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罰と罪



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罰と罪の評価: 9.00/10点 レビュー 1件。 -ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点9.00pt

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No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

同時代性をひしひしと感じる、静かで熱い韓国社会の歪み

韓国文芸界の第一線で活躍するジャーナリスト出身の文芸作家の初の警察ミステリー。22年前の未解決事件捜査をテーマに現代社会の歪みと倫理と道徳を冷徹に見つめた社会派ミステリーである。
ソウル警察庁の新米刑事・ジヘはチーム班長から22年前の女子大生殺害事件が未解決のままであり、再捜査してみる気があるかを問われる。被害者のマンションの防犯カメラには犯人らしき男の画像が残され、遺体からはDNAも検出されたのに、なぜ犯人は見つからないのか。班長、先輩刑事と共に再捜査を始めたジヘは22年前の関係者を地道に訪ね歩くのだが、眼を引く美貌、奔放な性格、経済的な豊かさを備えていた被害者・ソリムの周りには数え切れないほどの怪しい人物がいた…。
刑事・ジヘの捜査と交互に語られるのが、ドストエフスキーに感化された犯人の人間と殺人に対する哲学で、その対比がスリリング。派手なアクションはないが、じわじわと盛り上がるサスペンスはリアリティがある。韓国の警察組織と刑事が抱える悩みは、現在の日本と通じるものがあり、その点でも興味深い。また、随所に挿入されるユーモラスなエピソードも良い味付けとなっている。
重いテーマをスリリングに軽やかに仕上げた、傑作警察小説として、多くの方にオススメしたい。

iisan
927253Y1

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