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倒錯の舞踏



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倒錯の舞踏の評価: 4.08/5点 レビュー 12件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.08pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全12件 1~12 1/1ページ
No.12:
(5pt)

First Read in 2023

I am now 100% that I have never read this before. I thought I did a decade ago but I just could not remember anything. In fact, I actually got a lot of surprises.

Getting on the review, Block did a very good job on this book. He was able to take the story writing and its elements up a notch. There was more violence, sex, and mystery on this one. The writing was just too captivating that I imagined myself within the scenes he wrote —watching that hell of a VCR and being upfront the boxing ring.

In this story, Scudder gained a new ally in the streets with TJ feeding him information from the ground. He also fortified his friendship with Ballou and Joe. Elaine, she seemed recovered and resumed doing business as usual (following her trip to the ICU in the last novel). Scudder still did not drink but I definitely did a lot of googling to check out interesting poisons the other characters were having.

All in all, this is a great read.
倒錯の舞踏Amazon書評・レビュー:倒錯の舞踏より
4576921657
No.11:
(4pt)

「邪悪」とどのように折り合いをつけて(あるいはつけないで)生きるのか

ISBN-‏ 978-4576990712(文庫)レビュー。アル中無免許探偵マット・スカダーもの。少年ばかりを狙う変態猟奇殺人と保険金目当ての殺人のピースがひとつに重なる時・・。傑作「八百万の死にざま」のあの告白から数年。禁酒中のスカダーが追うのは今回も都会の闇、時代の腐臭濃い嫌な事件だ。原題「A Dance at the slaughterhouse」。屠殺場でダンスを、か。NYで生きることはまさにそれ。粗っぽくいえば本作はサスペンスミステリでありハードボイルドであるが、人間をみる、描く確かで細やかな筆致はそんな括りに囚われない。

事件を描きながら実はスカダー始めとする人間、それも真っ白でも真っ黒でもない人間の心の匂いが漂う。清水に魚棲まず。「邪悪」とどのように折り合いをつけて(あるいはつけないで)生きるのか。生きて齢を重ねることは汚れていくことだ。しかしその中で誰もが大事なものを放すまいともがく。本作の(といっておく)スカダーから思い出されるのはイーストウッド監督主演の「許されざる者」。特にラスト。もはや法の力は借りられない。スカダー始め誰もが「善と悪」を、「正しさ」を自分で選択しなくてはならない。

しかし娼婦で恋人のエレイン、ダーキン刑事、裏社会の友人たち、AA(アルコール自主治療教会)のメンバーなどとのやりとりが一服の清涼剤に感じられる。この点で松田優作の(TV)「探偵物語」も思い出される。町と人々。ひとりであってひとりでない。こんな邪悪で不条理な世界でひとりで生きることは辛すぎる。92年MWA(アメリカ探偵作家クラブ)最優秀長編賞受賞。スカダーシリーズ9作目。いわゆる「倒錯三部作」の真ん中。
やや偶然に頼る点があるが、これは本編でスカダーとダーキン刑事もエクスキューズのように語るのはご愛敬か。小説はプロット、どんでんがえし(大嫌いな言葉だ)、オチ、ひねりなんかではないのは当たり前(映画もそうだ)。筆致、語り口が大事。筋に関係ないなんでもない会話が人物に厚みと現実味を与える。彼ら彼女らがどんな人物であり、何を大事にしているか・・。
日本では99年に二見文庫として初出。名手、田口俊樹=訳。素晴らしく、こなれて、伝わり、そして酔わせる訳文体だ。実質★4つ半。
倒錯の舞踏 (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)Amazon書評・レビュー:倒錯の舞踏 (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)より
4576990713
No.10:
(5pt)

Edgar Award Winning!!

Top line "I'm an alcoholic I don't know how I feel " Late 80s Early 90s Scudder is wondering why me.
倒錯の舞踏Amazon書評・レビュー:倒錯の舞踏より
4576921657
No.9:
(4pt)

元警官の無許可探偵、マット・スカダーシリーズ第9作。ちょっとダークすぎかな。

マット・スカダーシリーズの9作目にしてエドガー賞長編賞受賞作。
主人公マットは、元警官の無許可探偵。警官時代のショックでアル中におちいったが、今は禁酒の会に通い素面を通している。売春婦の彼女と、危ない友人に多数の情報ソースを持つ。

ある日ふとしたことで、いわゆる猟奇ビデオを観ることになり、別に正式に依頼された仕事がビデオに関係することを突き止めていく、というストーリーです。

ハードボイルドなアメリカの探偵小説のフォーマットですが、平均以上にダークで、若干グロいです。好みによるでしょうが、私にはちょっと気分が暗くなりそうでシリーズを続けて読もうという気にはなりませんでした。
倒錯の舞踏 (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)Amazon書評・レビュー:倒錯の舞踏 (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)より
4576990713
No.8:
(1pt)

気持ち悪い。

ネタバレになるので書きませんが、気分が悪くなる内容が中心。他の作品にはさほど無かったのに。
倒錯の舞踏 (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)Amazon書評・レビュー:倒錯の舞踏 (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)より
4576990713
No.7:
(5pt)

肉屋のミサ

前回に続きスカダーがサイコキラーと戦う物語。倒錯三部作ってくらいだから次回もこんな感じなんでしょう。人間心理の面で示唆に富むエピソードの数々、絶望感漂う刑事ダーキンとの会話などはさすが。ラストのミック・バルーとの肉屋のミサの場面は強烈な印象を残す。
倒錯の舞踏 (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)Amazon書評・レビュー:倒錯の舞踏 (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)より
4576990713
No.6:
(5pt)

スカダーシリーズ中トップクラスの作品である。

ローレンス・ブロックのスカダーシリーズで最初に読んだのは忘れもしない『八百万の死にざま』であった。
 その後、書店の棚でこのシリーズの本を見つける度に買い求めてはランダムに読んできた。 
 このシリーズで読んでいなかったものもネットで見つけて殆ど読んだつもりでいた。
 が、本書『倒錯の舞踏』は、読んだ記憶がなくAmazonで購入して読むことにした。
 ミステリ本のほとんどを処分していたから確認することも出来ず、記憶も定かでなかったが、マットがTJと初めて知り合うところを読み、あ~、やはりこの『倒錯の舞踏』は、読んでいなかったと確認できた。
 ユッシ・エーズラ・オールスンの特捜部Qシリーズを読んでくるとブロックのスカダーシリーズは、落ち着いたテンポで味わい深く読ませてくれる。
 この物語は、マットとニックが、ニューヨークの場末のマスぺス・アリーナでケーブルテレビ局が主催するボクシングを見に行っているところから始まる。
 強盗に遭い妻が殺された男が、そのテレビ局のプロディユーサーのサーマンである。
 その3ヶ月ほど後に、マットがアームストログの店でコーヒーを飲んでいたら、ある男が「妹は義弟に殺されたから調べてほしい」とマットに依頼してきた。
 マットにはなんだか気の乗らない事件であり、捜査も手つかずの状態が続く。
 その半年ほど前マットは、AAでの知り合った男から、「このビデオを観てほしい」と無理やり頼まれてしまった。
 ビデオは、『特攻大作戦』であり、かって何度も観た映画であったから不思議に思う。
 ビデオデッキのないマットは、エレインのアパートで観ることにした。
 『特攻大作戦』についてマットとエレインの会話のなかで、この映画に出演する俳優が話題になり名前が出てくる。
 エレインが「リー・マービン、テリー・サヴァラス、チャールズ・ブロンソン、アーネスト・ボーグナイン、それに、なんて言ったかしら、『マッシュ』に出ていた人・・・」と、思い出そうとしながら、「エリオット・グールドじぁなくもうひとりのほう、そう、ドナルド・サザーランド」などと語らせるところなど著者ブロックも相当映画好きなのがバレてしまう。
 この『特攻大作戦』のビデオテープのなかで突然録画されたSMプレイのあげく少年が殺されるシーンが出てきた。
 マットは、金にもならないこの事件を、妻殺しの捜査を後回しにして調べ始めることになる。
 妻殺しと少年殺しという二つの事件が絡み合ってくるところなど多少不自然さを覚えるが、そこがブロックの上手さで読ませてくれる。
 スカダーシリーズではめったになような殺伐としたエンディングを迎えるが、ネタバレになるから詳しくは書かないことにします。
 本書は、1992年アメリカ探偵作家クラブが授与するエドガー賞の長編賞を受賞した作品である。
 奇しくも1955年に、同じエドガー賞の長編賞を、レイモンド・チャンドラーが『長いお別れ』で受賞している。 
 エレインが、ドナルド・サザーランドの名前を思い出せず「エリオット・グル―ドでなく」云々と言っていたそのエリオット・グル―ドが『長いお別れ』が映画化されたときにフィリップ・マーロウを演じています。
 こんな映画のことなども思い出させてくれた本書『倒錯の舞踏』は、シリーズのなかでもトップクラスの作品だと思いながら読み終えたのです。
倒錯の舞踏 (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)Amazon書評・レビュー:倒錯の舞踏 (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)より
4576990713
No.5:
(4pt)

ミック・バルーが好き

MWA・PWAの両賞を受賞したハードボイルドの秀作との評価に惹かれ、
触手が伸びました。

性倒錯者の殺人ビデオテープから犯人の正体を暴いていくプロセスや筋立てよりも、
血と暴力の国の邪悪なるものに自ら鉄槌を下す探偵マット・スカダーのけれんみの
無さが魅力です。

社会が混沌としており、事件が異常の度を増すほどに主人公スカダー対比されます。
アルコール依存症だった元警官。現在は克服しつつAA(我が国でいえば“断酒会”)
にあしげく通っている。
つまりスカダーは事件を取り巻く社会全体に、酔っていない“シラフ”であることを
著者ローレンス・ブロックは伝えたかったのでしょうか。
倒錯の舞踏Amazon書評・レビュー:倒錯の舞踏より
4576921657
No.4:
(4pt)

酒を断ち、よりタフに、自らダークな<罪>と対峙するスカダー

ローレンス・ブロックの、アメリカにおけるミステリーの最高峰、「MWA(アメリカ探偵作家クラブ)賞」’92年度ベスト・ノヴェル(最優秀長編賞)受賞作。本書は無免許の探偵<マット・スカダー>シリーズの9作目に当たり、日本では’93年、「このミステリーがすごい!」海外編第6位にランクインしている。

あるケーブルTVのプロデューサー夫妻が強盗に襲われ、妻が殺された。彼女の兄が、夫の仕業に違いないので調べてくれ、とスカダーに依頼してきた。一方、半年前、AA(アルコール中毒者自主治療協会)の仲間から、マスクをした男女が少年をいたぶって殺すシーンが映っていたビデオを借りてしまったので観てくれと言われていた。件の妻殺しの調査中に、その時のビデオに出演していた男を偶然目撃したことから物語は始まる。

個人的には<スカダー>シリーズを読んだのは、『八百万の死にざま』に次いで2作目だが、本書では、相変わらずAAの集会に参加してはいるが、すっかり酒を断ち、内面の苦悩を、酒のかわりに恋人やその他の彼を取り巻く味のある登場人物たちによって映し出し吸収してもらっているスカダーを読み取ることができる。

今回スカダーは常人の道徳観念を持たない変質的な殺人鬼と対決するのだが、法によって裁くことのできない<罪>に、自らダークに<罰>を与えようとする。

本書は、異常な犯罪が多発するニューヨークという“汚れた”大都会に生きて、虚無感や深い陰影を抱えながらも、それでもタフに“仕事”をこなすスカダーの姿を描いた逸品である。

倒錯の舞踏Amazon書評・レビュー:倒錯の舞踏より
4576921657
No.3:
(4pt)

狂気

マット・スカダーは、AA(アルコール自主治療協会)のメンバーから一本のビデオ・テープを渡される。それは彼がレンタルビデオ店から借りた映画のビデオだったが、そのテープには驚くべき事にスナッフ・ポルノがダビングされていたのだった。スカダーはその残虐な殺人シーンに映っていたラバー・マスクの男女の内の男に似た風貌の人物をプロボクシング会場の観客席で見かけた様な気がした。その時の男は少年と二人連れだった。今度はその少年が殺されるかもしれないと思ったスカダーは、警察の似顔絵描きレイ・ガリンデスに頼んで自分の目撃した男と少年の似顔絵を描いてもらい、それをコピーして街で聞き込みに歩き始める。
 
 前作「墓場への切符」で狂気の男と対決する羽目になったスカダーだったが、今作もそれを上回る狂気の敵が出現する。それも性倒錯の殺人狂の夫婦というからタチが悪い。悪者に罰を与えるという事は一体どういう意味があるのか?それも殺人という形で。重たいテーマであるがそれを一級のエンターテイメント小説として表現してしまう作者ブロックの力量が凄い。
倒錯の舞踏Amazon書評・レビュー:倒錯の舞踏より
4576921657
No.2:
(4pt)

”新”シリーズのハード・スカダー

スカダーが結婚し、ライセンスを取ったあたりから”新”シリーズかと思っている。セカンド・ステージとでも言おうか。

さて、今回の事件は、奇怪な二つの事件が収斂して行き、驚くべき結末に行き着く。複数の事件が一つになっていく手法はブロックお得意だが、次第に行動的になってきたスカダーを見ていると、何だか”スペンサー・シリーズ”をちょっと思い出して可笑しい。昔はもう少ししっとりした話が多かったものだが。
ともあれ、スカダーやいつものメンバー、そして今回初登場の人物は相変わらず素晴らしくよく描かれている。話のまとまりも見事。ファンとしては、珍しい”ハード・スカダー”を暖かく見守ろう。
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4576921657
No.1:
(4pt)

ゆるされざる者

なかなか偶然は体験したことがない。妹の死に疑問をもち、妹の夫の捜査の依頼があり、それとは別にAA集会(私は酒飲み達の集会と読んでいる)の参加者から一本のビデオテープに映ったSM殺人。スカダーがボクシング会場でなんとなく気になる親子風のおっさんと少年。それぞれが繋がっていくアンダーグラウンドの世界。現実にもあるのだろうか。最後は友人のミックとスカダーさんがこれでもかと決着つけてくれる。ほんとにこんな趣味があるのかどうか。現実でも訳のわからん事件があるからね。以前の作品でヒモしていたチャンスがアフリカの仮面美術売買で成功しているし、新しい登場人物TJが出てきて役に立つし、美人で知的なエレンとよりいいなかになるし。でもね、スカダーさん、少しコーヒーにバーボンを入れてもいいよ。読者は許可しますよ。酔っ払いでなくなっても気になるスカダーおじさんです。
倒錯の舞踏Amazon書評・レビュー:倒錯の舞踏より
4576921657

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