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音もなく少女は
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音もなく少女はの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.93pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全19件 1~19 1/1ページ
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辛い話である、時には涙しそうになった。何回か読むのを止めたくなったが、こういう環境下で立派に生きている人がいるということを知ることで、なにか力をもらえるのではないかと思って読んだ。涙しそうになったのは、辛い場面にではない。この話は、ニューヨークの最悪の環境下で生きる、悪い人と善い人のことを書いた物語だ、麻薬の売人や犯罪者がたむろする街で、善い人たちが戦う姿を描いている。 母親代わりになって聾唖の少女(主人公)を育てているフランは少女にこう言う、「人生は不毛ではないなんて、そんなのはたわごとよ。わたしたちはなんのために悪戦苦闘しているのか。それがあなたの質問なら、わたしの答えは--------次の一日のためよ。無味乾燥で血も涙もない?あなたは壊れたりしない。わたしがそれを許さない。さあ、眼を覚まして、しゃんとして、必要とあらば、わたしたちはなんとしてもあなたを--------」人生を不毛と思うような環境の中でも、毅然と生きようとしている心構えに思わず涙したのだった。 訳者が後書きで言っているが、「待っているだけで希望は訪れない。未来は自分の手で掴み取る。そのために戦おう。そう言うヒロインを力強く描く小説だ。悲惨な体験に挫けず、絶望の中から這い上がり、何度も立ち上がる凛々しいヒロインを、著者はくっきりと描いている。いい小説だ、胸に残る小説だ。」その通りである。とてつもなく恐ろしい物語だが、その中で、良きことをする信念を持って生きている大人が大勢出てくる。私はその人たちに勇気をもらった。 訳もよくこなれている。私は前に、同じ著者の同じ訳者による「一人旅立つ少年よ」を読んだが、最初は原文で読んでいたが表現が複雑で、日本語訳に切り替えた覚えがある。ボステン・テランの小説は原文を読むには私には手強いと思った。 | ||||
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ここ五年でベスト1の快作でした。 ただし、翻訳はここ10年でワースト1です。 下訳のまま出版したのでしょうか? | ||||
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アマゾンで買った本のみレビューしています。物語・作り話が好きなので小説しか読みません。リアリテイー等は関係ありません。事実と違うなどと言ってる人がいますが、なぜ事実じゃないと知っているのでしょうか?学者が書いているから?不思議で仕方がありません。物語では信長は本能寺で死ななくてもいいのです。面白いか面白くないかのみが判断基準です。それではよろしくお願いします。 | ||||
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訳文になじむのにしばらく時間を要しましたが、その後は食い入るように読みました。 ブロンクスがどんどん危なくなった時代の女達の戦いを描いた、一種の大河小説です。 訳文に違和感を覚えたのは、頻繁に出てくる耳が聞こえない人の呼称として、一貫して差別的用語を使っていない点です。他の単語については、かなり汚いスラングでも忠実に日本語に翻訳しているのに、これはいったいどういう配慮なのか。 作者が描きたかったのは、リアルな貧困、貧者の中での差別と暴力、それに抵抗する手段としての法の無力、そしてぎりぎりの選択としての犯罪行為だったと思うのですが、原作でもこの点自主規制がされているのでしょうか。 ちなみに、映画「用心棒」が黒澤明脚本に忠実にリメイクされた際も、主演の織田裕二が目の見えない人について、三船敏郎とは違う呼称を用いていました。 映画や小説で自主規制をかけはじめたらおしまいです。 | ||||
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ほんの少し前の時代のアメリカの人種・女性・障害への差別がこんなにひどかったのか…と 切なくなりました。 | ||||
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正しく発揮した女の力強さは二作目に通低。持ち上げられ増長してるだけの日本女には理解できない部分も多かろう。 | ||||
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原題は「WOMAN」。過酷な運命に晒された"女性達"が自分達の人生を切り開いて行く過程を、圧倒的な共感の眼差しの中で冷徹な筆致で描いた秀作である。ヒロインのイヴは生れ付きの聾者で、イヴの少女時代から大人になるまでの過程を中心に描いているので邦題が付けられたものと思う。 ただし、作者の眼はイヴだけに集中している訳ではなく、母のクラリッサ、ナチに深い心身の傷を負わされた亡命者のフラン、イヴの妹分のミミにも目配りがされている。"女性達"の人生が各々共鳴し、重層的に描かれているのだ。特に、イヴの庇護者であり"姉"であり"母"でもあるフランの造形は秀逸で、本作を一層深みのあるものとしている。 フランが作中で「人生とは悲しみに耐えること」とイヴを諭すシーンがあるが、勿論、作者の意図は「悲しみを乗り越えて」生き抜く"女性達"の雄々しい姿を描きたかったのだと思う。また、謂われもないのに世間から隔離された状況にある人達への救済の意図もあったと思う。他の作家の作品には見られない特別なエピソードやストーリー展開がある訳でもないのに、これだけ読む者を惹き付ける作者の筆力は大したものだと思う。今後も期待したい。 | ||||
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文庫本を手にする動機は 一にタイトル、二に装丁装画、 三に紹介文であろう。 本書は紹介文がない。なんと途中で放棄しているのである。 伝えきれない、と。 何を気取っているのだ。普通ならそう思うだろう。 しかし、読後、その言葉の重みを感じずにはいられなかった。 出版社の「してやったり」にまんまと「してやられる」。 悪意でもなく善意でもなく、読んで感じる以外にない。 本書については言葉では伝えられない。 読後、心に残り感じたものこそが本書なのだから。 読書の愉しみをしっとり再確認させてくれる そんな出会いに感謝したい。 | ||||
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作者の名前はすでに折り紙つきらしい。その題も衝撃的な『神は銃弾』は、英国で推理作家協会新人賞、日本で日本冒険小説大賞と「このミステリーがすごい」1位、という三冠を獲得したという。 私自身はしかし、その作品は未読で、それはそれで興味を惹かれたものの、今回より心が動いたのは、同じ作者が書いた「静かな傑作」といわれるこの小説だった。 解説にもいうように、『神は銃弾』のイメージに引きずられがちだが、『音もなく少女は』は、ミステリーではない。ミステリー一般の娯楽性を主に求める読者には、面食らい、あるいは敬遠したくなる内容かもしれない。 ここにあるのはいわばひとつの「女の一生」といえようか。1950年代ぐらいからのニューヨーク、ブロンクス。貧しく荒んで、暴力、犯罪、腐敗、差別が横行し、欲望と憎しみ、悲しみと絶望とに彩られた街に、聾者というハンディを持って生まれた一人の少女と、その仲間となる女たちの、苦しみと戦いの記録である。 つまりここで作家は、娯楽小説の範疇には収まりきれないものを描いたのだ。基本的に暴力的で理不尽なものとしてある世界。それが投げつけてくる不幸の数々を前に、女性、しょうがい者、黒人など、「弱き者」はどう生きればいいのか。 だが、ミステリーであろうとあるまいと、作家の能力の高さは疑いようがない。何よりも驚かされるのは、人間、とくにその内面を抉り出す描写の圧倒的な力感である。濃いのである。 それは読者にもある種の緊張を強いる。現実の苛烈さを直視することを強いるから、この物語を好まない読者がいるのは不思議ではない。アメリカが背負ってきた重荷の一端を知ることができるのが興味深いとはいえ、これを実感に近い形で肌に感じながら読むのは、辛い経験でもある。主人公イヴと、その限られた仲間に次々に襲い掛かる苦しみ。次はどんな不幸があるのかとハラハラさせられ通しだし、安手のアクション映画と違って、ありえないような幸運や都合のよい解決は何もない。不幸は実際に癒しがたい傷となって降りかかってくる。 だがそれが辛いからこそ、そうした問題に正面から向き合って戦い抜く女たちの姿が感動を呼ぶのである(原題はWoman)。あとは好みの問題だろう。が、作家のぶつけてくるものを受け止める気持ちになれるのなら、深く心に残る作品であるのは間違いあるまい。 ちなみに、ここで重要なモチーフとして登場する「写真」は、イヴが世界と関わる接点でもあり、したがって彼女の支えでもあり、武器でもあり、いわば彼女の存在そのものなわけだが、その写真をめぐる記述を見れば、この作家の見つめているものの高さがわかろうというものだ。 おそらく原文のスタイルが強烈だろうから、翻訳も多少癖があるものになっているが、流れはよく、読みやすい訳だと思う。 | ||||
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決して派手さはない。 作者独特の装飾比喩の多い文章が読み辛いと感じられる方も多いかと思う。 実際私も手にとったものの、最初30ページぐらいまで進むのに数日かかった。 (あまりの読み辛さに、他の本に逃げてしまうため) たしか、このミス2位に選ばれてしまったため、ミステリを期待して肩すかし食らった方も多いと思う。 ラストも、スッキリ爽やかなハッピーエンドではない。 それでも、私はこの本を素晴らしいと思うし、読む苦労をいとわない人には強く勧めたい。 すばらしいよ、この本。 特に女性には、ヒロインの姿に胸をうたれる箇所もあるかと思う。 読み辛いといっても同作者の「神は銃弾」よりは、ずっと読みやすくなっているし。(「神は銃弾」もヒロインがすばらしいけど) 合う合わないが分かれると思うけど、合う人にとっては、本当に心の一冊になりかねない本だと思う。 | ||||
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ボストン・テランの著作は「神は銃弾」を読んで、この本を手にしました。 久しぶりに深く感動しました。シナリオを書くことに興味があるので、キャスティングを当て嵌めて、すこぶる映像的に楽しみました。フランはジーナ・ローランズ(女としての意思の強さを体現できる無二のアクター)イヴはヒラリー・スワンク(内面の強さを感じる)などですが、良い作品は主人公の息づかいまでも感じさせ、想像の世界へ誘ってくれることをあらためて認識いたしました。 | ||||
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本作の内容については他の方のレビュー通り。 私が言いたいのはとにかく言葉、文章が素晴らしい!の一言。 映画シアターの場面、屋上からキャラメルショップへの場面、凄く素敵です。 紡ぐ言葉の一言一言がとても考えられて書かれているような気がします。 圧倒される言葉の連続です。本当に。 | ||||
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本作はミステリー作家であるボストン・テラン氏による長編小説(本作はミステリーではない)。 聾者である主人公を中心に、苦難から逃げずに健気に生きる女達の姿を描く。 1950年代、舞台はニューヨークの北端に位置する移民の街、ブロンクス。 主人公は生まれつき耳が聞こえない少女、イヴ。 イヴの母クラリッサは信心深く、娘の耳については自分の責任であると思い込む。 二人が教会で出会ったのは、ナチスの迫害を逃れてアメリカへ渡ってきた女、フラン。 フランはイヴに手話を教え、聾学校へ入学させる。 そんな三人に、イヴの父であり薬物の売人であるロメインの存在が常に黒く付きまとう… 本作の中心となる女達は、常に苦難に見舞われている。 卑劣な男達がもたらす苦難をまともに受け、女達が傷つく姿には目をそむけたくなる。 しかし女達は逃げなかった。なぜこれほどに強くなれるのか。 フランは、男達の暴力は弱さの証明であると言う。 少なくとも彼女は、矮小な俗物としての男達の本質を見抜いていたに違いない。 さらに、自分が受けた傷と同じ傷を、愛するものには消して受けさせたくないという気持ちが、 守るべきものを徹底的に守るという信念の根源になっていたのではないだろうか。 しかし本作で描かれているのは「男に立ち向かう女」ではない。「苦難に立ち向かう女」である。 本作で描かれた「男」はあくまでも苦難の象徴に過ぎない。 苦難に打ちひしがれつつもそれに立ち向かい、自らの道を切り開こうとする女達には誰もが胸を打たれるに違いない。 尚、本作の原題は「WOMAN」である。 これほど本作を表したシンプルなタイトルは他に思いつかない。的確すぎる。 邦題もすばらしいが、原題も頭において読みたい一冊。 | ||||
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とてもボストン・テランらしい小説だと思った。 彼は書こうとするテーマから絶対に逃げない。 どこまでも苛酷な現実を、これでもかと仔細に描き出そうとする。 だから読むほうも、覚悟を決めて彼の紡ぐ物語につきあわなければならない。 でも彼は、絶望の果てでしか見えない希望や癒しも描いてくれる。 神から偶然に与えられたものではなく、(たいていは)女たちが自力で掴んだ希望を。 それがわかっているから、辛くて目をそらしたくなっても、 彼の小説を読むことをやめられないのだ。 | ||||
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ボストンテランの小説は、国内デビュー作の「神と銃弾」以来、結構時間が経過した後の一冊でした。「神は銃弾」はとにかく、疾走感満点の謀略、犯罪小説として今思い出しても印象にん残る一冊であったし、恒例のこのミステリーでもめれたく第一位を取った傑作との評判でした。 但し個人的には、荒々しい文章、物語の展開に評価を与える部分が足りなかった作品であり、ものすごいインパクトを認める作品であったけれど、次以降の作品には手が伸び、購入を検討するといった作家ではなかった。(恐縮でした。) しかし、本作に関しては某文芸評論家絶賛?の一作であり「ボストンテランの作品とは考えず読んでほしい」といった前評判から、久々に購入、読みました。本当、文体、作品の印象が180°違うような、こんなにシリアスな小説を描ける人とは思っていなかったし、主人公の三人の女性、そしてボストンテランの一連の作品に統一する「復讐」のテーマをもとに、本当に読ませる作品に仕上げ、本当久々に予想を翻し、絶賛できる作品です。こんなに上手い作家とは思っていなかったし、今年一番の文学ミステリーと言っても過言ではないと思う。絶対、お勧めです。 | ||||
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ボストン・テランといえば、まさに、狂気と狂騒の追跡劇・デビュー作『神は銃弾』が’00年度「CWAニュー・ブラッド・ダガー=ジョン・クリーシー記念賞(最優秀新人賞)」、’01年作品「第20回日本冒険小説協会大賞・外国軍大賞」をそれぞれ受賞して、’01年「このミステリーがすごい!」海外編で堂々第1位に輝いたことで知られているが、’04年発表の第4長編である本書は、これまでとは一転して趣の異なる作品である。 この物語の主人公格のヒロインは3人ではないかと思う。 ひとりは、駆け落ちに失敗し、堕胎手術を受けさせられたドイツ系のキャンディストアの店主フラン。 ひとりは生まれつきの聾者で、カメラで世間を撮り続けるイタリア系のイヴ。 そしてもうひとりはイヴの母親で夫に痛めつけられても死ぬまでイヴに無償の愛情を降り注いだクラリッサ。彼女たちは、ロクでなしの男たち、イヴの父親ロメインとイヴの恋人のチャーリーの義妹の父親ボビーに対して一歩も引かず相対する。特にフランとイヴは、クラリッサやチャーリーの悲劇的な死を乗り越えてたくましくも生きるのである。 圧巻は、ついに銃を手にイヴがボビーを殺しに行くシーンだ。 時代設定は1950年代から70年代半ばまでの、イヴが生まれてから大人の女に成長する四半世紀。本書は、原題の『WOMAN』からうかがえるように、前3作の作風から≪暴力の詩人≫と称されるボストン・テランが、その激しくも美しい筆致で「創造者」「保護者」「破壊者」・・強い女たちを描ききったその生き様を目の当たりにする、魂が震える感動作である。 | ||||
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三種類の女がでてくる。 ナチスの迫害を生き抜いたものの、女としては致命的な傷を心身に負った孤高の女・フラン。暴君のような夫に虐げられる生活の中でも良心に根ざす信仰を失わず、障害を持って生まれた娘に無償の愛情を注ぐクラリッサ。 そんな二人に慈しまれ、銃の代わりにカメラを武器にしなやかに成長していくイヴ。 女と女の友情の話である。 イヴと名付けられた希望の種を巡る、女たちの静かで激しい戦いの記録でもある。 中でも魅力的だったのはクラリッサ。横暴な夫の虐待を耐え忍び、幾多の悲劇を乗り越え強く在ろうとした姿が感動をよぶ。 立場と性格は違えど同じ逆境を体験した者同士、相通じるものがあるフランと共に屋上で鳩を抱く場面の無垢なる美しさは言葉にできない。 文章は類稀な詩情に溢れ繊細で美しく、灰色の現実の中でも決して色褪せない真実の宝石を写真の如く切り取っていく。 撃鉄を落とすようにシャッターを押し、自分を弾圧する人生への対し方を学んでいくイヴ。 冒頭、イヴと恋人が手話で交歓するシーンに溢れた素朴な信頼と愛情は、物語を追ってイヴという少女の過酷な前半生を知ればこそ、それがどれだけ得難き価値のあるものか得心がいく。そしてイヴが撮った写真、肌の色が異なる家族が食卓で手を繋ぎ輪になる情景にこそ聖俗併せ呑む愛の核心が集約されるのだ。 本作には素晴らしいもの、尊きものが散りばめられているが、それらを脅かす唾棄すべき悪の存在もまた容赦なく描かれる。しかしだからこそ、弱き女たちが自分よりさらに弱きもののために戦いに挑む姿は、精神の気高さから生まれた崇高な美しさを保ち得るのだ。 「自由の女神が聾唖でもいいじゃないの」 これは母と子と希望の物語だ。 | ||||
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陰湿な迫害を繰り返す肝の小さい男たち、それに耐えながら強く立ち向かう女たち。でも、安直なフェミニストの話じゃない。この女たちの強さは「耐える」粘り強さだ。だからすごく説得力がある。我慢して、我慢して、ついに行動に出たあとも、ちゃんと責任を取る。この小説のすごさは妥協しないところ。イヴが自分の作品に妥協しないように、作者も感傷をそぎ落として直球勝負で迫ってくる。魂をゆさぶられる、すごい小説! | ||||
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ボストン・テラン最新作とは知らずに手を出した。読み始めると止まらない面白さ。ミステリーとはちょっと違うような気がするけれども,凄い小説だ。 聴力障害者が主人公になる作品としてはディーバの「静寂の叫び」があるけれども,それを凌駕する。女性陣たちの魅力が作品をあでやかにしている。主人公イブの母親クラリッサは夫に殺されてからイブの記憶によみがえり,そのたびに魅力を増していく。どうしてここまで微細な部分にこだわり思考をめぐらしていけるのかテランの脳を覗いてみたくなる。テランが現在最高水準の書き手であることは疑いない。 | ||||
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