西遊記事変
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原題は「太白金星有点煩(太白金星の厄介ごと…とでも訳せばいいのかな?間違ってたらスミマセン)」 その原題通り、主人公がなんと金星おじいちゃんで、彼の視点(主観)で西遊記という物語を追いかける形になってます。文章はたいへん読みやすく、しかも難解気味な固有名詞や単語にはフリガナどころか細かな注釈までいちいち載っていて、西遊記世界観の下敷き知識がぜんぜんなくても理解できるようになってます。 原典好きなわたしとしては、さすが本場大陸の方が書かれただけあって詳細描写がとにかくすばらしいし、諺とか漢詩がことあるごとにでてきたりするのも好きだし、この辺は文化の違い、やっぱこれは日本人に書けないだろうなと感じ入りました。 金星おじいちゃんは裏方からお役人仕事として上(天庭)から「三蔵法師の西天取経達成」のためのアレコレを采配します。具体的にはどこそこの山で妖怪3匹雇って台本渡しましたとか、どこそこの街でこんな劫難(乗り越えることによって徳があがる)を用意しましたとかそういうのです。 しかしこの三蔵法師の取経の旅。西天・霊鷲山からも同じ目的で監督・采配役として観音菩薩さまが派遣されており(文中では観音大士、原典西遊記の中でも明言されてるとおり、ここの観音さまは完全に「女性」です)、 実際に采配するにあたって金星おじいちゃんと観音さまが腹のさぐりあいしながらお互いの上司の思惑や立場も考慮しつつバチバチやりあうのです。 このふたりが、それぞれの上司やら部下やら同僚やらに挟まれめっちゃくちゃ中間管理職のつらたんな状況に陥りながらだんだん仲良しになるあたり、サラリーマン悲劇あるあるな感じで同情を禁じ得ないのですが、もっと過酷な運命を負っているのが「孫悟空」の存在です。 ネタバレはしたくないので細かい言及は避けますが、この「太白金星からみた裏方仕事の西遊記」は、一部の特定のキャラに関しては、否、下手をするとどのキャラもすべて、原典のイメージとは大分剥離するかもしれない、ということは言っておきます。もちろん、どんなイメージであっても、そもそもこれは「二次創作」だと割り切れるのであればものすごく楽しめると思います。 ぜひ最後まで読んで、さまざまな謎を解き終える結末をじわ~っと味わってほしいです。 ちなみに、わたしは「原典!の」孫悟空が最推しですが、この太白金星西遊記の孫悟空はある意味とてもしっくりきたので大変楽しめました。(推せるかというとちょっと微妙ですがこれもこれとして、愛すべき「孫悟空」のひとり、となりました) ので、最初kindle版でざっと読んだのですがじっくりこまごま読み返したくて紙の本を買いなおしました。 | ||||
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この話は西遊記の旅で三蔵一行に苦難を与える役目を担った金星の仙人の主人公が、自分より遙かに上の立場の仙人や仏達にあれこれと注文をつけられたり彼らの都合を加味しながら苦難を決めなくてはならなかったり散々苦労する話です。非常にコメディタッチに書かれていて読みやすくて楽しめます。またヒロイン的立場(?)にいる観音菩薩(本作では完全に女性)が喜怒哀楽が激しいとても仏とは思えないキャラクターで、最初は嫌な人でしたが途中からは主人公を助けてくれる魅力的な人物になります。 後半からはミステリー色が強くなり、孫悟空が仙人界で起こした事件が実は濡れ衣だった?という話も出てきます。作者あとがきにもありますが、後半はやや駆け足になっている所が欠点ですが非常に楽しめるので是非読むことをオススメします。 ただし、その前に原作西遊記読んでください。その方が楽しめます。 | ||||
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誰でも知っている『西遊記』をネタにして、ここまで面白いストーリーを作れるとは、さすがは昨年のベストミステリー『両京十五日』の著者だ。もちろんオリジナルの『西遊記』をちゃんと読んでいなくても充分楽しめるが、読了後にあらためてオリジナルを読んでみたくもなる。あれ全部読むのはタイヘンだけど。 | ||||
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前作『両京十五日』が面白かったので新作が出たら読もうと決めてました。 内容が発表されて西遊記…?読めるかなと不安でしたが無料サンプルを読んで話についていけそう だったので購入。 読み切って余韻に浸りながら思うのは、西遊記の細かい知識があったなら更に楽しめた ということです。ただ元ネタの知識がなくともミステリーの部分は理解できましたし 前作同様、人名が総ルビでこれが本当に読みやすい!大人向けの小説で「孫悟空」も「観音」も 全ページの全登場箇所にルビがふってあるので、冷静になるとちょっと面白いですが、 おかげさまで一日でサクッと読めました。 | ||||
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