女刑事の死
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点6.50pt |
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ロス・トーマスが日本で人気を博するきっかけとなった1984年の作品。生まれ育った町の刑事だった妹の爆殺事件の真相を求めて兄が地元の闇を探っていく、エドガー賞長編賞にふさわしいハードボイルド・ミステリーである。 | ||||
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作家本人だけが悦に入っている凡作でした。これがアメリカでミステリー界の大きな賞を獲得したのだから当時のアメリカのミステリー界がいかに貧困であったのかわかります。兄と妹のつながりも描写が希薄でした。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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米国の田舎町で、ある女刑事が爆殺される。それを知った兄のディルは故郷に帰って事件の真相を探る。 ディル自身もワシントンで政治がらみの仕事をしており、上司である上院議員よりディルの故郷で、ある男の 供述書を取るように指示される。自分の妹の死と、自分がワシントンで扱っている事件。何の関係もなさそう だが、事件の真相を探るうちにまた死人が何人か出てくる。アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長編賞受賞作 である。さすがと思わせる作品だ。筋は入り組んでいるが、まさにコン・ゲームのように騙し、騙され合いの 世界だ。著者のロス・トーマスのことを「通好みの作家」と表紙に書かれているが、こんな立派なミステリーを「通」しか読まないなんて。それでもやはりロス・トーマスは日本では「通」しか読まないらしくて、なかなか作品が見つからない。 先日「愚者の街」を読んで面白いと思った私はやはり「好事家」なのか。しかし、年末のベストミステリー選びで ロス・トーマスの小説が上位に入るくらいでないと日本のミステリーのレベルは推して知るべしというところか。このロス・トーマスの作品をもっと翻訳・発刊して欲しいと思う「通」の皆さん、もっと声をあげましょう。 | ||||
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妹を爆殺された兄貴が故郷に舞い戻り血の雨を降らすかと思いきや全然違っていました。妹のことは忘れたのかと思わせる飄々とした態度、読んだことがない独特なセリフ廻し。いやー素晴らしいほれぼれします。全編ほぼセリフと情景描写のみ。 | ||||
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E.マクベイン「クレアが死んでいる」が念頭にあったので、題名から、同僚の女刑事の死に怒った刑事連中がカーッとなって熱く捜査を展開する進行を予想していたのだが、まるで肌触りの異なる物語だった。むしろ、爆死した女刑事フェリシティの兄で、ワシントンで上院調査委員顧問を務めるベンの視点で、故郷の街、自身や妹の人間関係や信条、そして権力と悪の駆け引き等をじっくりと描いた作品である。ベンが街や旧友に対して複雑な思いを抱いている事が伝わって来るし、愛する妹の悲劇に際しても洞察力・冷徹さを失わない男である事も良く窺える。これらを説明的な文章で示すのではなく、流れに沿った会話や行動、あるいは風景描写で表現している所に作者の力量が感じられる。各場面が活き活きと描かれているのである。 フェリシティの死の謎を巡るミステリというよりは、金と名誉に関する様々な思惑が渦巻く大きな構図の中で、ベンが己の信念と知略に基づいて行動する様をストイックに描いた作品と言えよう。終盤は一種のコンゲームとも言え、スリルと迫力がある。上記の権謀術策の被害者がフェリシティであるが、冒頭と結末だけに彼女を登場させる趣向も洒落ている。もう少しミステリ的要素があった方がとも思うが、それよりも重厚さと読み応えを狙った作品なのであろう。 | ||||
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アメリカにおけるミステリーの最高峰、「MWA(アメリカ探偵作家クラブ)賞」の’85年度ベスト・ノヴェル(最優秀長編賞)受賞作。 ある女性刑事が、車に乗りこんでイグニションにキーを差しこみ、クラッチをふんだ瞬間、爆発が起きて彼女は即死した。28才の誕生日だった。報せを受けた唯一の肉親、10才年上の兄ベン・ディルは、ワシントンから猛暑の南部の故郷へ帰る。非業の死をとげた妹の事件の真相を解明したいのだが、彼は同時にアメリカ上院調査監視分科委員会の顧問という身分で、若い上院議員と委員会の野党法律顧問からの密命も受けていた。それはその地に暮らすベンの旧友であり、かつ武器の売買で財を成したジェイクに接触し、同業で逃亡中のクライドの動向を探るというものだった。 同時進行で行動するベンの前に、妹の美貌の弁護士アンナが現れ、そして妹の分不相応な暮らしとベンを受取人として妹がかけた多額の生命保険が明らかになる。一介の女性刑事の身でどうやって金を工面していたのか、そうしている間にも妹に関係する者たちが、殺害されてゆく。謎は深まるばかりだ・・・。果たして妹は誰に何のために殺されたのか。ジェイクとクライドに対する彼の任務の行く末は・・・。またベンとアンナの恋の顛末は・・・。 本書は、幾重にも重なったプロットと、多彩な登場人物たちが織りなす複雑な駆け引きが、ベンを中心として、感情を排した乾いた文体で進行してゆく。ロス・トーマスは通好みの作家として支持を得ているとのことだが、本書はなるほどエドガー賞受賞に値する、大人のハードボイルド・サスペンスだと思った。 | ||||
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アメリカにおけるミステリーの最高峰、「MWA(アメリカ探偵作家クラブ)賞」の’85年度ベスト・ノヴェル(最優秀長編賞)受賞作。 ある女性刑事が、車に乗りこんでイグニションにキーを差しこみ、クラッチをふんだ瞬間、爆発が起きて彼女は即死した。28才の誕生日だった。報せを受けた唯一の肉親、10才年上の兄ベン・ディルは、ワシントンから猛暑の南部の故郷へ帰る。非業の死をとげた妹の事件の真相を解明したいのだが、彼は同時にアメリカ上院調査監視分科委員会の顧問という身分で、若い上院議員と委員会の野党法律顧問からの密命も受けていた。それはその地に暮らすベンの旧友であり、かつ武器の売買で財を成したジェイクに接触し、同業で逃亡中のクライドの動向を探るというものだった。 同時進行で行動するベンの前に、妹の美貌の弁護士アンナが現れ、そして妹の分不相応な暮らしとベンを受取人として妹がかけた多額の生命保険が明らかになる。一介の女性刑事の身でどうやって金を工面していたのか、そうしている間にも妹に関係する者たちが、殺害されてゆく。謎は深まるばかりだ・・・。果たして妹は誰に何のために殺されたのか。ジェイクとクライドに対する彼の任務の行く末は・・・。またベンとアンナの恋の顛末は・・・。 本書は、幾重にも重なったプロットと、多彩な登場人物たちが織りなす複雑な駆け引きが、ベンを中心として、感情を排した乾いた文体で進行してゆく。ロス・トーマスは通好みの作家として支持を得ているとのことだが、本書はなるほどエドガー賞受賞に値する、大人のハードボイルド・サスペンスだと思った。 | ||||
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