破れざる旗の下に



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    初公開日(参考)2024年11月
    分類

    長編小説

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    破れざる旗の下に

    2024年11月20日 破れざる旗の下に

    本年度エドガー賞最優秀長篇賞受賞作! 南北戦争下のアメリカを描くミステリ 南北戦争下のルイジアナ。戦場での過酷な体験に苛まれ、伯父の農園で無為な日々を送る外科医のウェイド。殺人容疑を掛けられ、ウェイドの助けを借りて農園から脱走した奴隷女性のハンナ。さまざまな運命に翻弄される彼らが、最後にたどり着いた真実とは――。(「BOOK」データベースより)




    書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

    破れざる旗の下にの総合評価:9.25/10点レビュー 4件。Cランク


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    サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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    全1件 1~1 1/1ページ
    No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
    (7pt)

    建国以前から今でも、アメリカは暴力と信仰とプライドの国だ

    アメリカを代表する大家(日本ではそれほどの評価ではないが)の2024年度エドガー賞最優秀長編賞受賞作。1863年、南北戦争下のルイジアナ州を舞台にさまざまな立場で戦争に巻き込まれた人々の愛憎と倫理、信念を描いた一大戦争ヒューマン・ドラマである。
    戦場で負傷し農園主である伯父の庇護下にあるウェイド、伯父が所有する奴隷ながら自立心堅固なハンナ、別の農園主殺害容疑でハンナを逮捕しようとするピエール巡査の三人の主要登場人物にピエールが心を寄せる解放奴隷のダーラ、北部から来た奴隷解放論者のフローレンス、ルイジアナに進駐してきた北軍のエンディコット大尉、脱走兵を組織して率いるヘイズ大佐などが絡んでくるストーリーは波乱万丈。単なる戦争の勝ち負けではなく、それぞれの信仰、愛、倫理、暴力がぶつかり合い、残酷であると同時に感動を呼ぶ。それにしてもつくづく、アメリカは暴力と信仰でスタートし、今もなお変わらない国なのだと痛感させられた。
    ミステリー要素は今ひとつだが歴史、戦争、人間ドラマとしては傑作。オススメです。

    iisan
    927253Y1
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    ※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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    No.3:
    (5pt)

    良い意味で予想を裏切る展開

    南北戦争ものミステリ小説として読み進め、推理を働かせようとすると肩透かしを喰らうかもしれないが私はこのストーリーに大満足だ。

    「南北戦争って奴隷制維持したい南軍が、北軍と戦って負けたんだよね」なんて知識しかない人こそ読むべき小説と思う。
    登場人物達の、繊細かつ大胆に揺れ動く心の様子がよく書かれている。面白かった、ラストまで味わい深い。
    破れざる旗の下にAmazon書評・レビュー:破れざる旗の下により
    4152103795
    No.2:
    (5pt)

    南北戦争の実相を描いて心に残る作品

    *ここの電子書籍で購入しました

    南北戦争中のアメリカで殺人の容疑を掛けられた奴隷の女性が逃走し・・・というお話。

    1人称多視点で、戦争中の各人物の思惑や行動が語られる構成になっておりまして、一応殺人もあるので推理小説ですが、個々の人からみた戦争の真実が語られる歴史小説風にも読めました。

    この頃は、南部で奴隷制を支持していたのが民主党で、奴隷制に反対していたのが、共和党だったそうで、今は民主党がリベラルで、共和党は保守のイメージがありますが、今とは違っていた世相だったとの事で、この辺の事実を知らないとイマイチ理解しずらい部分もありますし、ことにアメリカの政治史や歴史を知っていた方が理解しやすいとは思いますが、半可通の私みたいな者でも面白く読めました。

    この前の独立戦争(私の学生時代は、革命の性質が強いので、独立革命と習いましたが)で自治を獲得したものの、内戦状態になったのが、いまだにアメリカの人に遺恨を残しているのか、著者の方のあとがきでもそういう風に書いてあり、実際に戦争を体験していない人にも複雑な思いが交差する戦争だったらしいです(戦争などは、実際に参加していない、また生まれる前だった世代の方が思いが強い場合があるらしいので)。

    解説を書いて絶賛されている池上さんが、この人の最初のロビショー刑事のシリーズに手厳しい批評をしていた性かどうか知りませんが、翻訳は4冊くらいで終わって、個人的には好きだったので残念でしたが、本国では今でもシリーズが続いているそうなので、既読の物を読み直したり、この作品で新しくシリーズ物が翻訳再開されるきっかけになると嬉しいです。

    南北戦争の実相を描いて心に残る作品。是非ご一読を。
    破れざる旗の下にAmazon書評・レビュー:破れざる旗の下により
    4152103795
    No.1:
    (5pt)

    汚濁に塗れた”Bayou”の最中にあっても光り輝くもの

    久しぶりにジェイムズ・リー・バーク(懐かしや「刑事デイヴ・ロビショー・シリーズ」)の著作が翻訳されました。時代は、1863年。米国南部。南北戦争の終結が1865年ですから、その2年前にあたります。
     コルソン・ホワイトヘッドの「地下鉄道」を思いながら、一方スリラー視点からは2018/12月に読んだアッティカ・ロックの「ブルーバード、ブルーバード」を思い出したりしましたが、原題にある”Bayou”に頭が反応したに過ぎませんでした。
     本書の舞台は、ルイジアナ、ミシシッピ、流れ狂う”Bayou”。
     北軍優勢の南北戦争。北軍とテキサスに撤退する南軍、そこにゲリラ組織、レッドネックが蠢き、三つ巴の様相を呈する戦争。
     6人の主なる登場人物たち。傷痍軍人のウェイド、<レディ・オブ・ザ・レイク>農園の奴隷・ハンナ、北部出身の奴隷制廃止論者・フローレンス・ミルトン、南軍から任命された巡査・ピエール、<レディ・オブ・ザ・レイク>農園の解放奴隷・ダーラ、そしてレッドネックの首領・カールトン・ヘイズ大佐。
     章を追うごとに語り手が変わりながらミステリーの枠を超えて、作者は歴史の中の「南北戦争」の状況を再現しつつ、「戦争」そのものを、その「戦争」の細部を語り尽くそうとしています。そこには、<時代>や<原理>や<宗教>を超えたところにある本来あるべき人間の営みとそこから生み出される高貴な感情が汚濁に塗れた”Bayou”の最中にあっても光り輝いています。
     私は、ミステリーを超えてという表現を使いましたが、それでも尚本書はエンディングに於いて驚くべきミステリーとしての輝きを齎してくれます。実は、そのことについて多くを語りたい(笑)。まあ、やめておきましょう。「砂浜で打ち寄せる波の泡」(p.380)のような開放感は何物にも変え難い。傑作だと思います。
     誰かが誰かを傷つけてしまったかもしれない。そして、確かに誰かを傷つけてしまった。
     それぞれの登場人物たちの目的はいかに果たされるのか?たとえ凄惨な見せしめにされたとしても。
     誰もが子供だった頃の気持ちを覚えているのだろうか?これから先、いいことが本当に起こるのだろうか?
     そして、歴史的に一つの戦争が終結したとしても、また懲りずに「戦争」が始まる。
     □「破れざる旗の下に “Flags on the Bayou”」(ジェイムズ・リー・バーク 早川書房) 2024/11/24。
    破れざる旗の下にAmazon書評・レビュー:破れざる旗の下により
    4152103795



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