■スポンサードリンク


封印再度



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
封印再度 (講談社ノベルス)
封印再度―WHO INSIDE (講談社文庫)

封印再度の評価: 6.38/10点 レビュー 8件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.38pt

■スポンサードリンク


サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全5件 1~5 1/1ページ
No.5:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

物語は普通。題名は秀逸

S&Mシリーズ5作目の本書ではまたもや密室殺人と1つのパズルが謎として提示される。密室殺人は過去と現代に起きた全く同じシチュエーション。

過去の密室は昭和24年に起きた蔵の中で死んだ仏画家の死。明らかに自殺と思われたが狂気が見つからなかったという物。

もう1つの密室は密室状態から消えた仏画家が近くの橋の下で遺体となって発見されるという物。密室状態から開け放たれた部屋では大量の血痕が発見されていた。しかも凶器は昔の事件と同じく凶器は見つからなかった。
なぜ蔵は閉じられていたのか?
なぜ被害者は河原で見つかったのか?

その2つの密室に共通するのは「無我の匣」という鍵の掛かった箱と「天地の瓢」という入口よりも大きな鍵の入った壺。1つのパズルとは、どうやってこの壺に鍵を入れたのかという謎だ。

これらの謎の解答はなかなかに興味深い内容だった。

しかし壺の中の鍵のトリックはそれで論理的に合っているとはいえ、実現の可能性としてはこれまた首を傾げざるを得ない。

しかしながらやはりこの西之園萌絵というキャラクターがどうしても好きになれない。
叔父が愛知県警の刑事本部長と云う地位を利用して他人の殺人事件に土足でずかずかと入り込んでくる無神経さがどうも気に入らない。いや押しなべてミステリに登場する探偵とはそのような物だが、西之園萌絵の場合は本部長の叔父が快く思っていないのにこそこそと事件に関わってくること、自分の容姿が他人の目を惹くことを知っているため、それを利用して事件に介入すること。

これが相性と云う物なのか。

シリーズを追うごとに作品のページ数は増えていくが、それが謎の複雑さに起因しているかと云えばそうではない。
その内容は探偵役である犀川が事件の解決に積極的でないため、西之園萌絵の試行錯誤に付き合わされているだけなのだ。
そのため事件が発生してから季節は移ろい、大学はセンター試験や研究室選びなどの行事を迎える。さらには犀川と萌絵の妙なラヴコメも挿まれていたりと何とも間延びした感は否めない。ファンならばこの辺の2人の間の進展は物語のアクセントとして愉しめるのかもしれないが、上に書いたようにどうにも相性が合わない当方にとっては苦痛以外何物でもない。

シリーズも5作目になって萌絵が不治の病に罹っており、それが契機で犀川が萌絵との結婚を決意するなど、シリーズのターニング・ポイントとなる物語かと思われたが、それは単なる世間知らずのお嬢様の悪意ある悪戯だったという脱力感溢れる物だったり、謎とトリックの真相が実に魅力的なのに、被害者の動機が非常に曖昧だったりと失望が禁じ得ない作品であった。

しかし本書の題名は実に優れている。邦題の『封印再度』は過去に起きた密室事件が現代に起こる意味と壺の中から取り出された鍵とそれによって開けられた箱は再び封印されたという二重の意味があり、更には英題の“Who Inside”は橋の下で死体となって発見された林水の部屋に、ではいったい誰がいたのかと謎の核心をついている。
同じ発音をしながら意味は違えどどちらも物語の本質をついているまさに見事な題名。言葉の魔術師だなぁ、森博嗣は。


▼以下、ネタバレ感想

※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[]ログインはこちら

Tetchy
WHOKS60S
No.4:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

封印再度の感想

S&Mシリーズ5作目。人ではなく現場にあった物体によるミッシングリンクというのが面白かった。

水生
89I2I7TQ
No.3:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

封印再度の感想

シリーズ前作までは理詰めで謎に迫っていたイメージだけに、今作は曖昧で抽象的な表現が印象に残る作品になっています。
そこが良いと言う人もいれば、作品の魅力が損なわれたと捉える人もいそう。
今作の核となる壺と箱のトリックはこの人ならではと唸らせる出来。

ちんちろりん
NLFRSLFL
No.2:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

封印再度の感想

ノベルス版で京極夏彦が絶賛したように、今までの森ミステリィにない文系のイメージ漂う野心作!壺と箱のトリックも衝撃的!

ジャム
RXFFIEA1
No.1:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

S&Mシリーズの第5作目

S&Mシリーズの中ではこのタイトルが何故か一番気に入っている。Wikiによると、当初『封印再度』までの5連作を予定していたらしい。そのせいかは分からないが、2人の恋愛的要素が他の本に比べて強く感じる。トリックもなかなか面白かった。

izutti
N05IGXOE

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!