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殺しの双曲線



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殺しの双曲線の評価: 3.70/5点 レビュー 57件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.70pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全5件 1~5 1/1ページ
No.5:
(3pt)

今読んでも古さを感じさせないというが…

当然だが登場人物の価値観に作者の生きた時代の価値観が十二分に反映されているし、職業の呼称や男女の役割の意識など、現代の若者が現代の価値観のまま読むには辛い。
古さを感じさせないどころか、古さしか感じない。
また読点のあまりにも多すぎる文体や、言葉遣いも古臭くてとてもまともに読むことができなかった。
(女性の登場人物のセリフの語尾が「〜だワ!」など)
そういう時代の古い読み物と予め理解して読むべき作品。

ラストのシーンはとてもよかった。こういう終わり方はとても好みです。
殺しの双曲線 (講談社文庫 に 1-4)Amazon書評・レビュー:殺しの双曲線 (講談社文庫 に 1-4)より
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No.4:
(3pt)

不可解な謎の提示は魅力的だが・・・

表現や言葉遣いなどはさすがに時代を感じさせ、状況設定も現在ではまず不可能ですが、クリスティの『そして誰もいなくなった』への挑戦という気概は確かに感じられました。ただ、復讐の理由すなわちかなり引っ張ったあげく終盤で明かされる「隠された被害者たちの共通点」は、ちょっと弱すぎるというか無理がありすぎるというか、あれなら誰でもいいようなものでしたし、被害者たちもあんな胡散臭い誘いにほいほい乗っていくのか?とか、犯人としては予定外のある人物についてどうするつもりだったのか?とか、仕方が無いのですがやはりどうしても状況設定とトリックを成立させるために端々に無理が生じています。クローズド・サークルの中で次々に起こる不可解な状況とロジック展開は魅力的ですが、結局、この手のオマージュ作品を読めば読むほど、オリジナルのプロットの素晴らしさを再確認できるという皮肉な結果になってしまうのはご愛嬌ですね。
殺しの双曲線 (講談社文庫 に 1-4)Amazon書評・レビュー:殺しの双曲線 (講談社文庫 に 1-4)より
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No.3:
(3pt)

挑戦的って素晴らしい

作者の「挑戦する姿勢」が最大の魅力でした。動機や犯行方法に時代を感じて、それもまた楽しかったです。
殺しの双曲線 (講談社文庫 に 1-4)Amazon書評・レビュー:殺しの双曲線 (講談社文庫 に 1-4)より
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No.2:
(3pt)

登場人物の描き方が今ひとつ

連続強盗事件と連続殺人事件の2つの異なる事件が並行して描かれ、そのどちらも大変面白く、あっという間にのめり込んでしまいました。
さらにその2つの事件が絡み合ってくるとドキドキが止まらず、夢中になって読みました。

しかし読み進めていくと、警察の頭が悪すぎて、だんだん白けてきます。
読者と同じ推理する側なので、一番感情移入しやすい人達なのに、主観の入った明らかにおかしい断定が多くてびっくりします。
そして後になって間違いだったと彼らが知る度に、読者の私が何故かとても恥ずかしい気持ちになりました…。

連続殺人事件は大筋の説明はあったものの、犯人がどんな気持ちで、どう立ち回って実行に移したのか、詳しい事が分からないまま終わってしまったのが非常に残念でした。
頭の悪い警察の「きっと○○したんだろう」という説明だけで終わっている部分もあります。
犯人視点でそれらを描いてくれれば良かったのですが…。

全体的に登場人物の描き方が今ひとつだからか感情移入しづらく、緊張感や焦燥感、恐怖心といったものが伝わってきません。
それらがきっちり描かれていた「そして誰もいなくなった」には遠く及ばす、同じくオマージュの「十角館の殺人」の方が色々と納得のいく作品でした。

ただ、2つの事件の見せ方と絡ませ方は本当に見事で、中盤までは夢中になるほど楽しめましたので、読んで決して損はしない作品です。
殺しの双曲線 (講談社文庫 に 1-4)Amazon書評・レビュー:殺しの双曲線 (講談社文庫 に 1-4)より
406136135X
No.1:
(3pt)

画竜点睛を欠く

文体はとても読みやすく、スラスラと読み進めていけて、快適だった。人物描写もわかりやすく、いちいち「ん?この人は誰だっけ?」とページをめくり戻して確認するような手間は必要なかった。

双子を使ったトリックも「なるほど」と興味深いものがあった。(これはネタバレにはならない。なにしろ、冒頭に作者本人から『このトリックには双子であることが使われている』と宣言されているのだから。)

そういった読みやすさや、壮大な仕掛けには感心させられた。

だが、納得のいくものではなかったし、ましてやアガサクリスティーの『そして誰もいなくなった』へのオマージュと呼ぶには、いささか頼りなかった。

というのは、雪山山荘で起こる連続殺人事件の詳細な真相が明かされないからである。

真犯人が誰かあるか判明しても、その人物がいったい、どうやって、あの限られた時間と空間のなかで、そうとバレずに、次々とあのような惨殺を果たすことができたのか?しかも、全員が死亡するまでどうやってそれを隠せ通せたのか?

納得のいく合理的な説明がないし、そもそもそういった解説が描かれていないのだ。

双子を利用した壮大なトリックを披露したいあまりに、連続殺人事件そのものについての解説がほぼすべて抜け落ちてしまっている。「いったいどんなふうにして、犯人はあの山荘をうまく立ち回ってこれだけの殺害をやり通せたのだろう?」というこちらの疑問と好奇心は、満たされぬまま物語は幕を閉じてしまったのである。

巨大な伏線の回収に失敗した、と言わざるを得ない。

全体的に読みやすく、嫌味のない文章であるだけに、とても惜しい。
殺しの双曲線 (講談社文庫 に 1-4)Amazon書評・レビュー:殺しの双曲線 (講談社文庫 に 1-4)より
406136135X

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