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捜索者



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【この小説が収録されている参考書籍】
捜索者 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

捜索者の評価: 8.00/10点 レビュー 1件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

中年男の心のひだに分け入るヒューマン・ノワールと言うべきか

「ダブリン警察署殺人捜査課」シリーズで知られるアイルランド人作家の長編第8作で、アメリカ人の元警官を主人公にしたシリーズ外作品。アイルランドのゆったりした自然に囲まれながら、閉鎖的な村に存在する闇と戦わざるを得なくなる巻き込まれ型ミステリーである。
40代半ばにも関わらず行き詰まった人生をやり直すためにシカゴ警察を辞め、アイルランドの片田舎に廃屋を買って移住したカルは家の修繕と田舎暮らしを楽しんでいた。ある日、誰かに監視されていることに気付いたカルが見つけた監視者は10代前半の地元の子供だった。監視するのではなく一緒にやろうと改修作業に誘い、打ち解けるとその子・トレイは失踪した19歳の兄ブレンダンの行方を探してくれと頼み込んできた。田舎暮らしに愛想をつかして都会に出たのだろうと思い、カルはトレイの依頼を断るのだが、執拗に依頼され、さらにトレイの悲惨な環境を知り、何も期待するなと釘を刺してからブレンダンの行方を探る始める。ブレンダンの関係者に話を聞いて回ると、誰もが家出したのだろうと言う。しかし、カルがブレンダンの行方を探していることが村人に知れると、陰に陽に警告を受けるようになった…。
物語の主軸はアイルランドの片田舎に強固に存在する排他的で変化を恐れる闇の掟であり、そこに中年の危機に陥ったアメリカ人男の心の挫折と地元の子供とのぎこちない交流の変化が重ねられ、なかなか奥行きが深いヒューマン・ドラマである。単なる子供の成長物語ではないところが魅力と言える。
ノン・シリーズ作品なので、本作だけで十分の楽しめる。人間を見つめるミステリーがお好きな方にオススメする。

iisan
927253Y1

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