死体の汁を啜れ



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初公開日(参考)2021年08月
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長編小説

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死体の汁を啜れ (実業之日本社文庫)

2025年04月04日 死体の汁を啜れ (実業之日本社文庫)

この街では、 なぜか人がよく殺される。 ならず者たちが謎を追う!! ミステリ・ランキングを席巻する 鬼才が贈る、前代未聞の死体パズラー! 豚の頭をかぶった死体、 死体の腹の中の死体…… この街では、なぜか人がよく殺される。 殺人事件の発生率は南アフリカのケープタウンと同じくらい。 そんな牟黒市で見つかる一風変わった死体の謎を追うのは、 文字の読めないミステリ作家、深夜ラジオ好きのやくざ、 詐欺師まがいの女子高生、事件を隠蔽してばかりの刑事。(「BOOK」データベースより)




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死体の汁を啜れの総合評価:8.20/10点レビュー 10件。Cランク


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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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No.10:
(4pt)

グロとナンセンスとエンタメとロジカル。いつもの白井節で書かれる連作短編集。

いつもの白井節(グロとナンセンスとエンタメとロジカル)で書かれる連作短編集。ファンであれば十分に楽しめる内容だった。逆に言うと、合わない人には合わないと思うので、白井作品未読の人は「名探偵のはらわた」をまず読んでからアレルギー反応を確認されることをおススメする。
それにしても、この作品の装丁が作風と全く合っておらず、これについてはかなり残念。ライトノベルやジュブナイルっぽい装丁で手に取った読者がこの作品を好きになる可能性はかなり低いと思うのだが・・・。
死体の汁を啜れ (実業之日本社文庫)Amazon書評・レビュー:死体の汁を啜れ (実業之日本社文庫)より
4408559415
No.9:
(5pt)

グロテスクで奇抜なシチュエーションに負けない推理の力

全8編が収録されている短編集で、そのいずれもがグロテスクで奇怪な死体の謎を扱っている。

これでもかと繰り返されるその奇抜なシチュエーションに目を奪られがちだが、(推理小説的)合理性・必然性で謎を解決するスタイルで貫かれている様は紛れもなく本格ミステリ。

たしかにグロテスクでアンモラルな面は否定のしようがなく、眉をひそめる読者は少なからずいることは容易に想像できるけれども、翻ってみれば、そういった特徴は、戦前以来の日本探偵小説の伝統という側面もあるかと思う。

当時の読者だって、胸がざわつくような罪悪感を抱きつつ、そのアンモラルな読書体験を楽しんだに違いないのだ。
もっとも、いわゆる文学性においてもそれらの諸作は評価に値するというのが現代の認識であり、本作がそうした価値を有しているかというと、いささか疑問がないではないけれども。

とはいえ、本作は強烈なアンモラルに見落とされがちだけれど、登場人物に訪れる運命が因果応報に則っている一面もあり、意外と読後感は悪くなかった。

8編の内では、犯人当て小説として質が高くなおかつ捻りの利いた「折り畳まれた死体」と、死体の腹の中の死体という強烈な謎に物語性豊かな説得力ある解決を生み出した「死体の中の死体」が秀逸な出来で、総じて本格ミステリの面白さを堪能できました。
死体の汁を啜れ (実業之日本社文庫)Amazon書評・レビュー:死体の汁を啜れ (実業之日本社文庫)より
4408559415
No.8:
(5pt)

白井智之の短編集の中では1番

面白すぎ
死体の汁を啜れAmazon書評・レビュー:死体の汁を啜れより
4408537918
No.7:
(4pt)

善性が働いている珍しい白井作品

すごい、白井智之作品なのに子供が(あんまり)死んでない!善性が機能している!!

鬼畜特殊設定パズラーの異名をとるだけあり氏の作品では容赦なく女子供が死ぬ、なぶり殺される。もちろん男も惨たらしく死ぬ、語り手だって例外じゃない。倫理観ジェノサイドが通常運転である。

それに比べて本作はまだ良心的で後味爽やか、キャラクターも立っていて好感(?)が持てる。タイトル通り市内のあちこちに出る死体から甘い汁を啜る奴らの話。

主人公がくずなのは白井智之作品ではお決まりだが、本作では曲がったポリシーや憎めない間抜けっぷりが垣間見え、不快感や嫌悪感がちょうどいい塩梅に抑えられている。
生まれ故郷を愛するが故に地元ヤクザと癒着して事件ごと握り潰すエリート女刑事とか、方向性は激しく間違ってるけどね。

深夜ラジオマニアのヤクザや友人作家に騙され失読症に陥った推理作家、家庭の事情でバイトを強いられている女子高生や生まれ故郷の犯罪率を少しでも下げる為に犯罪を隠蔽する悪徳刑事など、金にガメツイ連中が大挙し、ロジカルにして珍妙奇天烈な推理合戦を繰り広げる様子が楽しい。登場人物のコミカルな掛け合いやテンポの良さも美点で、事件現場や死体のグロさのわりにサクサク読めて後を引かない。

何といっても子供が死なないのがいい。どうしちゃったの白井智之?凪ちゃん出てきた時マジで心臓に悪い思いしたぞ。逆に言えば『東京結合人間』『おやすみ人面瘡』『お前の彼女は二階で茹で死に』『エレファントヘッド』のような悪趣味ド直球のショッキングさはないので、白井智之の既存作品を熱愛する読者にはやや物足りないかも。

個人的にはこれ位マイルドになった方が一般受けするし勧めやすいので問題なし、読みやすさは『名探偵のはらわた』と同じ位なのではらわたが楽しめた人なら気に入るはず。ある人物が被害者になる最後の事件はちょっと驚いたものの、今までも主要人物が悲惨な目に遭うことはよくあったので「こうきたか」と。六割自業自得だけどね……酒は飲んでも飲まれるな。歩波が凪ちゃんの為にあそこまでしたのは、親に利用されてる自分の境遇とフラッシュバックしたからかな?と妄想を逞しくした。身内殺しを手伝わされた割にはドライに見えるが、貯金の使い道など何か思うところあるのかもしれない。

読み味は伊坂幸太郎の殺し屋シリーズや『陽気なギャングが地球を回す』、真藤順丈『夜の淵をひと廻り』に近い。余談だが牟黒市(むくろし)に鳴空山(なきがらやま)って、トチ狂ったネーミングセンス大好き。ラストは悲惨と言えば悲惨だが悲壮感はない、逆に吹っ切れた爽やかさ。彼が自死したのは将来を悲観したのに非ず、パーソナリティーの片方が消えてラジオ番組が打ち切りに追い込まれたからかな、と妄想するなどした。片耳の聴力が残ってるならラジオは聴けるし。3億円の半分を振り込むなんて気前がいいと感心したが、歩波あたりは「もったいないことした、やっぱ返して」とクレーム入れてきそうだ。一人退場してしまったのは残念なものの、同じキャラクターが出てくる続編も読んでみたい。白井智之作品の中では比較的映像化向き。というか内容が人を選びすぎて、映像化可能なのがこれと『名探偵のはらわた』しか思い当たらない。『エレファントヘッド』も見てみたいが内容的に難しいか……。

表紙も白井智之作品の中ではトップレベルに好き。歩波が手を繋いでるのは凪ちゃんだよね?ちゃんと読んでることが伝わってリスペクト感じる。正直他のイラスト表紙は「誰?」だったり解釈違いが多いので……。
死体の汁を啜れ (実業之日本社文庫)Amazon書評・レビュー:死体の汁を啜れ (実業之日本社文庫)より
4408559415
No.6:
(5pt)

この人の本質は…

ほぼ全作を読んでいるが、一言でいえば「鬼畜で猟奇な伊坂幸太郎」だと思う。
しかも、乱歩から現代に至る歴史的「本格」メカニクス全部盛り。美しい。
加えて本作では「さわやか」というあり得ない読後感まで実装した。恐るべし。
でも白井未経験者は、「名探偵のいけにえ」から読むことをおすすめします。
死体の汁を啜れAmazon書評・レビュー:死体の汁を啜れより
4408537918



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