(短編集)

時間移民 劉慈欣短篇集2



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    初公開日(参考)2024年12月
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    時間移民 劉慈欣短篇集Ⅱ

    2024年12月18日 時間移民 劉慈欣短篇集Ⅱ

    環境悪化と人口増加のため、政府はやむなく“時間移民”を決断。全世界に建設された200棟の冷凍倉庫に眠る合計8000万人の移民を率いて、大使は未来へと旅立つ……。表題作「時間移民」のほか、宇宙からやってきた“音楽家”が国連本部前のコンサートに飛び入り参加して太陽を奏でる「歓喜の歌」、『三体』でも活躍した天才物理学者・丁儀がクォーク分割に挑む「ミクロの果て」、すべてを見通しているかのような男に警察が翻弄される銀河賞受賞作「鏡」、太陽系の果てへとひとり漂流する少女を全人類がネット経由で見守る「フィールズ・オブ・ゴールド」など全13篇を収録する、劉慈欣の傑作短篇集。(「BOOK」データベースより)




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    ※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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    No.6:
    (5pt)

    古さを感じさせない内容だが00年代前半に書かれた作品が多い

    時間移民…100、500、1000、しまいには10000年先まで冬眠しながら一方通行の旅。
    人類は大戦で荒れたりサイバネ不老不死になったり電子化を経て量子コンピュータに収納されたあと、意味喪失を遂げて消滅していた。残ったものは再生した大自然。

    思索者…脳内のニューロン間のパルスと恒星同士のまたたき連鎖反応がよく似ているという話。
    宇宙は思考しているか夢を見ている。

    夢の海…地球上すべての海水が20万個の氷のブロックにされて衛星化されてしまう。
    神に等しい力を持ち、宇宙を放浪している即興ゲリラ的なやりっぱなし芸術家の仕業だった。
    破滅的な水不足が訪れ、泥臭い地道な作業で一個ずつ地球へ落とす。
    危機はともかく対策に驚きのアイデアは無かった。

    歓喜の歌…これも低温アーティスト同様、個を失って一体となった文明の最終形態としての神のような音楽家が突如訪れる。厚みのない真っ平らな鏡に地球がくっきり映る。

    ミクロの果て…クオークをさらに破壊すると宇宙が白黒反転する。もう一度同じことをすると元に戻る。

    宇宙収縮…物質と空間と時間はセットなので、宇宙が膨張から収縮に転じるとすべての事象が正確に逆再生される。

    二つの祝日…シンギュラリティ(電脳化+量子コンピュータへの収納)に肯定的あるいはそれありきの未来を描くケンリュウに対して劉は唯物主義というか、量子幽霊は出しても量子虚構世界には否定的なのか。

    全帯域電波妨害…太陽を使った長時間広範囲のEMPを生み出す。やたら力作な戦争アクションだが「超新星紀元」の戦争ゲームみたいにどこか迫力がない。極めてシンプルに数式化できる天体である恒星の魅力が中心テーマ。
    「ロシア共産党」政権だったりポーランドが同盟国だったりする奇妙な世界線。

    天使時代…架空のアフリカ国ソンビア(ソマリア+ザンビア?海があるから前者がメインイメージか)が改造人間を生み出し、米空母が苦闘の末沈没する。

    運命…宇宙観光でワームホールに落ちたあと無自覚に6500万年前の地球を救ったが恐竜が滅びなくなり世界を大改変してしまう。

    鏡…風変わりな政治スリラー。
    11次元にアクセスし無限の演算力を持った全宇宙全原子シミュレーターで人工的なラプラスの魔を生み出して決定論的な世界を観測する。
    プライバシーが完全にゼロで何も隠せなくなった世界は活力を失うが3万年も存続する。
    腐敗した汚職長官も観念して潔い最期を遂げる。
    時間移民 劉慈欣短篇集ⅡAmazon書評・レビュー:時間移民 劉慈欣短篇集Ⅱより
    4152103876
    No.5:
    (5pt)

    『三体』を読んだ方にも、まだの方にも。

    『三体』とは違い短編のオムニバス。しかし、想像を遥かに超えた未来への時間移動や、地球の海をすべて凍らせる宇宙人の存在など、世界観は壮大だ。
    劉作品の主題は時に、身の毛がよだつほど恐ろしい。本作で個人的に一番怖かったのは「鏡」。一番刺さったのは「朝に道を聞かば」。
    しかし行間から滲み出る作者の、人間(生命)に対する畏敬と慈愛の念は、読者を深い感動に導く。
    まだまだ読みたい劉慈欣作品。現在執筆中だという長篇作品を心待ちにしている。
    時間移民 劉慈欣短篇集ⅡAmazon書評・レビュー:時間移民 劉慈欣短篇集Ⅱより
    4152103876
    No.4:
    (5pt)

    これだけレベルが高いと落穂拾いとは言えない

    本作は、日本で出版される作者4冊目の短編集。収録作は13篇で、解説によると初期(1985年)の作品から最新(2017年)の作品まで、これまでに翻訳・出版された3冊の短編集に入らなかったすべての短編作品が収録されている。
     普通、この手の作品集は人気作家の落穂拾いのようなもので、よほどのマニアか通人、または研究者以外あまり期待するものではなかったりもするのだが、さすが劉慈欣というべきか、残念と思うような作品はない。どの作品も、これは!と思う特徴があり、これまでに読んだことのない短編を読みたいという読者だけでなく、劉慈欣とはどのような作品を書く作家なのかと考える人にとっても意味がある作品集だと思う。

     初期の作品はワンアイデアの短いものが多く、英米SFの影響を大きく受けていることがはっきり分かるが、単なるコピーではなく独自のアイデアが追加されている。その後、新しい作品になるに従って独自のアイデアや展開が見えてくる。中には、後に書かれた長編の原点ではないかと思われるような作品も何点かある。また、テーマやスタイルの変化も見られる。巻末の解説に収録作品の脱稿日と収録された雑誌等が明記されているので、順番に並べるとさまざまなことが見えて面白い。

     以下、収録順に作品の感想など(ネタバレは避けたつもり)

    時間移民  表題作  (原稿用紙換算で)約40枚
     政府は、環境と人口の圧力により8千万人を《時間移民》として未来に送ることに決定する。移民距離(期間)は120年。冷凍倉庫を全世界に合計200箇所設置しそれぞれ40万人を収容する。移民団代表として一人の大使が任命される。誰もが抱く懸念が現実となった時、大使の決断は何を招くのだろう・・・
     まるで借金の先送り。誰が喜んで受け入れるのだろうかと思っていたが、作者が書きたかったのは、そういう話ではないらしい。本篇を本書の表題作にしたのはタイトルのインパクトだと思うが、作品としては表題作にふさわしいとは思わない。
     疑問点。 計画が世界規模なので当然世界政府が成立しているのだと思っていたが、どうやらそうではないらしい。だとしたら移民団と移民団代表も国単位なのかな?

    思索者  約40枚
     34年前、主人公は脳外科の研修医だった。思雲山天文台で発生した急患の治療に従事した後、何気なく入った夜の観測ドームで恒星のシンチレーションを観測している一人の若い女性研究者と出会う。彼女は人生をかけて宇宙を理解しようとしていた・・・
     後の長編『球状閃電』、『三体』にも繋がる人物の配置。下書きとも言えるような構成。インフレーション宇宙論を前提とした骨太の設定。劉慈欣は、小松左京のエネルギー(パワー)と梶尾真治のナイーブさ(繊細さ)を持っているようだ。アイデアとテーマを語る時には小松のように、また、ロマンを語る時にはカジシンのように。

    夢の海  約90枚
     松花江で開催されている〈氷と雪の芸術祭〉に、上空から低温アーティストと自称する存在が降りてくる。それは神にも例えられるような超越的な力を持っていたが、ただ芸術性だけしか評価基準を持たない地球外知的存在だった・・・
     本篇は、過去に読んだ劉慈欣のいくつかの作品とよく似ている。前半と後半で全く異なるテーマを語る構成、後半で描かれる壮大なイメージは「詩雲」や「円円のシャボン玉」などでもおなじみ。
     前半と後半の組み合わせ、対比の妙も作者の特徴だろう。本篇で言えば前半で描かれる芸術の壮大な美しさと悲劇との対比。そして、前半の芸術論と後半の技術論の対比。主人公との芸術論争は、藤田和日郎の「双亡亭壊すべし」みたいだ。全体の雰囲気として小松左京の「日本売ります」を思い出した。
     「芸術は文明が存在する唯一の理由だ」

    歓喜の歌  約80枚
     常任理事国の専横に絶望する加盟国は国連の意義を見失い、遂に国連は廃止を結論する。最後の国連総会では、その最後に本部ビルの外の芝生でコンサートが開催されることになっていたが、その上空に巨大な鏡が出現する・・・
     まったく異質なアイデアとテーマの結びつき。「郷村教師」か「中国太陽」みたいな組み合わせ。クライマックスは理想主義的過ぎてご都合主義な感じはするが、ぶっ飛んだアイデアを評価したい。
     解説によると、本篇は初稿から第二稿まで5年間寝かせている。初稿は物にならないとあきらめていたのが、5年後に何らかのアイデアを得て書き直したのか。それとも何か特別な事情があったのか?ともあれ、完成させることに苦しんだ作品だったのだろうと想像する。

    ミクロの果て  約20枚
     ロプノールの東に位置する原子力センターの地下に設置された巨大な粒子加速器で人類はクォークの分割に挑もうとしていた・・・
     もう一つの商業誌デビュー作、アイデア小説。劉慈欣がクラークに傾倒していることを示す短編でもある。本篇にも主役の一人として中国人の物理学者、丁儀(ディン・イー)が登場する。

    宇宙収縮  約30枚
     宇宙収縮は午前1時24分17秒に起こる。その瞬間を放映するため、国立天文台の大ホールには、静止衛星軌道上にある宇宙望遠鏡からの映像を受信して公開するための大スクリーンが準備されていた・・・
     作者が22歳の時のアイデア小説。理論物理学者“丁儀”が登場する。作者はこの頃から“丁儀”という特異なキャラクターの科学者を主人公に据えていたことになる。性格は『三体』でもほとんど変わっていないことを見れば、その造形が作家本人と密接に関係していることは必然だと思う。

    朝(あした)に道を聞かば  約80枚
     丁儀(ディン・イー)は、地球を一周する加速器を完成させるが、最大出力の衝突実験が計画されていたその日の朝、突然施設が消失してしまう。とまどう丁儀たちの前に自ら“リスク排除官”だと名乗る男が現れ、今回の実験で発生するエネルギーはビッグバン時のそれに近く、この宇宙が真空崩壊する可能性があるので、施設を消滅させたと言う・・・
     たまたま先日読んだイーガンの「プランク・ダイブ(1998年)」が本篇と同じテーマに触れていた。有名な短編なので、作者も読んでいるのではないかと思う。ただ、イーガンの作品の主題は別にあったが、本篇は生真面目なまでにそのテーマを主題として追及している。このような主題を掲げたSFは、1970年代以降、英語圏や日本では冗談小説かパロディ以外では目にすることがなくなったように思う。それを大真面目に描いてしまうところが作者の力業であり真骨頂なのだが、それはまた同時に、中国SF界の若さと勢いを示しているのだと思う。

    共存できない二つの祝日  約20枚
     1961年4月12日、バイコヌール宇宙基地。人類初の有人宇宙ロケットの発射を見守っていたセルゲイ・コロリョフのところに一人の男が祝福の言葉をかける。彼は冗談だと言いながら、自分は宇宙人で地球の重要な祝日を決めるためにやって来たのだが、今日こそがその日になりそうだと語る・・・
     ワンアイデアの短い作品だが、本書の中でも一番新しい作品。ボストーク1号の打ち上げについて宇宙飛行士であるガガーリン少佐ではなく、コロリョフという設計技師を取り上げているのが目新しい。これは作者自身が技術者であることと関係しているのかもしれない。
     ディストピア小説かな?作者の作風が初期のオプティミスティックな作風から、ペシミスティックなものに変わってきているように思えるのは、作者の年齢の影響か?それとも、中国社会そのものの反映なのか?
     従来、この手の話は核兵器の開発によって終わるのが一般的だったが、この発想は新しい。ポスト現代的と言えるかも。

    全体域電波妨害  約135枚
     1月5日、NATO軍の戦車隊がスモレンスクの前線を突破。カリナ少佐のサイバー電子戦小隊は壊滅、少佐は一人生き残り、撤退する。同じ日、ロシアの超大型モジュラー宇宙ステーション〈永遠の雪嵐〉は、太陽研究者のミーシャ一人を乗せて太陽から5千万km、地球から1億kmの水星軌道まで退避していた・・・
     科学者と軍に所属する女性技術者を主人公とする軍事小説なので、『球状閃電』との関連を想像する。作者の得意分野なのだろうか。本篇はロシアを舞台として描いているが、解説によると最初にネットで発表された時には中国を舞台としていたそうなので、ますます『球状閃電』に近い。戦争の原因が描かれていないが、気になる。

    天使時代  約90枚
     デビュー前に書かれていた作品。国連生物安全保障理事会第119回定期会議はソンビアからの申請に基づき、同国の遺伝子工学プロジェクトの結果を評価することになっていた。説明者はソンビアの出身、遺伝子ソフトウェア工学の創始者でノーベル賞受賞歴を持つイータ博士。博士はソンビアの旱魃による危機的な飢餓に対処するために遺伝子の改良を行ってきたと説明する・・・
     タイトルから予想される雰囲気とは全然違っていた。意外感があるが、冒頭の描写からするとそれほど意外ではないかも。ファンタジーではなく、作者らしいSFだから当然か。黙示録小説。本篇では世界全体が敵となるが、現実では、もしかしたら西洋とそれ以外、また、キリスト教世界とそれ以外の世界では考え方や対応が違うかもしれないと考えたりする。

    運命  約30枚
     ぼくたちは旧式の宇宙船を借りて地球近傍をのんびり観光していたが、通信機が不調になっている時、偶然、地球に接近する小惑星を発見する・・・
     初期に発表されたワンアイデアのショート・ストーリー。予想外の展開に驚く。基本はワンアイデアだけど整理してみると結構たくさんのアイデアが詰め込まれている。いくら何でもそれはあり得ないだろという設定と展開だが、面白いのは面白い。長篇『白亜紀往時』の原点とも考えられる。

    鏡  約160枚
     二級警監の陳継鋒(チェン・ジーフォン)は部下と共に宋誠(ソン・チェン)の捜査を進めていたが、何者かに妨害されていた。そいつは陳継鋒の行動を常に見張っているだけでなく、その行動を完璧に予測しているようだった・・・
     作者の新しい境地を切り開いたような作品。それまでの科学に特化したアイデア小説から、社会問題への関心を広げて、読者層の拡大を狙ったのか?その意味では『三体』に繋がる大きな一歩なのかもしれない。
     最初は訳が分からないまま読み進めるが、次第に状況が分かってきて、最後には結構圧倒される。そんな馬鹿なことが、と思いつつ、物語の中でのストーリーの整合性は取れているようで納得する。本篇は、過去の有名な作品のアイデアを最新の科学技術を使って書き換えたアップデート版だが、そのアイデアを使って、建前を優先して人間という存在の複雑さを無視した社会の画一化は文明の衰退を招くという警告を盛り込んだ風刺的作品となっている。
     本篇には、さらにもう一つ大きな特徴があることに気付いたがネタバレになるので、最後に別書きします。

    フィールズ・オブ・ゴールド  約50枚  現時点での最新作。
     イーロン・マスクかジェフ・ペゾスのように宇宙開発に熱心だった父親が不慮の事故で亡くなったため、その一人娘が父の遺志を継いで大型宇宙船〈フィールズ・オブ・ゴールド〉号で試験航宙に出るが、燃焼装置の暴走で帰還困難になる。宇宙船は大容量のネットワーク回線に繋がっていたので、多くの人々がVRで彼女の元を訪れ、彼女に寄り添う。あらゆる救助方法が試みられるが、既存の技術では救助はおぼつかない・・・
     初期の短編「彼女の眼を連れて(1999年)」と同系統の“切ない系”の物語・・・だと思っていたが、読み終わってから考えると、これはティプトリーだなと思えてきた。ティプトリーの中編「たおやかな狂える手に(1981年)」が、切実な宇宙への憧れを凄絶に描いているのに比べると相当にマイルドだけど、昔夢見ていたようには進まない宇宙開発の停滞に対するいら立ちを故事に託して訴えた作品だと解釈できるのではないだろうか。
     40年ほど前、火星の運河の話から、フェイク・ニュースをでっち上げて停滞している宇宙開発を活性化させようと企むのはSFのネタになるだろうかと考えたことがあったが、当時でさえ、情報過多の現代では科学的な発見と冗談交じりの意図的なフェイク・ニュースが混在しているので、今更この手のネタでSFは書けないよなあと思っていたが、本篇はその固定概念を突破している。厳密に考えれば合理性に欠けることは明らかだが、あえてそれを書き通して強引に成り立たせるところに『三体』に通じる作者らしい剛腕が見られる。

    付記、「鏡」についてのネタバレ
     本篇について、上記では最新の科学技術を使って書き換えたと書いたが、意図的に量子論を無視して古典的な決定論に従った物語を作り上げている。劉慈欣って、こんな強引な書き方を採用するのかと驚愕する。その破天荒さが少しずつ分かってきた。
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    No.3:
    (4pt)

    SFアイディアと壮大なスケールは健在!でした。

    ●時間移民:H・G・ウェルズの「タイムマシン」を嚆矢とする未来世界テーマのSF。人類の造り上げる未
    来は果たして、ユートピアかディストピアか?同テーマのSFは結構見受けられるので、ベテランのSFファ
    ンと新しいファンとでは、若干評価が分かれるかも。
    思索者:宇宙の時空の壮大さに比べ人間の寿命の短さ虚しさを覚えながらも、太陽のシンチレーションの
    意味を追い続ける二人。恒星のシンチレーションと脳内の情報伝達パルスとの類似性から、大いなる”彼”を
    想像する。
    夢の海、歓喜の歌、ミクロの果て、宇宙収縮・・・等:SF黄金時代のスケールの大きなテーマが秀逸。

     著者の卓越したところは、SFの最も大切なセンス・オブ・ワンダーを読み手の脳に直接映像として送り込
    む巧みさである。強烈なビジュアルイメージの筆力は他の追随を許さない。故野田昌宏・宇宙大元帥の言葉
    に「SFってなー絵だね!」がある(今の若いSFファンにはあまり知られていないだろうけれど)が、まさに
    劉老師のSFこそがSF黄金時代の高揚感を想起させる作品です。
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    No.2:
    (5pt)

    誤字

    64ページ
    誤「低温アーティストがなたびかせるその雲が」
    正「低温アーティストがたなびかせるその雲が」

    誤字ではないが7ページの「涕下(なみだくだ)る」の「る」が小さい
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