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暗殺のジャムセッション



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【この小説が収録されている参考書籍】
暗殺のジャムセッション (ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1827)

暗殺のジャムセッションの評価: 8.00/10点 レビュー 1件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
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(8pt)

「冷戦交換ゲーム」の続編だが、国際謀略小説というよりノワールだ

ロス・トーマスのデビュー作「冷戦交換ゲーム」の続編として1967年に刊行されながら、なぜか邦訳が2009年という、いわば幻の傑作。とはいえ、冷戦期のスパイゲームというより、クセのある人物が金を動機に非情な争いを繰り広げるノワール・エンターテイメントである。
ワシントンに戻り「マックの店」を再開したマッコークルの元に、ベルリン時代からの相棒・パディロが転がり込んでくる。ライン川に落ちて亡くなったはずのパディロだが、西アフリカで生き延びて今回、アメリカに戻ったところでトラブルに遭い負傷したという。しかも、パディロが原因でマックの愛妻・フレドルが誘拐され、犯人はパディロに依頼を引き受けるように強要する手紙を残していた。その依頼とはアフリカの某国の政府筋からの「自国の首相を暗殺しろ」というものだった。パディロはもちろん、怒りに駆られたマックも力を合わせ、フレドル奪還のために手持ちのコネをフルに使って動き出す・・・。
物語の本筋はフレドルを助け出すためのマックとパディロのサスペンス・アクションだが、周囲を固める登場人物が曲者揃いで、隙あらば仲間であろうとも出し抜こうとするところは、後年の「五百万ドルの迷宮」などに通じるコン・ゲーム的である。主役の二人はもちろん、仲間となるギャングたちの会話やアクションがいかにも60年代のハードボイルド・テイストで楽しめる。
ロス・トーマスのファン、60年代のハードボイルドのファンにオススメする。

iisan
927253Y1

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