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警部ヴィスティング 疑念



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警部ヴィスティング 疑念

警部ヴィスティング 疑念の評価: 9.00/10点 レビュー 1件。 Aランク
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No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

ヴィスティングものでは現時点の最高傑作と言っていい

本国ノルウェーでは第17作まで刊行され、ドラマ化もされて大人気の「警部ヴィスティング」シリーズの邦訳第5弾。「カタリーナ・コード」に始まる未解決事件四部作の最終作である。
夏休みで暇を持て余していたヴィスティングのもとに差出人不明の封筒が届き、入っていた白い紙には「12-1569/99」とだけ書かれていた。意味することろは、コード12(ヴィスティングが所属する署の隣接署)の管内で99年に起きた事件の番号である。1999年7月に17歳の少女が強姦殺害され、元恋人の若者が逮捕され、禁錮17年の刑を言い渡された事件だった。被害者の体内から採取された精液のDNAが元恋人のものと一致しており、何の疑いもない、単純な事件に思われた。なのに、匿名の差出人は何を言いたいのか? 捜査担当者でもなかった自分に送りつけてきた意図は何か? 興味を引かれたヴィスティングは休暇中にも関わらず、古い捜査資料を取り寄せ、独自に調べ始めたのだが、追いかけるように二通目が届き、今度はヴィスティング自身が担当した事件の番号が書かれていた。こちらは2001年に17歳の少女が強姦殺害され、犯人は逮捕され、服役したという類似したケースだった。二つの事件の再捜査を進めようとしたヴィスティング、終わった事件をなんで今さら調べるのだと、周囲からは理解されなかったのだが、国家犯罪捜査局の未解決事件班の支援を受け、徐々に真相に迫っていった。
まさに北欧警察ミステリーの王道を行く犯人探しミステリーで、証拠と証言をベースに最新のIT技術の手助けも受けながら、地道に粘り強く謎を解きほぐしていくプロセスが真に迫っている。伏線を張り巡らせて読者を翻弄することはなく、派手なアクションや残虐シーンで驚かせることもなく、推理と捜査結果の捻りだけでハラハラ・ドキドキさせる。作者の警察官としての実体験をベースにしたという四部作の掉尾を飾るにふさわしい傑作エンターテイメントである。相変わらず、表紙イラストだけは残念だが。
四部作とは言え、各作品は独立しているので、本作だけを読んでも全く違和感はない。北欧ミステリーファンなら必読、とオススメする。

iisan
927253Y1

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