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占星術殺人事件



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占星術殺人事件の評価: 7.72/10点 レビュー 47件。 Sランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.72pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全16件 1~16 1/1ページ
No.16:4人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

占星術殺人事件の感想

ATHOS。
不可解な章題から記される奇怪な手記。アゾート幻想に囚われた狂人の手記だ。

この文章から始まり、物語は探偵・御手洗潔の推理に移る。言及されることは少ないが、本書の面白さには御手洗の推理の豊富さと突飛さにあると思う。到底ありえないような推理を導き出し、それを正しいと疑わない御手洗の姿勢とキャラクターは、謎の不可解さに適合している。

問題となる謎、四十年間解明されることのなかった処女六人バラバラ殺人の謎の不可解さも魅力的である。誰かが、ミステリに必要なのは不可解な謎だと言った。まさに本書における謎は不可解。解明は不可能ではないかとすら思わせてしまう著者の手腕は相当のものだ。

御手洗のキャラクターが特筆されやすいが、忘れてはならぬのが助手・石岡の存在だ。彼は御手洗の推理に手を貸すなんて野暮なことはしない。探偵を置いて、彼自身が彼なりの推理を展開し、捜査を行う。よく考えればこれはなかなか斬新な試みだ。助手が助手のまま完結するのではなく、探偵であろうとする。これは石岡の西壁を如実に表している上に、物語における明らかな重要な要素だ。


ATHOS。アゾート。もしくはアゾースとも云う。
錬金術における賢者の石を示す言葉だ。全ての始まりを意味する「A」の文字の後ろに、ヘブライ語、ラテン語、ヘレネス語の最後の文字を加えた言葉。それがATHOS。
この言葉の成り立ちに符合するように、物語の序章と終章には奇妙な、そしておそらく恣意的な合致がある。アゾート幻想という一つの軸を取り巻くように展開する事件の存在。そしてメタフィジカル的な観点から見た時に感じる合致。著者・島田もなお、アゾート幻想に囚われていたのかもしれないと思わせる。

ATHOS。賢者の石。それは錬成における触媒。
著者のアゾート幻想は、それ自体を触媒として、感動と衝撃を錬成した。

驚くべき錬金術師だ。島田荘司。

waiter
1K80784I
No.15:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

占星術殺人事件の感想

ミステリ好きにもかかわらず本作をずっと読んだことないという恥をやっと雪げました。
某作品のネタバレを見てしまっていたのですが、最初の手記の読みにくさを越えれば非常に面白く、良く出来た作品でした。
ネタバレされたメインのトリック以外も興味深かったです。
また、確かに読者に対してあからさまな形で必要な情報は示されており、最後の種明かしでも様々な箇所で「確かに」と納得させられるあたり流石だと感じました。
「トリック知ってるし…」という方でも未読ならば非常におすすめです。

LN
XL1SRHRZ
No.14:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

占星術殺人事件の感想

昔読んだものを再読。
時代・場所を縦横無尽に駆け巡りながらも全体が破綻しないのは見事。
もう40年近くも前の作品なんだね・・

テルテル
9638XNHX
No.13:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

これをパクった作品より先に読みたかった……

まさに推理小説史上に残るトリックなんですが、悪名高き例のパクリ作品の方を先に読んでしまったので実質ネタバレ状態で読むことになりました。
最初から知らなければどれだけこの真相に驚けたのかなぁと残念でしょうがないです。

デビュー作で堂々と御手洗にホームズをこき下ろさせる島田氏はいい度胸してますね(笑)
しかし、その御手洗のキャラがホームズ的だったり、ホームズ以外の探偵に至ってはそもそも名前すら知らなかったり
ディスってるのかリスペクトしてるのかわからない、今で言う一種のツンデレなのでしょうか?

▼以下、ネタバレ感想

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マリオネットK
UIU36MHZ
No.12:
(9pt)
【ネタバレかも!?】 (17件の連絡あり)[]  ネタバレを表示する

島田荘司の原点でしょうか

切り貼りのトリックには驚かされた。極上のエンタテインメント。

わたろう
0BCEGGR4
No.11:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

何度読んでも初めて読んだ時の興奮が甦る

私がミステリー好きになることを決定付けた生涯ベストワン!!!!

江戸川乱歩、横溝正史、高木彬光、鮎川哲也などなど、日本の推理小説作家の作品からスタートしたが、この作品に出会ってからというもの、これを超える作品に出会いたいと切望し続ける日々を過ごしている。

しかし、未だ超える作品に出会えていない。

すばらしい作品です・・・

ドラえもんそっくり
7S16C9X0
No.10:7人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

私をミステリ好きにした傑作

私がミステリをここまで本格的に読むようになったのは、この島田荘司との出逢いがきっかけであった。つまり島田のミステリが私にミステリ読者の道へと導いた。だから私にとって島田の存在というのはかなり大きく、神として崇めているといっても過言ではない。一生追い続けると決めた作家、それが島田だ。

とはいっても本作が私にとって初めて触れる島田ミステリであったわけではなく、最初は『御手洗潔の挨拶』であった。その経緯については『~挨拶』の感想に譲るとして、本作はその次の島田作品だった。
実際私は『~挨拶』を楽しく読み、面白いからもっと貸してとその友人に頼んだところ、持ってきたのが本書。まず最初の印象は、題名に引いたというのが正直なところ。いまどき『○○殺人事件』というベタなタイトルと、古めかしいイラストが描かれた文庫表紙は、もし私が本屋でその本を見ても手を伸ばさない類いのものだったし、本屋でその友達に「この作品面白いよ。お勧め。買って読んでみて」と云われても決して買わない代物だった。ちなみにこの時借りた文庫の表紙は新たなイラストでノベルス版(書影がそれですね)が出版されたが、今現在でもそのままだったように思う。私が後に買った文庫版も同じ表紙だ。
ということで、その表紙とタイトルのせいもあり、実は借りるのには前向きにならなかったのだが『~挨拶』が面白かったので読んでみるかと軽い気持ちで手に取った。

本書を途中で断念した読者の中には冒頭のアゾートの話がかなり読みにくい文章だったという人がけっこういるらしい。しかし海外の古典を読んでいた私にとってはこのくらいの文章は全然大丈夫で、むしろ読みやすいくらいだった。前に挙げたブラウン神父シリーズと比べてみれば一目瞭然だろう。

さてこの6人の娘のそれぞれ美しい部位を繋げて至高の美女アゾートを作るというこの冒頭の怪しくも艶かしいエピソードはいきなり私の読書意欲を鷲掴みにし、ぞくぞくとした。昔乱歩の小説で読んだ淫靡さを感じたものだ。
その後、名探偵御手洗登場。この昭和11年に起き、その後何年間も解決できなかったという事件に御手洗が挑む。

で、この本を読んだ当初、この事件は実際にあった話だったのかというのが友達の間で話題になった。本を貸してくれたO君は実際にあったと云っていたがその真偽は今でも定かではない。その後の島田作品にはこういう虚実を混同させるような叙述があるので、私は創作だと思っている。というのもその後乱歩、海外古典を読んでいくと、本作のように「明敏なる読者諸氏ならばご存知であろう、あの世間を騒がし、国民を恐怖のどん底に陥れた忌まわしい事件」という件が続々と出てくる。さながら探偵小説ならびに推理小説の枕詞として当然付けなければならないコピーのようだ。

さてこのアゾート事件を捜査する御手洗は当初自信満々で、京都の人形師の許を訪れたりとかなり活発な動きを見せる。しかしやがて捜査は行き詰る。この辺の相棒石岡の絶望感をそそる語り口がいい。
そして真相に思い当たり快哉を挙げ、狂喜乱舞する御手洗にかなり笑ってしまった。
そして挿入された「読者への挑戦状」に戸惑ってしまった。なぜなら私はこのとき犯人までしか推理できていなかったのだ。
私は何故かトリックやロジックが解らなくても、なぜか犯人が解るということがよくある。本作もどうしてか解らないが犯人は多分こいつだろうと解った。読んでいる最中に貸してくれた友達が「犯人誰か解った?」と訊いた時に「多分○○だと思う」といった時に、感心したような顔をしていたのを今でも覚えている。まあ、軽い自慢話だが。

二度目の挑戦状でもまだ私は解らなかった。そして明かされるトリックの美事な事。私も思わず快哉を挙げた。これはすごいと本当に思った。
そしてその後も物語は全ての疑問を回収し、決着を付け、犯人の手記で閉じられる。哀感漂う物語の閉じ方はブラウン神父の純粋にロジックとトリックの素晴らしさから得られるカタルシスに加え、物語を読むことの醍醐味が心に刻まれる思いがした。
この作品で私は島田作品をもっと読みたいという衝動に駆られた。そして再び友達に次の島田作品を所望した。

もし本作を読んでいない方、もしくは途中で諦めた方は是非とも読んで欲しい。彼によって新本格は作られ、今の本格ミステリの隆盛の創世となったのが本作なのだから。

その方々に老婆心ながら注意点を云っておく。
まず無造作にパラパラと本書を捲ってはいけない。本書の肝であるトリックの図解が目に入ってしまうから。
そしてこれが一番重要なのだが、マンガ「金田一一の事件簿」は決して読んではいけない。なぜなら本書のトリックを丸ごとパクっているからだ。私はあの時大いに憤慨したものである。幸いにして本書を読むのが先だったが。
しかし私が島田氏を神と崇めるようになったのは本作ではない。それについてはまた別の機会に。

Tetchy
WHOKS60S
No.9:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

占星術殺人事件の感想

読み終わりました!
皆さん指摘されている通り、冒頭を読むのは一苦労でした。(「魍魎の匣」の中盤のうんちくに比べたらまだ読み進めやすかったですが)
御手洗の「電話帳~」の件が過ぎると一気にテンポアップ。島田荘司ワールドを堪能しました。

現在進行形の事件ではなく、発生して40年経過した迷宮入り事件を解決するというお話は最近あまりお目にかかって無く新鮮。
40年間、日本中が頭を悩ませても解けなかった謎を1週間で解決するため奔走する御手洗、石岡コンビには
読む側も燃えますね。
一つ一つの状況の解釈の仕方も2人の会話からいろんなパターンが挙げられており、なかなかにリアルで作者の力量に
感動すら覚えます。
丁寧なラストの犯人側からの説明でパズルのピースが全て埋まった瞬間、ミステリって素敵だな、と素直に思いました。

国内作家、海外作家を交互に読むようにしているのですが、浮気してもう1作品、御手洗シリーズを読みたいと思います。
それだけ魅力のある作品だったという事ですね(笑)



コタロウ
8YIL7DEH
No.8:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)
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占星術殺人事件の感想

やっと読み終えたって感じです。
読みづらいし冒頭は全然文章が頭に入ってこないです。
しかし、さすが島田作品。トリックは本当に素晴らしい。
そしてやっぱり御手洗は最高です!

ぺこりん12
M5MH63SF
No.7:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

占星術殺人事件の感想

トリック云々を抜きにしても、御手洗潔のキャラクターを含め面白い。
なんだかんだ言って、やはり名作。

師匠
ZKU30DY3
No.6:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

占星術殺人事件の感想

東西ミステリーベスト100(2012年版)3位。謎の提示と選択肢の絞り込み、二回の読者への挑戦状ののちに明かされる真相は壮観でした。壮大さと緻密さの合わさった傑作。

水生
89I2I7TQ
No.5:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

占星術殺人事件の感想

冒頭がものすごく読みずらい。冒頭を読むだけで何度か途中で投げ出すほどです。

ですが、冒頭を抜ければおもしろい。これであと金田一少年の事件簿の記憶がなければもっとよかった。

phantom
XG7WFVJT
No.4:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

占星術殺人事件の感想

新本格の生みの親、島田荘司の衝撃デビュー作!トリックは漫画で知っていましたが、それでも愉しめたのはやはりこの作者の力量だと思います!名探偵御手洗潔にもはまりました。

ジャム
RXFFIEA1
No.3:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

占星術殺人事件の感想

複雑に絡んだ3つの事件が一つのトリックによって紐解かれるあの感覚は忘れられません。
このトリックを考えた人が日本人ということを誇りに思うし、自分の中で一番の作品です。

ほっと
2XKXV6EI
No.2:7人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

占星術殺人事件の感想

いわゆる「新本格」と呼ばれる流れの草分け島田荘司氏のデビュー作にして、氏をもってしても「超えられない壁」と評する名作中の名作。
という事で手に取りました。 島田氏の作品で最初に読んだのがこの作品でした。
多くの方が言われていますが、私も、冒頭に配されている手記が何とも読みづらく途中挫折しそうになりました。
「名作」という前知識がなければ、その段階で投げ出していたかも知れません。

「奇跡の1行」で鮮烈なデビューを飾った綾辻氏に対し、その師である島田氏のデビュー作は、猟奇的でありながら緻密に計算された犯行トリックが秀逸な事は勿論のこと、御手洗、石岡のコンビもまさにホームズ、ワトソン、しかも本家に劣らないキャラ設定がされており魅力的、そしてそのワトソンが読者を大混乱させて、作品に奥行きを与えている。
いきなりの完成度の高い作品かと思います。
デビュー作の冒頭に、あんなリーダビリティの低い手記をもってこれるというのも凄いです。
別格。


▼以下、ネタバレ感想

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梁山泊
MTNH2G0O
No.1:
(9pt)
【ネタバレかも!?】 (3件の連絡あり)[]  ネタバレを表示する

占星術殺人事件の感想

最初にこの本を読んでいたら確実に「やられた」。しかし某マンガのせいでカッガリだ。予備知識なく読みたかった。

やられタスマニアデビル
XRZ79J4L

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