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火喰鳥を、喰う



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【この小説が収録されている参考書籍】
火喰鳥を、喰う
火喰鳥を、喰う (角川ホラー文庫)

火喰鳥を、喰うの評価: 4.50/10点 レビュー 2件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.50pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全2件 1~2 1/1ページ
No.2:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(4pt)

火喰鳥を、喰うの感想

最近映画化されたこともあり、書店でよく見かけるようになった一冊。『第40回横溝正史ミステリ&ホラー大賞』の受賞作ということで手に取りました。
少し背景をお話しすると、第39回から賞名に「ホラー」が加わり、『横溝正史ミステリ大賞』は『横溝正史ミステリ&ホラー大賞』へと改称されました。しかし初年度は「受賞作なし」。本作『火喰鳥を、喰う』は、名称変更後はじめての受賞作です。
そのため「ミステリなのか?ホラーなのか?」という点が大きな注目を集めた作品でした。

読んでみると、その境界は確かに曖昧で、良い意味でジャンルの掴みどころがない物語です。どちらとも言い切れない不穏な雰囲気と、予想外の方向へ進む展開には驚かされました。この「先の見えなさ」は見事だと思います。
一方で、個人的には非常に読みづらい文章で、内容も把握しづらい印象でした。今どうなっているのか、理解が追いつかないまま読み進める読書体験でした。結末の意外性は評価したいものの、ついていけないまま終わってしまい、「そういう結末にするのか」としか思えなかったのが正直なところです。

後味の悪さもホラーとしては正解かもしれませんが、私とは相性が合わなかった作品でした。

egut
T4OQ1KM0
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(5pt)

ヒクイドリヲ クウ ビミ ナリ


 信州で暮らす久喜家に起きる二つの異変。一つ目は先代の墓が何者かによって傷付けられていたこと。二つ目は戦時中に書かれた大伯父の日記が突然届けられたこと。日記に込められた生への執着、密林で見かけた火喰鳥に関する謎の記述。故人の遺志が現実を侵食し始めた・・・。

 なぜか統合された横溝正史ミステリ&ホラー大賞の令和2年大賞作。話の引き込みはものすごく良かった。日記に書かれたヒクイドリを巡る記述から、やがて現実にヒクイドリの影が見えてくる恐ろしさは素晴らしい。一方でミステリー要素はや薄めで謎解きらしい謎解きはあまりない。明らかに異質な存在に対して巻き込まれ抵抗していく主人公たちを描くパニックSFの要素の方が強く感じられた。
 勿論終盤でこの物語に仕掛けられた裏の様相が提示はされるのだが、中々飲み込みにくい内容だった。ヒクイドリというモチーフの不気味さが最高だっただけに残念。

りーり
9EDFH0HC

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