぎるのはSF小説のようでもある。男女間の真の愛もテーマのひとつ であるのはおとぎ話とも言える。どこから突っ込まれても平均点を失わない作品である。 翻訳は昭和の香りがする。販売会みたいな訳語に最後まで違和感を感じた。ですます体がやや ウザく感じるのは日本語の限界を思わせてしまう。否定疑問文に首を振って応えては直訳ミスだろう。 | ||||
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課せられた過酷な使命を、彼らは比較的自然に受け入れているように感じました。そういう教育を受けてきたからなのでしょうけど、それでも静かすぎるような気がします。普通の人間は、ぎりぎりまであがくものではないのでしょうか。自分たちの運命をもっと理不尽に思ってもいいように思います。あまりに淡々としていて、生に対する執着が希薄というか、私にはその辺りが不自然に感じられ、最後まで描かれている世界に入り込むことができませんでした。あと、学園生活での日常をそこまで描く必要があるのかなとも。 | ||||
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作者の狙いかどうかわからないが、読者は主人公と一緒に彼女の抱えている闇と違和感とを、同じように抱えながら読み続けることになる。彼女の自分の中の闇の部分をあぶりだすようなこの回想という作業によって、読者は信じたくない、でもそうかもしれないと予感していた「恐ろしい事実」を知ることになるのです。非常に抑圧されて重苦しい作品です。 | ||||
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あの子たちがうすうす気付いていた運命をただ受容するだろうか。特殊な環境の子供たちだから?それってなんとなく人間は白紙で生まれてくるという考え方に近いですね。「バトルロワイヤル」を見せるな!って大人が書いたお話みたい。後半にプールの飛び込み台が取り払われているかなんかそんなイメージが出てきますが、俺普通の子ならもっと学校にいる段階からばんばん自殺してんじゃないのって思います(なんであそこでようやくそのイメージが?答えは簡単)。権力者側の決めたルールには逆らえないという悲しい人間のメタファーかもしれませんが、それはやぼ読みですね。俺はどんな環境でも抵抗する人間が現れることを信じています。某国だってね、いろいろ反乱あるでしょ。ひるがえって考えると、すべて小説のためなんですよ、この低いテンション。ラストの一番感動的なシーン。でもどう考えても遅すぎでしょ。普通だったらとっくにいっちゃってますよ。でもあそこまで引っ張ることで泣かせられると。欧米のみならず日本でもベストセラーで絶賛のコメントばかりが並んでもこの天邪鬼がといわれても俺は「そんなにいいか」って言いますよ。でも装丁がなかなか良いですね(笑)。 | ||||
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小学館漫画賞を2002年に受賞した「輝夜姫」と内容が実によく似ています。 本書が絶賛されたテーマやストーリーの真実の部分の要の部分が、同じ。 「輝夜姫」のほうが先に発表された有名な作品なわけで、なんだかなあと思うのですが。。。著者は日本生まれなのでなにか勘ぐってしまいます・・・。 | ||||
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丁寧に作り込まれた作品ですので(3ページ目あたりでSFネタがわかってしまうのは別として、というかそれが作品の価値を貶めるわけではないので見逃すこととして)最後まで読み切ることはできますが、既にこの手の世界観は萩尾望都によって描かれてしまっているように思えた私にはあまり魅力がありませんでした。 | ||||
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読み進めるうち、クローンがどうとか、倫理がどうだとかは あまり重要じゃない気がし始めた。 この小説ではそういった一見異彩を放つ要素は 実は単なる付録に過ぎないんじゃないかと。 それよりむしろ、主人公の人生経験を 一人称の語りで構築していく作業そのものが この作品の目的のように感じています。 だから読後、生命倫理について深く考えようという気にはほとんどならなかった。 その一方でこの作品に強く魅せられた点は、 まるで彼女の吐息が耳元にかかるような気配まで感じながら、 あるいは彼女が踏み入れた沼地の湿り気を足元に感じながら、 キャシー・Hという人間の存在感の確かな余韻に包まれたことに他ありません。 | ||||
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