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照柿
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照柿の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.99pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全83件 81~83 5/5ページ
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「レディジョーカー」や「マークスの山」を読んで、筆者の人間を描く筆力に惚れた人には最高の作品!高村薫の凄さだけを煮出して結晶化させたような作品です。ミステリー(?)に「殺人」はいらない。人間を描ききっているだけでも充分、というよりそれが本質ではないか。刑事という世界の中で人を愛して苦悩する想い、工業地帯の街で暮らす中で自分を見つめる想い。暑さや寒さが文章から伝わってくるような文章力に、「合田雄一郎」の体臭があわさって圧倒的な迫力を持っている。 | ||||
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前作「マークスの山」では、群像のなかの一人にすぎなかった合田刑事が単独で登場する。工場の職人であるもうひとりの主人公は、高炉の温度を火の色合いで判断できる熟練者であるが、仕事の積み重なりから焦りの感情が生まれる。公私ともに追いつめられていく主人公と、犯罪に絡んでいると思われる人妻に異常な関心を抱く刑事・合田という図式で動いていく。東京都下と言われてきた青梅線沿線新興都市、工場地帯の乾いた空気が行間から感じられ、暗い情念が読者に迫ってくる。本作で作者は合田刑事という特異な人物像を確立した。日常に潜む非日常への移行という恐怖も描ききっている。 | ||||
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高村薫作品全てに共通しているが、女性とはとても思えない程男臭い作風。 こちらまで、脇の下にじっとり汗をかいていそうである。 しかし、不思議な事に自称、男臭い不器用な男嫌いな私でもなぜか入り込める。登場人物は、工業地帯に住んでいて、決して楽しいとはいえないけれど、平凡な生活をしている。来る日も来る日も同じ事の繰り返し。そんなある日、元彼女を秘密のアトリエにかくまう事になるが、情熱的になるわけでもない。 心は冷めているが、何かが少しずつ変わっていく。 刑事と犯人というよりも、冷めた心の中に黒い塊のような爆弾を抱えている人間達が、淡々と描写される。シリーズの中で、照柿は合田刑事が最も人間くさい。一番好きな作品です。 | ||||
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