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名探偵のいけにえ: 人民教会殺人事件



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名探偵のいけにえ: 人民教会殺人事件

名探偵のいけにえ: 人民教会殺人事件の評価: 9.00/10点 レビュー 4件。 Sランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点9.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全2件 1~2 1/1ページ
No.2:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

名探偵のいけにえ: 人民教会殺人事件の感想

キャラクターが魅力的で面白かったです。ホワイダニット部分が個人的にとても好きです。
トリック自体はシンプルですが設定が非常に凝っており、ミステリとしての作りはとても上手いと思いました。

LN
XL1SRHRZ
No.1:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)
【ネタバレかも!?】 (1件の連絡あり)[]  ネタバレを表示する

名探偵のいけにえ: 人民教会殺人事件の感想

玄人向けの濃厚なミステリ。もの凄い作品でした。

タイトルが似ている『名探偵のはらわた』とは関連はなく、本書単体で楽しめます。
ライトな読者や登場人物名がカタカナの外人なので海外ものが苦手な方には合わないかもです。
物語よりも凝りに凝ったマニアックなミステリを読みたい方にオススメです。

1978年に実在したカルト宗教の人民寺院集団自殺事件をモチーフとした作品。
本書を読んだ後に実際にあった事件である事を知ったのですが、事件を知るほど本書の本格ミステリに落とし込んだ扱われ方が見事だと感じました。本作品を読む前にちょっとでも事件の概要を調べておくと作品の雰囲気や登場人物が把握しやすくなると思います。
時系列や毒や凶器、調査団、などなど実際に起きた事はそのまま扱い、ミステリを構築しているのに驚きました。

カルトの異常性を活用した特殊設定ミステリ。そして多重解決ものの組み合わせが見事。ここ数年ミステリで話題となる名探偵のテーマや、特殊設定の流行や、著者の異常な世界観が良い形で絡み合っていると感じました。

著者の作品はいくつか読んでおりますが、過去作で好みでなかった要素が払拭されています。例えば鬼畜系のグロ表現は単語表現だけで気持ち悪くないと感じる事が多かったのですが、今作はグロい単語は軽減されていても、不気味さ、異常さ、宗教の怪しさを感じられました。『少女を殺す100の方法』では100という数が商業的なPRで意味を感じなかったのですが、そういう数字的な事に意味をちゃんと持たせた内容があり、表現の描き方や意味の持たせ方が進化していました。個人的に著者の作品の中で一番良い作品。

正直な気持ちとして物語としての面白さは弱かったのですが、ミステリの技巧作品としては一品でした。カルトの異常性と多重解決の組み合わせが本当に見事で凄く練られたミステリを堪能しました。

egut
T4OQ1KM0

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