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殺しの双曲線
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【この小説が収録されている参考書籍】
殺しの双曲線の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.70pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全37件 1~20 1/2ページ
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前評判通りすいすい読めて、構図、意図も含め流石は西村先生と言える作品でした。間違いなく永く受け継がれる代表作です。 | ||||
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西村京太郎といえばトラベルミステリーの大家ですが、こちらの殺しの双曲線はトラベルミステリーではありません。アガサクリスティーの名作そして誰もいなくなったへの挑戦という形で書かれたミステリーです。冒頭で双子を使ったトリックという、ミステリーにおけるタブーを最初に種明かししています。双子というトリックが隠されたそして誰もいなくなったを模した連続殺人事件と連続強盗事件を交互に進んでいきますが、最後に見事に2つの事件が融合します。意外な展開・結末にはミステリーファンは驚くことでしょう。西村京太郎の初期の作品として一読の価値があります。個人的にはかなり好きな作品と1つです。 | ||||
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ミステリーで1番好きかもしれない ミステリー小説で必ずと言っていいほど現れる読んでいる間に少し飽きたなーとか文字稼ぎみたいな場面を感じることなく読める。 | ||||
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西村京太郎氏の他界を知り久しぶりに本書を再び手を取りました。推理小説としてはその論理においてやや無理のある部分が散見されますが、冒頭で述べられているように、少なくとも、一卵性双生児という道具立てを以て『そして誰もいなくなった』に果敢に挑戦した点は日本の推理小説の歴史に残るものでしょう。 本書で展開される推理についてはぜひ本書をお取りいただいて堪能していただければと思いますが、一つ指摘しておきたい点は犯人の動機、敷衍しますと犯人の性格に対する本書の強い描写が、論理を以て読者に挑戦する推理小説において本書を独特の、そして、深い読後感を残すものになっています。 本書では、社会の不寛容、他者に対するある種の不親切さーー特に責任の所在が明確でない場合におけるーーに対する厳しい目線が犯人の動機になっています。道に迷って困っている人を助けないことは現在の治安、社会情勢においては必ずしも指弾されるべきものではありません。しかし、場合によっては当人の記憶に残ることすらない程度の軽い「不親切」の集合が実は巨大な悪意を生み出しかねないということが本書の中核となる問題意識となっています。 そのような集合的「不親切」に対して鉄槌を加えることが犯人の意図です。本書の犯人は、事実上、完全犯罪、少なくとも有罪となってもその罪に対して著しく軽微な罰を受ける程度で済む状況を現出させることに成功します。本書の終盤において、犯人は、この集合的な「不親切」を殺人という激烈な犯罪を持って非難し正当化します。これは復讐であるのだと。しかし、犯人は、自身の犯罪がまた、彼自身が受けた「不親切」による悲劇と同様の悲劇を引き起こしたことに悲鳴を上げ物語は幕を下ろします。 犯人にとっての義憤がまた一つ別の悲劇を生じさせるというこの主題は実に重いものです。社会の不寛容を我々は指弾することができます。しかし、我々自身は、我々自身が不寛容であることに自覚的なのでしょうか?そこには社会の不寛容を指弾することそのものが内包せざるを得ない傲慢が隠されています。 「操」という単語には決意とともに気高さという意味があります。独りよがりな気高さという傲慢に対して推理小説という手段で接近した本書は、西村京太郎氏の社会派推理小説作家としての硬骨が今なお残されています。 | ||||
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西村京太郎ものは十津川シリーズしか読んだことがなく、それも初期のものはよく話が練られていて今でも読み返すほどですが、最近の粗製乱造された作品は奥行きがまったくなくて好きではありません。本作も初期のもので、やはり面白かったです。西村京太郎は口述筆記のスタイルで作品を作ってるそうですが、このスタイルになってからたまらなく鳴ったように感じます。 | ||||
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今となっては「そして誰もいなくなった」のオマージュといえば綾辻さんの「十角館」というミステリファンが殆どでしょうが、こちらも負けず劣らずの名作と思います。 個人的にはこちらの方が好き。古い小説ですが、作者の高い筆力がしっかり楽しませてくれます | ||||
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読後にタイトルの"双曲線"という言葉に、「あー」と感嘆した。面白かった。 「犯人は誰かな」という問いは結構簡単にわかるため、星4つ。驚きの展開というよりは、絡み合った複数の話に読んで感心させられた。 | ||||
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二つのストーリーが描かれますが、不思議と違和感無く読み進められました。 | ||||
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1971年発表ですが、全く古さを感じませんでした。吹雪の山荘内で連続殺人事件が起きるのですが、それだけではなく都内で強盗事件が起きて最終的にその二つの事件は結びついていきます。山荘内の描写だけではちょっと退屈し勝ちですが、他の事件も絡めてあったので飽きませんでした。綾辻行人氏の『十角館の殺人』より先に、アガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』のオマージュ作品があったのだな。。。と思いました。 | ||||
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「そして誰もいなくなった」に挑戦した本格ミステリーという言葉に惹かれて購入しました。最初から双子のトリックを使っていますと書かれていて、実際に双子が関わる事件が起こり、別なところでクローズドサークルものの事件が起こり、それが実は関わりを持っていた。双子が事件を起こすと、そういうこともあるんだ~と、私が今まで読んだ本では扱われた事のないトリックでした。西村京太郎さんといえば、トラベルミステリーのイメージが強いけれど、(でも、名探偵なんか怖くない、とかも好きです)これはそのイメージとは全く違う本格ミステリーです。最後がう~ん・・・という気がしたけれど、引き込まれて読みました。全く関係ないことですが、やっぱり古い作品だからなのか、「一寸」という漢字が沢山出てきて、「ちょっと」と読むと思うんですけど、今はその漢字を使って書かれることはあまりないと思うので、慣れるまで一寸時間がかかりました(笑)そして誰もいなくなったでは一人殺される度にインディアン人形が1体ずつ無くなっていくのが、この作品ではボーリングのピンに見立ててあるのが、もうちょっとクローズアップして欲しかったかな。 | ||||
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最初に双子トリックがあると表記してあるので反則技はないとは思うし、まあ面白かったけど、重要人物の一人がかなり後半に出てくるため、主要トリックが分かっても「えー、あの人が!」みたいな感慨はあまりなかったなあ。 | ||||
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テレビドラマでおなじみの、「寝台特急殺人事件もの」に代表されるイメージの強い著者だが、本作は凄い、凄すぎる。 何度、丹念に読み返しても、その論理に破綻が無いし、かつ(ここが重要なポイント)、物語が面白く、ページをめくる手が震えるほどだ。 最近の何とかの一つ覚え、、「叙述トリック」とか称するものを、小手先だけで駆使して、「ど~だ、参ったか!」とかいう、推理小説クズ作家の皆さんも、これを教科書として、もう一度読むべし。 | ||||
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1971年初刊。読者を挑発する大胆不敵な宣言から始まり予測不能な展開を見せる初期西村京太郎屈指の傑作。偶然性の多用やご都合主義は散見されるが、クリスティなど黄金時代の巨匠に挑戦した情熱と何重ものツイストと起伏に富んだプロットは今読んでも素晴らしい。 アイデア豊かなアリバイトリックと作中濃厚に漂う暗い抒情が印象的な推理作家協会賞作『終着駅殺人事件』(1980年)でトラベルミステリの金脈を掘り当てる以前の西村作品は実在の薬害事件を背景とした乱歩賞受賞作『天使の傷痕』(1968年)、第二次大戦を舞台としたエスピオナージュ『D機関情報』(1969年)、抱腹絶倒のパロディ『名探偵なんか怖くない』(1971年)、鮮烈な青春ミステリ『おれたちはブルースしか歌わない』(1975年)など創意とヴァラエティに富む。テレビの2時間サスペンスのイメージに囚われず再評価されるべき存在だ。 | ||||
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とても綺麗な本でした。 良い買い物をしたと思います。 ありがとうございました。 | ||||
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西村京太郎と言われると、トラベルミステリー作家としてのイメージがあまりに強く、どうせオッサンサラリーマン向け読み捨て通俗推理作家だろうとスルーしている人も多いかと思われる。 そういう人達に是非一読頂きたいのが本作である。まだトラベルミステリー作家よりも江戸川乱歩賞作家のイメージの強かった氏が、クリスティのそして誰もいなくなった形式に挑戦した、新本格路線の代表作である。 さらに、冒頭に双子トリックを使用する旨を堂々宣言するというギミックぶり。 雪の山荘での連続殺人と東京での双子の奇妙な犯罪が平行して描かれそれらがどう最後に交わるのか。 このような発想で双子トリックを用いたのはおそらく本作が唯一ではないかと思われるほど、本作の双子というある側面を応用したトリックは秀逸であり、作品のメインテーマにもなっている。 | ||||
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本は中古でしたが、きれい・清潔・読みやすい。内容も傑作といわれただけあって面白かった。 | ||||
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中学時代に読んで衝撃を受けた。 西村京太郎氏は天才だ、と。 この作品をきっかけにファンになり他の作品も読みまくったが、氏の得意分野であるトラベルミステリーではないこの作品は傑作五指に入るに違いない。 初めにこの作品と出合ったことに感謝したい。 | ||||
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西村京太郎の小説はどれも登場人物のご都合主義的な行動が鼻につきどうも入り込めません。またトリックも論理性がないものが多いです。ただ初期の作品には実験的、挑戦的な作品のあると聞き、読んでみました。 ご都合主義は本作でもありますがかなり薄められています。小説の初めに双子のトリックであるとばらしてある点が、双子であることを利用したトリックや動機についても納得がいき、しかも大仕掛けになっており、十分満足できました。犯人が残すカードの謎めいたマークなどメイントリックを引き立たせる小道具もうまく使われており、非常に丁寧に描かれている印象を受けました。 | ||||
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今から40年以上も前に書かれた西村氏の初期作品です。 なので事件に巻き込まれるカップルが200円の定食を食べるという記述など そこかしこに時代の違いを感じる訳ですが、個人的には、 それが当時の世相、時代背景などを堪能でき面白いです。 肝心のストーリーですがこの作品のカギはズバリ、双子です。 皆さんのレビューを読んでから読みましたが、納得しました。 双子が複雑に絡み合うラストは圧巻! 氏の初期作品の傑作の一つです! (十津川警部は登場しないのでファンの私は それだけが寂しかったです。) | ||||
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マジックを成功させるコツはいかにして観客の目をそらせるか、注意をべつな場所へ向けさせるか、それが重要らしい。 この作品は冒頭で「この話のメイントリックは双生児を利用したもの」と断っており、否が応でも双子の登場人物に注意してしまう。 また「そして誰もいなくなった」の形式を模している、とも書いてある。これだけの制約を受けても、なお読者を困惑させた話であった。 思えば西村氏は「名探偵なんか怖くない」などの作品でも、誰でも知っている有名な探偵を使って話を進めていた。 作家というと、次々新しい作品を生み出すものだが、既出のものに対してこれを再び練り上げるセンスを持つ作家はそういないと思う。 | ||||
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