西遊記事変
評判
西遊記事変の評価:
5.00/5点 レビュー 4件。 C ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1〜4 1/1ページ
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西遊記事変の評価:
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その原題通り、主人公がなんと金星おじいちゃんで、彼の視点(主観)で西遊記という物語を追いかける形になってます。文章はたいへん読みやすく、しかも難解気味な固有名詞や単語にはフリガナどころか細かな注釈までいちいち載っていて、西遊記世界観の下敷き知識がぜんぜんなくても理解できるようになってます。
原典好きなわたしとしては、さすが本場大陸の方が書かれただけあって詳細描写がとにかくすばらしいし、諺とか漢詩がことあるごとにでてきたりするのも好きだし、この辺は文化の違い、やっぱこれは日本人に書けないだろうなと感じ入りました。
金星おじいちゃんは裏方からお役人仕事として上(天庭)から「三蔵法師の西天取経達成」のためのアレコレを采配します。具体的にはどこそこの山で妖怪3匹雇って台本渡しましたとか、どこそこの街でこんな劫難(乗り越えることによって徳があがる)を用意しましたとかそういうのです。
しかしこの三蔵法師の取経の旅。西天・霊鷲山からも同じ目的で監督・采配役として観音菩薩さまが派遣されており(文中では観音大士、原典西遊記の中でも明言されてるとおり、ここの観音さまは完全に「女性」です)、
実際に采配するにあたって金星おじいちゃんと観音さまが腹のさぐりあいしながらお互いの上司の思惑や立場も考慮しつつバチバチやりあうのです。
このふたりが、それぞれの上司やら部下やら同僚やらに挟まれめっちゃくちゃ中間管理職のつらたんな状況に陥りながらだんだん仲良しになるあたり、サラリーマン悲劇あるあるな感じで同情を禁じ得ないのですが、もっと過酷な運命を負っているのが「孫悟空」の存在です。
ネタバレはしたくないので細かい言及は避けますが、この「太白金星からみた裏方仕事の西遊記」は、一部の特定のキャラに関しては、否、下手をするとどのキャラもすべて、原典のイメージとは大分剥離するかもしれない、ということは言っておきます。もちろん、どんなイメージであっても、そもそもこれは「二次創作」だと割り切れるのであればものすごく楽しめると思います。
ぜひ最後まで読んで、さまざまな謎を解き終える結末をじわ~っと味わってほしいです。
ちなみに、わたしは「原典!の」孫悟空が最推しですが、この太白金星西遊記の孫悟空はある意味とてもしっくりきたので大変楽しめました。(推せるかというとちょっと微妙ですがこれもこれとして、愛すべき「孫悟空」のひとり、となりました)
ので、最初kindle版でざっと読んだのですがじっくりこまごま読み返したくて紙の本を買いなおしました。