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陽気な容疑者たち



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陽気な容疑者たちの評価: 6.50/10点 レビュー 2件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.50pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全2件 1~2 1/1ページ
No.2:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

人情物として読みたい

天藤真氏の長編デビュー作である「陽気な容疑者たち」。倒叙作品かと勘違いしていましたが全く違いました。
この作品は被害者の悪党っぷりを描くことに情熱を注いでいるので、被害者の辰造に殺人の動機を持つ可能性のある人々に感情移入させられました。
非道な人物描写もありながらも、天藤作品らしいユーモア溢れる軽やかさも兼ね備えていました。

本格ミステリの作品であると著者自身が明言している作品でもありますが、問題の屋敷がイメージしにくい。トリックもあまり現実的でないようにも思います。
本格派というよりは、人情物では一級の作品であり、そのように楽しむのがオススメです。

▼以下、ネタバレ感想

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陰気な私は地球を回さない
L1K3MG03
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

作者の人柄が既にデビュー作に表れている。

不朽の名作『大誘拐』の作者のなんと江戸川乱歩賞応募作である。文章を見るにデビュー作とは思えないほど卓越した力があり、その老成振りは現在、数多デビューを飾る新人達と比べると隔世の感がある。

鉄工所の社長が密室の中で殺害されるという純本格的なシチュエーションで始まる本書は終始殺人事件とは一線を画した農村の和やかなムードで進み、解決に至る終章もまたそのムードを一貫して結ばれる。応募作にて既に作者特有の温かみが溢れているのである。短編集『遠きに目ありて』中の1編にもやむにやまれない殺人を扱った物があったが、原点である本書も正にそのテーマが通底している。

何せ、登場人物が憎めないのが作者の特徴、というか美点であり本書もその例に漏れない。
正に「容疑者達、万歳!!」である。


▼以下、ネタバレ感想

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Tetchy
WHOKS60S

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