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警部ヴィスティング カタリーナ・コード



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【この小説が収録されている参考書籍】
警部ヴィスティング カタリーナ・コード (小学館文庫)

警部ヴィスティング カタリーナ・コードの評価: 7.67/10点 レビュー 3件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.67pt

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No.1:
(8pt)

重要容疑者の心の中を覗く使命に悩むヴィゥティング警部

ノルウェーで大人気の「ヴィスティング警部」シリーズの第12作、邦訳では2冊目となる作品である。本作も、邦訳第一弾「猟犬」と同様に過去の事件を巡って、ヴィスティングを中心とする警察チームが緻密な捜査で真相を暴いて行く北欧ミステリーらしい作品である。
24年前の10月10日に行方不明になったカタリーナ・ハウゲンの事件は、いつまでもヴィスティングの心をとらえており、毎年、10月10日にはカタリーナの夫・マッティンを訪れ、様々に語り合うのが恒例になっていた。ところが今年、マッティンは留守で、しかも職場を休み、所在が確認できない状態だった。その翌日、ヴィスティングの勤務する警察署に来訪した国家犯罪捜査局の捜査官・スティレルが、カタリーナの一件の2年前に起き、ノルウェー社会を揺るがせた少女誘拐事件にマッティンが関与している疑いがあるという衝撃のニュースをもたらせた。さらに、スティレルはマッティンと親しいヴィスティングに、マッティンと交流することで証拠をつかむように依頼した。本来の目的を隠し、ヴィスティングはマッティンにさらに接近し、一緒に山小屋に行くことに成功する・・・。
二つの古い未解決事件が思いもよらない理由でつながり、一挙に解決するというのはありがちなパターンだが、本作はそれぞれの事件の解明プロセスがしっかりしているので、無理なく納得できる。さらに、ヴィスティングとマッティンの関係、ヴィスティングとスティレルの関係が極めて丁寧に描かれており、人間観察力に優れた作品となっている。また、前作同様、娘・リーネがジャーナリストとして関わり、重要な役割りを果たしているのも、物語を深みがあるものにしている。派手さは無いが、どんでん返しというか思いもよらぬ展開もあり、サスペンス・ミステリーとしての完成度も高い。
邦訳第一冊「猟犬」は早川、本作は小学館と分かれたため翻訳者も変わっているが、シリーズとしての違和感は感じない。ひとつ気になったのが表紙イラスト。どこかで見たと思ったら「犯罪心理捜査官セバスチャン」と同じイラストレーターだった。同じジャンルの別作家と同じイラストを使うのって、どうなんだろう?
シリーズ物だが「猟犬」が第8作、本作が第12作であり、あえて順番に読まなくても十分に楽しめる。北欧ミステリーファンには自信を持ってオススメする。

iisan
927253Y1

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