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あの夏が教えてくれた



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【この小説が収録されている参考書籍】
あの夏が教えてくれた (創元推理文庫)

あの夏が教えてくれたの評価: 7.00/10点 レビュー 1件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

安心して読める、味わい深い青春ミステリー

エスケンスの邦訳第4弾。ボーディ・サンデンが主役となる作品では2作目で、ボーディという人格が形成される高校生時代を描いた青春ミステリーである。
1976年、ミズーリ州の田舎町で母と二人で暮らす15歳の高校生のボーディ。通い始めた高校には馴染めず、親しい友達もなく、16歳になったらこの町から脱出するという夢だけが頼りという日々だった。ある日、上級生のジャーヴィスたちが学校で唯一の黒人生徒であるダイアナに嫌がらせをしようとしたのを阻止したことから、ボーディはジャーヴィスたちに目をつけられてしまった。ジャーヴィスたちの襲撃を何とか逃げ切って帰宅したボーディが信頼する隣人・ホークを訪ねると、そこに保安官がやって来た。二週間ほど前に失踪した黒人女性の捜査の一環で、かつてホークはその女性を雇っていたことがあるのだという。町を騒がせす事件にホークが関わっているのだろうか? さらに、近所に引っ越してきた黒人一家の少年・トーマスのことも気掛かりで、ボーディの日常はにわかに騒がしくなった…。
当たり前のように人種差別が横行する田舎町で育ちながら偏見を持たないボーディだったが、ホークやトーマスと関わることで、自らの内にある意識しない差別感情に気付かされる。さらに、外見からは窺えない人々の悩みや秘密を知り、のほほんとした少年から成熟した大人へと成長していく。ミステリーとしての構成は平凡だが、実に味わい深い成長物語として読み応えがある。
謎解きやサスペンスを求めず、正義の人の誕生物語として読むことをオススメする。

iisan
927253Y1

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